宇佐美まことのレビュー一覧

  • 白と黒のソナタ

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    /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
    この物語は古き時代が中心に進んでいきます。
    いろいろなものに縛られた時代は、今からは想像を絶する世界だったことでしょう。

    物語は壮大で、最後の最後に全てが繋がっていく様は、大きな感動を呼ぶものがありました。


    今の世の中、どんどん縛れることが減っていき、多くの若者は、義務教育と消費税の支払いぐらいしか、縛られるものはないのではないかと思います。

    何にも縛られることなく自由を謳歌した人たちが、やらなければいけないことに直面した時に、それをストレスと感じ、簡単に体調を崩したり、メンタル不調になっていく。

    それでもAIの普及により、平準的に「よしっ」とされる対応を導き出すことはできる。
    いや、ほんと、簡単で、楽な時代に入ってきました。

    これからの世界。
    ただ楽しいだけでいいのかと、強く考えさせられる作品でした。


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/
    今から過去に。

    一つのピアノ、一つの楽譜、いろいろな人たちが繋がりをもって、過去から今に繋がっていきます。

    大きな悲しみ、大きな感動、そんなものを与えてくれる壮大な作品。


    /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 
    一章 2026年?

    友澤伸多 しんた、ピアニスト
    漆原莉那 バイオリン奏者、伸多彼女
    城島直輝 ピアニスト、伸多友人・ライバル

    栗林美佐枝 先生
    母   伸多母
    知可子 母の姉、最初にピアノを教わった人
    祐実  伸多姉

    児玉繁男  調律師、喜三郎唯一の弟子
    市原喜三郎 伝説の調律師


    二章 昭和48年

    市原喜三郎 64歳
    シモンズ ピアニスト、ヴィルトゥオーゾ
    児玉繁男  21歳


    さらに昔に
    喜三郎  14歳 伯爵に仕える
    平松伯爵
    平松随子 16歳、よりこ、伯爵次女
    アッカー 29歳、ピアニスト
    ウィリアムズ 喜三郎師匠、70歳超え
    ピーター 見習い


    三章
    糸井小夜 さよ
    糸井恒蔵 小夜父、林業
    糸井百江 小夜母
    糸井須美 すみ、姉
    糸井亀代治 きよはる、祖父

    博周   須美夫、ダメ男

    四章
    随子
    信義  随子父
    喜久子 随子友達



    /_/ 用語 _/_/_/ 

    ホロコースト
    ホロコーストとは、ナチスドイツ政権とその同盟国および協力者による、ヨーロッパのユダヤ人約600万人に対する国ぐるみの組織的な迫害および虐殺ことです。 ホロコーストは1933年から1945年の間にヨーロッパ全土で進展したプロセスです。

    ジストニア
    ジストニアは、筋肉が自分の意思とは関係なく収縮・硬直を起こし、体のねじれや異常な姿勢・運動が生じてしまう神経疾患です。脳の運動を司る神経回路(主に大脳基底核など)が誤作動を起こすことが原因とされています。



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    2026年07月07日
  • 羊は安らかに草を食み

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    時間をかけてゆっくり読んだ
    ちょうどアイたち3人の旅と同じくらいの時間

    生きると死ぬが表裏一体という点において、満州からの引き揚げの旅と3人の旅は近しいものがあったかもしれない
    「どうせ死ぬんだし」という考え方が単なる諦めとは程遠く、むしろ今を生きるためのとんでもないパワーになる

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    2026年07月01日
  • 展望塔のラプンツェル

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    児童虐待や性的虐待、不妊治療、貧困問題など、胸が苦しくなるテーマが次々と描かれ、読み進めるのが辛くなる場面も多かった。それでも最後まで読んで本当に良かったと思える一冊。

    虐待やネグレクトを受ける5歳の壮大くんを助けたいと奔走する「こども家族支援センター」の志穂。不妊治療を続ける専業主婦の郁美。兄から性的虐待を受け、家を飛び出した17歳の那希沙。三人の女性を中心に物語は進んでいく。

