ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
暗闇から響くひねくれた叫び!!
人間の滑稽さと愛おしさを覗く独白劇
光の届かない地下室で
ひとり静かに紡がれる あがきと偏愛の独白
プライドと自虐の狭間で揺れ動き
理屈を捏ねては 自ら泥沼にハマっていく…
あまりにも屈折していて…滑稽で…
けれど恐ろしいほどに人間臭いその言葉たち…
「わかるかもしれない」と引き込まれ
「そこまで言うか」と呆れ…笑
そして気づけば…彼の妄執の虜になっていた!笑
歪んだ心のひだを これでもかと覗き込む快感…
独白という形式だからこそ味わえる
人間の醜さと美しさが
背中合わせになった極上のドラマだった
暗闇のなかで吐き出されるその声は
時を超えて 私たちの心の奥底にも
潜む「地下室」をニヤリと
照らし出してくれました -
Posted by ブクログ
初めてロシア文学を読んだ。最初に感じたのは「とにかく読みづらい」という戸惑いだった。名前が長く、人によって呼び方が違い、「今、誰の話だろう?」と何度も迷宮に迷い込んだ。さらに、一人語りが異常に長い。まるで永遠に独白を聞かされているような感覚に陥った。
しかし、上巻を終える頃には、ようやくこの作品と少し親密になれた気がした。呼び名の法則が見えてきて、長い独白も「クセ」になってきたからだ。
この作品の魅力は、表面的な物語ではなく、深層心理の奥深くまで入り込んで描かれた人間描写にある。あまりにも細かく心理が描かれるため、世界がリアルでありながら、どこか非常識に感じられた。登場人物のほとんどが「異常者」のように思えた。だが、それがリアルなのだと思う。心の声をすべて吐き出す世界は、現実にはあり得ない異常な世界だからだ。
この物語は「本当の愛」を表現しようとした作品だと感じた。ラスコーリニコフは「非凡な人間は、法を犯し殺人を犯しても、その偉大な功績によって許される」という思想に囚われ、行動する。しかし、自分が「凡人」であると気づいた瞬間、思想的な破綻が起き、心は闇に沈んだ。その闇から彼を救い出したのは、愛の力だった。流刑という状況にあっても、愛を知ったラスコーリニコフは、かつてない自由と幸福を感じたのである 。
併読していたユヴァル・ノア・ハラリの『21 レッスン』を通じて、ある畏怖を抱いた。今日、ラスコーリニコフの「超人思想」は、現実になるのではないかという恐怖だ。AI の進化により、一部のエリート富裕層は、富だけでなく、生命力・身体機能・認知機能をアップグレードし、真の「超人」になっていく可能性がある。AI は人間の能力を圧倒的に上回り、仕事を奪う。多くの人が存在意義を失う世界で、「超人思想」は現実のものとなるのではないか。その恐怖を覚えた 。 -
Posted by ブクログ
思想と信仰の物語。
信仰と愛によって、救われたような結末を迎えます。
ドストエフスキーは信仰心が強い作家なのだろうなと感じました。
主人公のラスコーリニコフは誇大妄想を抱いているのに、罪を犯した後はあまりにも挙動不審でした。その挙動不審ぶりは、まるで喜劇のようでした。
差別的で気持ち悪い性癖を持ったスヴィドリガイロフは、自ら命を絶つという形で報いを受け、一方でラスコーリニコフは正直さと過去の善行によって罪が軽くなりました。人間の葛藤をしっかり描きながらも、最後は読者が安心できる方向へ着地させる。そのバランスこそが、人気文学たる所以なのかもしれません。
『罪と罰』は文学として面白いので評価されていることには納得なのですが、私の名著への期待が大きすぎたこと、ラスコーリニコフを冷めた目で見てしまったこと、共感できる登場人物が出てこないこと、グッとくるシーンがなかったこと、テーマ(殺人、貧困、売春、自殺、宗教、罪、死など)が重すぎて全体的に極限状態であること、ラストの展開が優しすぎたとこで、あまり私の好みではなく、評価が辛目です。