宇佐美まことのレビュー一覧

  • 13月のカレンダー

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      あの日人類史上最悪の爆弾が降ってきた…


    もし、過去に戻れたら――。
    決して起こるはずのない幻想を搔き消し、再出発の一歩を踏み出した侑平。
    そして、愚かな戦争の記憶と奇跡の物語は、新たな世代へと受け継がれてゆく。

    宇佐美さんの思いがたくさん詰まった一冊だった。

    原爆の悲惨さ、当時の情景、生き延びた人への差別
    主人公がたどる祖母の辛い過去を知る事が、自分の犯した罪に向き合い再生の道になる。

    13月のカレンダーが起こした奇跡に涙(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    久しぶりの宇佐美まこと作品は満足の一冊でした♡




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    2026年03月13日
  • 13月のカレンダー

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    小生、広島在住だが松山には親戚もありつい最近まで春秋には墓参りに行っていたので、本書の記述が非常に楽しめた.複雑な家庭環境下で育った上野侑平が祖父の松山の家を訪ね、祖母を介護した祖父の遺品の中から表題にもある「13月のカレンダー」を見つける.これをベースに様々な人との接触が物語を発展させる.山根研究室での侑平の行動は、論文執筆活動をしていた小生にも感じる所が多かった.「閃光」での被爆状況の描写は克明で読みながら涙が出てきた.祖父の住所録から服部義夫さんに会うことができたのも、人のつながりが結びつけたものと思っている.石丸奈穂美と山根先生を尋ねる場面は、先生の包容力を感じさせる素晴らしいものだった.

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    2026年03月13日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    学級日誌よりこっちの方が面白いというか意味が分かる話だった。教訓も含めた怖さなので子ども向け。そして作家は活躍されている方ばかりなので本好きにはたまらない一冊。

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    2026年02月22日
  • 逆転のバラッド

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    宇佐美まことさんの作品。

    紹介文で勝手に中高年のおっさん達が活躍する以前読んだ本を思い浮かべてしまっていた。
    たしかにこの作品の主要キャラもおっさん達だ。しかも、ずいぶんとしょぼくれている。
    もう潰れそうな風呂屋の親父、父親から譲り受けた開店休業の骨董屋の親父、地元に帰ってきた全国紙の新聞記者。
    彼らの元に「銀行員が橋から転落死した事故を調べてほしい」と相談が。

    ちょっと調べたらどんどんと出てくる闇の世界だった。
    政治家、病院理事長、詐欺集団、マネーロンダリングなどなど。
    田舎に似つかわしくない深い闇に、おっさん達は立ち向かえるのか!



    大きなテーマと、ラストにほんわかできるエピソードを添えて、良い読後感。

    満足度高いです。

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    2026年02月19日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    主人公の侑平は、亡き祖父母の家で13月のカレンダーを見つけた事から、祖母寿賀子の壮絶な子供時代に遡っていく。
    親友の喜代や、亡くなった兄の親友義夫との出逢い。
    原爆投下の日、あの日に何が起きたのか。
    生き延びた人達は被爆者だという差別に合う。
    喜代の息子剛が白血病になってしまい、最後に『母さんも原爆の犠牲者なのになんで謝るんや』と言って最後まで被爆2世にはならないと抗っていた剛。
    戦争の話は何処か遠い昔話になりつつあるけど、本当にあった惨く怖しい出来事だったんだと、改めて感じました。

    最後にずっと寿賀子が言っていた奇跡に、思わず鳥肌がたってしまった。

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    2026年02月06日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    え~~~っっっ、こんな奇跡が待っていたなんて!!!読んでいる間、こんな奇跡が起こるなんて想像できませんでした。
    "13月のカレンダーが過去に、あの日、8月5日に戻してくれた"というだけではなく、さらに未来に続く、侑平自身に起こる奇跡だったなんて!!!なんて、なんて凄い奇跡なんだろう。
    読み終えた時、ちょうど寝る時間だったのですが、この奇跡の興奮の余韻で、なかなか寝付くことができませんでした(笑)。
    主人公の侑平が自身のルーツを知るため、祖母と原爆で亡くなった祖母の兄の友達2人に会うため、祖母の出身である広島に向かい、様々な話を聞くこととなります。作品の中で、原爆にあった2人の人物の凄惨な壮絶な体験が語られています。改めて原爆の悲惨さ、恐ろしさ、ただ「原子爆弾が投下されて、多くの人が亡くなり、街が壊滅状態になった」ということだけではなく、多くの人が運命に翻弄され、亡くなった人、亡くなった人の家族や友人一人一人に物語があった事を思い知らされ、深い悲しみや恐怖、怒りを抱き、この事実を教訓として未来に継承し、語り継いでいかなければいけないと、深く感じました。
    でもこの作品は、そんな悲惨さで包まれた物語ではなく、原爆に遭うこととなったけど、そこで起こった奇跡が焦点で、言葉が適切かどうかわからないけど、侑平のおばあちゃんが起こした奇跡が凄く優しくてキレイで、あくまでフィクションの小説だとわかっていても、人ってこんな奇跡を起こせるんじゃないかって思う、凄く温かく素敵な物語でした。
    読後、素晴らしい奇跡にドキドキする一冊に出会いました。