    単に「虐待はいけない」「貧困はつらい」と訴えるだけではなく、「血のつながりだけが家族なのか」「子どもは誰が育てるべきなのか」「人は過去を抱えながらも前を向いて生きていけるのか」と、さまざまなことを考えさせられた。
    終盤には思わず「そういうことだったのか」と驚くような仕掛けもあり、一気に物語へ引き込まれた。

    重いテーマなのに、読み終えた後には不思議と希望が残る。登場人物たちのその後を思い浮かべながら、穏やかな気持ちで本を閉じることができた。

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    2026年06月28日
  • 13月のカレンダー

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    前回読んで、すっかりファンになってしまった!こちらも良かったー!
    主人公の侑平という青年が、もと祖父母の実家の愛媛を訪ねることから始まる。侑平の両親は離婚しており、正確には他人だが、子どもの頃良くしてもらっていたこともあり、祖父母が他界し空っぽの家を訪ねた。祖母の寿賀子は長い間闘病生活をしていた。祖父の日記を見つけ、その闘病生活の様子を知る。そこで祖母が「13月はあったのよ」と言っている日記の記述と、13月のカレンダーを発見する。祖母の、父の、そして自分のルーツを知るために、祖母の知り合いに話を聞いて回る。そこで祖母は広島出身であり、兄を原爆で亡くしていた。原爆の悲惨さ、戦争の恐ろしさをダイレクトに知ることのできる作品。
    前回もそうだったけど、戦争と現代を結びつけるのがうますぎると思った。今回は原爆を落とされた広島での描写がリアルで、一気に読んでしまった。侑平が自分のルーツを知ることで、現実の自分から逃げずに立ち向かう姿がとても感動した。「原爆のせいにするな」というセリフがある。何かを人のせいにして生きる生き方でいいのか、差別を受けたり、酷い扱いを受けてなお、自分の人生を生きている喜代さんは素敵だと思った。人が忘れるのを待つのではなく、語り継いで、同じ過ちを人が犯さないよう尽力している人はおそらく実際にいる。いい本と出会った。もっと宇佐美さんの作品読みたい

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    2026年06月20日
  • 白と黒のソナタ

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    1台のピアノを軸に、壮大なドラマを観させてもらったよう。
    大正〜昭和初期と現代を行き来して展開する物語は、もはや誰が主人公かわからなくなるくらい。それぞれの人生が濃密に描かれている。
    ピアノを通して得られた喜び、絶望…その落差が激しくて、こちらの心も一緒に揺さぶられ続けた。
    「ピアノ、それは黒く輝く怪物」の言葉通り、天国と地獄を味わわせる怪物のよう。
    ピアノ好きとしては、ニーマイヤーの奏でる音を聴いてみたくてウズウズした。
    ピアノが好きな人もそうでない人もきっと、ピアノに魅せられた人々の生き方にグッと惹き込まれる物語だと思う。

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    2026年06月14日
  • 月白

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    現代と、戦後の時代描写があるのですが、世界観に引き込まれました。戦後に生きる人々を、大変だったねと軽々しく言ってはいけない、こういった人たちの下、日本はあるのだと思いました。とても素晴らしい作品です。

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    2026年06月13日
  • 羊は安らかに草を食み

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    初めての作家さん、話題になっていたので軽い気持ちで読み始めたが…内容に大分衝撃を受けた!心に残る一冊だったと思う。
    持田アイ、須田富士子、都築益恵の3人は出会って20数年の友人である。3人とも80歳ほどになっており、その中でも益恵通称まあさんは認知症が進んでいた。そんな中、まあさんの夫の三千男が、アイ、富士子にあるお願い事をする。それは3人でまあさんの記憶を辿る旅をしてほしいということだった。まあさんは満州で生まれ、戦争を経験し、その後日本に渡っている。まあさんは満州でのことを一切誰にも話さなかったが、時折り「カヨちゃん」と口にするようになる。まあさんの記憶のつかえを取り除き、安らかな老後を迎えられるよう3人で松山、長崎を旅することとなる。

    基本はアイの視点で話が進んでいくが、途中で入ってくるまあさんの幼い頃の話がえげつなさすぎる。戦争の恐ろしさがダイレクトに書いてあるまさに地獄。読みながら辛くて涙が出た。特にまあさんが家族とソ連兵から逃げる描写…飢え、病気、人攫い…特に赤ん坊に関する描写が辛すぎた。戦争は終わっても人々の戦争は終わらない、確かにその通りだと思った。まあさんは最後にやっと安息の日々を手に入れることができて本当に良かった…おばあちゃん3人が主人公というのも面白かった!

