宇佐美まことのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
丸岡将磨という銀行員が松山市内の川で溺死体で発見されます。欄干から落ちた事故死とみなされますが、同じ銀行で働いていた恋人だったという友永礼美が、初老の男5人が集まるみなと湯にやってきて「あれは殺人であり、銀行と病院のあいだの不正融資を知って殺されたのだ」とみなと湯に集まっていた初老の男たち、新聞記者の宮武弘之らをたきつけます。
弘之は事件を調べ出し、病院で医療過誤があったことを発見します。また、みなと湯の常連客の小松富夫は元暴力団の巽達郎と組んで氏家という悪徳金融ブローカーからみなと湯に融資されるはずだった一千万円を横取りしようとしますが、果たしてその辺のおじさん達のたくらみが上手くいくものなのか…?
そしてまた、あとになって死んだ丸岡には10年来の彼女がいて礼美とは恋人同士ではなかったことが発覚します。礼美は銀行を辞めて姿をくらましています。なぜ、礼美は他人の丸岡のためにみなと湯にやってきたのか…?
以下、ネタバレ含む感想なので、これから読まれる方はお気をつけください。
出てくる人物は初老のおじさんばかりですが、事件はとても上手く解決します。
警察や法の力を借りず、みなと湯に集まる5人の男達が大活躍します。
病院の不正は明るみに出て、悪徳ブローカーから取ったお金は大変有意義に使われます。
おじさん達、あっぱれ!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者の弘之、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人の邦明、暴力団を首になった釜焚き係の吾郎、儲からない骨董屋の跡を継いだ富夫らは、それぞれ人生に諦念を抱きながらも日々そこで交流を深めていた。彼らの前に突然現れたのは、不審死したみなと湯の銀行融資担当・丸岡の元婚約者・礼美。彼女は丸岡の死の真相と銀行の悪行を四人に訴える。
○クザ相手にこうも簡単に事は進まんと思うがそこは小説。
私欲のために病院や患者を食いものにする理事長は許せんが、びよ~んと飛ばして殺害して事件性無しは無いだろう(笑)がここも小説。 -
Posted by ブクログ
違いますよ!
最近みんみんがハマっている宇佐美まことさん
なんかまた引っ張られた感じなのがなんとなく悔しいから、あえてみんみん未読の…ってことじゃないですからね!
昨年末から読みたいリストに入っていたんですからね
引っ張られたときは引っ張られたって言いますから!
以上誰も必要としてない言い訳でした
さて『ドラゴンズ・タン』です
いいね!宇佐美まことさんいいね!
話の筋としてはよくあるやつです
よくあるやーつです
大昔に引き裂かれた男女が転生を繰り返し時空を超えて再び出会う
ほらね、どっかで聞いたことあるやつでしょ
聞いたことあるやーつでしょ(なぜ毎回言い直すのか)
でもそこにね○○○○の要素を加えることで、全く新しい物語に姿を変えるっていうね
既存のシステムに新しいエッセンスを加えて…っていう新製品の開発手法によくあるやつです
よくあるやーつです(また!)
いや、すごく面白かったんですが
みんみんの本棚を見ると宇佐美まことさん、かなり多彩な物語を書く作家さんのようでいろいろ読んでみたいなと思いましたよ
って結局みんみんの本棚参考にするんかい!っていうね
いいんです!
それがブク友ってやつです
(最後だけ言い直さない気持ち悪さ) -
Posted by ブクログ
面白かったです!
貧しく地獄のような場所から逃げる為に父親を殺した少年と少女が過去を捨て、ひっそりと都会に紛れ
何も望まず人生の共犯者となる。
そんな二人がまるで過去からの亡霊が近づくかのように、じわじわと追い詰められていく。
え?白夜行みたい?
似てますね…途中で気づきましたd( ̄  ̄)
白夜行はとても面白く読みましたが主人公に共感は
できなかった。
こちら共感しまくりで逃げのびろ!と息がキレそうでした。
この作品は暗いし辛いしで読むのに二日かかってしまったんですが素晴らしい!
ストーリー、構成、主人公達、関わる人々、ラストまでの展開、結末。
全てがわたし好みの作品でした♪
宇佐美まことさん要チェック中です\(//∇//)
-
Posted by ブクログ
舞台は漢・唐・明時代の中国から昭和の上海、
そして令和の日本へと、
それぞれの時代の物語は現代に繋がっていて、
連作短編集でありながら、
受け継いで受け継がれて現代に到達する、
悠久の時を越える壮大な物語でした。
すっごく面白かった!
古代の中国での出来事が、
こんな風に進んで行くなんて、
古の世界の中に飛び込んだように、
どっぷりはまりました。
ファンタジー系はあまり好きではないのですが、
この作品はホントに面白かったです!
