宇佐美まことのレビュー一覧

  • 少女たちは夜歩く

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    読み始めたら止まらなくなった。
    次々と繋がっている連作短編集。先がきになり一気に読んでしまいました。
    最後まで読んでまた、再読しくなり細かい繋がりを確認したくなりました。

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    2022年04月27日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    話も登場人物も暗くて暗くて…陰気で…

    最後、全てが繋がるのは気持ち良かったけど
    結局、悪人たちは長生きして納得できない。

    確かに辛く苦しい生い立ちだったけど
    やっていいこと悪いことの判断ができずにずっと言い訳や人のせいばかりしていて
    私は二人の主人公に感情移入は出来なかった。

    だけど、航空機事故はずっとクローズアップされるのに炭鉱事故はみんなが忘れ去っていて
    それに対する憤りはわかるような気がした。

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    2022年03月23日
  • 少女たちは夜歩く

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    宇佐美まこと3冊め。
    短編って、あんまり好きじゃないんだよな~と読み始めたら、かなりがっつりな連作でした。
    少しだけリンクじゃなくて、けっこうリンクしてて、時代もバラバラだったり、読んでいて面白かった。
    ちょっとホラーでファンタジー入ってます。

    よく分からない話もいくつか。
    絵画修復士の話とか・・・、気持ち悪さは一番。
    若者と赤ちゃんの話とか・・・、話は、好きだけど。

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    2022年02月19日
  • 少女たちは夜歩く

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    ネタバレ

    この作品は、322ページなんですが、私は読むのに足掛け三日かかってしまったのですが、これから読まれる方にはなるべく短期間で読まれることをお勧めします。

    8作の連作短編集で、すべての物語が最後に繋がっていたとわかるのですが、時系列が難しく、誰と誰とがどういう関係だったとかも私は途中でかなりわからなくなってしまいました。

    物語の場所は四国の松山の城山を中心にしたところで、ジャンルとしてはホラーミステリーです。
    そこで、8つの不思議な物語が語られます。


    以下完全ネタバレです。お気をつけください。



    一番印象的だったのはいなくなった、アメリカン・ショートヘアが城山に住みつき、妖獣となり人を

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    2022年02月04日
  • 死はすぐそこの影の中

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    初読みの作家さん♪
    ホラーっぽくて、怖いのは嫌だなぁと思いつつ、読み進めてみると、しっかりとしたミステリーで、よかった!
    2度読みすると、なるほどなぁと腑に落ちた。
    他も読んでみたい。

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    2021年10月25日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクション第二弾。全部読んだことがあるので再読かな。しかし何度読もうと、どれもこれも文句なしの名作です。
    何度読んでも恐ろしいのは坂東眞砂子「正月女」です。どこからどこまで全部怖い。柱時計の音が怖い。登場する人たちもみんな怖い。可哀想に思えるヒロインのキャラも、実はなかなかの恐ろしさなんですよね……。
    久しぶりに読んだ服部まゆみ「雛」も、再読でさらに恐ろしくなったかも。そしてラスト、小林泰三「人獣細工」で締めるとは!

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    2021年10月16日
  • 羊は安らかに草を食み

    「羊は安らかに草を食み」は
    バッハ作曲の
    統治者が優れている地では
    安息と平和が訪れる
    という歌だと知った

    そのタイトルが意味するところを
    読了後に実感する

    宇佐美まことさんは初読みの作家さんでした。なのに没頭して読み、感極まって泣きました。
    宇佐美さんの作品をもっと読みたい、
    出会えて良かったと思える作家さんに
    なりそうです。

    私の母も88歳
    満州引き上げ者です
    当時5歳で弟2人と赤ちゃんだった妹
    両親共に
    生きて日本へ帰れました
    だから今私がここにいられるのです

    益絵とカヨのような壮絶な体験ではなく、恵まれてた方だと思いますが
    終戦当時同

    #感動する #切ない #泣ける

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    2021年08月22日
  • 黒鳥の湖

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    圧巻、言葉がない。何というか、もの凄い作品を読んだというより「読まされた」ことに圧倒されている。
    行間はぎちぎちのミステリで充たされているのに、すべてを見渡し終えると、入念かつ綿密に構成=計画され、あらゆるジャンルを跨いで描かれた作品であることに度肝を抜かれた。
    読み進めながら、ずいぶん大風呂敷を広げているなと感じていたが、全ての伏線が一本の糸を撚り合げるように回収され、作者の胆力と力量に驚愕する。
    必読の書!