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    2026年06月11日
  • 白と黒のソナタ

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    一台のピアノ「ニーマイヤー」を繋ぐ感動の物語。

    若手ピアニスト友澤伸多は、世界の注目を一身に集めていた矢先、ジストニアを患いピアノが弾けなくなる。
    遡り、大正時代に平松伯爵の娘・随子は、才能ある若きピアニスト・グスタフ・アッカーにピアノを教えて貰っていた。
    アッカーの為に随子の父は、グランドピアノを造らせていたが…。

    ロンドンで造られた、この世に二つとない至高のグランドピアノは、誰が弾き継いでいったのか…

    (第三楽章 谷底の牢獄〜悲しく辛い不幸な話だった)
    (第四楽章 桜のお印〜随子の残酷な運命に心が痛い)

    血塗られた物言わぬピアノは、紆余曲折の末に左手のピアニストとして生まれ変わろうとする伸多の前に現れたのが、偶然でもなく必然であったように思われた。

    「ニーマイヤー」を造った伝説の調律師が繋ぎ、それを弾く者が繋がっていく…跡切れることなく続いたのは素晴らしいピアノだったからだろう。
    弾いたときの音に驚き、感動し、夢中になるものだったろうと察せられた。





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    2026年06月09日
  • 白と黒のソナタ

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    ネタバレ

    マーラーの交響曲第5番4楽章が頭の中で流れるほどに美しく切ないお話でした。
    一台のピアノが時を超えて紡がれるお話なのですが、そこに携わる人たちの人生が関わっていてまるで実話のようでした。
    自分が死ぬまでに遺したなにかも、それはピアノという素晴らしいものでなくても、いつか誰かの呪いになるかもしれないけれど、違う誰かには光になるかもしれない。そんな希望まで見出せる素敵なお話でした。

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    2026年06月05日
  • 白と黒のソナタ

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    一台のピアノ、ニーマイヤーという「呪われたピアノ」と云われるピアノを巡る物語。

    友澤伸多という新進気鋭の若手ピアニストはジストニアという病でピアノが弾けなくなります。

    時は遡り、大正時代アッカ―という日本人の華族である16歳のヨリコを愛するピアニストもまた右手を車に轢かれてピアノを弾けなくなります。

    二人のピアニストが弾いたニーマイヤーのピアノとは…。

    私は実は読み始めは何の話かわからなかったのですが、主人公はピアノだったようです。



    ーーーーーーー
    私もピアノは五歳の誕生日に買ってもらい20年は弾いていました。
    中学の時は物凄くよいピアノの先生に当たり、毎日下校してから四時間くらい弾いていましたが、先生に薦められた音高、音大受験は覚悟ができず、しませんでした。
    生涯をピアノに捧げるというのは非常に覚悟がないとできないと身をもって知っているので、ピアニストの苦悩は共感できるものでした。

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    2026年06月04日
  • その時鐘は鳴り響く

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    それぞれ繋がりのない、時代も異なる事件について、真相が追いかけられるうちに、実は僅かな点が細い線で繋がっていたことに気づいたり、まだ気づけなかったり。
    この作者の物語はすべて後半に差し掛かるにつれ、ドラマの最終回をずっと観ているような、緊張と期待とドキドキが続きます。ほんとすごい。

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    2026年05月31日
  • 逆転のバラッド

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    ネタバレ

    これは読んで良かった!
    まさに社会派ミステリー。

    本の紹介でオジ様たちのことを描いているとか書かれていたので、まあ軽い気持ちで、銭湯に集まるオジ様たちね・・・

    と思っていたら、そのうちの1人のアラ還の新聞記者が、事件を追ううちにどんどん闇が広がっていく。


    自分の覚え書きのためにももっと感想書きたいけれど、明日早朝から横浜に向けて旅に出るのでもう寝ます。
    皆さんが話題にされてる宇佐美さん、とんでもなく凄い!

