宇佐美まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上手く感想がまとまらない。
頭がヒートした感じ。クールダウンして、客観的にみて、浮かんだ最初の言葉。
何でこれ一冊にまとめたんかな。勿体ないと思うんよなぁ。
満州からの引き揚げという壮絶な過去がある、まあさん。
作中に俳句が詠まれると満州のターンになる構成がお見事で、緊張感が襲ってくる。
その過去を知る為、認知症を患ったまあさんを連れて旅する、アイさんと富士子さん。
ままならない自分の体にムチを打ちながら行動する二人の、まあさんへの想いが温かい。
ところが、後半途中がらりと急展開を見せてくる。
一冊にまとめるのが惜しいと思った理由がこれだった。
読む前に深呼吸が必要なくらい、戦争の悲惨 -
Posted by ブクログ
みんみんさん、ひま師匠にご紹介頂き購入しました(*´꒳`*)
ボニン浄土、、、タイトルから外国のお話かしら?何かの宗教かしら?なんて想像しながら読み始めたのですが、時代は過去に遡り、1840年。江戸時代ですかね。
気仙沼から出港した五百石船が難破し、漂流するところから物語が始まります。
吉村昭の漂流という小説がとても良かったですが、この本も出だしは負けないくらいのリアリティで期待がどんどん膨らみます。
ワクワクドキドキしてきた頃、物語は現代に。
あれ?現代になっちゃった。
全てを失った中年男。離婚し、水泳の得意な息子とも会っていない。彼は幼少期祖父母に育てられた。
実父母の記憶はない -
Posted by ブクログ
家や土地にまつわるホラーアンソロジー。
事故物件だけでなく住民そのものが怖いヒトコワものまで豪華11話収録。
糸柳寿昭氏『やなぎっ記』軽い雰囲気の日記だと思っていたら最後のメールで鳥肌立っちゃうやつ。
澤村伊智氏『笛を吹く家』この方の描く歪んだ家族っていつも気味が悪いし悲惨…本当にいそうなのがまた怖い。
芦花公園氏『終の棲家』宗教が関わるホラーではやっぱりこの方。得体が知れない信仰の気持ち悪さと逃げられない絶望感。
平山夢明氏『ろろるいの家』ホラー描写が本書で一番怖かったかもしれない。不気味な現象に徐々に侵食されていく感じがゾクゾクした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ益恵が満州で過ごした子ども時代や夫のこと。そしてこうした戦争経験が、その時のみならず後の人生にも影響を及ぼしている様子が鮮明に綴られていてショッキングだった。
死が身近にありながらもそちらに傾かず、苦しみの中でも生にしがみつく強い生き様がとても印象的だ。
ストーリーとしては、認知症で記憶がつぎはぎになった益恵の心を救う旅といったものだったが、道中でアイや富士子にも影響をもたらす意味のある旅となっている。どこか終活をしているような様子の彼女らに、読んでいると清々しい感情を覚える。疑問に思ったことも読み進めていくうち次々と明らかになっていき、「──生き生きて八十路の旅や風光る」の一句では、しっかり