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    2026年02月05日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    いっっちばん好きな本になった。
    この本を読んでいる間、薄い緑の柔らかい世界にいるみたいに心が穏やかで、益江の人生にお邪魔させてもらってる気分だった。読み終わりたくなかったな〜〜。読み終わってとりあえず宇佐美まことさんの作品を探し漁った。

    明日どころか1分後の命の無事の保証もない環境で生きて生き抜いてきた人にしか辿りつかない感情と感性が確かにあって、ただ生きていることに心から大きな価値を感じるんだろうなあ。

    自分の祖母も台湾で空襲に遭って弟を守りながら河川敷を転がったことがあるとか聞いていたから、益江を祖母に重ねながら読んだ。

    アイと富士子のバックグラウンドにも不倫だの詐欺だの子供への相続だの、それだけで本が一本書けるくらいの物語がありながら、それを敢えて長く引きずらず「誰にでもあるでしょこの手の話」と軽やかに差し込んでくる。
    益江の満州引揚げの話の箇所は苦しかったけど、そのパート以外はどんなに重たいテーマがきても、人を殺そうとする場面さえ、ほんのりとあたたかい雰囲気が流れていて、ずっとずっと読んでいたい物語でした。

    最後の殺す殺さないのパートは賛否が出るだろうなと思いながら読んだけど、なんかもうその辺はどうでも良くてそこに至るまでの物語が素晴らしすぎたのでオールオッケー。

    帯に「ミステリー」と書いてあったけど、ミステリーというか「その人を知っていったら、こんな物語がありました」っていう流れだからなんかミステリーって呼ぶと逆に薄っぺらくなっちゃうからヤダなとか思っちゃった。

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    2026年02月02日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    人生とは。
    益恵の壮絶な戦争時代の体験は、目を背けたくなる場面だらけで、読んでる私も頭で思い浮かべては辛くなるばかりだった。そこから日本へ戻った益恵と佳代はもうあんな辛い体験をしなくていいんだと心を撫で下ろしたに違いないのに…読めば読むほど明らかになっていく辛い過去にページめくる手が止まらなくてすぐ読み終わってしまった。

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    2026年01月31日
  • 13月のカレンダー

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    まことさん、ひま師匠のレビューで、絶対これは読むぞぉと思っていたところに、かなさん、ミユキさんのレビューで、高いけど買っちゃいました(^◇^;)
    良質のレビューが重なるとやっぱり買いたくなります。゚(゚´ω`゚)゚。


    この作品も、素晴らしい作品でした!
    買って良かった(*ˊᗜˋ*)♡
    来年の夏の読書感想文の課題図書にしても良いのではないでしょうか!?


    主人公の 侑平 29歳は、過去に大きな迷いを抱え、勤めていたバイオ企業を退職していた。

    両親は離婚していたのだが、疎遠になっていた父親から、父方の祖父母が亡くなった家を相続する話を持ちかけられ、 愛媛県松山市にある祖父母の家を訪ねる。

    祖父母の家で、13月まであるカレンダーと、祖母の病状を綴った大学ノートを見つる。

    その中に祖母言葉『十三月はあったのよ』」という謎めいた一文があった。

    興味を引かれた侑平は、自分のルーツを知るため、周囲の人に祖父母の話を聞くことに。話を聞くうちに、やがて 広島へと着地する。



    広島への原爆投下。
    それだけでなく、その後を生きた人の理不尽な差別の問題。被爆者の生き辛さに心が締め付けられる、そんな一冊でした。゚(゚´ω`゚)゚。

    いい本です。
    読んで損はありません。゚(゚´ω`゚)゚。



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    24日の土曜日は、会社の組合のツアーで、娘と2人でディズニーシーに行ってきました。
    浜松→東京 新幹線 で舞浜までは、通常往復で 16,480円かかり、ディズニーシーのチケットはおよそ一万円。

