宇佐美まことのレビュー一覧

  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    認知症になった高齢女性の読んだ俳句を元に、彼女の人生が語られていく読み応えのある作品だった。
    おばぁちゃま達の友情が素敵だなぁという気持ちと、戦後の満州での壮絶な体験にぞっとするのとで気持ちが忙しかった。
    たくましく生きる少女ふたりの体験にはらはらした。
    終盤に娘のクソ旦那を殺してやろうみたいな展開がいきなり火曜サスペンスっぽいチープさがでて、あまり好きじゃなかった。
    しかも益恵さんが手を下すならまだしも、なんでお友達の2人が???という気持ち。
    あれだけ大変な日々を共に生き抜いた2人が、人生の終わりにようやく再開して寄りそう。そういうシンプルな終わり方が素敵だったなぁ…

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    2026年01月18日
  • 謎は花に埋もれて

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    読みやすく、各登場人物の感情が切々と伝わってくる文章で夢中になって読んだ。
    「クレイジーキルト」と「家族写真」が特に良かった。
    全編通して登場する花屋さんと警察官の夫婦がすごく素敵だったので、続編があると嬉しい。

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    2026年01月09日
  • 羊は安らかに草を食み

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    俳句仲間である友人の富士子とアイが
    認知症が進む益江のために
    益江の人生を辿る旅に出かけるロードノベル
    人生を深掘りするだけのよくある物語かと思ったら
    とんでもなかった!
    悲惨な戦争体験が絡んだ重たい重たいお話でした

    11歳の益江が家族と満洲から引き上げる際
    逃げ惑い自分と妹以外は集団自決で亡くなる
    赤ん坊の妹は連れては行けず置き去りに
    その後同じ境遇の佳代と知り合い
    二人の少女だけで満洲から日本への引き上げを果たすがその体験が壮絶だった

    本当に辛い思い出は心の奥深いところに沈んでいて
    認知が進んで剥ぎ取られていくように
    直近の思い出が薄らぎ
    奥底の封じ込めていた思いが
    露わになっていくよ

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    2026年01月03日
  • その時鐘は鳴り響く

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    東京赤羽で起きた殺人事件を捜査する刑事たちと、松山大学マンドリンクラブOBたちの様子が交互に描かれる。まったく接点が浮かばない展開に困惑するものの、どちらもおもしろいのでかまわず読み進める。
    主人公の女刑事が執拗にこだわる2点がキモなんだろうと思い、実際それが事件解決のきっかけになったことにやや強引さは感じたが、全体として見れば無理のないミステリーだった。本筋だけでなく登場人物それぞれが抱える事情を描いたサイドストーリーもよかった。
    せっかくサイン本を購入したのに、1年以上も寝かせてしまった(^_^;)。

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    2026年01月01日
  • 謎は花に埋もれて

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    何気なく手に取ってみたが、思っていた以上に良かった。
    50歳を過ぎて結婚した生花店経営の志奈子と刑事の昇司夫妻。この2人がいろいろ謎解きをしていくのかと思いきや、それは1話と2話だけで後は完全に脇役。全く関わりない登場の仕方が多い。これは中々斬新。

    面白かったのは『クレイジーキルト』と『家族写真』
    袖擦り合うも多少の縁という言葉を思い出させる。

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    2025年12月29日
  • 13月のカレンダー

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    1つ1つ丁寧に読みたい&読ませる文章ですが、原爆投下後など、読んでいて辛い表現も多かったです。
    主人公が祖父母の過去を探りながら自分自身と向き合っていく形をとることで、過去と現在をうまく結びつけ、戦争を過去の出来事として風化させまいとする気持ちを感じました。

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    2025年12月25日
  • 夜の声を聴く

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    とても深い作品です。
    それぞれの登場人物があのような過去を
    持ち、現在を生き抜こうとする姿に感嘆する
    と共に精一杯の応援を送りながら一気読みしました。

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    2025年12月21日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    澤村伊智さんが以前から気になりつつがっつりホラーが苦手なので子供向けなら読めるかも?と思い読んでみました。
    短編集でテイストがそれぞれ違って面白かったです。怖いけれど、ドーン!バーン!みたいな怖さというよりは、ぞわっとする感じでした。想像力逞しい子供の頃だと眠るのが怖くなったりもしただろうなあ、と。
    「ログインボーナス」(芦沢央さん)、「えんまさん」(黒史郎さん)、「靴と自転車」(澤村さん)が特に面白かったです。

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    2025年12月21日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    物件を起点にするホラーは、幽霊ものと同じく特定の場所(人物)が要因なため、読んでいる限りは真実「対岸の火事」で楽しめる…からこそ、絡め手も被るよね、などと。
    アンソロジーだけに合う合わないを感じるが、比較的前者が多くてよきかな。

    『旧居の記憶』福澤徹三
    『笛を吹く家』澤村伊智
    『終の棲家』芦花公園

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    2025年11月28日
  • 謎は花に埋もれて

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    ネタバレ

    花をテーマにしたミステリー短編集。すべての物語に共通して登場するのは、小さな花屋。花言葉や剪定、花粉など、花に関する豆知識が織り込まれていて読んでいて楽しい。登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれていて、作者の表現力の高さを感じた。とくに印象に残った物語は「家族写真(ファミリー・ポートレイト)」で、心にずしりと響く内容だった。「弦楽死重奏」のトリックも巧み。花屋の猫・ムサシにも意外な物語があったのが良かった。

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    2025年11月13日
  • 子供は怖い夢を見る

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    家族関係、宗教、感染病、SFと幅広い分野を纏めあげている。
    壮大な物語へ広がっていくのと同時に、街行く第三者は彼らに関心を示さない。他人への無関心を感じさせられた。だからこそ、主人公が葛藤する血の繋がりが一層際立つのかも?

