宇佐美まことのレビュー一覧
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読み終わって、タイトルの「羊は安らかに草を食み」という曲を聴いてみた。これっ!良くSpotifyが私用に選曲してくれるやつやん^ ^最近作曲されたヒーリングミュージックかと思っていたらバッハと知って驚いていた。バッハといえば荘厳な教会音楽、数学的に神という高みに上っていくイメージをもっていたが、それはイメージの話。バッハって実はすごく優しいんだ。教会の門にたどり着くことも出来ない者の側にも神はいる、戦場で今日を必死に生き延びる者の側にも神はいるっていう優しい(バッハはドイツ人でルター派なのですね)とっても人間的な気持ちに溢れている。
益恵という86歳の女性がいる。認知症を患い、まもなく施設 -
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ライターの海老原誠は妻の沙織を交通事故で亡くし10歳の夏樹という男の子を一人で育てています。
誠は『月刊クリスタルライフ』から北川フサという大正7年山形県北村山郡生まれで、29歳の戦後間もない時期に連続殺人で五人の殺人の罪で死刑の判決をうけた人物について書くようにいわれます。
北川フサは戦後間もない東京で5歳の息子を亡くし、その後四人の男を刃物でメッタ刺しにして殺し、五人目の男、牟田仙太郎だけは棒状のもので殴打して殺していました。五人目だけ殺害方法が違うのはなぜか…?
誠は調べていくうちに北川フサが戦後間もない東京で、連れ歩いていたという12、3歳の少年ではないかと思われる大垣靖男という -
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戦後の女性殺人鬼として死刑となった北川フサ。
2年にわたる凶行で5人の男を殺めたフサだが、彼女と行動を共にしていた少年がいたという。
妻を交通事故で亡くしたライターの海老原誠は、この事件の裏に何があったのか、もう一度掘り起こすべく取材を始める。一方で、父子家庭となった誠自身にも妻の死後、気がかりなことがあり・・・
戦後の混乱期、時代の流れに翻弄された戦争孤児。
「憎しみ」のみが生きる糧となった、壮絶で過酷な人生に読んでいて何度も胸が張り裂けそうになった。
『月白』というタイトルが意味するものとは・・・
表紙のベンチに座る人物こそが、本作の主人公。
誰にも言えない贖罪の思いを胸に秘めたまま -
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小生、広島在住だが松山には親戚もありつい最近まで春秋には墓参りに行っていたので、本書の記述が非常に楽しめた.複雑な家庭環境下で育った上野侑平が祖父の松山の家を訪ね、祖母を介護した祖父の遺品の中から表題にもある「13月のカレンダー」を見つける.これをベースに様々な人との接触が物語を発展させる.山根研究室での侑平の行動は、論文執筆活動をしていた小生にも感じる所が多かった.「閃光」での被爆状況の描写は克明で読みながら涙が出てきた.祖父の住所録から服部義夫さんに会うことができたのも、人のつながりが結びつけたものと思っている.石丸奈穂美と山根先生を尋ねる場面は、先生の包容力を感じさせる素晴らしいものだっ
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ワタシの初 宇佐美まこと は「羊は安らかに草を食み」で、それはそれは衝撃を受けたのですが、この「月白」も羊と同じ系統です。羊ファンならおススメです。
「戦後の混乱期に5人の男を殺した殺人鬼 北川フサ」について書くフリーライターの話ですが、この物語の主人公は、東京大空襲で親を亡くした13歳の男の子 靖男 です。戦争孤児というのかな、親を亡くした子供が生きていく環境が悲惨すぎる。
読み終えて、表紙を見ると青白い景色の中、ベンチに座る男性一人。
しかし、お姉さんの千代ちゃんや洋パンの清子たちの話もすごい。ワタシは自分が女なのでよく分からないけれど、男っていうのは食うや食わず生きるか死ぬかの状況で