宇佐美まことのレビュー一覧

  • 逆転のバラッド

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    黄昏世代のおっちゃんたち(新聞記者、銭湯の主人、骨董屋とその仲間たち)が巨悪に戦いを挑むという熱い物語。
    銀行員が暴力団に殺される場面から物語は始まる。
    事件そのものだけではなく、事件関係者にも謎があり、どのように話が展開するのか予想がつかなかった。
    悪い奴らに逆襲する中盤以降は怒涛の展開。
    これは予想できないです。
    ミステリーとしても素晴らしいが、新聞記者と兄との会話、難病を抱えた子供とその家族の苦悩など目頭が熱くなるシーンも一杯でした。


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    2026年05月27日
  • 羊は安らかに草を食み

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    認知症になった友人の旦那から頼まれて、友人の軌跡を辿る話。
    友人が隠していた過去が明らかになってゆくにつれて、主人公たちの秘密も明らかになってゆく。
    戦争小説と知らずに読んだので少し面食らった。
    けど目を逸らせない謎もあるし、キャラクターの人柄が可愛くて、頑張れ!とつい応援してしまう。
    昔の戦争と今後起きる戦争はきっと様相が違うだろうし、人間の醜さが露呈することは変わらないだろう。だとしても、読めてよかった。
    そして素直に受け入れられる人間で良かったと心から思った。

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    2026年05月25日
  • 白と黒のソナタ

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    華族のお嬢様と駆け出しのピアニストの恋。もしあの時。。と思うけど、それも含めてそういう運命だったってことだものねぇ。。
    三年掛けて作ったピアノ、どんな音がするのかな。弾いてみたい。

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    2026年05月25日
  • 月白

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    戦後のドサクサと言う事があるが、まさにこのことなのかもしれない。

    なかなか凝った話の進め方だ。
    面白く一気に読んだ。

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    2026年05月24日
  • 白と黒のソナタ

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    ピアニスト、調律師、そしてピアノ。
    すべてのつながりを感じた作品でした。

    才能のある2人のピアニスト、ピアノを愛する調律師達、そしてピアノの数奇な運命をたどる物語は、時代を越えた壮大な物語でした。

    時代の流れにそらずに紡がれた物語は、現在と過去の違いをより際立たせていたと思います。特に女性のおかれた立場が、過去と現在ではすっかり変わっているので、過去の不幸にいたたまれなさを感じました。

    一台のピアノが知っているすべてを感じることができ、次へと繋いでいくことに光を感じることが出来る作品でした。

    読者の私は、多くのクラシック曲のタイトルが出てくるので、聴いてみたくなりました。


    〈目次〉

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    2026年05月16日
  • 白と黒のソナタ

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    『呪われたピアノ』と不名誉な呼び名を与えられたニーマイヤー。

    至高のグランドピアノをめぐり、人々の愛と憎悪が交錯する本作は、深い余韻を残す。

    白と黒の世界に魅入られたピアニストと調律師。
    心を押し殺し、死へ追い込まれた二人の女性。

    もし時代が違っていたなら。
    もし華族に生まれなかったなら。
    もしあの瞬間、想いを伝えていたなら。

    いくつもの if が胸の奥で波紋のように広がり、息が詰まる。

    戦前、戦後、そして現在へと時代は連なり、唯一無二のピアノに魅せられた人々の思いも受け継がれていく。

    ニーマイヤーは呪いではなく光だった。

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    2026年05月07日
  • 少女たちは夜歩く

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    お椀を伏せた山を中央にもち
    そこに築城400年の平山城と四方の堀
    そんな城山町で 複雑に絡む連作短編集

    「はじまりのおわり」
    この町の有り様

    「宵闇・毘沙門坂」
    この連作の中心となる 二人の女子と
    たびたび登場してくる賃貸アパート

    毘沙門坂の 夫を愛人に取られた女と 男に捨てられた女 

    「猫を抱く女」
    蒲生家の修復を依頼された絵画
    修復する絵の下には 彼女に関係した人々
    そして 不思議な動物
    彼女の人生を暗転させた人物ばかり
    絵は見る人の心を映す鏡

