宇佐美まことのレビュー一覧

  • 謎は花に埋もれて

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    花屋の志奈子と刑事の庄司は50歳を過ぎて結婚し、寄り添いあうような雰囲気のなかにさまざまな事件が織り込まれていて、作中の雰囲気が良き

    お花も好きなので
    お花屋さんの雰囲気にひたらせてもらって、しあわせでした

    一番お気に入りの短編は
    『家族写真』

    宇佐美まことさんの作品って
    さまざまな思いと人と人が織りかさなっていく描写が秀逸で人間ドラマが好きな方には、おすすめな作家さんです

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    2025年08月20日
  • 羊は安らかに草を食み

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    読書備忘録935号。
    ★★★★★。

    なるほど。
    タイトルの暗喩はラストで着地するんだ。
    アイと富士子が羊飼いという訳ね。
    そして、カヨちゃんと益恵が羊か・・・。
    サスペンスであり、見方を変えればホラーです。

    読後ずいぶん経ってしまったので忘却の上での備忘録となってしまった。( ノД`)シクシク…

    後期高齢者の仲良し3人娘、持田アイちゃん、須田富士子ちゃん、都築益恵ちゃん。
    益恵ちゃんが認知症に。
    益恵の夫、三千男は自分の状態も考え、益恵を施設に預ける決意をする。
    ただ、益恵が心に旧満州引き上げからの「つかえ」を抱えていると。認知症が進むと共につかえの断片が言葉の断片に表れるようになってきた。つかえと取り去らないまでも、その苦しみから解放させてあげたいと願う。
    つかえは自分には分からない。
    三千男はアイと富士子に3人旅をお願いする。
    行先は、益恵が旧満州から引き揚げた後、転々とした場所。
    長崎國先島、愛媛松山、滋賀大津。

    旅を引き受けた2人は益恵を伴って大津、松山、國先島と時を遡る旅を始める。
    物語の構成は旅の合間に、益恵の旧満州からの引き上げの地獄物語が差し挟まれる。
    益恵がずっと嗜んできた俳句きっかけで旧満州パートに切り替わる手法は、まるで映像を見るような自然さ。ストレスなく読める。
    そして時を遡る旅と、満州引き上げ物語は國先で繋がる・・・。

    物語のもう一つの面。
    それはカヨと富士子がこの旅を通じてこれからの自分と向き合う姿を描く。
    それは家庭のことであり、病のことである。
    老い先短いこれからをどう生きるか。
    これも同じような年齢の読者には他人事とは思えない。

    そして忘れてはならないサスペンス要素!笑
    いくら老い先短くて怖いものなくても、所謂「無敵の人」になったか!ばあさん!って感じのラストでした。笑
    しかもご都合主義的ハッピーエンド!
    これはこれでアリアリだと思う!

    良く練られたストーリーで満足でございました。

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    2025年08月13日
  • 謎は花に埋もれて

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    植物が事件のヒントに導いてくれるまた植物がその事件の真実を知っている
    そんなお話がたくさん出てきてとても面白かった
    今後誰かにお花をもらったら花言葉には注意しようと思ってしまった

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    2025年08月08日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    児童向けホラーアンソロジー。しかし執筆陣を見てわかるように、子供向けだと侮れはしません。
    一番怖かったのは澤村伊智「靴と自転車」。ちょっと心温まる系……かと思いきや、とんでもなかったです。それでも起こってしまう悲劇は予想されたものの、まさかこんな結末だとは。
    表題作の斜線堂有紀「部分地獄」、これは子供の頃だったら一番読みたくなかった作品です。たぶん一番怖く感じたかもしれないし。ある意味「部分」の方が凄惨かも。
    井上雅彦「きれいずかん」、芦沢央「ログインボーナス」、宮部みゆき「よあるきのうた」もお気に入りです。怖さもあるけれど、そればっかりではない。どれも素敵です。

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    2025年08月07日
  • 骨を弔う

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    小学生の時の出来事を大人になって、記憶を探りながらはワクワクドキドキして読んだ!
    疎遠になっていたけど、大人になった皆に会う事はまた新たな繋がりで、それぞれの生活を知ることになるけど、この再会で前に進めたこと、そしてその当時に戻る事も出来る間柄に羨ましく思った。後半にびっくりする展開もあったけど、最後は絆を感じていい感じの締めくくりでした。

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    2025年07月02日
  • 謎は花に埋もれて

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    面白かった。

    帯に"花屋さん"、"花が埋もれた真実や死の真相を教えてくれる"、というようなワードが書かれてたので、殺人事件は絡むけど優しくて明るい感じなのかな?と思い読み始めたけど、違った。

