宇佐美まことのレビュー一覧
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戦後の動乱期を舞台に、女性を物扱いする社会に対して憎しみを募らせ、複数の男性を殺害した女。同時期に戦争孤児として同じく社会の不条理に苛まれていた男子は、「憎しみ」という概念とそれが持つエネルギーをその女の中に見出し、殺人犯に対してタブーではあるが惹かれるものを感じるようになる。
この2人のルポについて、当時のある記者は殺害の背景についての心理を憎しみという観点から浮かび上がらせようとした。しかし、それは殺人擁護ともとれてしまうことから、記事にはならなかった。
翻って現代にまた別の記者が、当時の記者が残したメモを基に、当時の社会背景も加味しながら、なぜ女が殺人に手を染めたのか、明らかにしようと -
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『ここは地獄だ。昨日の朝まで人間らしい営みがあった街が、今では地獄に変わった。
戦争だから?これは予測された光景なのだろうか。』
1945年(昭和20年)8月6日の午前8時15分
青く晴れわたる空。
広島に原子爆弾が落とされる。
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現代-
大学で失態を犯し 逃げるように辞めた侑平。研究の道を諦め、その後 就いた仕事も辞めてしまう。 将来を見失い 悶々とした日々を過ごしていた。
ある日、ずっと疎遠となっていた父親から
「空き家になった祖父母の家を侑平に譲る」と突然の電話が…。
真意の分からない自分勝手な提案に、イラつきながらも、松山にある空き家の様子を見に行 -
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戦後80年という節目に刊行された作品。
妻を事故で亡くし、息子と二人で暮らし始めたライターのもとへ、戦後、男性ばかり五人を殺害した死刑囚・北川フサを検証するルポの依頼が舞い込む。
物語にはいくつもの謎が散りばめられ、読者を惹きつけていきます。しかし、この作品の核となるのは、北川フサは本当に冷酷な殺人鬼だったのかという問いでしょう。『月白』というタイトルが象徴するように、一度貼られた「凶悪犯」という色を、もう一度見つめ直そうとする物語なのだと感じました。
私が子どもの頃は、推薦図書にも戦争を扱った作品が多く、漫画やテレビドラマでも戦中・戦後は身近な題材でした。しかし戦後80年を迎えた今、そ -
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妻を亡くし、小学生の息子夏樹を一人で育てることになった誠は
新聞社を辞め、フリーライターになった。
その初めての大きな仕事として、戦後の女性殺人者 北川フサのルポの依頼を受ける。
戦後の混乱期に5人の男性を殺して死刑となった女性、北川フサ。
時代背景や言論統制などがあり、当時のメディアではフサいう女性は同情の余地もないような鬼畜扱いに終始しており、何がフサを殺人に駆り立てたのかにはフォーカスしていない。
誠はもっと彼女自身を知るべく奔走し、やがて彼女と行動を共にしていた少年がいたことを知る。
物語は現代と戦後の混乱期を行き来します。
戦争で行き場を失った人々は上野駅の地下道で身を寄せ合って -
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装丁に惹かれて、あらすじも知らないままページを開いたら、予想をはるかに超える衝撃の作品だった。
戦後の連続殺人犯の女性と、彼女が連れていた浮浪児。その二人の壮絶な人生と、現代になってその事件がなぜ起きたのかを静かに紐解いていくヒューマンミステリー。
戦後の過酷な時代を生きた二人は、憎しみを糧にしながら繋がっていた。その苦しみは言葉にするにはあまりに重くて、私自身も適切に表すことができない。
ノンフィクションかと思うほど丁寧に作り込まれていて、読み終わったあともしばらく心が重く沈んだままになるほど余韻が強かった。
もう一度読む自信はないです、、、でも重くて苦しいのに、ページをめくる手がどうして -
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戦後混乱期に5人の男を惨殺し、死刑となった北川フサ。
そのフサのルポを書くため取材をするうちに、どんどんフサという人物に強い関心を持った海老原誠。
海老原は、過去にフサと行動をともにし、今は仕事を引退し、余生を過ごす老人大垣靖男に話を聞こうとするが、大垣は口が重い。
海老原と大垣の両面から話が展開される。
容赦なく戦後の悲惨な状況が描かれている。
海老原が亡き妻や、一緒に暮らす息子のことで、ウジウジ悩む姿にはイライラさせられたし、大垣の偏屈じじいの態度にもイライラさせられ、人物像に魅力がないのかと思いながらの読書だったが、これがラストへの伏線だったとは。
簡単に語れないくらい重くて考えさせられ -
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★★★★⒋5
呪われたピアノと呼ばれた、一台のグランド
ピアノ(ニーマイヤー)が、100年という
時を超えて記憶を運ぶ壮大な物語。
なぜピアノ(ニーマイヤー)は呪われた
ピアノと呼ばれるようになったのか。
大正から昭和、現代と、時代や場所を超えて
ピアニストや調律師、ピアノ(ニーマイヤー)を
愛した人達の記憶が、ピアノに刻まれ受け継がれ
ていく。
平松伯爵の娘、随子と、彼女のピアノ教師である
アッカーとの秘めた恋。長女というだけで全ての
夢を諦め、婿を取り実家を継いだ、四国の裕福な
林業家の娘、須美。二人の女性の残酷な運命が、
読んでいて本当に辛かった。
現代編の、ジストニアという病気の -
Posted by ブクログ
まず、本書の登録者数が少なくてびっくり!
凄く面白いのに勿体ないよ。
モラハラ夫から家出した45歳主婦が、キャバ嬢と3000万円の身代金を巡る争いに巻き込まれる逃走劇。
最初はちょーイライラさせられた!主人公・沙代子が人の顔色ばかり窺うオドオドした態度で、焦れったくてたまらない。
その自己主張の無さが事件を招いたのだと……。
だけど彼女たちの地獄の逃走劇が、どこへ着地するのか全く予想がつかず、気になってしょうがない。
物語は二転三転、三つ巴四つ巴の騙し合い、ラストは怒涛のサプライズの連続!あの人の豹変、真相を解く武器、黒幕の正体に、まんまとハメられた。
結局ジョーカーって何だったのだろ -
Posted by ブクログ
面白かった。
ニーマイヤーと刻印されたピアノと、そのピアノに関わった人達の壮大な物語。大正から現代にまで及ぶ時間を行き来するので、混乱することが多々あった。この筋なら更に面白く、読みやすくなったのでは、、と少し残念。
ピアニストのアッカーと伯爵の娘、随子の時代が一番心躍った。
位の高い人、お金持ちにこのピアノは受け継がれて行ったので、時代によって上流階級がどのような生活をしていたのかも、興味深く読んだ。正直、アホらしい世界やなぁーと思うこともあったけれど、こういう人達のおかげで芸術家が活動できてきたのだろう。
「谷底の牢獄」の章で出てきた、長女の須美の、不満があろうと口に出さず、何を考え