    「繭の中」
    城山の麓で 継承される妻への暴力
    その元凶の男の後悔

    「ぼくの友だち」
    児童養護施設「わかあゆ園」
    特別支援学級に通う心

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    2026年05月04日
  • 月白

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    途中で読むことが辛くなってきて、目を背けるたくなる場面もあった。
    あり得ない話のように思えるけど、このようなことがあったことは知っておくべきなのだと感じた。正直いまだっていつ何が起こるかわからないし、実際にこの状態の国だってある。
    もちろんこんな経験はしたくないけれど、全く他人事にすべきではない。
    私は心からの憎しみという感情はたぶん知らなくて、それはとても幸せなことなのだと思う。
    フィクションとはいえ、登場人物の心が癒やされますように。

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    2026年04月29日
  • 13月のカレンダー

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    広島の被爆体験が物語の中心を占めていて、私自身、祖父母が長崎市での被爆者で、原爆手帳を持っていて、原爆が落とされた日のことを小さい時からよく聞いていたから、主人公の衝撃みたいなものを一緒に感じることはできなかった。
    重苦しい恐怖感みたいなものを私自身ずっと持っている気はする。原爆投下後の水が飲めなくて苦しい夢を子どもの頃はよく見ていたし。

    作中でも出ていたけれど、本が読めたり音楽が楽しめたりする日常はほんとに尊いものだと改めて思った。

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    2026年04月27日
  • 月白

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    戦後、親も兄弟も家も何もかも無くした人たち。絶望の中でそれでも生きなければならない。
    そんな中で、まっとうに生きるとは、いったいどう生きることなのだろう。まっとうに生きるとは、人間としての最低限の環境があってこそのことではなかっただろうか。
    残虐な殺人を繰り返した連続殺人犯の女。その事件を追い続けたルポライターがその犯人に魅力を感じ始めるという内容を見て、魅力??っと疑問に思って読みはじめた。
    この時代、この状況下で、憎しみだけを支えに生きてきた人。憎しみを心の中に抑え込み、生きるために毎日を戦ってきた人。なんと酷い時代だったことだろう。
    重く辛い内容ではあったが、現実に起こった、この日本での

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    2026年04月26日
  • 13月のカレンダー

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    語り尽くせぬ、原爆の物語。
    永遠に消えない、『被爆』という恐ろしさ。
    それでも、奇跡を願う人の純粋さを感じた。

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    2026年04月25日
  • 白と黒のソナタ

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    タイトルと装丁から音楽ミステリーかと思わせるが、それを期待して読むと(いい意味で)裏切られる。最近の宇佐美さんはいわゆる“ジャンル小説”から距離を置いているように思え、ぼくは単に「小説・文学」として受け止めた。まあ、音楽小説ではあるけれども。
    本作は、呪われたピアノと呼ばれるグランドピアノ「ニーマイヤー」と、それに関わった人々の姿を描いた物語だ。複数の登場人物がどのようにつながり、ピアノと向き合っていくのかが読みどころの1つだ。影の主人公はピアノといってもいいかもしれない。
    密度の濃い、読み応えのある作品だった。

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    2026年04月24日
  • 月白

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    宇佐美まことさん初めましてでした。
    戦中戦後のリアルが読んでて辛かったです。

    フサの芯の強さがすごかったです。
    こんな人がいたら惹かれてしまいますね。
    私も、きっと惹かれていたと思います。
    殺人鬼だけれども、たくさんの苦悩と憎しみを抱えていたこと。
    その中で人間らしい、大切なものを守るという気持ちもあったのがわかってきます。
    前半と後半では、フサへの思いが違ってきました。


    『誰の子かということがそれほど重要かね?』『子どもは守ってやらねばならん。一番近くにいる大人がな』
    この言葉がとても沁みました。
    養子でも、里親でも、知らない子でも大切にしていきたいですね。

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    2026年04月19日
  • 月白

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    宇佐美まことさん初読みです。
    終戦後の混乱期に5人もの人間を殺して死刑になった殺人犯フサ。彼女についてのルポタージュを書くことになったライターの主人公が、彼女がなぜそんな犯罪に手を染めることになったのかを探っていく話です。そんな中で、フサと行動を共にしていた戦災孤児の靖男という少年がいたことが分かります。靖男はなぜ殺人者と行動を共にしていたのか…

    国の都合で一方的に利用されたり社会から爪弾きにされた戦争の犠牲者たちについて描かれていました。

    戦争を扱った小説というと、戦争の終結=苦しみの終わりという話が多く、終戦後の人々の苦労について書かれた小説は意外とない気がします。
    戦争で家族も家も失

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    2026年04月16日
  • 子供は怖い夢を見る

