宇佐美まことのレビュー一覧

  • るんびにの子供

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    四人の園児たちが池で見たのは自ら上がってくる少女。
    少女は幼稚園「るんびに」まで付いてきた。
    仁美は、その少女を時折見かけた。

    女の家に居候を決め込んでいた男は、その家を追い出されることになってしまった。
    泊まる場所も無い。途方に暮れた男は一軒の古家に入り込む。
    その家に住む老婆は男を孫だと思い込み、男を招じ入れる。
    その古家には柘榴の木があった。

    他5編。

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    2022年02月17日
  • 少女たちは夜歩く

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    悪夢を見たような気分になる(褒めてる)。
    単なる連作短編集かと思いきや、いろんな人物がリンクしていてたまに混乱する。
    いや結構混乱した。
    なかなか集中して読めなかったせいだろうが、色々忘れてしまって。
    空気感は好きなので、もう少し単純に理解できる話しだと楽しめたかな。

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    2022年01月11日
  • 夜の声を聴く

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    扱っているテーマは重い。
    引きこもりの少年が初めて友人を得たが、その友人は惨殺事件からひとり生き残った少年だった。
    加害者と目された男は自死した。
    生き残った少年は、いま加害者の母親の営むリサイクル店舗に住み込んで働いている。
    とても重たいのだが、なかなか話の中に入り込めなかったのは何故だろう。

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    2021年12月16日
  • 少女たちは夜歩く

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    ダークファンタジーっぽい連作ホラーミステリ。風情ある松山城のイメージにそぐわない?愛憎劇に超常現象や怪異が絡む10編。各話がリンクしてバラバラのピースが埋まる度、ゾッとしたりハッとしたり。途中何度も読み返す羽目に。最後のオチの弱さが惜しいが、全編にモヤッと漂う妖しい空気感は悪くなかった。

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    2021年11月12日
  • 夜の声を聴く

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    ひきもこり学校に通えなくなった隆太。

    公園のベンチで本を読んでいた時に、
    目の前でリストカットをした百合子と出会う。
    彼女との出会いがきっかけになり、
    隆太は定時制高校に通い出す。

    それぞれ過去を抱えた人が集まる定時制高校。
    隆太はそこで大吾と出会い少しずつ生活が
    変わっていく。

    自分を否定していた隆太が、周りの人に
    巻き込まれるながら、考える事で
    生きていく道を見出す物語。

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    2021年11月08日
  • 夜の声を聴く

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    ひきこもりの少年の目の前で、手首を切った女の人。
    気になり興味を感じ、彼女が通う定時制高校に入学する。
    そこは、彼の知らない空間。。
    だけど同級生が働く奇妙な店を手伝い始めるうちにいろいろな人と関わり、やがて11年前の一家殺人事件の真相がわかっていく…

    ドロドロ感もなく重たさも少なめのミステリーかな。

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    2021年10月07日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。

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    2021年09月26日
  • 黒鳥の湖

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     女性が拉致され、その女性が身に着けていた物や、最後には身体の一部が切り取られて家族に送り付けられる「肌身フェチの殺人者」という異名をもつ犯人が世間を震撼させていた。しかし不動産売買で名をあげた「ザイゼン」の取締役社長・財前彰太は、違う意味で恐れ慄いていた。自身が興信所に勤めていた18年前、ある老人から聞いた事件の犯行内容と瓜二つだったからだ。そしてその18年前の事件の犯人は、彰太がある工作をしたがために、逮捕されることもなく、世に放たれたままだった。

     作中でも出てくるが、「因果応報」という言葉がぴったりな内容。自身の行いは自身に返ってくる。主人公を含め、秘密をかかえた人物が多く、それが少

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    2021年09月17日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    まず、表現に小さな違和感。
    例えば、天井裏からそこに実在していない少女を見下ろす描写。

    「睫毛が頬に影を落とす様も、まるでそこにいるかのように」

    天井裏から見ているのに、下にいる少女の睫毛が頬に影をおとす様を視認することができるだろうか?

    次に、粘菌の進化について。

    環境に適応できた種だけが生き残る。それが種の保存。進化である。

    そして粘菌は、平家の怨念が美味しかったので、その餌を求めて人に取り憑く。

    これは、進化としてはちょっと無理がある。そもそも人のいない場所で生息しているのだから、人を餌にすること自体、環境に適応できているとは言えない。

    平家物語は1221年頃、大沢正の事件

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    2021年09月09日
  • るんびにの子供

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    ネタバレ

    短編集7編。
    第1回『幽』怪談文学賞短部門大賞受賞作の『るんびにの子供』を読んでみたが、
    ホラーというより人間の怖さを表現している作品であり、
    自分が思っていたものとは違っていた。
    もちろん、それはそれで怖いのだけど。