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    2021年07月24日
  • 黒鳥の湖

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    因果応報、しかも自分がやったことの報いが、自分に直接ではなく愛するものに災いが降りかかるという形でやって来たらーー。てんでばらばらだと思ったものが見事に繋がっていって、最後まで一気に読んだ。面白かった。
    今度WOWOWでドラマ化するというので楽しみ。

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    2021年06月27日
  • 羊は安らかに草を食み

    購入済み

    過酷な歴史を忘れるべからず

    タイトルからは想像もできない内容であった。
    近世、中世以前の戦争であればともかく、近代、現代に起こった戦争は、いまだに私達の心にその影を落としているのではないかと、この物語を通して現実に思いを巡らせてしまう。

    満州引き上げ時の過酷な描写に、とてもリアリティーがある。

    こんな時代を経て、今の社会があるのだ。
    今、何か不足なものがあるだろうか。
    今を幸せに感じないなんておかしくないだろうか。
    そんなことを考えさせられた。

    #怖い #深い #切ない

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    2021年05月19日
  • 聖者が街にやってきた

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    神奈川県多摩川市湧新地区で立て続けに一人暮らしの女性の殺人事件が起こります。
    女性が殺された後には必ず、一輪の花、パンジー、マリーゴールド、デンファレ、クレマチス、プリムラ(ダリア)が残されていました。

    そしてもう一つの物語は湧新地区で育った歓楽街の花屋の一人娘、菫子(とうこ)。菫子は母一人子一人の高校生ですが、地域でやるミュージカル『聖者が街にやって来る』のオーディションに見事合格し、ヒロインの座を射止めます。
    しかし、菫子は親しくなった名門進学校に通うIQ150の二宮晃(ひかる)と付き合い出し、別れますが、その後ストリートギャングの集団に二度襲われます。
    一度目は菫子の店の常連客でおかま

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    2021年04月02日
  • 夜の声を聴く

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    中学二年の時からIQが高すぎ、母親も亡くしている隆太は家の窓から飛び降りたことがあります。
    そして引きこもりになります。
    18歳の時公園でいきなり手首を切った23歳の女性百合子にとてつもなく魅かれ百合子と逢うために百合子の通っている県立春延高校定時制課程に入学します。

    そこで、その後の隆太の人生をすべて変えることになる重松大吾と出逢います。
    そこで起こった1年間のできごとは多くの人物の人生を変えるものでした。
    家族のいない16歳の大吾は勤め先のリサイクルショップ『月世界』の二階に住んで、そこを営む70代の社長の野口タカエと二人で暮らしています。

    『月世界』は便利屋もやっていて、そこにいろい

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    2021年02月16日
  • 夜の声を聴く

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    宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部分、そこ大事ですよぉ。

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    2021年02月04日
  • 夜の声を聴く

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    発売当初から気にはなっていたんだけど、年末のランキング発表の中でもいろいろ目にして、やっぱり入手することに。読み始めの印象のみ、表紙のごとくホラー風味も感じられるんだけど、基本的には普通のミステリ。これはもちろん、出来が普通、という意味ではない。最初のうち、日常の謎系の部分には正直あまり惹かれなかったんだけど、それは後半の本当の謎に至るまでの前フリ。核心に迫る展開はさすがのクォリティで、順次明かされていく各キャラの真相に、いちいち感銘を受けました。

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    2020年12月23日
  • 夜の声を聴く

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    手首を切った女性の出会いから始まり、それに導かれるように定時制の高校へ。そこで大吾と出会い、彼がアルバイトする何でも屋「月世界」と出会う。最初はとりとめなく、どこか中二病的に展開する感じが馴染めなかったけれど、大吾が一家殺人事件の生き残りであり、月世界の主人が被害者と疑われ自殺した男の母であることがわかってからは、すべてのエピソードが一気に絡み合い、ひとつひとつ腑に落ちていく凄まじい展開。面白かったです!

