宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦争についても、認知症についても大変勉強になり本当に読んで良かったです。
夢に見るほど残酷な戦時のお話が描かれていました。
このような体験をされた人がたくさんいて、それでも生きて日本に帰ってきたと知り、自分の日常がなんて幸せなんだろうと思いました。
戦争は人を変えてしまう。
どんな残酷な時代だったか、向き合うことをしてこなかった私には衝撃でした。
生きていればどんな形でもいい、そう思えるほどの経験を生き抜いた2人の絆に心打たれました。
ラストはなんだか急展開で肩透かしのように思えましたが、いい気味だと感じてしまいます。
3人の友情が素敵で、こんな友人に恵まれた益恵は少なくとも今は幸 -
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怖いのかなぁと、ずっと本棚に置いていた本。
読んでみたらそれほど怖くなかった。
山の奥深くにいる粘菌が、嫉妬や憎悪など負のエネルギーに感応し、その人にとりつき惨忍な事件を起こさせる話。
校長先生の、生徒や教師に向き合い方がいい!
余計なことは言わずに導く人。
金髪の転校生に、染める理由を聞く
うまく説明できないなら、文章にして提出しなさい、妥当なら認めると。
少女は「目印」だと。「金色は私を守ってくれる色、その必要が無くなったら自分で元の色に戻す」と。
校長はその理由でOKを出した。
このくだりはあまり重要とは思っていなかったが、後半、大きな意味を持つ。
人との交流が苦手で山奥の学校の -
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ネタバレ好きな著者だったので。
早々に殺人事件が起こって安心した、という感想はおかしい。
だが、この著者の他の作品を読んだことがある人なら共感してもらえると思う。
今回の作品はホラーではなく、ミステリーだったかと。
それもちゃんとした殺人事件だと安心する気持ちを。
赤羽で起きた殺人事件、被害者の男性は不動産会社の社長だった。
もの取りではなく怨恨と思われたが、
男性の周辺には犯人と思われる人物が浮かび上がってこない。
赤羽署の女性刑事、黒光亜樹は、
監察に呼ばれたが処罰されることなく帰ってきた本庁の刑事と組まされ、
繁華街の聞き込みにあたる。
事件の捜査と並行して語られるのが、
松山大学のマンド -
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いい時のまことさん!
はい、ぜんぜん関係ないと思われていたふたつの事件が繋がります
ネタバレごめん!ていや繋がるでしょそりゃ!( ゚д゚ )クワッ!!
ぜんぜん関係ないと思われていたふたつの事件が関係ないまま終わる小説見たことないわ
ただの二本立てだわ!
なので問題は繋がり方なわけよ
鮮やかだったな〜
それになんかこう宇佐美まことさん特有の人の哀しみみたいな
うまく表現できないけど誰もが持ってる感情が込められてる気がしたんよな
そしてまぁしかし宇佐美まことさんの引き出しの多さよな〜
ほんとなんでも出来る
宮部みゆきさんに通じるところあるね
名前漢字+ひらがなだし
よし向日葵めろんに改 -
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ネタバレ寝る前に読むんじゃなかったと後悔しながらこの感想を書いています。
物件怪談アンソロジーということで、色んな怖さを楽しめる贅沢な1冊でした。
勿論怪異の存在はあるのですが、所謂ヒトコワでしたり伝染系に近いお話もあって驚きました。
個人的に終の棲家、ろろるいの家はちょっと怖すぎて数回本を閉じそうになりましたね。続きを読みたいけど、これ以上読んではいけないような、好奇心と恐怖心の狭間ってここかぁと思いながらも結局全部楽しく読んでしまいました。
郷内心瞳先生のトガハラミはあまりにも文体が艶やかで感動しました。果物を食べる様子をあんなにもセクシーに書くことができるなんて…。郷内心瞳先生は今回はじめまして -
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「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!
✂-----以下ネタバレです-----✂
はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ -
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最初から辛い部分が多く、ゆっくり休み休み読んだ。ぼんやりと、スマホのある時代と、ない時代の話が描かれているのかな?と思いながら。
後半になると、なるほどこんな風に繋がるのかと驚き、ドンドン引き込まれて、もう休んだりできず読み終えた。
たくさん心に残る箇所がありました。
一番グッときたのは、
児相にある高校生が自分から保護を願い出てきた。父親からの暴力から。しかし、保護所の居心地が悪く出たいと騒いでいた。松本悠一は言う「君はまだ甘い。ここで扱う虐待はそんなもんじゃない」「まだ足りない。君がやったことといえば、ここに逃げ込むことだけだ」「戦える者は戦わなければならない。他人任せにせず、自分の人生 -
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ネタバレ好きな著者だったので。
華族と庭、殺人のお話。
「ボニン浄土」に続いて、おとぎ話のようなお話。
京都のお寺の庭をぼーっと見たりするのは好きだが、
その意味や設計者の意図は考えたことがなかった。
あまり大きな庭は好きじゃないなーとぼんやり思ったりしたことはあったが、
市井の人々と違って、
大名や華族は町や野山をを自由に出歩くことができなかったことを考えると、
大きな庭は自然を楽しめる小さな世界だったのだろう。
あだ花、と言ってはひどいかもしれないが、
「華族」を華やかながらも儚い姿に描いているところが、
おとぎ話に思えるのだろう。
庭の池から死体が発見されたのをきっかけに、
作庭師に庭づ -
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「行く春や鳥啼き魚の目は泪」芭蕉
「奥の細道」へと旅立つときに詠んだ句。
昭和八年から九年にかけて華族の吉田家で起こった事件です。
女中のトミが血で汚れたコテを弟分の惣六に「それを誰にも見つからないところに隠すんだよ」と渡す切迫した場面から始まります。
血で汚れたコテは何かの事件の凶器かと思われますが…。
そのコテの持ち主は庭師の溝延兵衛。
お屋敷の主人は吉田房興。
妻はアキ子(アキの字が変換できません)。一人息子の房通がいます。
房興には妹の準子(のりこ)がいましたが結婚前に誰の子か分からない子を死産して、亡くなっています。
ある時庭の池から白骨死体が浮かび、準子の子どもの父親か