    う~ん。でもあまりピンとこない。

    最終話の「狼魄」は結構良かった。

    岩井志麻子の解説が強烈。

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    2021年09月21日
  • 恋狂ひ

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    ネタバレ

    体の芯を蕩かすような官能から逃れられない女の悩ましい血と人を恋う狂おしさに彩られ、独身キャリア四十路の鞠子の道ならぬ男女関係と千々に乱れる想いを綴る女遍路の手記が交互に語られていく。
    途中までは鞠子を理解できなくてページが進まなかったが、それぞれが心に抱える修羅が露わになる怒涛の終盤は愛憎の“いきぢごく”に絡め取られて出口の見えない緊張感の連続。女の立場で読めば恋愛小説、親の立場で読むと限りなくサスペンス。
    鞠子と歳が近いせいか自分の過去にふと引き戻されたり眠る感情を揺すぶられたり、作者に見事かき乱された。

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    2022年08月20日
  • 角の生えた帽子

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    短編集とは知らず読んでいましたが,どの作品もスラスラ読めたので楽しめると思います。
    自分的には,後編の5作が良かったです。
    最後の『湿原の女神』が好きかなぁ。

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    2021年06月19日
  • 黒鳥の湖

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    2021年7月からWOWOWで放送予定の藤木直人主演の連ドラの原作。WOWOWでドラマ化されるものって、こういう陰鬱な事件の話が多いような気がするのは私だけかしら。好きじゃないんだけどなあ。でも、まあこの作品はそれなりには面白かった。ただ、結構これってこう云う事じゃないって思ったのが、ほぼ当たってて、もちろん全てじゃないけど、ああ、やっぱしで終わった。作者の作品って初めてだけど、文章としては悪くない。愛媛出身で57年生まれの女性って毒舌先生と同じなのね。まあ、松山と宇和島なのではあるけど

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    2021年06月03日
  • 聖者が街にやってきた

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    繁華街で花屋を営む桜子。娘の菫子は市民ミュージカルに出演することになった。
    その街で連続して起こる殺人。菫子に彼氏ができたり、半グレ集団に襲われそうになったりといろいろなことが起こる。登場人物が結構出てくるが、ラストはうまくまとまっていた。ゲイのレイカはいいやつだと思った。

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    2021年05月11日
  • 角の生えた帽子

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    これまでに読んだ宇佐美さんの著作の中ではやっぱり『愚者の毒』がいちばん読み応えがあったように思うのですが、短編もお得意の様子。怖さとしてはホラー苦手の私でも全然平気な程度。映像化すればそれなりに怖いでしょうけれど、想像力を働かせて読まなければ夢に見ることもありません(笑)。

    嫌ミス的なオチもあれば、少し切ないオチも。怨念がその地に棲み着いたかのような話がいくつかあって、ヤン・シュヴァンクマイエルの『オテサーネク』を思い出したりもしました。ちょっと物足りない気もしつつ、サクサク読めてまぁいっか、てな感想です。

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    2021年05月07日
  • 夜の声を聴く

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    話が長い分、登場人物に感情移入ができて、みんなハッピーエンドでよかったなって、ハル高の関係者にでもなった気分。でも、全体を通してちょっと回りくどいのと、優秀な人たちがすごく先を読むことができすぎることに違和感を感じる。

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    2021年04月04日
  • 夜の声を聴く

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    IQが一般のレベルより高く、優秀な頭脳を持っている隆太。それ故学校の先生や生徒に馴染むことが出来ずに不登校になる。ある日公園で本を読んでいると、突然若く美しい女性が彼の目の前に立ち、いきなり手首を切ってみせた。そんな彼女に興味を持った隆太は、彼女が通う定時制の高校に自分も通ってみることにする。
    自分の居場所が見つけられない世の中に嫌気がさし、死んでしまいたいと思っている隆太と、手首を切るという自傷行為を繰り返すことで、生を実感することができるという百合子。生きるということに相反する形で向かい合う二人は、やがて恋愛とはかけ離れた場所でお互いによい影響を与え合うようになっていく。
    その定時制高校に

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    2021年03月04日
  • 夜の声を聴く

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    02月-12。3.5点。
    引きこもり高校生が、定時制高校に通い出す。
    親友も出来、身近な事件を解決していくが、過去の事件の関係者が出てきて。。

    展開に無理なく、面白い。ラストも良かった。

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    2021年02月14日
  • 聖者が街にやってきた

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    ネタバレ

    発展途上の街の様相や花屋の母娘をめぐる人間模様にストリートギャングや危険ドラッグといった不穏要素まで顔をチラつかせてまさに“混沌”の一言。
    その混沌の中、深く確かに響くレイカさんの言葉。
    一見バラバラのようだった登場人物と過去のピースが全て回収されピタリと嵌った解決はいつもながらお見事。
    晃のような人間は変われるんだろうか。
    花を買い続ける一樹も昔の夢を見続ける与謝野氏も、母親の愛情に飢えた子どもと大人どちらもせつなかったな。音楽家としては至高の生き方の与謝野直美、でもその犠牲を出してしまう一面にモヤモヤ。

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    2021年01月31日
  • るんびにの子供

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    7つのホラー短編集。
    どれも結構好きだった。
    『とびだす絵本』はちょっとファンタジーっぽく
    あれはハッピーエンドだよな。
    『狼魄』は呪いの話なのだが、これが1番好み。
    大人しそうなあの人がねぇ…。

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    2020年11月29日