【感想・ネタバレ】骨を弔うのレビュー

あらすじ

30年前、本当は何を埋めたんだろう。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。最初は訝しがっていた哲平も、次第に彼の話に首肯し、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息がわからないなか、事態は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。

※この作品は過去に単行本版として配信した『骨を弔う』の文庫版です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

小学生の時の出来事を大人になって、記憶を探りながらはワクワクドキドキして読んだ!
疎遠になっていたけど、大人になった皆に会う事はまた新たな繋がりで、それぞれの生活を知ることになるけど、この再会で前に進めたこと、そしてその当時に戻る事も出来る間柄に羨ましく思った。後半にびっくりする展開もあったけど、最後は絆を感じていい感じの締めくくりでした。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

作者が、自分の名前と同じ登場人物をストーリーの中に出してくるのは何故?
ミステリーで、時々見かけるけれど、この本では、どんな意図があるのかと、最初不思議だった。
最後で明るみになるが、私はすっかりしっかり騙された!
全くの虚構の作者名なら、読者は、最後までアナグラムと気付かないけれど、作者名だと、あれ?って違和感で気付く人がいるかもな〜っていう、作者の遊び心なのかな?

内容は同級生五人各々の過酷な人生が描かれているが、どこか救いがある話っていうか、読んでいて私自身が癒されていく感じがあった。それは、誰かのせいだとか誰かを恨むとかがなくて、不幸な出来事にあいながらも何とか必死でもがいている様子が描かれていて、常に希望が感じられた。
本当に宇佐美まことの本は味わい深い!

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

宇佐美まことファンになりました!
『子供は怖い夢を見る』に続き、2作目だが、ミステリーなのにファンタジー!
内容はヘビーできついところも多々あったけど、読後感がとても良い!
オモロ〜

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2022年10月18日

Posted by ブクログ

30年前、本当は何を埋めたのか。
5人の同級生視点でお話が進んでいく。

とても不気味で面白かったぁぁぁ…!!!
大人になった5人それぞれの視点が
何よりリアルで、
いま現在の生活環境も全く違う5人のお話が
とてもテンポよく読めました!

話が進む中でわからなかったことが
明らかになる瞬間…とても堪らなかった。

解説にも書いてあるように、
私もこの作品で宇佐美さんの作品を知ったので
「愚者の毒」「展望塔のラプンツェル」を
読んでみようと思いました!

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

増水で土が抉られた堤防の土中から、謎の骨格標本が発見されたというニュースを見た豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。だが、それは記事の発掘場所とは異なっていた。
あれは本当に骨格標本だったのか。そんな思いを抱いた豊は、今は都内で勤務する哲平に会いに行くことに。
あの日、俺たちは本当は何を埋めたんだろう。


横暴な教師へのいたずらのため、骨格標本を隠して埋めた小学生時代の思い出。それから数十年後、目にしたニュースをきっかけにその日の真実を明かそうとするミステリー小説です。
小学生って、大人からみると本当に子どもに見えるけど、時々大人もハッとするようなことを理解していたりしますよね。

ミステリーとしての大まかな展開だけを考えると、結末は予想できなくもないのですが、ヒューマンドラマ的な側面が非常に強く、それぞれ夫婦関係、親子関係の悩みや東日本大震災での被災など、停滞し、囚われている不幸で不自由な現実から、事件の調査をきっかけに途絶えていた縁が復活し、苦難を克服して少しずつ前向きに歩きだしていく。事件の根幹や事情は重く、ですがそんな暗い中にも、読後感悪すぎず明るい希望が見えるようなお話でした。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

骨格標本の頭蓋骨を埋めるという、小学校時代の出来事を大人になってから追います。
あれは本当に骨格標本だったのか、それとも…

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

小学5年生の時、学校の骨格標本を山中に埋めた幼馴染みの5人。40歳となった彼らは、あの時の骨に疑問を持ち始める。開発行為で子供の頃生活した土地は無くなり、ばらばらになった友人を訪ねながら、当時の記憶をたどりながら、骨の真実に辿り着く。
古い友人達は、それぞれの場所で、結婚生活に悩んだり、東北の震災で家族を亡くしたり、人生の岐路で立ち止まっていた。この30年前の骨を弔う事で、過去の遺恨を取り除き、現状の克服に向かう。サスペンス風ヒューマンでした。
それにしても、宇佐美さんの自分をイジる悪戯心が、思いの外で、印象的でした。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めるにつれて「えぇぇぇ」と心の声がついつい漏れてしまうお話でした。
小さい頃の思い出。
わたしの生まれ育った四国のとある田舎での幼少時代。
登場人物それぞれの過去、現在ととある儀式とを回顧する旅。

途中、現実離れした(子供ができるはずもない…)行為や考え。
結末のどんでん返しにも驚きました。

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2022年12月25日

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小学生のイタズラかと思いきや大きな展開へ繋がっていく。大まかなストーリーは予測できるものの面白い作品だった。それぞれが罪を抱えており、過去のしがらみから逃れようとしているのが、人間らしくていいと思う。

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2022年01月08日

Posted by ブクログ

自分好みのミステリーでした。ある事件に関わりながら人間としての成長や変化を描く作品。しかも作中に作者本人がそのまま作家として堂々と登場するところが新しくて面白かったです。誰もが持ってるであろう子供の時の小さな秘密を読者自身も思い出しながら楽しめる作品です。読後感も後味悪くなくてホッとした感じがいいですね〜。でもやっぱり殺人の証拠隠滅を手伝ったのはダメですけどね。それは小説ってことで。

