宇佐美まことのレビュー一覧

  • 月白

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    装丁に惹かれて、あらすじも知らないままページを開いたら、予想をはるかに超える衝撃の作品だった。
    戦後の連続殺人犯の女性と、彼女が連れていた浮浪児。その二人の壮絶な人生と、現代になってその事件がなぜ起きたのかを静かに紐解いていくヒューマンミステリー。

    戦後の過酷な時代を生きた二人は、憎しみを糧にしながら繋がっていた。その苦しみは言葉にするにはあまりに重くて、私自身も適切に表すことができない。
    ノンフィクションかと思うほど丁寧に作り込まれていて、読み終わったあともしばらく心が重く沈んだままになるほど余韻が強かった。
    もう一度読む自信はないです、、、でも重くて苦しいのに、ページをめくる手がどうしても止まらなかった。

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    2026年07月30日
  • 月白

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    戦後混乱期に5人の男を惨殺し、死刑となった北川フサ。
    そのフサのルポを書くため取材をするうちに、どんどんフサという人物に強い関心を持った海老原誠。
    海老原は、過去にフサと行動をともにし、今は仕事を引退し、余生を過ごす老人大垣靖男に話を聞こうとするが、大垣は口が重い。
    海老原と大垣の両面から話が展開される。
    容赦なく戦後の悲惨な状況が描かれている。
    海老原が亡き妻や、一緒に暮らす息子のことで、ウジウジ悩む姿にはイライラさせられたし、大垣の偏屈じじいの態度にもイライラさせられ、人物像に魅力がないのかと思いながらの読書だったが、これがラストへの伏線だったとは。
    簡単に語れないくらい重くて考えさせられる作品でした。

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    2026年07月29日
  • 月白

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    重い題材でした
    最近は軽く読める本を好んで選んでいましたが、今回は読みながら深く感じさせられる感覚。読書の楽しさもずっしりと感じ取れた作品でした

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    2026年07月25日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ネタバレ

    服部まゆみ「雛」目当てで読み始めたけど全部じっとりとした怖さのある良いホラーだった。
    「骨」はちゃんと死に行くための儀式的なものなのかな。
    「正月女」田舎の嫌な男女関係が見えて気持ち悪い。ホラー展開でよかった。
    「或はぐれ者の死」他人は薄情。ここまでならなきゃ見つけてもらえない者がいるのか。
    「雛」執着と人形のじっとりとした話。期待したよりも不気味で嬉しかった。

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    2026年07月22日
  • 白と黒のソナタ

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    話が現代から急に大正まで遡ったりしましたが、
    親に逆らわず、家柄で決めた相手と結婚して跡取りを産む生活は本当に苦しくて、読んでいて辛くなりました。
    それぞれの時代の苦難にピアノは寄り添い、紆余曲折を経て今の伸多にたどり着いたニーマイヤーと『リヒト』の楽譜。
    考え深い物語でした。

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    2026年07月17日
  • 白と黒のソナタ

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    一台の奇跡的なピアノを巡って、大正時代から現代へ。奇跡のピアノ「ニーマイヤー」を作った職人、作らせた中英大使の伯爵。作ってもらったピアニスト。
    現代に生きる若手ピアニストの友澤伸多は絶望と希望の中で「ニーマイヤー」に巡り会う。
    一時は「呪われたピアノ」と評されたそのピアノはただ美しい音色を奏でたかっただけであったろう。
    美しい伯爵令嬢はただその音色を聴きたかっただけであったろう。
    その願いが現代になってやっと叶えられたラストでした。

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    2026年07月16日
  • 白と黒のソナタ

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    ★★★★⒋5

    呪われたピアノと呼ばれた、一台のグランド
    ピアノ(ニーマイヤー)が、100年という
    時を超えて記憶を運ぶ壮大な物語。
    なぜピアノ(ニーマイヤー)は呪われた
    ピアノと呼ばれるようになったのか。

