宇佐美まことのレビュー一覧
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ネタバレ私が想像してる以上に、本当に過酷で辛い体験が書いてありました。フィクションではあるけれども、きっとそれは事実で、この本を手に取ってなかったら知ることもなかったことでした。
今の時代、戦争というのは耳にする機会も目にする機会も段々と減ってきている気がします。
でもやっぱり、、、知らないといけない事だと改めて思いました。戦争で失うものは本当に多すぎる。
そしてこの本は戦争だけでなく、まぁちゃんの強さや優しさ、友情の絆、そして女性4人の強さも描かれていると私は思いました。
老いることも悪くないなと。そしてこんな友人を作れる人生にしたいなと思いました。
戦争が描かれている作品は、正直手が伸びにくい -
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『鳥啼き魚の目は泪』宇佐美まこと
作庭という言葉を初めて知った。
ある侯爵家の広大な庭の池を埋め立てて枯山水を作り上げた作庭師。
そもそも枯山水は水を引いてくるのに適さない場所や池を作るほどの広さに恵まれない場所に水を使わずに石や砂で山水の景色を表現するものである。
なぜわざわざ本当の池を埋め立てて枯山水を造ったのかという謎を追いながら、大正から昭和にかけての華族の生活も丁寧に語られていて頁をめくる手が止まらなかった。
大勢の使用人、驚くべき分業制(ランプを磨くだけの係もいたとか…!)、華族間での格差、賑やかな園遊会など話題は尽きない。
女中さんから見た優しい語り口が心地よい。華やかな世界 -
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物件ホラーが好きなのと芦花公園先生の短編が入っているので手に取った。他の参加メンツも豪華すぎる、、、バラエティに富んだ様々な物件の嫌な話が入っていて満足度が高い。
福澤先生の話読んだことある、、、?って思ったけど「怪を訊く日々」のエピソードと若干重複してた。「忌み地」のシリーズも好きなので糸柳さんの日記っぽいやつも好き。晩御飯の献立書いてあるのかわいい。
郷内心瞳は拝み屋怪談しか読んだことなかったのでカニバリズム百合姉妹ホラーみたいなのお出しされて新鮮だった。よかった。
芦花公園先生のやつもかなり邪悪だったけどそれに続く最後の平山夢明先生のやつがあまりにも凶悪すぎて最高だった。何この流れ。助か -
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人を殺すことは良くないこと。これはもちろん誰もが知っている当たり前のこと。でも、どうしても殺したくなることってあると思う。例えば理不尽に自分の家族が殺されたとしたら。自分の大切な人が殺されたとしたら。法に則って罰してもらう。そんな悠長なことを言ってられるだろうか。
この小説には2つの物語が存在する。1つは大学でマンドリンクラブに所属する学生たちの物語。合宿中に1人の女子学生が崖から転落死をした。その過去を引きずった仲間たちが30年振りに集まり、部室に行くと、黒板に【その時鐘は鳴り響く】という仲間たちにしかわからない文字が描かれていた。
もう1つは、殺人事件を追う刑事たちの物語。中年男 -
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花が事件の秘密を教えてくれる… 人生を丸ごと描いた高解像度なミステリー短編集 #謎は花に埋もれて
■きっと読みたくなるレビュー
生花店を営む志奈子、その夫であり刑事の昇司を中心として、関連する様々な人々の日常を切り取ったミステリー短編集です。本作のタイトルとおり各話のモチーフとして「お花」が用いられていて、それぞれの事件と結びつきとストーリーに美しくも儚げな色合いを付けてくれます。
視点人物がそれぞれ違うところも面白いんですよね。志奈子が主人公っぽいけども、むしろ群像劇としたほうがしっくりきます。どれも比較的短いお話なんですが、中心となっている人物の人生丸ごとを描いていて解像度がすんごく高 -
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大学のマンドリンクラブの活動に一生懸命取り組んで培った友情があった。しかし、何かの事件らしき出来事で仲間は散り散り。その一人である冴子目線と、全く異なる所での殺人事件の所管刑事、黒光亜樹目線が交互に語られる。殺人の方は合同捜査になり、本庁から特捜本部に入った訳ありっぽい榎並(えなみ)と亜樹の捜査が少しずつ進む。最初は冴子と亜樹目線でいきなり場面が切り替わるのにやや戸惑うけれど、この2つが一気に収束を見せるところが、読んでいてものすごく気持ちいいです。
ミステリーになれていない人にも、人間ドラマのように読み進められる展開。音楽好きなら、さらにオススメです。
殺人ありなので、中学校以上。エログロ低 -
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東京は北区赤羽の路上で、不動産業者が刺殺された。
女性刑事・黒光亜樹(くろみつ あき)が地元の聞き込みに回る。
「ワインと煙草の好きないい人だと思うけどなあ」被害者行きつけの居酒屋の店主はそんなふうに言った。
やがてその貌は書き換えられて行く。
一方、愛媛の松山で。
松山大学マンドリンクラブの夏合宿で、コンサートミストレスを務める篠塚瞳(しのづか ひとみ)が崖から転落して命を落としてから30年が経った。
当時、指揮者だった高木圭一郎とともに篠塚瞳と親しかったOBの、国見冴子と南田、安原は、心に小さな棘を刺したまま、現実のせち辛い世をなんとか生きて五十代を迎えた。
しかし卒業を前に姿を消した、 -
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プロローグは1997年、松山大学マンドリンクラブの部員の四年生、高木圭一郎と篠塚瞳が二十年後、三十年後の部員たちがどうなっているかという会話から始まります。
瞳は言います。
「日本のどこかの街で、偶然に私たちは同じポスターを見て、こんなふうに引き寄せられて再会するかもしれないね」
そして高木は
「ポスターを見た時、皆の頭の中で鐘が鳴り響くんやな」
と答えます。
そして第一章からは現在になります。
赤羽で殺人事件が起こります。
殺されたのは60過ぎの体格のいい男性で首を切り裂かれています。左手の薬指に古い傷があり指が無くなっているという特徴があります。
赤羽署に捜査本部がおかれ赤羽署の刑事 -
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東京で事件を追う女性刑事と、松山で学生時代の辛い思い出を振り返る仲間たち… #その時鐘は鳴り響く
■あらすじ
東京の路上で刺殺死体が発見される。赤羽署に勤務する女性刑事の亜樹は、初めての特別捜査本部で気合が入っていた。しかしバディを組まされた本庁刑事は、どうやら特別な事情を抱えた人物のようで捜査に苦労していた。
一方、愛媛松山大学の卒業生でマンドリンクラブに所属していた冴子と仲間たちは、久しぶりに寄り集まっていた。当時メンバーで合宿をしてた際、亡くなってしまった瞳と行方不明になっている圭一を思い出して…
■きっと読みたくなるレビュー
キレイでいいお話… ちょっと泣きました。
本作は二つ