    とにかくこれはお薦めですね。
    どんでん返しありで、度肝を抜かれます!

    では続きを。
    主人公の新聞記者の思いが事件を追ううちに変化していく。

    知的障害の兄を持ち、記者としても上を目指すうちに、周りが見えなくなって、生まれ故郷の松山に帰り、妻は去っていく。
    そしてみなと湯の面々と親しくなる。しかし本心では彼らを侮辱する気持ちが心の奥底にあった。
    今まで下に見ていた兄には多分本心を見抜かれていた。

    事件が解決していくうちに、記者本人にも気付かないが、人の思いが分かってくる。

    情に厚い人たちと関わるうち自然と生まれた心の変化を、宇佐美さんは細かく描写している。
    これは本当に心を射抜かれた。
    凄い!

    そして私の大好きなEaglesのDesperadoが出てくるのです♡

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    2026年05月22日
  • 13月のカレンダー

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    主人公の祖母は幼少期に広島から松山行きの船に乗る際、靴を船の下に落としてしまったため、兄が取りに行くが、それにより船は満員となってしまい、兄だけ翌日の船に乗ることになる。しかし、その日に広島に原爆が投下されることにより、兄だけ命を落としてしまう。

    現在に戻り、その祖母が余命は翌年の始めまでしかないという時期に、夫からその年の13月までが載ったカレンダーをプレゼントされる。
    実際には翌年の1月、カレンダー上では13月に祖母が見たもう一つの世界とは。。。

    その世界と主人公にまつわる奇跡に関してはややできすぎな感じもしてしまったが、主人公は被爆について語りたがらない自分の父親(=先述の祖母の息子)に楯突いて祖母にまつわる過去について知ろうとする。
    それは、主人公が大学院の研究で不正を犯してしまった後、惰性で就職した先で将来の展望も描けずに過ごしていた時期である。
    その過程で自分のルーツや自分が存在することの奇跡について改めて知るとともに、自分の大学院時代の探究心(祖父から受け継いだもの)に立ち返り、将来の道筋について少しずつ考えられるようになっていく。

    先祖も含めた自分の過去、それを踏まえて自分が今存在することの奇跡、そして将来やりたいと思うこと、これらが揃うことで人は日々の生活に対して前向きに取り組むことができるようになると思う。

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    2026年05月15日
  • 月白

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    ネタバレ

    憎しみという感情を共にするフサと靖男。
    北川フサによる終戦直後の連続殺人の深層に迫るフリーライターの海老原誠が主人公だが、物語は途中から、当時戦災孤児だった大垣靖男の回想を中心に進んでいく。
    「焼夷弾の落ちた場所が少し違った」ことが運命を分け、路上に放り出された戦災孤児たちの描写がまさに壮絶で言葉を失う。フサの残虐極まる殺人に憧れを見出す靖男。そして靖男も憎しみを爆発させる。社会から存在を否定され、最愛の姉や親友など仲間の孤児たちが次々と(社会から)殺されていく中で、靖男の心も憎しみによって殺されかかっていたのか。とても自分に置き換えて推し量ることができない。
    しかし、その靖男の記憶は誠には決して語られず、誠のルポルタージュは大きな反響を得ることはなかった。靖男に限らず、極限状況過ぎるゆえのとても語れない事柄が含まれるために、多くの戦中戦後の記憶は伝えられることなく消えていったのだろう。そういった中で、フィクションとして極限状況に生きた、忘れられた人々をすくい上げるこのような作品の意味は大きいと思う。
    間違いなく今年一番衝撃を受けた作品でした。

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    2026年05月10日
  • 逆転のバラッド

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    ネタバレ

    還暦を過ぎた うだつの上がらない男たち。
    自分はこのまま 鄙びた港町でただただ無駄に歳を重ねていくだけだ…と寂しい背中のおじさん達(哀)

    しかし、一人の銀行員の死をきっかけに オジ達は立ち上がる!戦いを挑むのは 町を蝕む巨悪な存在!!

