宇佐美まことのレビュー一覧

  • 月白

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    ネタバレ

    宇佐美まことさんの本は、羊は安らかに草を喰みを読んでから衝撃を受けて、今もなお自分にとって忘れられない1冊だが、この本もまた自分にとって大事な本となりました。

    戦争の時の描写が非常に生々しく、それら一つ一つも非常に重いのですが、千代の死に様、そしてアゴセンへの復讐の描写はもう胸が苦しくてたまりませんでした。
    東京大空襲があったという事実は勿論知っていましたが、正直その言葉だけを知っているに過ぎなかったと思い知らされました。上野駅が戦争孤児や家族を亡くした人たちの唯一の住処としてそんな風に使われていたなんて恥ずかしながら全く知らなかった。
    川に身投げする人もいた。という一文は教科書などで見ると

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    2026年02月21日
  • 逆転のバラッド

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    宇佐美まことさんの作品。

    紹介文で勝手に中高年のおっさん達が活躍する以前読んだ本を思い浮かべてしまっていた。
    たしかにこの作品の主要キャラもおっさん達だ。しかも、ずいぶんとしょぼくれている。
    もう潰れそうな風呂屋の親父、父親から譲り受けた開店休業の骨董屋の親父、地元に帰ってきた全国紙の新聞記者。
    彼らの元に「銀行員が橋から転落死した事故を調べてほしい」と相談が。

    ちょっと調べたらどんどんと出てくる闇の世界だった。
    政治家、病院理事長、詐欺集団、マネーロンダリングなどなど。
    田舎に似つかわしくない深い闇に、おっさん達は立ち向かえるのか!



    大きなテーマと、ラストにほんわかできるエピソード

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    2026年02月19日
  • 月白

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    戦後の混乱期に5人の男性を相次いで殺害し後に死刑となった北川フサ。
    数十年後、フリーライターの海老原誠がその生涯を追う。

    行間から伝わるのは深い憎しみだ。

    殺人を肯定する意図はない。
    だが、時代への怒りや、男たちへの憎悪が彼女をどれほど追い詰めたのかが痛切に伝わり肩入れしたくなった。

    戦争が人々の心を蝕む様子は想像できても、一線を平然と踏み越える男たちの姿には憤りが募る。

    読んでいる間ずっと「心の殺人」という言葉が頭から離れなかった。

    終戦直後の風景描写は圧巻。

    人間の業、孤独と哀しみ、愛情と憎しみを重層的に描いた力作。

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    2026年02月14日
  • 月白

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    面白かった〜。戦後すぐに起きた連続殺人と、妻のことで思い悩む男の人生が交錯する。

    全てを水に流すかぁ。。空襲で親を失くして生きなければいけなかった大垣の一生に比べると、私はなんて小さなことに振り回されているのだろうか

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    2026年02月10日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    主人公の侑平は、亡き祖父母の家で13月のカレンダーを見つけた事から、祖母寿賀子の壮絶な子供時代に遡っていく。
    親友の喜代や、亡くなった兄の親友義夫との出逢い。
    原爆投下の日、あの日に何が起きたのか。
    生き延びた人達は被爆者だという差別に合う。
    喜代の息子剛が白血病になってしまい、最後に『母さんも原爆の犠牲者なのになんで謝るんや』と言って最後まで被爆2世にはならないと抗っていた剛。
    戦争の話は何処か遠い昔話になりつつあるけど、本当にあった惨く怖しい出来事だったんだと、改めて感じました。

    最後にずっと寿賀子が言っていた奇跡に、思わず鳥肌がたってしまった。

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    2026年02月06日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    え~~~っっっ、こんな奇跡が待っていたなんて!!!読んでいる間、こんな奇跡が起こるなんて想像できませんでした。
    "13月のカレンダーが過去に、あの日、8月5日に戻してくれた"というだけではなく、さらに未来に続く、侑平自身に起こる奇跡だったなんて!!!なんて、なんて凄い奇跡なんだろう。
    読み終えた時、ちょうど寝る時間だったのですが、この奇跡の興奮の余韻で、なかなか寝付くことができませんでした(笑)。
    主人公の侑平が自身のルーツを知るため、祖母と原爆で亡くなった祖母の兄の友達2人に会うため、祖母の出身である広島に向かい、様々な話を聞くこととなります。作品の中で、原爆にあった2人