    短編集で各話の事件の背景が結構重たくて、暗い気持ちになってしまった。どの話もやるせないんだよな…。もちろん悪人が逮捕される話は、被害者の無念が晴れてスッキリする。後味は少し悪いけど。
    加害者にならざるえなかった話は、なんとも悲しい。そういう感じで全体的に暗い気持ちになるのだけど、最後は不思議と前向きになれる。これから良いことが起きるような感じで。なぜだろう?と考えてみた。なんとなくだけど、何気ない日常の描写で話が終わるからかな?と思いました。

    私は"花より団子"の人なので、花は詳しくない。
    だから、話の途中で花の豆知識が出てきて、「なるほどな」と少し賢くなった気分になりました。

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    2025年06月18日
  • 謎は花に埋もれて

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    花を題材にした小説だけでなく人情の機微にも触れる本だった。

    最後の「家族写真」が印象に残る。
    フラワーショップ橘の店主と、刑事をしている連れ合いが物語の中心となるが、もしもあの時…という偶然の積み重ねがもたらした結果に人は自らの責任を重ねていく。
    事件の解決と事件の裏側を描く道筋が、大変興味深く読むことができた。

    怪奇小説ではないのだからこの装丁は如何な物かと思う。花を題材にしているにしても、本書の内容と乖離した装丁ではこの小説の良さを毀損してしまう。

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    2025年06月02日
  • 羊は安らかに草を食み

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    戦争の悲惨さ、人間の愚かさ、運の分かれ道、、、友の存在だけが生きる意味だったのかな

    本当にこんなことが起きてたんだな
    起きてたまるかよ…

    目眩がしそうでした。

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    2025年05月25日
  • 虹色の童話

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    レインボーハイツに入居している世帯は、アル中の祖父とネグレクトされた孫、DV男とその妻、リストラされて妻の収入が頼りの無職男、シングルマザー、再婚家庭などなど、問題がいっぱい
    民生委員のチカコが関わるなかで殺人事件が連続して発生、その背後にちらつくのはネグレクトされている男の子
    本当は怖いグリム童話
    絶妙にリアルなホラーでぞくっとしました
    おもしろかった!

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    2025年05月16日
  • 謎は花に埋もれて

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    作者さんの著書を読むのは初めて。
    花屋さんを営む女性とその周りの人に起こる花にまつわるミステリー。作品の中の変化球的な「クレイジーキルト」「家族写真」が好みだった。
    割と淡々とすすめられていく話で読みやすかった。

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    2025年05月02日
  • その時鐘は鳴り響く

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    こんなにボリュームたっぷりな小説は久しぶり。
    まさに読み応えのある一冊だった。

    どこでつながるんかなぁ、あ、やっと同じ線上に…と気づいてからは、先が気になって気になって。

    込み入った部分がさっと説明に終わった感じは残念だったけれど、そこまで詳しく書いたら上下巻になりそう。それだけ複数テーマがあり、でもたくさん人間が出てるんだから、それだけの背景はあるよな、一人一人の人生の物語の絡み合いが、人間関係ってものだしな。

    たぶん一人一人を大事に描いてくれている、思いを込めているんだろうな。

    最後は切なかったけれど、こんな終わりの作風もありかな。

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    2025年04月26日
  • 謎は花に埋もれて

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    2025.4.22
    フラワーショップ橘という花屋を経営する志奈子と色んな種類の花が関係する短編集。
    花がキーになって事件解決に繋がっていく謎解きが面白かった。
    どのストーリーも読み応えあり。

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    2025年04月25日
  • 愚者の毒

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    タイトルの意味やら伏線回収やら誠に綺麗に収まった
    1章〜3章まで全て面白かった

    1章と3章で「希美」の印象がらっと変わる
    最後の数ページ、本当予想してない展開だったし、「あなたのしたことは正しかった」がすごく刺さる

    そして個人的には3章と飛行機事故と炭鉱事故の対比にはっとしました

    完全初見でレビュー買いしたけれどもとても良かった
    確かにテーマはものすごく重いけどもおすすめ
    面白かった満足

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    2025年04月16日
  • その時鐘は鳴り響く

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    30年前の出来事と現代の事件が最後一気に繋がり面白く読みやすかった。
    前半のちょっとした事が、あとあと重要になる感じが自分的には好きな作品だったので5つにしました。

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    2025年04月11日
  • 謎は花に埋もれて

