宇佐美まことのレビュー一覧

  • 黒鳥の湖

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    2/3ぐらいまでは、長くて途中でプロットも読めてしまいあんまり面白くない中途半端な話だなあと思っていたのが、残り1/3でガラッと印象が変わり、読みが浅かったことを痛感。全体にまとまっていてプロットの破綻もなく十分面白かった。が、やはり途中は長過ぎる。50頁ぐらいバッサリ切ったらもっとシャープな仕上がりになると思う。

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    2020年01月11日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    てんこ盛りのイヤミス。
    目新しくはないんだけど、あれもこれもでサービスしすぎでは?面白いんだけど詰まりすぎかと。

    ただ、競走馬に関しては絶対にありえないことが書かれていて、
    そんなことがあったら牧場経営の根幹を揺るがしかねない
    ので、そこは納得がいかなかった。

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    2019年12月30日
  • 虹色の童話

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    ネタバレ

    この直前に読んだのが『むかしむかしあるところに、死体がありました。』でした。意識して選んだわけではなかったけれど、昔話からグリム童話へ。

    呪われたかのようなアパートの名前はレインボーハイツ。濁点が外れた「レインホー」の看板を想像して少し笑ったものの、おぞましさは昔話の倍以上。入居者の間で次々と起こる惨殺事件のトリガーになっているとおぼしき5歳児。

    救いようのない話をそれほど怖いと思ったつもりはなかったのに、昨晩その男の子が夢の中に出てきてうなされました。自分の叫び声に驚いて起きる始末。それぐらい不気味(泣)。

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    2019年07月08日
  • 虹色の童話

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    さらに作者のやり口(?)になじんできたので、
    腰を抜かすほどの驚きはなかったし、
    童話になぞらえた展開は目新しい物でもないが、
    静かに楽しめた。

    でも、さすがにオオカミはねー。

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    2018年07月28日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    まず、民俗的・伝奇的な要素が前面に押し出された舞台設定が私の好みで、最初から嬉しくなる。
    これは「パラサイト・イヴ」(瀬名秀明 著)や「天使の囀り」(貴志祐介 著)などのように、創作された科学的根拠に裏打ちされたSFミステリー、あるいはホラーなのかな…と思いながらページを繰っていったが、どうやらそこまで厳然と定めているわけではないようで、さらには過疎地の農村移住につきまとう諸問題、愛に飢えたティーンエイジャーの苦悩、老親の看取りを巡る家族の軋轢、挫折を味わったスポーツエリートの再生に至る道筋…等々、現代の日本社会が抱える様々な歪みや課題までがてんこ盛りに詰め込まれているではないか。
    それが確かな技術と筆力のおかげで、特にとっ散らかっている感もなく、スムーズに読み進められた。
    人が触れられたくない恥部というか、記憶の底に封印してしまいたい瑕疵のようなものにこうもズバズバ斬り込まれると、もう拒否ではなく感心するしかない。

    肝心要の粘菌にまつわるくだりは、やや説明が硬く回りくどいきらいがあるので少しもったいなく感じ、付け足しのようなエピローグもいかにも凡庸な印象で、そこは残念だった。

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    2020年01月21日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    だいぶ、作者のやり口に慣れてきたので、
    今度こそだまされないぞ、と読み進めた。

    幻のように消えた子供がいても、それは幽霊ではない。
    呪いと言われても、信じてはいけない。
    あっさり書かれている出来事には裏がある。

    かなり真実に近づけたが、やっぱりだまされた。
    ラスボスには気が付いたけど。

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    2018年07月14日
  • 入らずの森

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    ジャングル奥地を開拓することで、人類と未知の生物が遭遇し世界に疫病が大流行、致死率が極めて高いウイルス性の病原菌のはなしならば定番である。本書は少し趣向が違い、四国山中の村落で起こる奇怪な出来事の謎がじつは・・・謎解明の面白さは、最後まで読むものを飽きさせない。

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    2018年03月18日
  • 入らずの森

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    文句なしに面白かった!
    平家落人の伝説が残る四国の集落。
    過去にそこで起きた残忍な事件。現代とどう繋がるのか。

    オカルト、伝奇要素が満載で、特に校歌に残された謎を探すシーンは本当に堪らなくウハウハしながら読み進めました。
    まとめ方がとても上手く、最後に色々な事が繋がっていき思わずため息が漏れました。
    久々に面白い伝奇小説が読めました。満足満足!