    これが組合のツアーだと、2人分で
    新幹線、ディズニーシーチケット込み
    給与引き落としで 32,000円ポッキリ。
    2人でおよそ2万円お得♡
    社長〜安い〜(*´꒳`*)

    24日、かなり混雑していました。
    入った瞬間、ソアリンは売り切れ^^;

    他にお金払ってまで乗りたいものが無かったので、食べ歩きしながらのんびり回りました。

    先ずはフランダーのフライングフィッシュコースター
    子供が乗るようなジェットコースターです。20分待ち。

    次はシンドバッド。ここはいつも空いていて大抵待ち時間5分です。そしてその横のマジックランプシアター15分待ちへ。

    娘が今回1番楽しみにしていたミルクティーのチュロスを購入。600円。私は一口だけかじりました。

    お昼、こちらも娘が食べたがっていた ダッフィーのスペシャルセット ビーフ、シーフード単品、ビール、紅茶 3,860円
    をモバイルオーダーしておいて、その間にニモ&フレンズ シーライダーへ。

    その後頼んでおいた昼食を待ち時間ゼロで食べ、私はビールを堪能 (๑˃̵ᴗ˂̵)و うまいっ!

    単品にしたので、ちょっと小腹が減っており、餃子ドッグ 600円 を購入し、食べながらダッフィーグッズのお店をあちこち渡り歩き、娘が帽子を購入。3,900円。

    タワー・オブ・テラーの前でショーが行われていたので少し立ち見。
    その後タワー・オブ・テラー80分待ちへ。
    50分待ったところで、ハイタワー三世の説明の部屋に入れました。

    その後ビールが飲みたくなったので、ニューヨークデリで、ビール&ポテトを購入し、休憩。1,080円。

    この時娘は何も飲まず何も食べていないので、私が飲み終わると、ゴンドリエスナックへ移動し、娘はカフェラテ&マカロン。私はホットコーヒー。1,800円。

    その後ファンタジースプリングスに移動するも、どのアトラクションも60分以上待ち。ピーターパンは140分以上だったのでこのエリアは諦め、100分待ちになっていたセンターオブジアースへ。
    80分待ったところで乗車でき、最後にお土産9,960円を購入して帰りの新幹線へ。

    新幹線前にコンビニで、おにぎり、ビール、つまみ合わせて 2,106円

    合計、2人合わせて 55,906円の旅でした♪

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    2026年01月25日
  • 13月のカレンダー

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    タイトルからは想像できない、家族の物語でした。そして、原爆にあってしまった方のその後の人生。やっばり戦争はしてはいけないと改めて思いました。
    侑平が松山で見つけた13月のカレンダー。そこから繰り広げられる家族への想い。とても心にしみました。

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    2026年01月13日
  • 羊は安らかに草を食み

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    洗心、重たかったけどいい話だった。
    後は死ぬだけ
    死が身近な世界

    おじいちゃんも認知症だった。発する言葉に意味を見出そうなんて思いもしなかった。おじいちゃんにも、つかえがあったのだろうか。いや、ないな。下ネタばかり話していたから。気まずかったんだぞ!あの頃の食卓!やってくれたな!じいちゃん!

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    2026年01月08日
  • 13月のカレンダー

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    原爆被害の記憶をしっかり今に位置づけるとともに骨太の再生の物語に仕上げた作品だ。読後感も素晴らしい。しっかりと自分と家族と戦争に向き合った主人公の格闘に○。

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    2025年11月29日
  • 羊は安らかに草を食み

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    俳句仲間の益恵、アイ、富士子が、認知症になり記憶をなくしていく益恵の生涯をたどる旅に出る
    益恵の旧友たちの語り
    満州からの引き揚げという壮絶な経験を表す益恵の俳句
    読むのが辛くなるくらい悲惨なのに、読み進める手が止まらない
    教科書を読むより、余程平和や戦争への意識が変わると思う
    ラストの「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」が読み終えた読者の心に突き刺さる
    何度でも読み返したくなる本でした

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    2025年11月28日
  • 月の光の届く距離

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    とても面白かったです。
    1番の感想は人は環境も大事だけれども、自分がどうしたいのかで行動出来るか出来ないかで未来は変えられるって事です。
    主人公は4人?になるのかな。
    皆、自分が悪いわけではないのにどうにも出来ない状況に苦しみますがその先は自分で決めた道を進んでいる。
    繰り返し傷つけられてもまたそこからその先をどうするのか考えて自分の決めた道を進んでいく。
    こういうお話を読むと同じ状況でもその状況を不満に思い立ち止まっている人もいて、結局は自分次第なのかなと。
    内容は重たいですが、明日を、この先を決めるのは自分と思える気持ちが明るくなる作品でした。

