宇佐美まことのレビュー一覧
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初読みの作者さん。フォローしている方々のレビューに惹かれて買ってみた。
1985年、たまたま上野の職安で出会った葉子と希美。希美の紹介で葉子が深大寺の旧家で住み込みの家政婦として働くことになったのをきっかけに二人が関係を深めていく様が描かれる。
閑静な武蔵野での出来事の間に挟まれる、2015年、伊豆の高級老人ホームで暮らす女性の述懐の中でさらりと語られる単語に物語の不穏さが増し、何は起きたのかを知りたくて頁を繰る手が進んでいく。
中盤以降で明かされる真相は、最後の最後まで予断を許さない、小道具の使い方まで含めて手が込んだ作りで、とても良く出来ていると思った。
ただ、第二章で、昭和の高度成長時 -
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Posted by ブクログ
増水で土が抉られた堤防の土中から、謎の骨格標本が発見されたというニュースを見た豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。だが、それは記事の発掘場所とは異なっていた。
あれは本当に骨格標本だったのか。そんな思いを抱いた豊は、今は都内で勤務する哲平に会いに行くことに。
あの日、俺たちは本当は何を埋めたんだろう。
横暴な教師へのいたずらのため、骨格標本を隠して埋めた小学生時代の思い出。それから数十年後、目にしたニュースをきっかけにその日の真実を明かそうとするミステリー小説です。
小学生って、大人からみると本当に子どもに見えるけど、時々大人もハッとするようなことを -
Posted by ブクログ
タイトルの意味、構成内容がとても深く、心をえぐられる日本推理作家協会賞受賞作品でした。
貧困と犯罪、社会の二極化を扱い、現在パートと過去パートを交互に描く作品は他にもあった気がします。けれども本作は、社会時事を取り込みながら、犯罪ミステリー・社会派寄りのヒューマンドラマとして、絶妙のバランス加減だと感じました。
「私」という一人称展開で、「私」が誰なのかミスリードに混乱するなど、多くの伏線の張り巡らせ方と回収法も見事ですし、重いけれども先の見えない展開にも引き込まれました。
3部構成で時代・場所が変遷し、各章題『武蔵野陰影』『筑豊挽歌』『伊豆溟海』も秀逸です。
宇佐美さんは、貧困 -
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滅びゆく者をテーマにした本は何故かそそられる。背景に流れている雰囲気が好きで冒頭から引き込まれた。昭和初期、限られた時代を生きたある華族の哀しみと、異能の作庭師の熱情が静かに呼応する「美しい庭」の物語だった。
当主である房興は家というものに取り込まれ、個を埋没させている。経済的には恵まれてはいたが、自分らしい豊かな人生を生きてきたわけではなかった。才能ある純朴な新進気鋭の庭師・溝延兵衛に庭園を造ってもらうことになり、彼の生き様や、彼の作品である庭に寄せる思いを聞き、房興と彼の妻・韶子は自分自身を見つめ直す。
作庭師が雇い主の吉田房興に話す
「決められた道を行くことは簡単でございます。既にある -
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『清閒庭(せいけんてい)』は昭和初期に天才庭師・溝延兵衛(みぞのべ ひょうえ)が、時の公爵・吉田房興(よしだ ふさおき)の依頼を受け、池を埋め立てて作り上げた広大な枯山水である。
浜辺に打ち寄せる波の音が聞こえてくる心地がする。
この庭に魅せられたのは現代の建築設計士・高桑透(たかくわ とおる)。
彼も知らない、清閒庭と吉田家にまつわる秘められた物語を、公爵夫人・韶子(あきこ)付きの女中トミが語る。
滅びの予感が漂う。
「華族」といえば「斜陽」・・・と条件反射のように連想してしまう。
これも一つの、沈みゆく陽の物語だと思う。
庭づくりに熱中し、やがては取り憑かれたかのようにのめり込んでいく・ -
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ネタバレ宇佐美まこと作品2冊目
前回読んだ『羊は安らかに草を食み』は、老婆3人が主人公だったが・・・
今回 謎を解き明かすのは中年のおやじ3人
松山の小さな町の古い銭湯仲間 新聞記者の弘之、銭湯店主の邦明、骨董店の店主富夫。
事件は銭湯の蒔き釜が老朽化をして、融資を銀行に頼むことから始まる。
担当の銀行員 丸岡はまじめな好青年で手続きを進めてくれていたのだが・・・
その丸岡が大雨の日 不審な死を遂げる。
その真相を暴くため立ち上がった3人
事件は大きな裏組織や代議士・病院が関わっていた。
登場人物たちのキャラがたっていて、会話のテンポも心地よく 一緒になって謎解きをしてるかのように引き込まれていく -
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ラプンツェルと云ったらディズニーですよね。でも、元々はグリム童話! 知りませんでした‥。
本書は、ディズニーとは似ても似つかず、余りにも悲惨で虐げられた人たちの物語で、終盤まで続く救いの無さに、切なく辛い内容でした。
舞台となる多摩川市は、開発の進む北部地域と荒んだ臨海部の南部地域に分かれ、この南部を地元の成金が建てた展望塔が見下ろしているのでした。
育児放棄された5歳男児、性的虐待を受ける17歳少女、その少女を救う少年、取り憑かれたように不妊治療をする夫婦の危機、業務に忙殺され疲弊状態の児童相談所職員‥。これらの人々の人生が交差し重なっていきます。
「ラプンツェルが、塔の上から