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    ネタバレ

    好きな作家だったので。

    そう、これです。
    このひりっとした感じ。

    お花屋さんのお話なのだが、
    大学時代の同級生の叔母が亡くなったことが、
    するりと殺人事件になっていく。
    その同級生は気分屋で軽率で、とざっくり切られる。
    でも天真爛漫で裏表がないからつきあってられる、
    とお花屋さんの志奈子は思っている。
    さらに大学の時、部活の監督と不倫をしていて、
    当時その叔母が大学に乗り込んだとか、
    大学を去らざるを得なかったその元監督とよりを戻してるとか、
    どんどん話はきな臭くなっていく。

    志奈子の周囲での事件が語られる短編集なのだが、
    その短編の中に人生がぎゅっと詰め込まれていている。
    その凝縮ぐあいが素晴らしい。
    短編の醍醐味が堪能できる。

    その志奈子が五十を過ぎて結婚したという設定も自然な感じだし、
    その相手が刑事ということも違和感がない。
    当然、花を巡って話は進むのだが、
    同じ作者の別の長編作品とは全くちがうし、
    どの話もとても良かった。

    猫が登場していたが、殺人の手伝いをさせられて、
    しかも怪我もさせられたのは納得いかない。

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    2025年03月13日
  • その時鐘は鳴り響く

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    ネタバレ

    30年前に愛媛でマンドリンクラブの合宿中に起きた転落事故と東京で起きた不動産を営む男性の殺人。マンドリンクラブ廃部により備品等の整理のため30年ぶりに会うかつての仲間たち。そこで事故により亡くなった瞳とその死に自分を責めて姿を消した高木に想いをよせる。やりきれない事故と殺人捜査が交互に描かれていてどう繋がるのかと思っていたら、何とも切ない殺人者の姿が出てきた。30年も経っているのに、でもそれほどふたりの繋がりは特別なものだったのだろうと思うとより悲しい。

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    2025年02月01日
  • 羊は安らかに草を食み

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    これはすごい。読んで良かった。星10(娘からのプレゼント)

    子供の頃に、中国残留邦人が肉親探しのために来日するというニュースを何度も見た記憶がある。また、軍医だった祖父が中国から引き揚げてきた時の話もよく聞いたし、関東軍が民間人を置いて真っ先に退却したということも知っていた。

    だが、一般人の引き揚げがこれほどまでに凄惨を極めたとは。

    やはり歴史は学ばないといけないことを痛感

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    2025年01月18日
  • その時鐘は鳴り響く

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    すごい本だった。赤羽で発生した殺人事件と、三十年前にマンドリンサークルの合宿で起こった死亡事故と失踪。全く別物のような二つの出来事が鮮やかにつながった。鍵となったのはクロモジという植物から作られたコロンの匂い。匂いは何よりも強く記憶を呼び起こすというし、悲しい話なのだけどドラマチックだった。1点、血だまりの中につけられたマンドリンピックの跡がその後何時間も残るものかというのは引っ掛かった。

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    2025年01月14日
  • その時鐘は鳴り響く

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    ネタバレ

    ぐんぐん話に引き込まれて一気に読むことができた。
    2つの事件が繋がっていく過程のどきどきわくわく。犯人のやりきれなさと絶望、そして決意。
    救われることを願わずにはいられない。

    途中から結末がなんとなく読めても怖いもの見たさにどうしても先に進んでしまうし、読後のスッキリ感がすごかった!

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    2025年01月13日
  • 入らずの森

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    怖いのかなぁと、ずっと本棚に置いていた本。
    読んでみたらそれほど怖くなかった。

    山の奥深くにいる粘菌が、嫉妬や憎悪など負のエネルギーに感応し、その人にとりつき惨忍な事件を起こさせる話。

    校長先生の、生徒や教師に向き合い方がいい!
    余計なことは言わずに導く人。

    金髪の転校生に、染める理由を聞く
    うまく説明できないなら、文章にして提出しなさい、妥当なら認めると。
    少女は「目印」だと。「金色は私を守ってくれる色、その必要が無くなったら自分で元の色に戻す」と。
    校長はその理由でOKを出した。
    このくだりはあまり重要とは思っていなかったが、後半、大きな意味を持つ。

    人との交流が苦手で山奥の学校の教師をしている圭介。
    陸上選手としてオリンピックを目指していたが事故で怪我をし諦めた過去をもつ。教師として自信がないが、地元の老人達との交流や、廃校になる学校の校歌について生徒と調べるうちに生徒とも信頼関係ができ、邪悪なものにも立ち向かうことができたのは、よかった。

    小さな事、ひとつひとつに意味があって、いずれかが欠けていたら粘菌を退治できなかった。
    全体的に山間の陰鬱な雰囲気がホラー的な恐怖をかりたてているけれど、読後感に怖さが残らない。面白かったです!

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    2024年12月18日