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    2026年02月05日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    いっっちばん好きな本になった。
    この本を読んでいる間、薄い緑の柔らかい世界にいるみたいに心が穏やかで、益江の人生にお邪魔させてもらってる気分だった。読み終わりたくなかったな〜〜。読み終わってとりあえず宇佐美まことさんの作品を探し漁った。

    明日どころか1分後の命の無事の保証もない環境で生きて生き抜いてきた人にしか辿りつかない感情と感性が確かにあって、ただ生きていることに心から大きな価値を感じるんだろうなあ。

    自分の祖母も台湾で空襲に遭って弟を守りながら河川敷を転がったことがあるとか聞いていたから、益江を祖母に重ねながら読んだ。

    アイと富士子のバックグラウンドにも不倫だの詐欺だの子供への相

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    2026年02月02日
  • 羊は安らかに草を食み

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    ネタバレ

    人生とは。
    益恵の壮絶な戦争時代の体験は、目を背けたくなる場面だらけで、読んでる私も頭で思い浮かべては辛くなるばかりだった。そこから日本へ戻った益恵と佳代はもうあんな辛い体験をしなくていいんだと心を撫で下ろしたに違いないのに…読めば読むほど明らかになっていく辛い過去にページめくる手が止まらなくてすぐ読み終わってしまった。

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    2026年01月31日
  • 13月のカレンダー

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    まことさん、ひま師匠のレビューで、絶対これは読むぞぉと思っていたところに、かなさん、ミユキさんのレビューで、高いけど買っちゃいました(^◇^;)
    良質のレビューが重なるとやっぱり買いたくなります。゚(゚´ω`゚)゚。


    この作品も、素晴らしい作品でした!
    買って良かった(*ˊᗜˋ*)♡
    来年の夏の読書感想文の課題図書にしても良いのではないでしょうか!?


    主人公の 侑平 29歳は、過去に大きな迷いを抱え、勤めていたバイオ企業を退職していた。

    両親は離婚していたのだが、疎遠になっていた父親から、父方の祖父母が亡くなった家を相続する話を持ちかけられ、 愛媛県松山市にある祖父母の家を訪ねる。

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    2026年01月25日
  • 13月のカレンダー

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    タイトルからは想像できない、家族の物語でした。そして、原爆にあってしまった方のその後の人生。やっばり戦争はしてはいけないと改めて思いました。
    侑平が松山で見つけた13月のカレンダー。そこから繰り広げられる家族への想い。とても心にしみました。

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    2026年01月13日
  • 羊は安らかに草を食み

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    洗心、重たかったけどいい話だった。
    後は死ぬだけ
    死が身近な世界

    おじいちゃんも認知症だった。発する言葉に意味を見出そうなんて思いもしなかった。おじいちゃんにも、つかえがあったのだろうか。いや、ないな。下ネタばかり話していたから。気まずかったんだぞ!あの頃の食卓!やってくれたな!じいちゃん!

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    2026年01月08日
  • 13月のカレンダー

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    ネタバレ

    初めて読む宇佐美まことさんの作品。多くのブク友さんが高評価なので間違えないと思って読みましたが、やはり心に残る読んでよかった作品でした。
    両親が離婚して、連絡を取ることも無くなってしまった父親から空き家となった祖父母の愛媛の家をやると言われ、その家を訪ねることとなる。そこには自分の知らなかった祖父母の過去の出来事、広島の惨劇、自分のルーツそれら全てが今に繋がっていることを知る。最後は奇跡の縁が侑平のこの先を明るい方向へ導く、ホッとするような終わり方だった。

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    2025年12月30日
  • 13月のカレンダー

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    奇跡があってよかった。色々なところで知らぬ間に縁ができてたりするんだろうな。それが思わぬところで発覚する。そんないい巡り合わせが多くあるといいな。

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    2025年12月11日
  • 13月のカレンダー

