宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
角川ホラー文庫に戻ってきた!
初、宇佐美さん!
どろ〜っとした感じ。
ホラーやろうけど、怪異は、あるにはあるんやけど、人が怖い。あくまで、怪異は、トリガーで、人が…
「るんびにの子供」
見えるのか…(T . T)
別におるだけやったら、ちょっと怖いけど、長年の付き合いやし大丈夫かも?
しかし、親離れせん旦那、子離れせん姑に悩まされ…
あの子に助けられた?でも、楽しいのか?
「柘榴の家」
歳とると大変。
介護(される方)、認知症に…
年金を貰える為だけに、やったとも思えず、あの若者は、なんでああなったんやろ?
何か、どろ〜っとした雰囲気が異様…
お婆ちゃん怖っ!
"あくお"
「手袋」
兄妹は、常に仲良しとは、限らん。特に片方が賢かったり、イケメン、イケジョだったりするとね。
家の内外で、小さい頃ずっと比較されて…
でもなぁ…この妹は僻み過ぎな気もする。だらしな過ぎて…
姉の爆発は、手袋のせい?
「キリコ」
マクドって、お年寄りもおるな。昔、夜勤の時朝帰る途中にマクド見ると、コーヒーだけ飲んでるお爺ちゃんおった。安いしな。
友達も高校の同級生とかに会うと、ええ歳したおっさんでも、当時の口調で喋るな。この間も、バーで「少しボリューム落として」って怒られた(^◇^;)
何の話やったっけ?
マクドで大きな声で話すな!やな(違うw)
「とびだす絵本」
何か、世にも奇妙な話みたいやけど。
このラストは、ハッピーエンドやったのか、引き摺り込まれたのか…
絵本の中で幸せなのか…
ずっと待ってたの!
やっと会えたね… ༎ຶ‿༎ຶ ༎ຶ‿༎ຶ ༎ຶ‿༎ຶ ༎ຶ‿༎ຶ ༎ຶ‿༎ຶ
みたいな…(;°-°;))) こわい
「獺祭」
短かっ!
沈没、漂流…
段々とおかしくなるカラダ…
生きてるんか?
「狼魄」
呪具やねんな。
狼の手を切り取ったみたいなの。
呪具を使うのは、やはり、深く静かに潜航して…
グサッ!!
宇佐美まことさん、なかなか!!! -
Posted by ブクログ
近年読んだアンソロの中で一番面白かったです。質が違うなと思いました。ついこの前読んだホラーアンソロを藁とした時、こちらは完全に煉瓦。造りが頑丈すぎて我々は煙突からしか入れない。が、その唯一の入口さえ地獄へ直通ですからね。まったく、感謝して落ちていきたいですね。
特に素晴らしかったのは初っ端わずか8ページほどの恐怖、どこか童話みのある骨、妙にリアルな正月女、それから大トリの人獣細工ですよね。頭抱えました、読後。こんな詰め込まんとってくれよ。俺をどうしたいねん。ほんまありがとうな。
最近のホラーがことごとく好みじゃない俺には、こういうのはもう刺さりすぎて息ができないですね。穴だらけになった心を取り出して見せてあげたいぐらいです。あまりに鋭利。真の名作は劣化しないということを、この傷をもって証明したいぐらいです。 -
Posted by ブクログ
「北川フサに取り込まれないようにしなさいね」
道上の言葉。娘の紘子は声を潜めた
「調べれば調べるほど、あの死刑囚の魅力に取り込まれるって」
「あのおじいさん、パパじゃなくて、自分に腹を立てているんだよ」夏樹の鋭い感性に驚かされる
「その色は月白というんだ」箕部が教えてくれたその色。大垣靖男の部屋に塗ってあった青みがかかった寒々しい白。
「この月白に色を塗り重ねられたら」
孤独と不安に苛まれた大垣にふさわしい色
「まるで自分を罰しているような生き方です」川崎が言う
北川フサと大垣の関係。
社長後退の真実に最後驚かされる
『憎しみは醜い感情だ』北川フサと大垣とそして誠の持つ『憎しみ』。
大垣に出会ったこと、道上の手記に出会ったことで、誠の強い負の感情が浄化されたようで、よかった。最後の月白のシーンですべてが終わったようでした -