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    2017年10月19日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    いや~よくできてる作品だ。
    訳あって四国の山あいの中学校で教師をしている金沢圭介、会社勤めが嫌になり脱サラして夫婦で農家を営む松岡隆夫、認知症と心臓を患い埼玉の病院で最期の時を迎えようとしている菅田ルリ子。それぞれの話が並行して語られる。
    圭介の中学校の校歌にまつわる過去が明らかになり、何の繋がりもなかった三つのエピソードが一つに繋がったとき、思わず鳥肌が立った。
    平家の落人伝説、粘菌、南方熊楠、意図的に消された校歌の3番の歌詞、天井裏からしか見えない部屋にいる少女・・・
    ぬり、にゅるり、とぷん、ぴゅちょ、ぎゅるあらゆる気持ち悪い擬音語を駆使して表現される「それ」の不気味さ。
    自分が「それ」に取り込まれていくような心もとなさを感じながら、読む手が止まらない。
    人間の強い負のエネルギーを養分にして巨大に育つ「それ」は深い森の中で今もじっと機会を狙って待っているのか・・・あ~怖かったよ~。でも最高に面白かった。

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    2017年09月30日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    過去と現在を行き来する密度の濃い重い物語。人物の正体や成り行きはうっすら予想できたものの、着地点がわからないおもしろさにハマってゆく。
    ノンとユウの場合、悲惨な生活から抜け出すために過ちを犯すが、それすらも生きる手段の一つだったように思えて何が正解だったのか読み終わっても答えが出なかった。大人が大人の責任を果たしていない以上子どもに正論を求めるのは無理だろう。二人を責める気になれず、どこまでも罪を引きずっていく生き方がひたすらやるせない。
    『愚者の毒』という題名に込められた意味が読後深く深く胸に沈む。

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    2022年08月20日
  • 入らずの森

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    たまたま見かけたホラー作品。ちょっとフリが長かったけど展開は良かった。映画化しやすそう。アイドル主演で。

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    2017年01月09日
  • 入らずの森

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    途中気持ち悪すぎて逆に読むのがやめられなかった!四国山中の限界集落が舞台、平家の落人伝説やら天井裏から見える有るはずのない空間。え、金髪不良ギャルまでも登場?と興味をそそられる題材てんこもりに、まさかの粘菌モンスター!そして南方熊楠先生までもが解決の糸口に関わっていたりと素敵満載でした。初・宇佐美さんなので、他の本も読んでみたいと思います!

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    2016年02月16日
  • 入らずの森

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    複数の独立したストーリーが上手く交錯し、まとめあげられている。
    読み進めるうちにスムーズに先が見えてきてスピード感をもって読める。

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    2012年10月06日
  • 月白

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    「憎しみ」を抱え続けた人が、それを復讐というかたちで遂げる人にいだく気持ち、というものについて考えさせられた。
    これは、誰かを本気で「殺したい」と願うほど憎んだ経験がある人には、共感できる物語かもしれない。

    自分のなかにある「憎しみ」を、見て見ぬふりをしてやり過ごして、なんとか日々の生活を送るのが普通のやり方。思うままにそれを発散させる犯罪者とは違うんだ、と思ってはいるけれど、やっぱりそれは紙一重なのだろう。だから多くの人は、犯罪者の手記やノンフィクションに惹かれるのだ。

    作中、戦後の混乱で、女性が置かれた悲惨な境遇が赤裸々に描写されていて、胸が苦しくなった。最近、こういうの読む機会が多いな……。たまたまなのか、こういう描写の作品が増えてきているのかわからないけど……。しんどくて、途中いったん他の本を読みたくなってしまう心の弱い人間です……。

