宇佐美まことのレビュー一覧
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ライターの海老原誠は妻の沙織を交通事故で亡くし10歳の夏樹という男の子を一人で育てています。
誠は『月刊クリスタルライフ』から北川フサという大正7年山形県北村山郡生まれで、29歳の戦後間もない時期に連続殺人で五人の殺人の罪で死刑の判決をうけた人物について書くようにいわれます。
北川フサは戦後間もない東京で5歳の息子を亡くし、その後四人の男を刃物でメッタ刺しにして殺し、五人目の男、牟田仙太郎だけは棒状のもので殴打して殺していました。五人目だけ殺害方法が違うのはなぜか…?
誠は調べていくうちに北川フサが戦後間もない東京で、連れ歩いていたという12、3歳の少年ではないかと思われる大垣靖男という -
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戦後の女性殺人鬼として死刑となった北川フサ。
2年にわたる凶行で5人の男を殺めたフサだが、彼女と行動を共にしていた少年がいたという。
妻を交通事故で亡くしたライターの海老原誠は、この事件の裏に何があったのか、もう一度掘り起こすべく取材を始める。一方で、父子家庭となった誠自身にも妻の死後、気がかりなことがあり・・・
戦後の混乱期、時代の流れに翻弄された戦争孤児。
「憎しみ」のみが生きる糧となった、壮絶で過酷な人生に読んでいて何度も胸が張り裂けそうになった。
『月白』というタイトルが意味するものとは・・・
表紙のベンチに座る人物こそが、本作の主人公。
誰にも言えない贖罪の思いを胸に秘めたまま -
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小生、広島在住だが松山には親戚もありつい最近まで春秋には墓参りに行っていたので、本書の記述が非常に楽しめた.複雑な家庭環境下で育った上野侑平が祖父の松山の家を訪ね、祖母を介護した祖父の遺品の中から表題にもある「13月のカレンダー」を見つける.これをベースに様々な人との接触が物語を発展させる.山根研究室での侑平の行動は、論文執筆活動をしていた小生にも感じる所が多かった.「閃光」での被爆状況の描写は克明で読みながら涙が出てきた.祖父の住所録から服部義夫さんに会うことができたのも、人のつながりが結びつけたものと思っている.石丸奈穂美と山根先生を尋ねる場面は、先生の包容力を感じさせる素晴らしいものだっ
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ワタシの初 宇佐美まこと は「羊は安らかに草を食み」で、それはそれは衝撃を受けたのですが、この「月白」も羊と同じ系統です。羊ファンならおススメです。
「戦後の混乱期に5人の男を殺した殺人鬼 北川フサ」について書くフリーライターの話ですが、この物語の主人公は、東京大空襲で親を亡くした13歳の男の子 靖男 です。戦争孤児というのかな、親を亡くした子供が生きていく環境が悲惨すぎる。
読み終えて、表紙を見ると青白い景色の中、ベンチに座る男性一人。
しかし、お姉さんの千代ちゃんや洋パンの清子たちの話もすごい。ワタシは自分が女なのでよく分からないけれど、男っていうのは食うや食わず生きるか死ぬかの状況で -
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インテリアコーディネーターの妻を交通事故で亡くし、小学5年生の息子の夏樹を一人で育てるフリーライターの誠。そんな彼に雑誌『月刊クリスタル』編集部から、戦後の殺人鬼が起こした事件をもう一度掘り下げて検証してほしいとの依頼が入った。殺人鬼の名前は北川フサ。彼女は戦後の混乱期に5人の男を立て続けに殺し、死刑となった人物。取材を始めた誠は、フサが赤の他人である少年とともに行動していたことを知る。そして、その少年は今も生きていた。
戦後の混乱期、東京の上野、新橋、有楽町などには多くの身寄りのない子供たちや大人たちがその日暮らしで必死に生きてきた。
そのことを戦後に生まれた自分も含めて、どれくらい多く -
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もう、宇佐美まことさんはずっとこっち側でいいんじゃないでしょうか
終戦直後の混乱期に5人の男を立て続けに殺害し死刑となった女性の半生を追うことで、同時に当時の東京の闇市の中で消えていった多くの命をも克明に描き出す本作はまたしても戦争の残酷さを突きつける傑作となっております!
いやもう、宇佐美まことさんのホラー側のファンの人たちにはたいへん申し訳ないが、絶対こっちやわ
傑作が続く続く
もうホラーいいです(お前に権限ないわ)
あ!でもホラーで培った表現力がこの戦後の時代の社会不安みたいなんを見事に表現してるのかもしれん
そうか、ならたまにはホラー書いてもいいです(だから権限ないて)
まぁ、 -
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ネタバレ宇佐美まことさんの本は、羊は安らかに草を喰みを読んでから衝撃を受けて、今もなお自分にとって忘れられない1冊だが、この本もまた自分にとって大事な本となりました。
戦争の時の描写が非常に生々しく、それら一つ一つも非常に重いのですが、千代の死に様、そしてアゴセンへの復讐の描写はもう胸が苦しくてたまりませんでした。
東京大空襲があったという事実は勿論知っていましたが、正直その言葉だけを知っているに過ぎなかったと思い知らされました。上野駅が戦争孤児や家族を亡くした人たちの唯一の住処としてそんな風に使われていたなんて恥ずかしながら全く知らなかった。
川に身投げする人もいた。という一文は教科書などで見ると -
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宇佐美まことさんの作品。
紹介文で勝手に中高年のおっさん達が活躍する以前読んだ本を思い浮かべてしまっていた。
たしかにこの作品の主要キャラもおっさん達だ。しかも、ずいぶんとしょぼくれている。
もう潰れそうな風呂屋の親父、父親から譲り受けた開店休業の骨董屋の親父、地元に帰ってきた全国紙の新聞記者。
彼らの元に「銀行員が橋から転落死した事故を調べてほしい」と相談が。
ちょっと調べたらどんどんと出てくる闇の世界だった。
政治家、病院理事長、詐欺集団、マネーロンダリングなどなど。
田舎に似つかわしくない深い闇に、おっさん達は立ち向かえるのか!
大きなテーマと、ラストにほんわかできるエピソード