宇佐美まことのレビュー一覧

  • 夜の声を聴く

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    ネタバレ

    いろんな要素がぽつぽつ出てきて、
    それが一つずつ繋がって、
    最後に落ち着きました。

    様々な生死感があって、
    同じものを共有することの難しさを感じました。
    ただ、誰もが死を想像することで、
    生きることができるんだなと思いました。

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    2020年11月01日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    お勧め度:☆5個(満点10個)タイトルに惹かれて買ったけれど、ちょっと予想外の展開に少し暗くなる。人間の精神面、影の部分を、主人公を通して描いてあり、4章ある章を読み進むにつれて、深い闇に陥るような感覚に襲われる。内容は、ピアノ調律師の主人公が愛媛の山奥のダムに沈んだ村で起きた村長である叔父の死をきっかけに、彼女の深層心理が延々と描かれ、次から次へと真相が明らかになるというお話。ネタバレになるので言えませんが、最後には苦難をを乗り越えてハッピーエンドになったので、それは良しとしましょう。暗さを除いて。

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    2020年09月10日
  • るんびにの子供

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    ネタバレ

    巻末の岩井さんの解説に出てくる諺「黙り者の屁は臭い」そのままに、この短編集はどれも強烈に静かな狂気がプンプン臭う。
    震え上がるようなホラーのパンチは弱いが、奇妙で不思議、ゾクッとくるその余韻は一級品。
    それまで頭で思い描いていた映像が終盤ガラッとひっくり返る印象的な『キリコ』。
    満州からの決死の逃避行の話と現代が交わる『狼魄』は、実際に当時の女性が直面したであろう恐怖に身がすくむ。現代の優佳は狼魄を彼女に使うようだけど、優佳の旦那にもできることなら『キリコ』の茶碗の水を…って思った自分もなかなかに臭い女だ。

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    2020年09月04日
  • 骨を弔う

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    恐るべし小学五年生.仲の良い5人で30年前骨格標本を埋めたはずが人骨を埋めたのでは?という疑問に囚われた豊は,その時の友人を訪ねて問いかける.1枚の新聞記事が発端となり,記憶を重ねるごとに一つの事件が浮かび上がる.明らかになってくる真実と,過去と向き合うことで現在の行き詰まった生活をそれぞれのメンバーが改め新しい1歩を踏み出していく.もちろん悪いところも暴かれるがそれ以上に明るい空が見えてくるような,人間の良き心を信じれる物語だった.

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    2020年08月28日
  • 骨を弔う

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    子供の頃に起きた事件を、大人になった男女4人が回想していき、
    真実を導き出していく。

    この方が描くドンヨリとした雰囲気、好きだなぁ。

    最後の最後にメタ的驚きがありプチビックリ。
    割とありきたりな仕掛けで、賛否両論ありそうだが
    私はアリ。

    作者はずっと男性だと思っていたけれど女性なのかも!?

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    2020年08月26日
  • 骨を弔う

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    ネタバレ

    小学生の頃、いけ好かない教師を困らせてやるつもりで、学校から盗み出した骨格標本を山中に埋めた子どもたち。30年後の新聞記事を見て、あれは骨格標本などではなく、本物の骨だったのではと当時のことを振り返る。

    強く興味を惹かれた出だしだったのに、話中に著者の名前が出てきてシラける。面白いと評判の作家という扱いで、愛嬌とみなすべきなのでしょうが、どうにもそうは思えず。名前が出てくるたびにちょっぴりゲンナリしていたのですけれど。

    そうか、これはこの名前でなければ駄目だったのか。そもそもがこの名前を使って何か書こうという遊び心から始まったのかしらんと思います。驚いたのは驚いた。面白かったことは面白かっ

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    2020年07月28日
  • 黒鳥の湖

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    うーん、どうしても設定ありきの
    ストーリーに感じてしまう。

    愚者の毒レベルを期待するのが
    無理なのか。

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    2020年03月03日
  • 黒鳥の湖

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    1月-11。3.0点。
    不動産業社長の主人公、高校生の娘が反抗を始め不良に。
    同時期に、若い女性の連続誘拐も発生。
    娘は無事なのか。

    そこそこ複雑なストーリー。過去、現在の事件が絡み合う。
    しっかりとまとめた感じ。結構面白い。

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    2020年01月20日
  • 黒鳥の湖

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    宇佐美作品を読むのはこれで7作目。「愚者の毒」に心を鷲掴みにされて以来、気になる作家さん。だけど、今回も愚者の毒超えはならず・・・

    主人公・財前彰太が18年前に画策した企みに苦しみ、今起こっている出来事の原因が全て、自分の過去の行状にあるのだはと考えることに違和感を覚えた。怪しい家政婦の存在も、その正体は早々とわかったし、連続拉致殺人事件の犯人も容易に想像がつく。良さそうに見える人が実はみんな悪事を働いているという所がいかにもで、悪のオンパレードに最後は辟易。広げた風呂敷はうまくまとめられたものの、あまりにも複雑に絡まりすぎて読んでいて疲れるし、途中で長々と語られる仏教的な思考過程も異質感が