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    2025年11月09日
  • 謎は花に埋もれて

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    フラワーショップ橘の店主、志奈子のまわりで起こる、花や樹木にまつわる事件を描いた短編集
    6編で200ページ弱と薄めの本だけど、どの作品も丁寧で読み応えたっぷりでおもしろかった

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    2025年09月25日
  • 角の生えた帽子

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    不穏さと怖さがある。この短編集に収められた12編はいずれも一筋縄ではいかない。
    見えないはずの現世と幽世の境目が見えて、そこから何かがやって来る様には背筋が凍る。単にグロテスクでおぞましいのとは訳が違う。その異変が起こる要因が、あるいはその背景が明らかになった時、恐怖が起こるのだ。
    短い話ばかりなのに一つ一つが印象深いのはどれもバリエーション豊かだからだ。似たり寄ったりの話を量産するタイプの作家ではない。どの話もそれぞれ違い、単純な「怖い」とは一線を画している。味わい深い怖さがここにはある。

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    2025年09月21日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    著名作家による小学生向けホラーンソロジーシリーズ。
    学級日誌版より、こっちの方が読み応えあって、面白かったです。
    サブタイトルになっている作品の著者が斜線堂有紀だったので、それもちょっとうれしかったかも。このメンバーだと、宮部みゆきか?って思ったのですけどね。
    ルビは中学年程度です。文字も大きめで、一話に一つ挿絵があります。
    「えんまさん」黒史郎
    嘘をつくのが大好きで、それもとても上手に嘘をつくハルト。家族に怒られてもけろっとしています。おばあちゃんはえんまさんのことで諭します。おばあちゃんが話すえんまさんはちょっと具体的で...。
    「おはよう、アンちゃん」太田忠司
    絶対に空き地がなかった場所

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    2025年09月17日
  • 骨を弔う

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    30年前、本当は何を埋めたのか。
    5人の同級生視点でお話が進んでいく。

    とても不気味で面白かったぁぁぁ…!!!
    大人になった5人それぞれの視点が
    何よりリアルで、
    いま現在の生活環境も全く違う5人のお話が
    とてもテンポよく読めました!

    話が進む中でわからなかったことが
    明らかになる瞬間…とても堪らなかった。

    解説にも書いてあるように、
    私もこの作品で宇佐美さんの作品を知ったので
    「愚者の毒」「展望塔のラプンツェル」を
    読んでみようと思いました!

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    2025年09月16日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    白鳥ではなく黒鳥というタイトルになるほどなあと思わせるストーリーでした。
    善人が実はというパターン、あるあるといえばあるあるだが、それだけとは思えない。
    1番最後の結末だけはまさかのそこに!という驚きがありましたがただ一言。闇は深い。
    終始少し重めだが、著者の読ませる力が凄くて飽きずに読めた。

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    2025年09月14日
  • 愚者の毒

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    師匠が先日宇佐美さんを読んでおられ、積んであった中から宇佐美さんを選びました。


    職安で葉子と希美が出会うところから物語の幕が開く。
    2人とも過去に何があることが匂わされるのだが、真実はジワジワと開示されていく。この辺りを読んでいる時は、遠田潤子先生のような感じの本かな?と感じていた。

    第一章は葉子目線で、葉子の過去が明らかに。

    第二章から舞台が一気に変わり、希美目線で、壮絶な希美の過去が少しずつ明らかになっていく。


    宇佐美さんはこういう古い時代の描写がお得意なのかしら?まだ数冊しか読んでいないのでわかりませんが、昭和の時代の重たい描写が非常に巧みで、巧み過ぎて感情移入型の私は苦しく

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    2025年09月13日
  • 入らずの森

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    もっとバタバタなホラー物かと思ってたら意外と面白かった。
    四国の田舎に赴任してきた中学教師と転校生、Iターン就農者。
    それぞれ別々の物語が少しずつ重なってきてホラーというよりサスペンスに近い感じでドキドキしながら最後まで読むことができた。
    でも結局最後は人間の醜い心は絶ることはないってことなのかなぁ。

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    2025年09月12日
  • 謎は花に埋もれて

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    フラワーショップ周辺で起こる出来事を集めた短編集。
    小さな花屋さんの周囲でこんなに物騒な事件があるのだろうかと最初は思ったが、どの話も奥が深くて読み応えがあった。
    最後の「家族写真」は良かった。

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    2025年08月24日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    9人の作家によるアンソロジー。
    5人が既知だったので読んでみるか、と。

    全体的に面白かったけども、加門先生、斜線堂先生、澤村先生の作品はかなり良かったなー。特に斜線堂先生のはゾワっと来た。

    芦沢先生と宮部先生は怖いというよりは不思議な良い話ってところか。これも良かった。

    短い話は外れることも多いけど半分以上は 面白かったので良いアンソロジーであった。

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    2025年08月20日