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    2025年11月12日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    まぁさんと佳代ちゃんの壮絶な引き揚げ体験は、読んでいて胸が苦しくなった。自分の身内から聞いていた体験と重なり、それは引き揚げというより命がけの脱出であり、奇跡的な生還だったと思う。
    年老いて認知症を患っているまぁさんが、心のつかえを取り除いてあげたいという夫の願いにより友人ふたりと過去をたどる旅に出る。大津、松山、佐世保から國先島へ…

    まぁさんもアイちゃんも富士子さんもそれぞれ人生の終わりに安寧の境地にたどり着いたのかな。
    結果オーライとはなったけど島谷には改心させてほしかったような気もする。
    「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」

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    2025年09月21日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    年齢は離れているが、俳句教室をきっかけに仲良くなった益恵と富士子とアイ。認知症が進行している益恵が施設に入る前に、これまで人生を巡る旅に出ることになる。最初は緩やかな流れだと思っていたら、10歳の益恵が体験した満州での出来事の重みに圧倒された。家族全員を目の前で失い、それでも祖国に帰るために大陸でひたむきに過ごした益恵。旅では多くの人との出会いから益恵の強さが伝わり、アイも富士子も自分の人生とも向き合うきっかけをもらう。最後は驚いたが、老婆の力強さを感じつつ、益恵の辛い過去から解放された気がした。

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    2025年09月05日
  • 羊は安らかに草を食み

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    本当に出会えてよかった小説でした。
    内容が濃くて、読みごたえがありました。

    認知症の妻(益恵)が住んだ土地を巡ってほしいと頼まれた、益恵の親友のアイと富士子。三人は滋賀県大津市、愛媛県松山市、長崎県國先島を訪れます。益恵が11歳の時、満州から引き揚げるときの出来事と交互に語られていました。

    満州から引き揚げるまでのことは、本当にこんなことが起きていたのかというくらいのひどさでした。戦争が終わった後に、こんなにも過酷で残酷なことがあったことを、そしてそれを乗り越えて日本に戻ってきた11歳の女の子のことを読んで、簡単に言葉にすることはできないなと思いました。

    読めば読むほど引き込まれました。訪れる先々で、益恵の過去がひもとかれました。大人になってからの彼女は、つらいことも何もかもを受け入れ、時には俳句に思いを託し生きてきた素敵な女性でした。

    戦争が終わったとしても、その傷跡は消えるわけではなく、その事も含めて人をまるごと受け止める強さに感服しました。

    益恵と佳代。
    アイと富士子。
    4人が教会で聴くパイプオルガンの音色。
    バッハの「羊は安らかに草を食み」。

    読み終えたとき、穏やかな時間を勝ち取った4人の後ろ姿が見えるようでした。

    「別れるつらさを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」

    歳を重ねるということは、こういう境地に立てることなのかもしれないと思いました。



    〈目次〉
    第一章 旅の始まり
    第二章 湖のほとりで
    第三章 天守閣の下で
    第四章 島の教会で
    第五章 旅の終わり





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    2025年09月01日
  • 羊は安らかに草を食み

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    とても良かったです。
    「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」
    辛い戦争体験には言葉がみつからないけれど
    最後の、この言葉で救われた気がします。
    そして、とてもいい言葉です。

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    2025年08月24日
  • 羊は安らかに草を食み

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    この三人の女性にとても近い年齢なので…
    そして、戦争は終わってから80年…近いです。
    すべてが想像できるので、辛く読み進めるのにも気がせきました。
    何とも言えない終末ですが、でも私も、
    それに近いことをしたかな・・‥と思います。
    読後はちっとも重い気持ちにはなりません‥‥でした。

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    2025年08月23日
  • 羊は安らかに草を食み

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    久しぶりに心に迫る本に出会えた気がします。

    戦中、戦後を逞しく生き延びた少女たちに涙が止まりませんでした。
    たった80年ほど前にこんな過酷な現実があったなんて…。
    戦争の話は子供の頃から繰り返し、学んできたつもりでしたが、こうして物語形式で読むとリアリティをとても感じました。

    そして主人公を支える友人たちも本当に心優しく寄り添ってくれて、心強い存在でした。
    最後の展開は少し驚きでしたが…。

    誰しもにとって、良い方向に導かれる最後で安心した終わり方でした。

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    2025年08月22日