宇佐美まことのレビュー一覧

  • 超怖い物件

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    やなぎっ記/糸柳寿昭
    たかむらの家/花房観音
    笛を吹く家/澤村伊智
    牢家/黒木あるじ
    トガハラミ/郷内心瞳
    終の棲家/芦花公園
    ろろるいの家/平山夢明

    上記が特に面白かったなぁ。

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    2023年09月24日
  • 熟れた月

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    冒頭で殺人を犯してしまう母親、陸上部の先輩に憧れる高校生、余命宣告されたヤミ金業の女、取り立て屋の男、身体不自由で車椅子生活の男…年齢も住む世界もバラバラな彼ら一人一人の人生を追って最後まで読み終えると、その重みと巡り巡る縁から生まれる奇跡に言葉を失い、ほぉ~っという深いため息しか出ない。
    漠然としたあらすじにあまり期待せず読み始めたが、完成された結末は心を熱く揺らすコクある味わい。
    リョウの存在には少し戸惑ったけど、彼が登場する度に殺伐した俗世の空気が優しくなる気がした。この役目は彼しかできないのだろう。

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    2023年09月16日
  • 超怖い物件

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    気鋭の若手からベテランまでが一堂に会した「最恐」の物件怪談アンソロジー。


    家や土地をテーマにしたホラーアンソロジーです。
    作家陣が豪華で、個人的には外れなしでした。どれを読んでもじっとりと湿度のある話が楽しめます。
    珍しい方だと、事故物件検索サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんのお話なんかも掲載されています。サイト自体は見たことがありますが、文章も書いているとは初めて知りました。

    実際に届いたメールや、自身が本を出すための取材で回った際に見聞きしたものについて書いているお話や、伝染する呪いを扱ったような作品も多く、虚構と現実が曖昧になる感覚がしてそれもまた良かったです。現実に侵食して

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    2023年09月04日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    女中の一人語りで淡々と綴られる昭和初期の家族の日常。ツカミでミステリーなんだと意識したが、長々と続く平安絵巻に飽きてきた頃、ようやく動き出すも…「決められた道を行くことは簡単。既にある道を外れることも容易い。難しいのは、新しい道を作ること」タイトル、芭蕉の別れの句だったんだ⁈

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    2023年08月24日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    CL 2023.8.20-2023.8.22
    昭和初期、華族の一家のお話。
    家内と類稀な庭のこと。
    華族という今から思えば無駄としか言いようのない特権階級の家の中の話。だからなのか、語り手がどんなに奥様や御前様を褒めても残念ながらあまり共感できるところはなかった。

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    2023年08月22日
  • 逆転のバラッド

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    ゴロー死んじゃうかなー?と思いながら読んだけど誰も死なないで良かった。最初の人と悪人は死んだけどね。

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    2023年08月10日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    普通に読んだら標準作だが、宇佐美作品となると全くもって物足りない。導入部の冗長さはいつものことだが(読者をグイっと小説世界に引き寄せるツカミが弱いといつも感じる。文章もプロットも上手いのに。。)、公・侯・伯・子・男から始まる華族世界の説明は、おおよそ知っている身からすると余計な説明。全体プロットは悪くないが、庭園に魅せられる没落貴族の感慨が、何か小説全体の主題とマッチしていないように感じた。半分の文量でギュッと凝縮した作品の方がしっくりくる感じ。

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    2023年08月09日
  • るんびにの子供

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    宇佐美まことさんのデビュー作。
    受賞作を含む短編7篇が収録された作品でした。

    夏だし暑いしたまにはホラーでも…
    と思って手に取った作品。
    いやぁ、まず文庫の装丁…怖すぎます。
    ブックカバー必須ですね笑


    るんびにの子供
    柘榴の家
    手袋
    キリコ
    とびだす絵本
    獺祭
    狼魄

    解説は岩井志麻子さん


    さてさてホラー作品って初めてでしたが、意外にサクサク読めました。そして読み進めるにつれ、次第に高まるゾワゾワ感。なかなか楽しめました。

    映画や漫画と違って、特にこの様なホラー作品では読者がこの世界観をどの位想像して、脳内で展開し彩り良く描けるかが肝ですね。
    その意味で、どの作品も注意力散漫になる

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    2023年07月20日
  • 熟れた月

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    なんとも…中盤から怒濤の伏線回収というか、人と人との繋がりが一気にクリアになっていくんだけど、そこまでが、というかそこからも漂うなんとも言えない重い背景。この作家さんのほの暗い感じが好きなんだけど、これはまたリアルすぎてちょっとしんどくなってしまった。

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    2023年07月07日
  • 恋狂ひ

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    女を正直に生きたら…ってなことを考えながら読んじゃいました。同じ人間だけど 感情とか欲情とか すごく人間的な部分の受け止め方に違いがあるんだなぁ〜と。登場人物の誰かに自分が当てはまるな。とも思いました。