Posted by ブクログ
戦後の動乱期を舞台に、女性を物扱いする社会に対して憎しみを募らせ、複数の男性を殺害した女。同時期に戦争孤児として同じく社会の不条理に苛まれていた男子は、「憎しみ」という概念とそれが持つエネルギーをその女の中に見出し、殺人犯に対してタブーではあるが惹かれるものを感じるようになる。
この2人のルポについて、当時のある記者は殺害の背景についての心理を憎しみという観点から浮かび上がらせようとした。しかし、それは殺人擁護ともとれてしまうことから、記事にはならなかった。
翻って現代にまた別の記者が、当時の記者が残したメモを基に、当時の社会背景も加味しながら、なぜ女が殺人に手を染めたのか、明らかにしようとする。
そこには当時の記者が果たせなかった無念を晴らそうという気持ちと同時に、閉塞的な社会への憎しみに近い感情もある。
その現代の記者は、たとえ憎しみを持っていてもそれを理性で抑えるのが通常であり、動物的に憎しみをすべて発散することはなかなかできないことと考える一方、その殺人犯が憎しみをエネルギーに変えていることに少し羨ましさも感じている。
憎しみというとネガティブなイメージがあるが、これは反骨心とも言い換えられるのではないかと思う。それを良い方向のエネルギーに変えられるのであれば、それはネガティブな感情とは限らないのではないかと思った。 -
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『ここは地獄だ。昨日の朝まで人間らしい営みがあった街が、今では地獄に変わった。
戦争だから?これは予測された光景なのだろうか。』
1945年(昭和20年)8月6日の午前8時15分
青く晴れわたる空。
広島に原子爆弾が落とされる。
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現代-
大学で失態を犯し 逃げるように辞めた侑平。研究の道を諦め、その後 就いた仕事も辞めてしまう。 将来を見失い 悶々とした日々を過ごしていた。
ある日、ずっと疎遠となっていた父親から
「空き家になった祖父母の家を侑平に譲る」と突然の電話が…。
真意の分からない自分勝手な提案に、イラつきながらも、松山にある空き家の様子を見に行くことに。
そこで侑平は、本来あるはずのない13月がプリントされたカレンダーを見つける。
また祖父が記録していた祖母の闘病日記を見つけ、そこに「13月はあったのよ」と祖母が残した言葉が書かれていた。
侑平は、カレンダーの謎を調べるうちに 祖母の過去に触れる。
広島に原爆が落とされる前日に松山へ越してきた祖母。しかし、船に乗り損ねた兄は原爆で亡くなったこと。
侑平は、祖母の過去を遡ることで、忘れかけていた自身の夢や、ルーツ。そして、父親が長年 抱えてきた苦悩を知ります。
侑平は思うのです。
「知らなかった。知ろうともしなかった。」
それは、戦後に生まれた私達や 今を生きる子供たちも同じかなと思います。
戦争の悲惨さ、愚かさ。
戦争を体験した人が負った傷やトラウマ。それは形を変えて 子や孫にまで影響を与えていること。
そういう事実を「知ろう」としなければ、また戦争は繰り返されるかもしれません。
戦争を語ってくれる人がいます。
「母さんは怒るべきなんや。原爆の犠牲者なのに縮こまって生きていくなんて間違ってる。」
原爆で酷い傷を負い、隠れるように生きてきた喜代の息子の言葉。その怒りを次世代へ語り継ごうとする喜代。
戦後81年。「語り部」の生の声を聞けるのも あとどれくらいでしょうか。
高校の修学旅行で 実際に「語り部」のお話を夕食後に聞く機会のあったのですが、ほどよい疲労感とほどよい満腹感で睡魔に負けた当時の私を誰かビンタで起こしてください( •̥-•̥ ) おバカさん!!
