宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレリアルすぎて辛い。
虐待に遭っている子供、その連鎖、不妊治療で狂ったようになっていく女。
全てがリアルすぎる。所々の描写もリアルすぎて読むのが本当にしんどかった。何度も途中で辞めようと思ったし、実際途中読むのを数日中断もした。
それでも最後まで読んだ。
読んでよかったという気持ちと、最後まで苦しかったと言う気持ち。
本当に最後まで辛かった。最後は明るい兆しが見えたけれど、それでも辛かった。
過酷な人生を生きていた人が今は明るい自分の人生を。という展開は希望のはずなのに、過去が壮絶すぎてよかったねと素直に思えなかった。
他人事に思えない。もしかしたらこの人達は自分だったかもしれない。
ずっとそん -
Posted by ブクログ
町のお花屋さん「フラワーショップ橘」を営む志奈子さん(50代)。夫は刑事。
宇佐美さんというと、長編のイメージなんだけれど、こちらは6つの連作短篇集。
・ガーベラの死
・馬酔木の家
・クレイジーキルト
・ミカン山の冒険
・弦楽死重奏
・家族写真
わりと薄めの本で、6つのお話なので、1つ1つは短め。
それほど特徴的なキャラクタもいないので、かなり説明文を読んでいるように感じることも。
ガーベラと馬酔木の話は、花言葉にかけてあったりと花屋さんの視点だなぁって感じもしたけれど、それ以外は、志奈子さんそれほど活躍するわけでもなく。
一番面白かったのは、最後の「家族写真」なんだけれど、これ花屋さん関 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ30年前、愛媛の大学のマンドリン部のお話と現代の赤羽でおきた資産家殺人事件。二つのお話が進んでいくというつくりはまあよくある感じで・・・だんだんと二つのお話がリンクしていく・・・と思いきやこれがなかなかリンクしない。どちらも興味深い話ではあるのでつまらないということではないんですが、気を持たせるなあ・・と。
もちろん最終的にはきちんとお話がつながっていくわけですが。本のボリュームのわりにはお話が結構盛沢山でしたね。国見冴子さんの娘さんの結婚うんぬんとか過去の警察の腐敗がーとか。若干話の核がぶれるような気もしないでもないですが、それでも楽しめました。
あと犯人は最後どうしたかったのか?とは思い -
Posted by ブクログ
他の方のレビューから興味を持った作品。
カバーイラストの不穏さがすごい!
タイトルの「愚者の毒」は作品の中でひとりの登場人物によって語られるもので、理解するのがちょっと難しい内容だった。
弱い立場にいるもの(愚者)であっても
己の中に何か武器となるもの(毒)を持て、的な感じかなと理解していた。
この人物は作中では善人として描かれていて、
暗く悲惨な宿命をかかえる者たちの中において
唯一の癒しとなる存在。
にもかかわらず、
このことがのちのち与える影響を思うと、
励ましのつもりで言ったことも
受け取る側の捉え方によって変わるものであり、
なんだか皮肉だ。
最後の伏線回収の章は
あらかたそ