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    角川ホラー文庫の宇佐美まこと作品。
    最近読んだホラー文庫の中では、一段抜けた完成度を感じます。

    恐怖を前面に出す作品ではないため、純然たるホラーを期待される方には向かないかもしれません。
    ハートフルホラーミステリーファンタジー
    とでも 表現させていただきたいような
    あらゆる要素を収めるとことに治め、
    そこに齟齬を生じさせません。

    家族の在り方、血縁という呪縛、時間を超えた友情 そうした主題をメインとしながら
    そこに社会派まで匂わす高度なストーリー展開。
    ジャンルを横断しながら 最終的には一つの物語として無理なく収斂していく。
    もっと 話題となっても良い作品だったのにと思いました。

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    2026年04月14日
  • 月白

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    妻を交通事故で亡くした誠

    勤めていた新聞社を辞めフリーのライターとなり戦後混乱期に現れた女連続殺人鬼のルポを書くことに

    当時殺人鬼と言われた北川フサを追いかけていた
    記者道上さんに辿り着き彼が生前書き残していたメモを辿りフサと一時期行動を共にしていた老人にたどり着く

    戦後の時代何があったのか

    何を支えとして生きてきたのか

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    2026年04月12日
  • 月白

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    ネタバレ

    面白かった。
    大垣が誠に全て打ち明けるのかと思いきや、違っていた。話せないほど重い辛い過去なんだなと。
    仲間だったシンジが川に飛び込んだのは衝撃。2人で生き抜いてほしかった。
    戦後、パンパンや慰安婦の話はよくあるけれど、戦争孤児がこんなに厳しい毎日とは。

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    2026年04月12日
  • 羊は安らかに草を食み

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    私たちは、認知症を患った友人を連れ、彼女の人生を辿る旅に出る。彼女の心の奥底にある「つかえ」を取り除くために-。

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    俳句教室で知り合い二十数年の友情を紡いできた益恵、アイ、富士子の老婦人。

    ある日、アイと富士子は 益恵の夫から、認知症が進行した益恵を連れて、「彼女の過去を探す旅に出て欲しい」とお願いされる。

    認知症となる前は自身の過去を多く語ることのなかった益恵。アイと富士子は、益恵の住んでいた町や、かつての知り合いを訪ねる旅で、益恵が送ってきた壮絶な過去を知ることになる。

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    物語は、益恵の詠んだ句集と共に 現在の旅の章と、益恵の生きた過去

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    2026年04月05日
  • 13月のカレンダー

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    両親の離婚により、疎遠になっていた父方の祖父母の家に訪れた主人公の侑平は、その場所で、13月まであるカレンダーを見つける。それは祖父が祖母のために、知り合いに作ってもらった特別なカレンダーだった。

    祖母の寿賀子の出身が広島で、原爆で亡くなった兄がいた事を知り、祖母と交流のあった友人に会うために広島を訪れる侑平。そこで二人の老人から原爆投下直後の広島の惨状を聞くこととなる。壮絶な体験の描写がとてもリアルで、広島平和記念資料館で展示されていた被爆者の遺品や写真、資料を思い出した。どれだけ多くの人が、たった一発の爆弾のために運命を狂わされたのだろうか。被爆後の差別や偏見、理不尽な扱いを受けながらも

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    2026年03月14日
  • 13月のカレンダー

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    タイトルに惹かれて読み進める
    十三月の奇跡が起こって良かった!
    侑平が、仕事を辞めたこと
    父がお祖父ちゃんの家を売却して、そのお金をやると言われる…そこは両親が離婚するまで長期的に滞在していた夏休みの場所
    今まで足が遠のいていた後ろめたさが込み上げながら訪れる
    祖母の闘病生活、十三月カレンダー、そして自分が書いた年賀状を見つける
    ルーツを辿ることで父の思い、自分がなにをしたかったか改めて知る機会を得る
    被爆者の思いは、とても言葉ではいい尽くせない辛さがありました…そして、2世やその親族の思いは計り知れないもの
    サバイバーズギルド 生き残った者の罪悪感
    そして、語り部となって原爆の悲惨さを若い世

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    2026年03月04日