ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
■死の家で生きる。99%の苦痛と1%の楽しみ。■
19世紀ロシアの流刑地シベリアでの監獄生活の実態が生々しく描かれる。21世紀の平和な日本に住む僕らには想像もつかない世界が繰り広げられる。
登場人物がやたらと多いが、本書を通して継続したストーリーや明確な起承転結のようなものがあるわけではなく、章ごとにある程度独立した小話がオムニバス的に進行するため、あまり問題にはならない。
タイトルから廃人のような暗い無気力な人間ばかり登場するのかと勝手に想像していたが、そんなに悲壮ではない。囚人・看守含め、とにかく癖が強すぎる個性的なキャラが次々に登場する。まるで動物園だ。そんな奴らが一つ屋根の下(塀の中)で繰り広げるドタバタ劇の中に人間らしい喜怒哀楽がぎゅっと詰まっている。
また、酒、賄賂、たばこ、賭博に女、はては脱獄まで、様々なエピソードからどんな状況下におかれても、精神的な自由を求める人間としての本能が浮き彫りになっていると感じる。
個人的に印象に残ったのは入浴シーンの描写だろうか。その映像がお風呂大好き日本人としては耐えがたく、鼻をつまみたくなる。
この浴場にしずかちゃんが入ったら気絶するに違いない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレかなりモヤモヤ感のあるラストでしたが、まああれはあれで四人にとってベストな結末だったのでは無かろうかと^^;。あと、ムダに長すぎる会話文も、あれはあれで、善と悪に分かれがちな各登場人物それぞれの多様な一面であったり心情であったりが読み取れて面白かったかな~☆…全ての作家があの方式を採用されるとちょっと困るけど(笑)。
<以下、ネタバレ有り>
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以下、主要な登場人物4人に対する僕のざっくりとした感想。
●ムイシキン公爵
=八方美人は嫌いです^^;。相手の事を思ってわざと冷たくするのが本当の愛じゃないのかな~。
●ロゴージン
=あれを一途とか言ってたらストーカーが大喜びするだけだと思う^^;。結局彼は自分の事しか考えてないし、それを愛とは呼ばないと思う。てか、そもそもまずなぜナスターシャを好きになったのかの理由がさっぱり分からない。ただの独りよがりな執着では??
●ナスターシャ
=この子、絶対にホントは良い子だと思うな~♪おかしな行動を取っているように見えるけど実は常に一貫していて、ムイシキンの事が大好きなんだけど、大好きだからこそムイシキンは自分を愛していない事が分かっちゃって、根っからの自意識の低さであったりロゴージンの異常性などもあったりして何度も身を引こうとする。でも、最後の最後でやっぱり自分の気持ちを裏切ることが出来ない苦悩と戦っていたんだなと思う。ムイシキンが心の底から彼女を愛していたら絶対に二人は幸せになってたと思うな~。
●アグラーヤ
=ハンパ無いツンデレ感は嫌いじゃないけど(笑)、この子もやっぱり自分の事しか考えてないからあんま好きにはなれないかな~。 -
Posted by ブクログ
期待よりもずっと面白かった。女房殺しの男の手記で始まりながら、途中で構成が変わっているのもいい。他を削り取って監獄生活に絞り込んだ写実的な描写は最後まで飽きさせず、巨匠の作品の中ではもっとも読み易いと思う。
読んでいて連想したのは漱石の『坑夫』だが、漱石の転機がその作品であったように、この作品がドストエフスキーの転機なんだなと感じた。創作から一歩離れて、人間を描き記述していくことで見えてくるものもあるのかなと思う。
読書や創作、社会生活と隔離された流刑地での4年半がドストエフスキーにとって無駄ではなかったどころか、深い内省、稀有な経験、特異な出会いと人間観察が後の世界的文豪を創ったのだと認識できた。
過酷な環境の中でも芝居のエピソードはとても楽しく、動物たちとの触れ合い(特にヤギ)も印象に残る。