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    2026年10月07日
  • 白と黒のソナタ

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    ピアノにまつわる悲しいお話が続いて、ちょっと悲しくなるお話。そんな悲劇続きのピアノに、最後希望を見出せる形になり、ピアノもやっと光の中に。
    最後の最後で希望が見えるけど、そこに行くまで、ちょっと長い。 のめり込む話ではなかったな。

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    2026年10月03日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    お風呂に関するお話しが22編入っています。
    SFっぽいものから、ちょっと感動するもの、あー分かるわぁと言いたくなるもの、ちょっと笑える話しなど、色んなショートストーリーが書かれています。
    個人的には「風呂焚きの思い出」「竜宮城」「モモと夏の香り」「湯も浸る」「プラシーボ」「無力」「バスボムがなくても」「デトロイト哀調」「でんぐりがえす」「そして誰も風呂に入らなくなった」辺りが好きでした。

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    2026年09月30日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    お風呂に入ろう!という感じの物語ばかりではなく、風呂キャンの話もあったし、空想上の火星の話もあって、バリエーション豊かなお話の数々で飽きずに読むことができました!
    話の始まりに作者について書かれていたのがとてもよかった。この本を書いている人だと名前だとピンと来ない方もいるので、すごくありがたかったです!個人的にさや香さんのお話が好きでした!
    短編集は時間がなくてもサクッと読めて良い。さらに今回はテーマがまとまっていたので、すらすら頭に入ってきました!

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    2026年09月28日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    色んな作家さんのお風呂に関する小説とエッセイが入った超短編集。
    これまで読んだことのない作家さんやジャンルの作品を読めて新鮮だった。
    超短編で少し物足りないと感じるお話も、よくこの短い中で起承転結まとめたなぁと大満足なお話も。

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    2026年09月28日
  • 白と黒のソナタ

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    第一次世界大戦後のイギリスで、オーストリア人の不遇のピアニストのためにドイツ人ピアノ技師が持てる技術と最高の素材で作り上げた至高のピアノ「ニーマイヤー」が辿った数奇な運命と、現代の日本人ピアニスト伸太の栄光・挫折・再生が交互に語られる物語でした。
    音楽と小説ってなんでこんなに相性が良いんだろう。音楽的素養ゼロの人間なのですが、文章からピアノの美しい旋律が聴こえてくるようで、うっとりしました。
    ピアニストやピアノ調律師のピアノにかける情熱にも胸が熱くなりました。ピアノってこんなにも人の心を揺さぶったり癒したりする力があるんだなぁ。

    物語としてとても面白かったし、伸太が挫折から立ち直る様子にはとても励まされました。時に、全てを失ったように思えて絶望しても、恥や見栄といった余計な感情を捨てれば自分にできることは沢山あるのだということに改めて気付かされました。

    ただ、悲劇的な運命を辿る華族のお嬢様・隋子と封建的な田舎の素封家の娘・須美が、主体性がなく運命に翻弄された弱々しい存在として描かれていて、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ…と。どちらも、女性が自由に生きることができない時代と環境にあるのは分かるのですが。隋子は最後は自分のやりたいことを貫いたのですが、須美は何を考えていたのかも全く分からず、ただ流されただけのように見えてしまって…。悲劇的な運命を背負わせるための物語の駒として描かれているようでモヤモヤしました。

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    2026年09月28日
  • 月白

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    ネタバレ

    戦後の連続殺人犯北川フサのルポを書くにあたって深く調べていくフリーライターの海老原誠。
    なぜ5人もの命を奪ったのか。その根底にあるのは。

    戦後の話ということで、とても苦しい回想でした。家族を失った子どもたちにとっては、戦中より戦後の方がずっと辛い世の中だったという事は恥ずかしながら初めて知りました。
    北川フサ、靖雄、誠、道上、清子。すべてに共通するのは「強い憎しみ」
    憎しみに抗わなかったフサに惹きつけられてゆく。

    結局大垣氏は全てを語らなかったけれど、最後は良い終わり方だったと思う。
    中々フサという人物に迫れなかったからかモヤモヤ長く感じたのかもしれないけれど、面白かったと思う。

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    2026年09月27日