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    原爆被害の記憶和田しっかり今に位置づけるとともに骨太の再生の物語に仕上げた作品だ。読後感も素晴らしい。しっかりと自分と家族と戦争に向き合った主人公の格闘に○。

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    2025年11月29日
  • 羊は安らかに草を食み

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    俳句仲間の益恵、アイ、富士子が、認知症になり記憶をなくしていく益恵の生涯をたどる旅に出る
    益恵の旧友たちの語り
    満州からの引き揚げという壮絶な経験を表す益恵の俳句
    読むのが辛くなるくらい悲惨なのに、読み進める手が止まらない
    教科書を読むより、余程平和や戦争への意識が変わると思う
    ラストの「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」が読み終えた読者の心に突き刺さる
    何度でも読み返したくなる本でした

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    2025年11月28日
  • 13月のカレンダー

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    妄想の中でも「人の生き死にに関わることは」
    変えられなかったのに…

    生きていれば奇跡は起こるのかもしれない!
    今、生きている
    それは、奇跡の繋がりだった

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    2025年11月23日
  • 月の光の届く距離

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    とても面白かったです。
    1番の感想は人は環境も大事だけれども、自分がどうしたいのかで行動出来るか出来ないかで未来は変えられるって事です。
    主人公は4人?になるのかな。
    皆、自分が悪いわけではないのにどうにも出来ない状況に苦しみますがその先は自分で決めた道を進んでいる。
    繰り返し傷つけられてもまたそこからその先をどうするのか考えて自分の決めた道を進んでいく。
    こういうお話を読むと同じ状況でもその状況を不満に思い立ち止まっている人もいて、結局は自分次第なのかなと。
    内容は重たいですが、明日を、この先を決めるのは自分と思える気持ちが明るくなる作品でした。

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    2025年11月12日
  • 13月のカレンダー

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    修学旅行で広島に行き、リニューアル前の原爆資料館を訪れて、しばらく怖くて寝付けない夜が続いたことを思い出した。
    戦争や原爆についてはなんとなく知っていたけど、それが現実に自分の国で起こったことなんだと実感してのは、多分あれが初めてのことだったはず。
    語り部の方のお話を今でもしっかりと覚えている。

    主人公の侑平は祖父の家じまいを託されたことをきっかけに、祖母が広島出身であることを知る。自分のルーツを遡っていく中で、リアルな戦争体験を知ることに。
    これからどんどん難しくなっていくだろうけど、体験談を聞くことは大切なことだとつくづく思う。
    日本被団協団体理事の松浦さんの言葉「被爆者の語り部活動に匹

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    2025年11月04日
  • 13月のカレンダー

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    宇佐美まことさんは、本当に素晴らしいストーリーテラーだな、とつくづく思います。映画を一本観終わったようなそんな感覚にさせてくれます。
    両親の離婚後、会わなくなった祖父母。仕事がうまくいかず退職したばかりの29歳の侑平は、今は亡き祖父母の家を処分する前に見ておこうと松山へ赴く。
    その家で見たのは、祖父が祖母を看病していた時の日記と13月まであるカレンダー。自分のルーツを探っていくうちに、広島の原爆投下の日に導かれていく侑平。
    8月6日にどんなことがあったのか、目を背けたくなるような描写が続きます。そして、それから何年も経っても被爆者は差別の目で見られていたこと。同じ日本人でありながら。家族であっ

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    2025年11月03日
  • 13月のカレンダー

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    侑平は15年ぶりに訪れた愛媛県松山市の祖父母の家で、祖母の闘病生活を綴ったノートと13月まであるカレンダーを見つけた。祖母が広島出身であったことを知り自分のルーツを辿っていく。

    原爆を投下された時の広島とそこにいた人々がものすごくリアルに描かれていて読んでいて辛くなった。原爆の後遺症だけでなく、世代を超えて偏見と差別に苦しめられるていることにも。

    祖父の祖母を想う気持ちと寿賀子の兄の優しさが13月のカレンダーという奇跡を生んだ。
    「13月はあったのよ」
    「きっと奇跡が起こるよ」
    侑平の再生の物語でもあったと思う。

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    2025年10月30日