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    2020年12月13日
  • 黒鳥の湖

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    仕事にも家庭にも恵まれ、勝者として人生を謳歌する主人公。しかしふとしたことからその幸せが崩れ始め、どんどん奈落の底へと突き落とされるような事態が起きていきます。これはかつて彼が犯し、いまだ暴かれていない罪の因果が巡ってきたものなのか。緻密な構成と息詰まる展開から目を離せないミステリ。
    世間を騒がせる「肌身フェチの殺人者」と二十年以上前に起こっていたかもしれない事件との繋がりがメインの謎かと思いきや。それ以外にも次々と繰り出される新たな事件と謎に翻弄され、しかもそれがラストであまりに見事に繋がってしまったことに驚愕させられました。最初から最後まで、すべて集約されたひとつの物語。まさしく因果という

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    2020年01月13日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    これはやられた! って感じでした(^ ^;

    物語の序盤は、伝奇ホラー風。
    ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
    謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
    おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。

    それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
    主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
    この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^;

    さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」
    という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^;
    も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^;

    読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、
    ページを遡って読み返すこと数回(^ ^;
    一冊

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    2018年12月07日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    怖かった。
    どこにも書いていなかったが、
    人ならずものが好むのは人の心の闇だと思い、
    それぞれ闇を抱える登場人物の誰が餌食になってしまうのだろうかと、
    怖かった。

    ホラーは好きではない。
    カバーによるとダークファンタジーというらしいが、
    昔の人殺しの話とつながる気味の悪い粘菌の話だとわかっていたら読まなかったと思う。

    しかし、面白かった。
    次々とピースがはまっていくジグソーパズルのように、
    様々な話がつながっていく。
    ただし、そのピースは普通のジグソーパズルとは違って、
    大きさも形も一定ではない。
    大きくて何が描かれているのかが判るピースは当然真ん中に

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    2018年06月24日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    タイトル・表紙・あらすじに惹かれて購入したものの、本棚で「積読」になっていたのを思い出し読み始める。
    舞台は自然に囲まれた集落の寄り集まった村。
    そんな環境に馴染めずにいる思春期の少女・自分に自身の持てない青年・理想を追い求めて移住してきた壮年の3人が主軸になって話が進んでいく。
    他の登場人物にもちゃんと役割が振られており、それぞれが過不足無く動いていく。
    一見どのような役割を持っているのか分からない登場人物も、以外な関わりを持っている(いささかご都合主義のような気もするが)。
    事件の「犯人」は早い段階で見当がつくが、それがどのような形で関わっていくのかが面白い。
    ラストシーンは「きっと、こう

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    2018年04月02日
  • 入らずの森

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    これは、スゴイ(^ ^;

    オカルトであり、ホラーであり、伝奇物であり、
    基本的には「絵空事」なのは100%承知しておりますが。
    それでも、「絵空事部分」以外の描写がリアルで、
    もしやあり得るかも、と思わされてしまう(^ ^;

    登場人物が、みな良い(^ ^
    会社勤めに嫌気がさして、田舎暮らしを始めた男やら、
    大きな挫折を抱えて仕方なく中学教師をやってる男やら、
    親との確執から祖母と暮らす金髪の女子中学生やら。

    田舎の人も、中学生から偏屈な爺さんまで、
    皆それぞれに「実にいそうな」キャラクターで(^ ^
    性格も人間関係・力関係も実にありそうで、
    これがまた物語にリアリティを与えている。

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    2017年10月16日