    大正から昭和、現代と、時代や場所を超えて
    ピアニストや調律師、ピアノ(ニーマイヤー)を
    愛した人達の記憶が、ピアノに刻まれ受け継がれ
    ていく。
    平松伯爵の娘、随子と、彼女のピアノ教師である
    アッカーとの秘めた恋。長女というだけで全ての
    夢を諦め、婿を取り実家を継いだ、四国の裕福な
    林業家の娘、須美。二人の女性の残酷な運命が、
    読んでいて本当に辛かった。

    現代編の、ジストニアという病気のために
    両手でピアノを弾くことができなくなった、
    新進気鋭の若手ピアニスト友澤伸多。
    調律師の児玉繁男は、左手だけでも弾ける楽譜を
    彼に渡す。その楽譜はアッカーが書いた、「光」という五重奏曲で、児玉の師匠でもある市原喜三郎が
    アッカーから託された楽譜だった。

    ニーマイヤーのピアノで演奏する友澤伸多。
    彼の弾く五重奏曲によって、過酷な運命に
    翻弄された人々の魂は、「光」に導かれ、浄化された
    のだろうか。そう願わずにはいられない
    ラストだった。

    読み終わった後、余韻に浸るというよりは、
    しばらく放心状態だった。
    すごい物語を読んだ‥

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    2026年07月15日
  • 誰かがジョーカーをひく

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    まず、本書の登録者数が少なくてびっくり!
    凄く面白いのに勿体ないよ。

    モラハラ夫から家出した45歳主婦が、キャバ嬢と3000万円の身代金を巡る争いに巻き込まれる逃走劇。

    最初はちょーイライラさせられた!主人公・沙代子が人の顔色ばかり窺うオドオドした態度で、焦れったくてたまらない。
    その自己主張の無さが事件を招いたのだと……。

    だけど彼女たちの地獄の逃走劇が、どこへ着地するのか全く予想がつかず、気になってしょうがない。
    物語は二転三転、三つ巴四つ巴の騙し合い、ラストは怒涛のサプライズの連続!あの人の豹変、真相を解く武器、黒幕の正体に、まんまとハメられた。

    結局ジョーカーって何だったのだろうと考えさせられた。
    誰から見ても最弱のお荷物(ババ)だと思っていたカードが実は自分たちを破滅させる「最強最悪のジョーカー」だったカタルシスがたまらない。

    読後感は勧善懲悪でスッキリ爽快、最後の「ジョーカーを引いたのは、あんただ」の台詞は鳥肌もの。著者の引き出しの多さ、専門知識の深さに脱帽。

    0
    2026年07月09日
  • 白と黒のソナタ

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    面白かった。
    ニーマイヤーと刻印されたピアノと、そのピアノに関わった人達の壮大な物語。大正から現代にまで及ぶ時間を行き来するので、混乱することが多々あった。この筋なら更に面白く、読みやすくなったのでは、、と少し残念。

    ピアニストのアッカーと伯爵の娘、随子の時代が一番心躍った。

    位の高い人、お金持ちにこのピアノは受け継がれて行ったので、時代によって上流階級がどのような生活をしていたのかも、興味深く読んだ。正直、アホらしい世界やなぁーと思うこともあったけれど、こういう人達のおかげで芸術家が活動できてきたのだろう。

    「谷底の牢獄」の章で出てきた、長女の須美の、不満があろうと口に出さず、何を考えているかわからない感じが無性に苛立ち、嫌いだった。

    ピアニスト、アッカーの台詞が一番心に残った。
    「得意になって技巧をひけらかしていた自分を、今は恥じるよ。今ならもっと謙虚な気持ちで演奏できると思うよ。だから五重奏曲を書いてみた。これを弾いていると、自分が全体の中の一つだと実感する。世界を理解できる。」

    この物語に度々出てくるシューマンの「花の曲」。今まで注目したことがなかった。早速気になって今日から練習に取り掛かってみた。仄暗さと美しさがあり、繊細。でもなぜか力強さも感じるしなやかに表情を変える曲のようだ。この曲に出会えて良かった。

