宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書備忘録935号。
★★★★★。
なるほど。
タイトルの暗喩はラストで着地するんだ。
アイと富士子が羊飼いという訳ね。
そして、カヨちゃんと益恵が羊か・・・。
サスペンスであり、見方を変えればホラーです。
読後ずいぶん経ってしまったので忘却の上での備忘録となってしまった。( ノД`)シクシク…
後期高齢者の仲良し3人娘、持田アイちゃん、須田富士子ちゃん、都築益恵ちゃん。
益恵ちゃんが認知症に。
益恵の夫、三千男は自分の状態も考え、益恵を施設に預ける決意をする。
ただ、益恵が心に旧満州引き上げからの「つかえ」を抱えていると。認知症が進むと共につかえの断片が言葉の断片に表れるようになってき -
Posted by ブクログ
児童向けホラーアンソロジー。しかし執筆陣を見てわかるように、子供向けだと侮れはしません。
一番怖かったのは澤村伊智「靴と自転車」。ちょっと心温まる系……かと思いきや、とんでもなかったです。それでも起こってしまう悲劇は予想されたものの、まさかこんな結末だとは。
表題作の斜線堂有紀「部分地獄」、これは子供の頃だったら一番読みたくなかった作品です。たぶん一番怖く感じたかもしれないし。ある意味「部分」の方が凄惨かも。
井上雅彦「きれいずかん」、芦沢央「ログインボーナス」、宮部みゆき「よあるきのうた」もお気に入りです。怖さもあるけれど、そればっかりではない。どれも素敵です。 -
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面白かった。
帯に"花屋さん"、"花が埋もれた真実や死の真相を教えてくれる"、というようなワードが書かれてたので、殺人事件は絡むけど優しくて明るい感じなのかな?と思い読み始めたけど、違った。
短編集で各話の事件の背景が結構重たくて、暗い気持ちになってしまった。どの話もやるせないんだよな…。もちろん悪人が逮捕される話は、被害者の無念が晴れてスッキリする。後味は少し悪いけど。
加害者にならざるえなかった話は、なんとも悲しい。そういう感じで全体的に暗い気持ちになるのだけど、最後は不思議と前向きになれる。これから良いことが起きるような感じで。なぜだろう?と考えてみた。なんとなくだけど、何 -
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ネタバレ描写がとてもリアルで、戦争を体験していなくとも過酷な様子が伝わってきてとにかく苦しかった。
でも読まなくてはならないという気になる。
この本は読み出したら途中で投げ出してはいけないという気になる。
生半可な気持ちで読む物ではない。
いつもは移動時間や隙間時間に本を読むが、この本だけはそれを許されないというか、そんな気持ちで読んではならないと思わされる本だった。
子を持つ親として、子を攫われたり、殺されたり、集団自決したりといった描写は本当に辛いものだった。
子供をぶら下げて刺すなんていう極悪非道でしかない行為が行われていた時代の事を考えると、今の自分はなんて幸せなのだろうと。
終盤の展開に賛 -
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こんなにボリュームたっぷりな小説は久しぶり。
まさに読み応えのある一冊だった。
どこでつながるんかなぁ、あ、やっと同じ線上に…と気づいてからは、先が気になって気になって。
込み入った部分がさっと説明に終わった感じは残念だったけれど、そこまで詳しく書いたら上下巻になりそう。それだけ複数テーマがあり、でもたくさん人間が出てるんだから、それだけの背景はあるよな、一人一人の人生の物語の絡み合いが、人間関係ってものだしな。
たぶん一人一人を大事に描いてくれている、思いを込めているんだろうな。
最後は切なかったけれど、こんな終わりの作風もありかな。 -
Posted by ブクログ
2021年読書メーターOF THE YEAR 2位
涙なしに読めない素晴らしい小説だった。
認知症の話ではなく、満州から生き延びて引揚げた益恵の壮絶な体験と彼女が貫いてきたものを描いた、帯のとおりの「圧巻の人間ドラマ」だった。
その体験があるからこその彼女の人となりや、人生の選択が、あまりにも説得力をもっている。
満州に渡った人たちは皆、戦後似たような体験をしてきただろうし、生き延びたことは奇跡なんだと思った。
綺麗事だけじゃ生きれなかった過去、犠牲にしてきたもの、感謝など、内に秘めてきた数々の思いに胸を締め付けられた。
そんな思いを益恵が俳句として吐き出すことができることは良かったなと思う -
Posted by ブクログ
小さな花屋「フラワーショップ橘」を中心にした、さまざまな人間模様の中で起こる事件と謎を描いたミステリ短編集。ミステリとしてはもちろんですが、物語の深さにも惹きつけられる一冊です。
お気に入りは「クレイジーキルト」。さまざまな人たちのそれぞれの視点から描かれるとある事件。表面的な報道からは見えてこない、事件に関わった人たちの気持ちが刺さりました。運悪く起こってしまった悲劇。きっと誰も悪くなどなかったのに、自分のせいではと思い悩む人たちの痛みがつらく、だけれども穏やかな癒しの物語になったのが素敵です。
「家族写真」もとても良い話。表面的には単なる良い話で終わるであろうところ、そこに隠されていたのも -
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ネタバレ好きな作家だったので。
そう、これです。
このひりっとした感じ。
お花屋さんのお話なのだが、
大学時代の同級生の叔母が亡くなったことが、
するりと殺人事件になっていく。
その同級生は気分屋で軽率で、とざっくり切られる。
でも天真爛漫で裏表がないからつきあってられる、
とお花屋さんの志奈子は思っている。
さらに大学の時、部活の監督と不倫をしていて、
当時その叔母が大学に乗り込んだとか、
大学を去らざるを得なかったその元監督とよりを戻してるとか、
どんどん話はきな臭くなっていく。
志奈子の周囲での事件が語られる短編集なのだが、
その短編の中に人生がぎゅっと詰め込まれていている。
その凝縮ぐあ