進むにつれてはまって行きました。
***ネタばれ***
翠の耳飾りが片方づつ受け継がれ、
2000年の時を越え、
現代の日本で再び揃った時、
「あぁ、こう揃った」と、
最終章でこんな感動が待っていたなんて、
なんて壮大な物語なんだろう、
ホラーサスペンスでありながら、
なんて大河浪漫にあふれた物語なんだろうと、
ため息みたいなものが沸きました。
凄い作品でした! -
Posted by ブクログ
「世界は輪っかのように繋がっているのだ、一度も会ったことのない人と人も、実は深い関係があり、昔起こった些細な出来事が、今日の出来事を引き起こす、ということが。」
秩序は巡るがメインテーマ。
最後には、おまじないのような言葉は、ちゃんと伝えられるのだろうな、と、思いながら読んだけど、確かに巡り巡ったなぁ。
私は、宇佐美まことさんの本は、読むべき時に手に取っている気がする。
これも、秩序は巡る、なのかなぁ。
この本を読んで色んなことを言われた気がした。
お金に翻弄される人達ばかり出て来るけれど、博(ken)は言う、お金はただの道具でその道具を使いこなせるかどうかで人生は決まる。と。
人間、死ぬまでは生きてる。
変わりたいと思ったら、死ぬ間際でも変われる。と。
終盤に出てくる金子みすゞの詩がステキにマッチしている。
素晴らしいお話でした!
-
Posted by ブクログ
漢の時代から現代の日本までの壮大なスケールの作品でした。
最初は中国名が難しく読みにくい感じがしましたが、最終章の舞台は日本だったので、すべてはここに着地するためだったのかと納得しました。
各話が最後へとつながる連作短編集。
ロマン溢れる壮大なファンタジー作品でした。
最初は竜舌(ドラゴンズ・タン)が活躍する作品かと思ったのですが竜舌は悪役でした。
第一章流沙の王国
物語の始まり。
漢の時代の竜将軍と幼なじみ。
竜将軍は蘭鷲という白い狐と交わり何千年もの命を授かります。
そして、竜将軍は竜舌になります。
第二章機関木人(からくりにんぎょう)
唐の時代。
動物の芸を操る道士と彼に養われている動物と心を通い合わせている少年。
第三章紫禁城の雷獣
次期皇帝と守り役の幼なじみ。
二人の関係の転落。
第四章泥の河に沈む
上海のフランス租界に住む久子とその家で働いていた女中との友情。命尽きようとする女中に「今度は私の娘に産まれておいで」と久子は告げます。
第五章そして竜はよみがえる
※以下ネタばれありますのでこれから読まれる方はお気をつけください。
救命救急センターで働く女性医師家串梓と孤高のアルペン・クライマー磯村拓矢。
梓の祖母は久子でした。
『竜舌』と呼ばれる疫病(ウイルス)と梓らの戦い。
拓矢は免疫作用を獲得している人間でした。
そして二人は一対の翠色で涙の形をしたイヤリングを片方ずつ持っていました。
(P353より)
あの時に結ばれなかった二人は何度も何度も生まれ変わって現れた。男は右肩に刀傷があり女にはものごとの本質を見抜くという異能が備わっている。
それは砂漠の中の小国にいた巫祝の女から受け継いだ能力だ。
(P371より)
大陸の名もない人物が少しずつ手を貸して歴史を築いてきた。彼らが相手の顔も知らず受け取ってまたバトンが今つながったのかもしれない。
※レビューに人物名を入れようと思ったのですが、パソコンでも中国名の漢字の変換ができず入れられませんでした。つたないレビューで申し訳ありません。どんな感じの作品かわかっていただけるといいのですが。 -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さんですが、かなり面白かったです。
日本の現代ミステリーで面白いのは大抵読んでしまったかと思っていた自分が恥ずかしい。
まだまだですね、これからも貪欲に良作を探していきたいと考え直しました。
1980年代、葉子は深大寺の難波家で住み込みの家政婦として、甥の達也と共に暮らしていた。
妹夫婦が借金苦の末に心中をはかり、生き残った達也を引き取らざるを得なかったためであった。
両親の心中を機に言葉を発しなくなった5才の甥の他、妹夫婦は多重債務による借金も葉子に残していた。
途方に暮れた葉子は、職安で生年月日が全く同じ希美と出会う。
2人次第に心を通わせるようになり、葉子は希美の紹介で難波家の家政婦という職を得る。
難波家には、かつて教職にあった主とその息子のユキオが暮らしていた。
葉子は深大寺で暮らすうち、ユキオに惹かれていく。
時は過ぎ、60代となった葉子は伊豆にある高級老人ホームに入居していた。
大腿骨に難病を発症し、夫のユキオには迷惑をかけずに暮らすためだ。
ここで静かに暮らしながら、葉子はかつて深大寺で起きた様々な出来事や、自分の生い立ちを思い返すー。
3つの章から成る本作は、葉子または希美の一人称で語られます。
第2章まで読み進めると、読者は1章で既に作者にまんまと騙されていたことに気付きます。
ここからもう一気読み。
驚かされる仕掛けは他にもいくつかありますが、これが本当に痛快。ミステリーを読む楽しさを思い出させてくれました。
さすがに最後に用意されていたサプライズには早い段階で気付きましたが、それでも十分に楽しめました。
とは言え、逃げ場のない苦しさに満ちた作品であるのも事実。
高度経済成長期の日本でこんな暮らしをしていた人達がいたなんて。知らなかった分、余計にずしりと響くものがありました。
また本作内で唯一、その胸中が誰の口からも語られることがなかった達也の気持ちを思うと、フィクションであると分かっていてもやりきれなくなりました。
良い作品に出会えました。
大満足です。
2020年60冊目。