そんな私に、毎回、戦争の悲惨さを小説を通して教えてくれる宇佐美さん。ありがとうございます。
⟡.·┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
さて、侑平が見つけた13月まであるカレンダー。
13月の意味は 祖母・寿賀子の夫の優しさでした。
そして、余命幾ばくもない寿賀子に 本当に13月が訪れるのです。
その奇跡は時を超え-
侑平の人生にも奇跡を起こします!!
生きているって奇跡の連続なのかもしれない!
「きっと奇跡が起こるよ」⟡.·
空は晴れている。
今日も平和だ。
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Posted by ブクログ
戦後80年という節目に刊行された作品。
妻を事故で亡くし、息子と二人で暮らし始めたライターのもとへ、戦後、男性ばかり五人を殺害した死刑囚・北川フサを検証するルポの依頼が舞い込む。
物語にはいくつもの謎が散りばめられ、読者を惹きつけていきます。しかし、この作品の核となるのは、北川フサは本当に冷酷な殺人鬼だったのかという問いでしょう。『月白』というタイトルが象徴するように、一度貼られた「凶悪犯」という色を、もう一度見つめ直そうとする物語なのだと感じました。
私が子どもの頃は、推薦図書にも戦争を扱った作品が多く、漫画やテレビドラマでも戦中・戦後は身近な題材でした。しかし戦後80年を迎えた今、その比重は震災やジェンダーなど、現代の課題へと移りつつあるように思います。
それでも、敗戦後に一般市民がどのような暮らしを強いられたのか、そして女性の地位が向上するまでにどれほど長い時間を要したのか、そうした歴史は、折に触れて優れた小説で語り継がれてほしい。この作品は、まさにそんな期待に応えてくれる一冊でした。
欲を言えば、裁判の場面だけでなく、主人公のライターが完成させたルポそのものも、作中作として読んでみたかったです。 -
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妻を亡くし、小学生の息子夏樹を一人で育てることになった誠は
新聞社を辞め、フリーライターになった。
その初めての大きな仕事として、戦後の女性殺人者 北川フサのルポの依頼を受ける。
戦後の混乱期に5人の男性を殺して死刑となった女性、北川フサ。
時代背景や言論統制などがあり、当時のメディアではフサいう女性は同情の余地もないような鬼畜扱いに終始しており、何がフサを殺人に駆り立てたのかにはフォーカスしていない。
誠はもっと彼女自身を知るべく奔走し、やがて彼女と行動を共にしていた少年がいたことを知る。
物語は現代と戦後の混乱期を行き来します。
戦争で行き場を失った人々は上野駅の地下道で身を寄せ合って夜を過ごす。
浮浪児は闇市の仕事を手伝って少ない駄賃やおこぼれをもらったり、
盗みを働き、なんとかその日一日糊口をしのいで地下道に戻る。
栄養失調で死んでいく人々はゴミのように運び出される。
地下道の壁の色。冷たい白。月白。
復興と共に町の人たちの身なりが整ってきても、浮浪児たちの生活は変わらない。
かつては進学を目指していた浮浪児の目に映る学生服姿の少年。
焼夷弾の落ちた場所が違えば、立場は真逆だったはずの現在。
胸が締め付けられます。
女性や子供の地位が低い時代。
米兵専用の売春宿を国が作り、事務員募集と偽って女性を集めたり、
浮浪児を保護する施設は劣悪すぎて、栄養失調で子供が死んだりと、
あまりにも理不尽で読んでいて本当に辛かったです。
途中読むのをためらう気持ちもありましたが、臨場感に溢れる、記憶に残る知識としてこの本を読んで良かったと思いました。
時代によって価値観は変わるもの。
何歳になっても変化していく価値観にアップデートしていく気持ちを持つことは重要だと思っています。
反面、他者への思いやりとか、子供は守るべきもの、という変わってはいけない部分もあると思います。
生きるのに精いっぱいという状況に陥った時にも、優しい大人の箕部さんのように子供を慈しむ気持ちだけは保ち続けていたいなと思いました。