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    2026年07月09日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    温泉すきすき人間として表紙買い
    挿絵がかわいくてすき

    ひさしぶりに湯船に浸かりたいな〜
    温泉にも行きたいな〜
    あ〜いじわるな本〜

    ↓すき↓
    「モモと夏の香り」
    「回復の泉」
    「無力」
    「バスボムがなくても」

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    2026年07月08日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    ネタバレ

    子供向けだけど大人でも十分楽しめる。
    字が大きいのも、老眼の身にはありがたい。
    自分も子供の頃は、こういった日常にヌルッと入ってくるようなのが怖かったよなぁ〜と思い出した。
    家族や友達が、あるとき別の何かに変わっていたら……とか。
    あまり怖がらせは行けないという配慮なのか、最後の2作品は怖くなく、むしろホロリとさせられる良いお話でした。

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    2026年07月08日
  • 白と黒のソナタ

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    ネタバレ

    4.0
    おもしろかった〜
    一つのピアノをめぐり、それに関わる・関わった人々のことを時代を行き来しながら辿っていく
    個人的にはやはり随子さんがつらかったなぁ
    アッカー先生と両思いだったのが最後わかったけど、お互い想いを伝えられず…あの時代の女性はつらい

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    2026年07月07日
  • 角の生えた帽子

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    ネタバレ

    面白かったです。
    何故読もうと思ったのか謎なのですが、ホラー短編でそこまで期待値は高くなかったのに、よかった。
    短編集でもちろんホラーテイストは全編にあるのだけれど、すべてが少しずつ違う雰囲気に感じました。人が怖い系、SFっぽい不思議感のある話、人情味のある話など。あと色々な要素が複合的にからまっているので、短い話なのに読んでいて色々な感情が生まれました。
    「空の旅」「城山界隈奇譚」「左利きの鬼」が好きです。

    男性主人公も女性主人公もお上手だったので、作者の性別どちらなのかしら?と思い検索してしまいました。
    確かに女の情念的な要素の方が強いですもんね。

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    2026年07月07日
  • 月白

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    ★4.5

    戦後の連続殺人鬼を追うフリーライター。過去の事件を掘り起こすことで今まで見えなかった部分も明らかになっていく。

    5人の男たちを殺害した女性殺人鬼 北川フサ。
    これは圧巻の犯罪小説!
    なんと言っても、昭和20年の東京大空襲で家族を亡くした孤児たちがどうやって生きてきたか。

    壮絶な生き様と人間の根源でもある「憎しみ」「哀しみ」を深く描いている。人の感情の奥底に潜む感情にライターも惹きつけられる。

    タイトルの「月白」は冷たく淡い青みがかった白色。
    その色が当時の情景をよく表していると思う。

    衝撃的ではあったけど、深く考えさせられた作品だった。

    さすが宇佐美さん!
    良いもの読ませていただきました。


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    2026年07月05日
  • 月白

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    連続殺人鬼と呼ばれた、北川フサと一緒に
    いた、靖男の回想で描かれる戦後の様子。
    劣悪な環境に身を置くことでしか生きられ
    なかった戦争孤児たちの過酷な状況、
    生きるために身を売る選択をするしか
    なかった女性たち。戦後の悲惨な状況が
    詳細に描かれ、「13月のカレンダー」を
    読んだ時も思ったが、この作者の描写は
    本当に手加減がない。

    「憎しみだけを支えに生きてきたんだ」
    本の帯に書かれた言葉、
    怒りと憎しみの感情が生きる原動力となって
    いた、北川フサと靖男。
    取材をするうちに海老原は、自分が抱えている
    憎しみを、彼らの憎しみと重ね合うようになって
    いく。海老原の憎しみと彼らの憎しみはかなり
    違うような気もするが、海老原の話しに対して、
    老齢の靖男が語った言葉が、この物語の中で
    一番強く印象に残っている。

