ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドストエフスキー版ラブコメと勝手に解釈。
こんなポップなのも書くんだと意外な一面を見た感じ。
まぁポップとは言っても後の大作群と比べてだが。
一見、はたから見ると呆れると言うか、現代で繰り広げられたら
勝手にやってくれといったナターシャとアリョーシャの恋だが、
ところがどっこい、これはただの味付けであって悲劇はその奥にある。
大まかな流れ、作品を支えているのはもちろん二人の恋物語。
しかしそこには、イフメーネフとワルコフスキー公爵の長年にわたる因縁。
そしてワーニャが出逢うスミス老人の孫娘ネリーが物語の鍵を握る。
虐げられた人々とはうまく言ったもので、
ここでいう虐げられた人々と言うのは
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Posted by ブクログ
いわゆる、ドストエフスキーの五大長編と呼ばれている小説の中で、
僕が読む一番最後の作品がこの『悪霊』でした。
最初に『罪と罰』を読んで、つづいて『白痴』、『未成年』、『カラマーゾフの兄弟』と
読んでいったのでした。
けっこう、読んだ作品の間の期間が長いのですが、
読むたびに深く作品に入り込めていけているような気がしています。
『罪と罰』よりも『白痴』のほうが作品の理解度が高くなった、というような気がする。
それだけ、ドストエフスキーになれてくるのでしょうね、そのうち何年かして再読したら
もっとよく読めそうな気もします。
こんなことを書いていると、読んだことのない人は、きっと難解なのだろうと
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Posted by ブクログ
ドストエフスキーの寿命が長ければ、この作品の続編があったという構想が遺されていたようです。悲惨な物語でなければ読みたかったですね。アリョーシャみたいな人はあなたの知り合いにいませんか?
ついに、この大作を読みました。
芥川賞作家の金原ひとみさんが、上巻を読むのに4ヶ月かかったとか
中巻の帯に書かれていました。最初はつまらない、と。
でも、僕は読んでみて、そんなことはなく、初めから面白く読めました。
これからどう物語が展開するんだ?という興味をひかれるんですよね。
俳優のきたろうさんの息子さんはこれを読むのに半年かかったとか
『ほぼ日』で読みましたが、僕みたいな「今、自由人」にさえ、
読むのに -
Posted by ブクログ
登場人物の精神状況があまりにおおげさじゃないかなんて感じたりもしたんです。一つ一つの行動に根ざす感情が誇張されているような気がする。それは、冷静な日本人だからそう思うのかもしれません。この時代、決闘なんかもあったロシア人にとっては、そういう心の揺れとか激情というものはありきたりのものだからこそ、こういう小説が生まれたんだともとれます。
ロシア文学初挑戦。
ドストエフスキーなんて名前とイメージから、
けっこう堅めの文学なのかなぁと予想して読んでみたのですが、
これがそんなこともなく、読ませられる小説で、面白く一気に読んでしまいました。
名作なんていわれると、真面目くさっていて、倫理観とかをおし -
Posted by ブクログ
ドストエフスキーが投獄されていた時のことを参考にして書いたほぼノンフィクション。
かなり時間をかけて読んでしまったので名前が全く覚えられなかったですw反省。
彼は刑務所をプラスの面、マイナスの面両方から見てるんですね。抑圧されて荒れてしまったことから、風呂や病院の不潔さ、貴族に対する態度、これはマイナスの面、プラスの面は囚人たちの団結力とか、演劇の感性度とか。それからムショ内の商売、取引。
彼は病院に入院してこれを書いていたらしいですが、それにしてもすごいなって思います。立派な記憶力、観察力を持っていて、だからこそあんな長大な小説が書けたのでしょうね。 -
Posted by ブクログ
世の中には偉大なる失敗作という作品がごく稀に存在しているのだけど、この悪霊は個人的にそんな偉大な失敗作に連なる作品という風に受け取った。
勝手な推測になるが伝えきれなかった主張が相当あるのではないかと思う。
ドストエフスキー長編の特徴として人間関係が複雑さが挙げられるのだが、この悪霊は中でも複雑。
とにかく登場人物が多く、相関関係もつかみ切ることは難しかった。
そのせいか描写しきれていなようにも感じだ。
それでいて相変わらず行動原理がやや突飛(それをロシア的と無理に解釈することにはしているのだが・・・)。
確かにスタヴローギンはドストエフスキー文学において最も魅力的な男性であることは認めるが、