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    2020年01月13日
  • 黒鳥の湖

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    年の初めの宇佐美まことは、やはり重かった(+o+)。
    高校生の娘が、自分の父親が本当の父親じゃないと知り、段々と素行不良になっていき、幸せだった家庭が崩壊していく。その話を中心に、快楽殺人者や泥棒兄妹の話、会社の乗っ取りの話などが入り込んでくる。それらがどう繋がるのか? 一応伏線もあったので、真相の一部は予測出来たが、著者の目論見はもっと上を行っていた。巧いな、流石に。
    娘の変貌ぶりと、辿り着く先がイマイチ納得出来なかったけど(今の子はもっとドライだと思う)、それを除けば今回も傑作だった。

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    2020年01月02日
  • 虹色の童話

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    相変わらず、宇佐美氏は誰にでもある闇の部分を、
    キチンと分かりやすく巧く描かれる。
    魔に取り憑かれる弱い箇所を、どんな風に味付けをしても、
    リアリティがあり、自分の深淵を覗かれている気持ちになる。
    グリム童話を絡ませて、
    物語の謎解きとしてホラー仕立てにされているが、
    グリム童話はそのもの次第、
    人の噂や実際に起こった殺人を土台にしているから、
    常に人の世は悪意ある口伝えや魔に取り憑かれてしまうという、
    この本も現代のグリム童話でもある。
    不穏な闇に取り込まれないように気をつけて。

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    2018年11月28日
  • 死はすぐそこの影の中

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    『入らずの森』を読んで、追いかけようと決めた作家さん。
    不遇な子供時代を過ごしたピアノ調律師をしている主人公の麻衣子。
    過去に住んでいた村での記憶と現在とが並行して話が進む。
    正直オチは予想がついたのですが、それでもやはり面白かった。
    隠れキリシタンが話のポイントとなってくると思っていたのだけれど余り深くは関わっていなく、そこが少し残念。
    やはり祟りや呪いよりも生きている人間が一番怖いですね。

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    2017年12月14日
  • 虹色の童話

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    『愚者の毒』『入らずの森』の作者ということで自然に高まる期待と七色の題名とは裏腹に、心荒ぶ家族関係の毒気に当てられて全体を覆う灰色の閉塞感に息苦しくなっていく。
    千加子さん…怖いよ。瑠衣くんには、大家が言いかけていた「あの土地はね」の続きも影響を及ぼしていたのかな。各家庭燻る火種はあったにせよ、やはり人が住んじゃいけない土地ってあるんだと神妙な心境になった。話に粗さを感じるものの野犬や赤いスカーフの伏線の繋がりは巧妙。
    きっとあの後彼だけは生きている…そんな気がして仕方ない。

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    2017年09月10日
  • 入らずの森

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    書店のあおりに興味をもって、購入。

    あんまりホラーを読む趣味はなかったのですが、
    どんな怖いんだろうと思って。


    鄙びた四国の山村で起こる不気味な現象と、謎の伝承。
    嫌いではない、のですが。。。

    この小説は、予測不可能であるということが、きっと生命線なのではないかと
    思うのですけれど・・・
    どうしても、とある同人ゲームにかぶってしまって、既視感がすごかったです。

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    2017年09月05日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    怖がりの癖して、なんでこんな本を次々に買ってしまうのか。帯には「注意!夜一人で読まないでください」とあるし、こんな表紙の本が家の中にあるというだけでも怖いのに。カバーをしっかりかけて、しかも酔っぱらっていたら怖さも感じないかもしれんと思い、お酒を飲みながら読みはじめました(笑)。結果、しらふでも大丈夫です。終盤は怖いどころか、いい話で泣きそうにすらなりました。

    愛媛と高知の県境近くの山間の村。まもなく廃校になる中学校に赴任した圭介。廃校にあたり、みんなの思い出になるものをつくろうと、各学年テーマを決めて取り組むことに。圭介が受け持つ生徒たちは、歌い継がれてきた校歌の由来について調査を開始する

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    2017年08月18日
  • 入らずの森

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    山間の町で繰り返される陰惨な事件と不気味な森、謎の生物との戦いというB級ホラー。謎の生物の動機や生体にはかなり無理があるが、ハラハラ巻はあるし、子どもたちの頼もしさや、新人教師の頑張りはよかった。

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    2017年04月22日
  • 入らずの森

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    “死んでも残る念”の恐ろしさは感じるけれど、粘菌になじみがないので圧倒的な恐怖は今ひとつ。狭い集団の人付き合いの方がよっぽど…。画像検索もしたけど、粘菌躍動の力の入った描写やクライマックスがどうしても想像しにくかった。
    そんな苦戦の反面、結集した杏奈の同級生たちの活躍と杏奈を最終的に救った決め手がストレートに胸を打つ。
    次々と見事に回収されていく伏線にもゾクゾクさせられっぱなし。別々の点だった場所と人が一つの線になった瞬間、驚きと興奮の高ぶりが背筋を一気に駆け上がってきた。思わぬ満足感に遭遇。

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    2017年03月27日
  • 入らずの森

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    まあまあ面白かったんだけど、このジャンルであれば明野照葉さんの小説にはまってしまった過去があるので、申し訳ないが新鮮味は感じられなかった。

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    2017年01月18日
  • 入らずの森

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    早期退職して田舎で農業をしながら穏やかに暮らそうとしてるけど、閉鎖的な人間関係になじめない男をはじめ、はぐれ者たちが因習の残る村でなにか得体の知れない感覚に襲われる。ジャンルとしてはホラーなのかファンタジーなのか。うまく作られているなぁ。

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    2015年08月20日