宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犯人が誘拐した女の持ち物を家族に送りつけてくる事件。疾走した高校生の一人娘が事件に巻き込まれたのではないかと憔悴し心配する両親と、その両親が隠している過去の秘密。過去の事件と現在の事件が奇妙に一致し、真相に近づいていくミステリー小説。
読み始めは面白くてあっという間にひきこまれていくが、中盤で「あー、この人がこの人だよね…」となんとなくわかってくる。で、物語の軸はいったいどれなんだ?と思うくらい話があっちこっちへ行き「この話はちょっとあんまりかな…」と思いかけるも、終盤パタパタパタっと全部つながっていき、最後は一気読み!なるほど、きれいに終わったな、面白かった。 -
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がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。
落ちぶれた取り立て屋の乾。
陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結。
生まれてから車椅子の生活しか知らない身体の不自由な博。
いったいどこで彼らが結びつくのかと思いながら読んだけれど、第五章で話が急展開を迎える。
最近"人と人とのつながり"を主としたものを読む機会が多いので、絶対に思いがけない人物でつながるものと覚悟していたのに…それでも予想外だった。
「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。それから人と人も」
「世界は輪っかのようにつながっているのだ、という気がした。一度も会ったことのない人と人も、実は深い関係があ -
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Posted by ブクログ
女性が拉致され、その女性が身に着けていた物や、最後には身体の一部が切り取られて家族に送り付けられる「肌身フェチの殺人者」という異名をもつ犯人が世間を震撼させていた。しかし不動産売買で名をあげた「ザイゼン」の取締役社長・財前彰太は、違う意味で恐れ慄いていた。自身が興信所に勤めていた18年前、ある老人から聞いた事件の犯行内容と瓜二つだったからだ。そしてその18年前の事件の犯人は、彰太がある工作をしたがために、逮捕されることもなく、世に放たれたままだった。
作中でも出てくるが、「因果応報」という言葉がぴったりな内容。自身の行いは自身に返ってくる。主人公を含め、秘密をかかえた人物が多く、それが少 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、表現に小さな違和感。
例えば、天井裏からそこに実在していない少女を見下ろす描写。
「睫毛が頬に影を落とす様も、まるでそこにいるかのように」
天井裏から見ているのに、下にいる少女の睫毛が頬に影をおとす様を視認することができるだろうか?
次に、粘菌の進化について。
環境に適応できた種だけが生き残る。それが種の保存。進化である。
そして粘菌は、平家の怨念が美味しかったので、その餌を求めて人に取り憑く。
これは、進化としてはちょっと無理がある。そもそも人のいない場所で生息しているのだから、人を餌にすること自体、環境に適応できているとは言えない。
平家物語は1221年頃、大沢正の事件