宇佐美まことのレビュー一覧
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ネタバレいや~よくできてる作品だ。
訳あって四国の山あいの中学校で教師をしている金沢圭介、会社勤めが嫌になり脱サラして夫婦で農家を営む松岡隆夫、認知症と心臓を患い埼玉の病院で最期の時を迎えようとしている菅田ルリ子。それぞれの話が並行して語られる。
圭介の中学校の校歌にまつわる過去が明らかになり、何の繋がりもなかった三つのエピソードが一つに繋がったとき、思わず鳥肌が立った。
平家の落人伝説、粘菌、南方熊楠、意図的に消された校歌の3番の歌詞、天井裏からしか見えない部屋にいる少女・・・
ぬり、にゅるり、とぷん、ぴゅちょ、ぎゅるあらゆる気持ち悪い擬音語を駆使して表現される「それ」の不気味さ。
自分が「それ」に -
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妻を亡くし、一人息子の夏樹を育てるフリーライターの海老原。彼が次に取材し、エッセイにするのは昭和に起きた大事件。5人もの殺人を犯した女性、北川フサ。この事件は犯人が女性と言うこともあり、世間で話題になったが、どの記事もフサは恐ろしい快楽殺人者として報道されていた。しかし、海老原はフサの事件を追うごとにそれは本当のフサの姿だったのか疑問をもつようになる。調べていくうちに、フサと行動を共にした少年がいたことを突き止める。大垣という少年は、一代で会社を起こし、今は有名な塗料会社の会長だった。海老原はフサの話を聞くために大垣に接触を試みるが…
月白という色、白に少し青みがかかった色。表紙も綺麗で、少し -
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「光を追い求めた者だけが、光を見つけることができる」
“ニーマイヤー”という最高のピアノが持ち主を変えながら最後に行き着いた場所。そこで左腕のピアニストに光をもたらす物語。
テーマも登場人物もいいんだけど、構成が悪いのか、時代や場所のぶつ切り感がひどくて、話が素直に入ってこない。
随子とアッカーの秘めた思いの切なさや、小夜の心の強さなど心に残る部分もあれど、物語の進め方が全体的に雑な印象。
余計な部分が多いのか、ページ数が足りないのか、どこかチグハグな仕上がり。
恩田陸さんあたりが書いたら、もっと素敵な作品になったかな〜勝手に想像したり。 -
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タイトルの「げっぱく」は、色を指す言葉で、薄い青が混じった白だそうだ。
戦後5人の男を殺して死刑となった北川フサのルポを書くことになったフリーライターの誠。取材の中で、道上と言う記者によるフサの事件の書籍に出会い、その姿勢に共鳴しながらフサの過去を追う。その中でフサに同行してた少年がいたことを知る。かつての少年靖男は既に90歳の高齢ではあるが、誠は彼を探し出して取材を試みる。
靖男は誠の取材を拒否。物語は靖男の視点で語られる。戦後家も家族も失った浮浪児の壮絶な日々が綴られるが、靖男の独白であり、誠には届かない。
フサと靖男の関係が誠に伝えられることはないが、誠は自身の視点からその繋がりを読み -
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短編小説。フラワーショップ橘の店長である志奈子が、友人の菜摘から連絡をもらうことから話が始まる。菜摘の叔母の房枝が、心筋梗塞で亡くなった。房枝の遺体は水浸しで、周りには花瓶と、まだ生き生きとした花々が散らばっていた。その中に一歩だけ、しなびたガーベラが。志奈子はそのガーベラを不審に思い、警察官である夫の昇司に相談する。短い話の中で、花が人の死に関係している。ガーベラ、馬酔木の木、バラ、蜜柑の花、松、桜。一つひとつの話の主人公は違うのに、確かに繋がっているのがよかった。とくに「関係ないものたちがつながってひとつの作品になるのは、この布がタペストリーの一部になるのを受け入れているから。そうなると一
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名匠ウィリアムが製作した渾身の名ピアノ「ニーマイヤー(Niemeyer)」を巡る80年に亘る人々の物語。
時代の雰囲気に抗せず思い通りの人生を送れなかった人々の悲劇を背負ったニーマイヤー、生涯ニーマイヤーに寄り添った名調律師の弟子、右手が不具になったためにニーマイヤーの受取りを固辞したピアニストが記した五重奏教の楽譜、病で右手が使えなくなった現代の新進気鋭のピアニストが一堂に会する結末は早くから期待された。
随子を娶った及川成富子爵の精神崩壊や長年行方不明だったニーマイヤーが見出される展開は、もう少し丁寧に書き込まれてもよかったように思える。