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    2023年07月01日
  • 入らずの森

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    夜一人では読まないでください。の帯にゾクゾク!
    中学教師の圭介、田舎にも馴染めない隆夫
    金髪中学生杏奈、座敷でお手玉するヤヤコ、幻の校歌三番、そもそも粘菌ってなに?
    最後までよう分からんお話しでした、、、

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    2023年05月24日
  • 黒鳥の湖

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    最初、なかなか入り込めなくて先に進まなかったけれど、中盤からはハラハラしておもしろかった。
    みんなそれぞれ秘密を持っているだろうけれど、なんだか人間不信になってしまいそうなほど秘密がありすぎ笑

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    2023年05月22日
  • 逆転のバラッド

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    いつも追ってる宇佐美氏の作品。始めからどうなるのかと不安に思ったが、中盤からは定年後あたりのオジ達が大奮闘する。スカッとする読後感が良い。

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    2023年05月20日
  • 逆転のバラッド

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    ネタバレ

    1000万円を骨董品の中に隠しそのまま誰かが買ってったとか間違えて風呂屋の薪と一緒に焼いてしまったとかそうぞうしたがちがった。

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    2023年05月12日
  • 逆転のバラッド

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    ネタバレ

    最後のめでたしめでたし感がすごい。
    一千万取りに行った時には、間違いなく捕まるパターンと思ったのに。

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    2023年05月05日
  • 夜の声を聴く

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    公園で、自分の目の前で女性が、リストカットし、その切ったカッターナイフを渡される。
    彼女とのそんな出会いから引きこもり生活をしていた少年は、彼女の通う定時制高校に進学する。その学校で知り合った同級生の男の子と、幾つかのミステリーを解決しながら、最後は、その男の子が巻き込まれた一家殺人事件の解決という大きな流れになる。
    参考文献からもわかる様に、ちょっと変わったミステリ解決もあり、工夫されているなと思う。そして、引きこもりだった少年や殺人事件の生き残りの少年、リストカットがやめられない少女が、それでも、毎日通学する定時制高校とそれを支える先生との青春の一年のお話でもあるかな。

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    2023年05月03日
  • 恋狂ひ

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    幼い時、母親を病気で亡くした女性。父親と姉に大切に育てられる。
    二十歳になった彼女は、姉の夫に惹かれてしまう。大人しげな姉が不倫の末結ばれた男だった。
    過ちは一度だが、彼女はその気持ちを引き摺って40過ぎまで、恋愛には不向きであった。
    そんな彼女は11歳年下の男性と付き合う。男は、彼女に夢中になり別れ話の後、自殺する。
    そんな、仕事はできるし自立心もある自由な生き方をしていた女性の、恋人だった男の自死、姉の夫との再会から揺れ動く気持ちを、四国遍路の一人の女性の手記に自分を重ねて、女としての醜い部分に恐れを感じる。そして、思わぬ罠にハマっていく。
    遍路の日記が、出来すぎているのが、不自然な感じが

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    2023年05月02日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    入れ代わりに気がつき、それが確信となってからが面白かった。

    竹丈や希美の父、加藤のおぞましさ、邪悪さが物語を加速させていた。


    品よく笑い返してあげた。
     この人は、本当の貧しさがどんなものか知らないだろう。(略)生き抜くために恐ろしい決断をすること、心の底から絶望することがどんなことか―。

    このくだりが、素晴らしいと思った。

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    2023年03月30日
  • 超怖い物件

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    物件、つまり家や土地にまつわる怪談集。
    表紙に並んだ著者名を見てほしい。
    どれもこれも怪談の名手じゃないか!

    一作品既読があるだけで、他は全て初めて。
    なんだよー全然怖くない、なんて思っていたが、やっぱり夕暮れ時から夜にかけて思い出したり読んだりするとぞわぞわする。

    「牢家」は、座敷牢というキーワードに引っかかってしまうと、最後にひっくり返される。
    そして、ホラーにはお決まりの(作中でも言及されているが)地元の老人が「はいっちゃいかん!止めろ!」という。
    もう絶望しか無いフラグが立つ。
    そしておそらくその通りになる。
    が、みなまで言わず余韻を残すところは作者の技量。

    大島てるの「旧居の記

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    2023年02月23日
  • 夜の声を聴く

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    リサイクルショップ「月世界」には七十代の野口タカエと、全く血縁関係がない大吾が二人で暮らしている。

    その店に時折持ち込まれる奇妙な相談事。
    主人公の堤隆太は、二人と共に事件を解決して行く。

    前半は軽い推理小説の体を成しているが、読み進めるに連れ夜の闇が深く濃く変化し終盤はその表情が一変する。

    一見関係ないと思っていた事件から点と点が繋がり1本の線になった瞬間、11年前に起きた一家殺人事件の真相が明らかになる。

    理不尽さと哀しみ、歪んで伝えられる報道、やり切れなさに胸が詰まる。

    夜明けを感じるラストにようやく安堵した。

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    2023年02月16日