    「一念通天」
    ここで終わってたまるか!
    痛快リベンジミステリー

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    愛媛県の港町。地元の銭湯「みなと湯」を憩いの場として集まるオジ四人集。

    老朽化した「みなと湯」の風呂釜修繕に頭を悩ませる主人の邦明

    暴力団を破門になり、みなと湯の釜焚きとして雇われる独り身の吾郎

    実父の儲からない骨董屋を継がされ、家庭でも肩身の狭い思いをしている富夫

    左遷同然で、東京から松山支局へ異動してきた新聞記者の弘之は仕事へのやる気を失いかけている。「あなたは人の心がわからない」と妻から言われ離婚。

    寂しさ全開( •̥-•̥ )
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    一月、土砂降りの夜。
    「みなと湯」設備投資の融資担当をしていた若い銀行員・丸岡が川に転落して亡くなった。

    事件、事故、自殺-?

    真相がわからぬまま 事故として幕引きしそうなことに疑問を抱く四人。

    そこへ、丸岡の婚約者だという礼美が「みなと湯」を訪ねてくる。
    「彼の死は、事故でも自殺でもなく、殺されたんです」

    みなと湯の融資が反故にされそうになっている裏で、丸岡が掴んだ銀行の闇とは何なのか。
    弘之が一念発起!調べを進めると 、地元病院の不正融資や、大物代議士、金融ブローカーが絡む巨大な闇が-!

    邦明と富夫も 何とか礼美の力になろうと考える。

    だが事件の確証が掴めずにいる中、礼美が四人の前から姿を消す-。
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    いんやー、おもろかった!

    宇佐美さんの小説は 人物描写や その背景がとても丁寧に描かれていると思います。それがわたし的にスロースタートに感じちゃうこともあるんですが…。

    後半の追い上げがスゴいです!
    怒涛の展開と伏線回収!

    オジ達がやってくれましたわ!!
    もーびっくりですわ!
    まさかのアイツが Σ(゚ロ゚;)!!ですよ。
    しかもリベンジをあんな方法で!!ですよ。


    あと礼美がオジ達に隠していた”真実”は、本当に辛すぎて 涙堪えるの大変でした。
    。・゚・(*ノД`*)・゚・。

    弘之と 障害を持つお兄さんとのシーンもね、グッときます。

    で、姿を消した「しけた王子」をみんなで探しに行くラストシーンがめっちゃ良かったなぁ。
    男の友情っていいわ!

    はー、良き良き (*´︶`)

    来週の宇佐美さんは〜
    みんみんさんに選書してもらったボニンですっ





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    2026年05月09日
  • 羊は安らかに草を食み