    「子どもは子どもだ。誰の子かということが
    それほど重要かね。
    子どもは守ってやらねばならん。
    一番近くにいる大人がな」

    あの状況下で、子どもの靖男がフサに守られて
    いたことは、海老原も取材から想像できたはず。
    だからこそ、靖男の言葉には重みがある。

    「月白」という淡く冷たい色彩を、
    過去の体験が、時間を経ても残る感覚の
    象徴として物語の中で何度も現れ、
    読み終えた後も、私たちの脳裏に
    その色彩は残り、深い余韻を残す。
    読み応えのある小説だった。

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    2026年07月03日
  • 白と黒のソナタ

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    大戦前のイギリス。
    最高の職人の手により、最高の素材を使用してつくられた一台のピアノ。
    現代、大戦前、戦後、ピアノはイギリスから日本へ、そして所有者を変える。
    それぞれの時代、それぞれの登場人物たちとピアノとの関わりを描いた物語です。

    大戦前や戦後は時代的に女性が不遇すぎて、人権が低すぎるなかで不幸な出来事がおこり、読んでいて悲しさと憤りを感じました。
    現代ではピアニストの方の奏法や苦悩が描かれているのですが、
    ピアノを弾く方ならきっともっと共感が深いかなと思います。

    報われようもない恋とか、せつない部分も多かったのですが、
    読後感は良かったです。

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    2026年07月01日
  • ドラゴンズ・タン

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    紀元前の中国で世界を滅ぼす怨念が作り上げた竜舌
    怨念を支える者は不老不死となり、世界を救おうとする者たちは時を超えて生まれ変わる

    中国人の名前を覚えられなくて、1〜3章は読むのにかなり時間がかかりました

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    2026年06月30日
  • 白と黒のソナタ

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    ピアノに魅せられた人達の物語
    濃すぎる短い人生で

    ピアノに執着していく

    呪いではなく祝福

    違う道もあったのに
    選んだのは自分達だから
    自分の心のままに進んでいたら
    これほどまでの不遇は訪れなかったけれど

    それによって光を得た人もいるわけで

    選ぶって難しい、、

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    2026年06月30日
  • 骨を弔う

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    小学生の頃に山に埋めた骨格標本だったものは、本当は何だったのか?その謎を解くべく主人公が幼馴染を訪ね歩き、それぞれ歩んできた人生と過去に向き合う。それぞれに抱えてる事情があり、物語はやや重たい。明かされる謎も、解決してよかったねと思えるものではない。それでも登場人物がみな前を向き、ハッピーエンドといっていい終わり方を迎えるので、読み終わった後なんとも言えず気持ちいい。そんな本でした。

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    2026年06月17日
  • 羊は安らかに草を食み

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    俳句仲間であり、二十数年来友であるアイと富士子と益恵。86歳の益恵は満州からの引き揚げ者で、満州で家族を失った孤児であった。その益恵が認知症になり、頻繁に言葉にする「カヨちゃん」と、しまいこんだ記憶を辿る旅に3人で行くことになる。それぞれ80歳と77歳であり、体の調子もいいとは言えないが、滋賀県大津市、愛媛県松山市、長崎県國先島へと益恵を連れて行く。過酷な満州での出来事、佳代との出会い、そして戦争ゆえに狂わされた人生の数々を、アイと富士子は知ることとなる。
    敗戦後の満州の悲惨な様子の記述は、本当に辛かった。心がザワザワして読み進むのに苦労した。その過酷な状況を乗り越えてきた益恵と佳代の強い絆が、佳代の娘のことにまで及ぶとは思いもしなかった。
    ラストでアイが作った「生きて生きて八十路の旅や風光る」の句は、心に残る。
    ポツリと語った戦争の出来事を、決して書き残そうとはしなかった義父のことを思い出した。彼も、「生きて生きて」人生を全うした人だった。

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    2026年06月16日