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2021年08月04日

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ネタバレ

仲間と埋めた骨格標本の骨の真実を追い求める、かつて小学生だった男女たち。苦い過去を抱えひっそり生きる者、都会で忙しく日々を送る者、辛い結婚生活を耐える者、家族を失い時間が止まってしまった者…それぞれ歩んできた道が再び交わり、徐々に解けていく骨の謎にすっかり没頭。
最終章はあっと驚いて作者のしかけに興奮のゾクゾクが止まなかった。評価が大きく割れそうな結末だが、めくるめくミステリーと幾多の層をなした人間の姿にお腹の底から満足感が湧き上がる。
縁と大小の奇跡は人生を廻す歯車、自分もその醍醐味を感じて生きていきたい。

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2021年01月16日

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ネタバレ

個人的な感想。登場人物の好きな作家として頻繁に宇佐美まことの名前が出てくるのが我慢できなかった。出てくる度に物語に没入してた脳が現実に引き戻される。さらに終盤のオチは読んでられない。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

堤防の土から人骨がみつかり、事件か?となって調査したところ、それは骨格標本だった。なんだろうねぇという新聞記事が掲載されたんだけど、それをみて子どもの頃の記憶がよみがえってきたとある男性、豊。豊は小学生の頃、友だちと連れ立って学校の骨格標本を埋めに行った。その骨格標本が?いや、でも埋めたのはちがう場所だったはず・・・そこから、自分たちが埋めたのは、実は本物の人骨だったのではないか、と疑い始める。すでに40となり、ばらばらになった幼馴染をたずね、豊は真相を探すとともに、自分の人生とふりかえる・・・という話なんだろうなぁ。

 面白かったと思う。

 豊が訪ねた友人たちのその後が、なかなか濃ゆくて、最初の哲平はまだしも、京香、正一、琴美と、それぞれがひとつのドラマを構成するほどに、こってりと描かれている。丁寧に書きすぎじゃないか、というくらいの印象はあったけど、物語が進むにつれて、ひきこまれたね。

 因縁のつながり方が、なんというか昔読んだ、沼田まほかるの作品に雰囲気が近い気がした。読み終えてから、著者が俺よりも上の世代の女性とわかり、だからなのかな、と感じたのは偏見か。沼田まほかる氏は、宇佐美氏より10歳上だったけど。

 最後の、真実子の章は、ちょっと盛り込みすぎな気はしたけど、たぶん著者自身、楽しんで書いたんだろうね。

 実際、最初の章で宇佐美氏自身が作家として名前が出ているわけだから、伏線ではあったのだろう。

 細かく張り巡らされた伏線が、これでもかとばかりに、丁寧に回収されていく。回収されすぎじゃないか、とかそれってこういうことだったんだよ、とやや因縁を結び付けすぎな気もしないじゃなかったけど、そのこってり感も含めて、エンターテイメントとして堪能させてくれたんじゃないかな。

 最近、エンタメ系ミステリはあまり読んでなかったんだけど、たまには、こういう味わいもいいね。

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2024年06月01日

骨を弔う

青春ドラマ、以下感想。
1、京香のいじめられぶりは長すぎて読んでるのがキツイ
2、琴美の凌辱も長過ぎる。針で入れ墨までは不必要
3、豊のオヤジの出現と活躍はgood!
4、豊が京香と結ばれるのが最高の結末!
5、真実子のどんでん返しはBeter!トッピ過ぎる感あり
6、原口殺しは途中から誰でも分かる引っ張りすぎ
7、登場人物の生活感を書きすぎて中ダレ

#胸キュン #切ない #じれったい

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

小学生の時の悪ふざけで骨格標本を埋めた‥それはホントに骨格標本だったのか?ラストはまた意外な展開になって‥楽しく読めました。

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2022年05月06日

Posted by ブクログ

" [..] それでええ、と答えた。「真実が人を助けるとは限らん」"
なんか重いな、、と途中思いながら、結局最後まで読み終えました。

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2022年04月24日

Posted by ブクログ

恐るべし小学五年生.仲の良い5人で30年前骨格標本を埋めたはずが人骨を埋めたのでは?という疑問に囚われた豊は,その時の友人を訪ねて問いかける.1枚の新聞記事が発端となり,記憶を重ねるごとに一つの事件が浮かび上がる.明らかになってくる真実と,過去と向き合うことで現在の行き詰まった生活をそれぞれのメンバーが改め新しい1歩を踏み出していく.もちろん悪いところも暴かれるがそれ以上に明るい空が見えてくるような,人間の良き心を信じれる物語だった.

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2020年08月28日

Posted by ブクログ

子供の頃に起きた事件を、大人になった男女4人が回想していき、
真実を導き出していく。

この方が描くドンヨリとした雰囲気、好きだなぁ。

最後の最後にメタ的驚きがありプチビックリ。
割とありきたりな仕掛けで、賛否両論ありそうだが
私はアリ。

作者はずっと男性だと思っていたけれど女性なのかも!?

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2020年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小学生の頃、いけ好かない教師を困らせてやるつもりで、学校から盗み出した骨格標本を山中に埋めた子どもたち。30年後の新聞記事を見て、あれは骨格標本などではなく、本物の骨だったのではと当時のことを振り返る。

強く興味を惹かれた出だしだったのに、話中に著者の名前が出てきてシラける。面白いと評判の作家という扱いで、愛嬌とみなすべきなのでしょうが、どうにもそうは思えず。名前が出てくるたびにちょっぴりゲンナリしていたのですけれど。

そうか、これはこの名前でなければ駄目だったのか。そもそもがこの名前を使って何か書こうという遊び心から始まったのかしらんと思います。驚いたのは驚いた。面白かったことは面白かった。でも、こういう芸風の作家ではないと思うので、謙虚な日本人としては(笑)やはり自身を人気作家として登場させるのはちょっとどうだか。

と、文句を言ってみましたが、読後感は良し。幼なじみはいいもんだ。

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2020年07月28日

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