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     読み終わって、タイトルの「羊は安らかに草を食み」という曲を聴いてみた。これっ!良くSpotifyが私用に選曲してくれるやつやん^ ^最近作曲されたヒーリングミュージックかと思っていたらバッハと知って驚いていた。バッハといえば荘厳な教会音楽、数学的に神という高みに上っていくイメージをもっていたが、それはイメージの話。バッハって実はすごく優しいんだ。教会の門にたどり着くことも出来ない者の側にも神はいる、戦場で今日を必死に生き延びる者の側にも神はいるっていう優しい(バッハはドイツ人でルター派なのですね)とっても人間的な気持ちに溢れている。
     益恵という86歳の女性がいる。認知症を患い、まもなく施設に入居が決まっているのだが、親友のアイ(80歳)と富士子(76歳)は益恵の夫の三千男に依頼される。益恵を連れて旅に出てほしいと。益恵が50代で三千男に出会う前に住んだ町を辿り、それぞれの地で交流のあった人達に合わせてあげて、益恵の「心のつかえ」を取り除いてあげてほしいと。益恵、アイ、富士子は50代くらいで町の俳句教室で出会った仲間であり、何度も一緒に旅行などしてきた親友である。かといって、80歳と76歳が認知症の86歳を連れて、東京から大津、松山、佐世保、国先島と旅行するのは並大抵のことではない。独身でキャリアウーマンだった富士子は手っ取り早く宿を予約したり、荷物を先に宅急便で送ったりと要領が良い。アイは最近詐欺に会い、それを責めながらもそれぞれに家庭の問題を抱えている息子、娘と電話で言い合いながら、「もう子供に煩わされるよりも自分の友達との友情のほうが大事」と心がきっぱり決まっていく。
     益恵は戦中に家族と満州に住んでいたが、戦後引き上げの時の大混乱で家族全員を失い、命からがら帰国した経験を持つ。三人の旅のお供は益恵が元気な時に出版した句集。満州からの引き揚げの時の壮絶な思い出を句にした作品から益恵の過去を読者は知る。
     旅の最後にたどり着いた国先島。長崎県の五島列島の一つである。益恵は満州で自分と同じ孤児の女の子と助け合いながら命を繋ぎ、日本に帰国してからも国先島でしばらくその親友と暮らしたのだった。
     国先島の小さな教会でバッハの「羊は安らかに草を食み」が流れる。86歳となり認知症になった益恵さんの心は満州から引き上げてきた11歳の時のまま。優しく繋ぐ友の手。二人とも柔らかな手だったのだろうな。
     読んでいる時、ずっと思っていたのは、自分も益恵さんたちの歳になった時に、自身の健康や家庭に問題はあっても、それはさておき優先的に出来る「友情」を大切にしたいということ。益恵たちは今の私くらいの歳で出会った俳句仲間との友情を優先し、家族になんと言われようと旅に出た。私も最近趣味を通して出会った友人や再会した友人を本当に本当に大切にしていこうと思う。そして、今私はアイの娘くらいの歳であり、母親との口論のシーンも良く分かるのであるが、いずれアイの立場になることも分かる。その時に「子供は子供、私は私」と自信を持っていえるアイデンティティと友情をちゃんと育んでおこうと思う。
     そして、益恵と親友のカヨちゃんが経験で知った「命を繋ぐことの大切さ」。コンプライアンスとかハラスメントとか言葉は溢れている世の中だが、本当に命を繋ぐってどんなことなのか、言葉ばかりが溢れている今の世の私たちは知らないでいると思った。





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    2026年04月26日
  • 謎は花に埋もれて

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    素晴らしい。
    どの物語も人間の哀しみ、やるせなさ、優しさを描いていて、胸にすっと染み込んでくる。
    特に最後の『家族写真』は良すぎて泣いたし震えた。

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    2026年04月05日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    仕事を辞めた侑平は、父の実家の処分の話を聞かされた。幼い頃、長い休みを過ごす事もあった父の実家。亡くなった祖父母とは疎遠になっていたが、侑平はその場所を尋ねることにした。

    広島の原爆の描写、戦後も長く続いた被爆者の差別や苦しみも描かれ、私にとっては学びの多い読書になった。
    侑平が抱えていた問題がSTAP細胞の一件を彷彿させ、あれは一体何だったのだろうと少し懐かしい気持ちにもなった。
    父の心が頑なで、そこに解決がなかったことはリアル。
    物語が意外な方向へ広がり、最終的には侑平の問題に帰着する。お見事。

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    2026年03月31日
  • 羊は安らかに草を食み

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    最近曽祖父や祖父の人生について知ったこともあり、戦後あたりの歴史に興味を持っていた。満州から日本に帰るまでの回想シーンが衝撃的な内容で、それでいて俳句に想いや情景が込められていて詩的で、非常に面白くすぐに読み終わってしまった。終盤だけ少し入っていけなかった所はあったけど、全体的にはとても素晴らしいと思った。他の作品も読んでみたい。

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    2026年03月26日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    子ども向けの児童文学とは侮れぬほど、ガチで怖い作品ばかり!!

    子どもだけじゃなく、かつて「夜の子どもたち」だった大人にも読んでほしい作品

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    2026年03月20日