宇佐美まことのレビュー一覧
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タイトルの「げっぱく」は、色を指す言葉で、薄い青が混じった白だそうだ。
戦後5人の男を殺して死刑となった北川フサのルポを書くことになったフリーライターの誠。取材の中で、道上と言う記者によるフサの事件の書籍に出会い、その姿勢に共鳴しながらフサの過去を追う。その中でフサに同行してた少年がいたことを知る。かつての少年靖男は既に90歳の高齢ではあるが、誠は彼を探し出して取材を試みる。
靖男は誠の取材を拒否。物語は靖男の視点で語られる。戦後家も家族も失った浮浪児の壮絶な日々が綴られるが、靖男の独白であり、誠には届かない。
フサと靖男の関係が誠に伝えられることはないが、誠は自身の視点からその繋がりを読み解く。フサの殺人に正当な理由があるとか、実は良い人だったとか、安易な想像で書かない誠は誠実なライターだ。
フサと靖男の繋がりは、憎しみを持つ者同志ということだけではなかった。靖男は誠に、誰の子かは重要ではない、子どもは近くにいる大人が守ってやらねばならないと話す。それはフサが靖男に伝えたことだった。
読後感としては‥ちょっとしんどい。
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Posted by ブクログ
短編小説。フラワーショップ橘の店長である志奈子が、友人の菜摘から連絡をもらうことから話が始まる。菜摘の叔母の房枝が、心筋梗塞で亡くなった。房枝の遺体は水浸しで、周りには花瓶と、まだ生き生きとした花々が散らばっていた。その中に一歩だけ、しなびたガーベラが。志奈子はそのガーベラを不審に思い、警察官である夫の昇司に相談する。短い話の中で、花が人の死に関係している。ガーベラ、馬酔木の木、バラ、蜜柑の花、松、桜。一つひとつの話の主人公は違うのに、確かに繋がっているのがよかった。とくに「関係ないものたちがつながってひとつの作品になるのは、この布がタペストリーの一部になるのを受け入れているから。そうなると一つひとつの出会いは偶然じゃなく必然になる。」というセリフがとても良かった!短いし、読みやすかった。
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名匠ウィリアムが製作した渾身の名ピアノ「ニーマイヤー(Niemeyer)」を巡る80年に亘る人々の物語。
時代の雰囲気に抗せず思い通りの人生を送れなかった人々の悲劇を背負ったニーマイヤー、生涯ニーマイヤーに寄り添った名調律師の弟子、右手が不具になったためにニーマイヤーの受取りを固辞したピアニストが記した五重奏教の楽譜、病で右手が使えなくなった現代の新進気鋭のピアニストが一堂に会する結末は早くから期待された。
随子を娶った及川成富子爵の精神崩壊や長年行方不明だったニーマイヤーが見出される展開は、もう少し丁寧に書き込まれてもよかったように思える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレザイゼンコーポレーションの社長、財前彰太。
美しい妻に素直な娘。一等地に建つ一戸建ての家。会社。財産。社会的地位。誰もが羨むような幸せを手に入れた彰太。
しかし彰太は怯えていた。
この幸せは、ひとつの綻びで簡単に崩れてしまう脆いものだということに。
不安に襲われたキッカケは 世間を騒がせているニュースだった。 行方不明になっている女子大生の家族の元に、彼女の持ち物が次々に送られてくるようになった。身につけていた物から、剥がされた爪まで…。1ヶ月後 女子大生は遺体となって発見された。そして新たに行方不明となった女性の家族の元にも、女性の持ち物が送られてくるようになったという。
ワイドショーで「肌身フェチの殺人者」という(怖いんだかダサいんだかよくわからん笑)異名を付けられた犯人。
-なぜなんだ。なぜ今あれが繰り返される?
18年前、興信所の調査員をしていた彰太はある事件の調査の依頼をされる。それは誘拐された娘の持ち物が家に送られてくるというもので…。
18年前の”犯人”が 再び動き出した-?
だとしたらこれは因果報応か…。
目に入れても痛くないほど可愛がっている娘の美華の様子が 突然おかしくなった。露出のたかい服を着、親を罵り 夜遊びをする毎日…。とうとう家に帰らなくなる。
心配する彰太と妻。
ある日 二人の元に、美華の物と思われるバックチャームか送り付けられる…。
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み、美華ーーーーーー!!!!
美華ちゃんがいなくなってからは緊張感MAX。美華ちゃんの母親になった気持ちで読むともう苦しくて頭 おかしくなりそうでした。
が、正直、美華が姿を消すまでが ちょっと長く感じてしまいました。
18年前の事件と 現在進行形で起きている「肌身フェチの殺人者」事件。18年前に彰太が起こした行動によって”真犯人”が野放しにされてるのでは?という謎。 彰太の過去がいつか暴かれて 全てを無くしてしまうんじゃないかという緊張感!
のハズが、彰太があまりにも情けないというか 頼りないというか…。彰太に寄り添って読むことが出来なくて。
ただ そうしてダラダラと読んでいる中でも
「コイツあやしくね?」
「ん?コイツも臭うぞ」
って人がたくさん出てきて
クライマックスで あやしい認定してたヤツらが 本当に真っ黒な人間だとわかった時は「先が読める展開〜」なんて気持ちは1ミリも湧いてこなくて、むしろ「HO.RA.NE!」という満足感と、ここまで読んできて良かったーという達成感とでなんか気持ちよかった笑 ありがとう宇佐美先生。
というか、みんな思てたよりどす黒すぎて慄く笑
清く正しく真っさらに生きてきた人なんて この世にほんのひと握りかもしれない。でも自分が起こした行動に対してどう向き合っていくか、それが幸せへの分かれ道なのかなぁ〜 なんて思うのでした。
実は〜もう1冊 宇佐美さん読み終えてるんだよー(誰に対しての呼びかけ?) それが自分的にめっちゃ面白かったのだ
( *¯ ꒳¯*)ムフフ