ドストエフスキーのレビュー一覧
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著者自身が南ドイツのヴィースバーデンに滞在していた頃の経験を元に、ロシア人特有の気質ゆえにルーレットで身を滅ぼしていく人々を描いた一冊。
序盤で出てくる、誠実な勤労によるドイツ式蓄財法とロシア式の無謀な博打の対比が良い。
ドストエフスキー『賭博者』の中で一番の名文だと感じた箇所をまるごと引用↓
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「しかし、僕の考えだと、ルーレットというのはもっぱらロシア人のために作られたものですよ」とわたしは言い、わたしのこの感想にフランス人が蔑むような薄笑いをうかべたので、そりゃもちろんわたしの言うことが正しい、なぜならロシア人が博打好きだとわたしが言うのは、ロシア人を賞めると言うより、むしろけなし -
Posted by ブクログ
僕が初めて『地下室の手記』に触れたのはこのヴァージョンでした。内容については亀山郁夫教授が訳したヴァージョンでさんざやったのであまり触れませんが、ここではエッセイ風に書いていることをご了承下さい。
僕が初めてドストエフスキーの『地下室の手記』をすべて読んだのがこのヴァージョンで、記録によると2009年のころになるそうです。内容や解説については先日書いた亀山訳のほうでやってしまったので、こちらではそのかかわりとをつれづれに書いていこうかなと、そんなことを考えております。
そもそも、この存在を知ったのは中学生のとき読んだ太宰治の『人間失格』の末尾に収録されている解説で、引き合いに出されて -
Posted by ブクログ
ネタバレキリスト教的世界観の抱える問題をどう突き詰めるか。
それを表現するにあたって、
『悪霊』はうってつけの舞台である。
ドストエフスキーは本作において、
記憶するのが容易でない数の人物を登場させ、
かの世界を、政治的文脈を交えた隘路を超克しうるものとして提示する。
ここに脈絡づけられるものとして、
本作に据えられたプーシキンの詩とルカ福音書のエピグラフは
あまりにも象徴的である。
《悪霊》には少なくとも三つの意味を見出すことができる。
西欧から入り込んできた無神論という思想。
無政府主義実現のため、活動組織をオルガナイズすべく暗躍するピョートル。
そして、ニヒリストであり退廃的なスタヴローギ -
Posted by ブクログ
本作品の核となる「チーホンのもとでーースタヴローギンの告白」が80年近くも封印されていたことに驚き、そして今読めることに感謝する。これを読んではじめてスタヴローギンの人となりが分かって面白くなった。登場人物は多いし関係も複雑だし背景知識も乏しい中で、これだけ引き込まれるのにはドストエフスキーの筆力を感じざるを得ない。ほんとキャラクターが際立っていて、会話の場面がすごく面白いです。もースタヴローギンとピョートルの緊張感ある関係がたまらないのだけどどうしよう。
『悪霊』の意味、『悪霊』に憑かれていく人々の末路、壮大な物語のからくりが気になって気になって仕方ないこのテンションのまま次巻いきたい!