宇佐美まことのレビュー一覧

  • その時鐘は鳴り響く

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    途中から犯人のシルエットが浮かんできたが、登場人物達の様々な湧き上がる感情に押され、のめりこむように結末を追いかけた。マンドリンの調べと警察組織のリアルな現状が対照的だった。

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    2024年12月05日
  • 子供は怖い夢を見る

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    ストーリーテラーの宇佐美さんだからの期待と安心。
    この作品も、母親と新興宗教に身を寄せたことが原因で酷いいじめに曝される少年期の航が出逢う不思議な力を持つ転校生とその一家、生まれた妹、謎めいた男ガオ…予想もつかない着地点に導いてくれる様々な縁の糸の交錯が七色の魅力。
    コロナ禍を経験したからかタルバガン・ウイルスという未知のウイルスが猛威を振るう状況はとてもリアルで、そこに魔族という現実と遠くかけ離れた存在が絡んでも意外と自然に受け入れられたな。
    まさかの驚きに興奮冷めやらぬまま、ラストで胸の奥がツンとなる。

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    2024年12月01日
  • その時鐘は鳴り響く

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    SL 2024.11.23-2024.11.25
    東京の殺人事件と30年前の愛媛の転落事故が繋がるのが第八章。どう見ても共通の登場人物がいないのでどう繋がるのかと気になって次へ次へとページを捲る。
    マンドリンクラブのパートは心揺さぶられる。宇佐美さんのこういうところが好き。
    そして犯人を指名手配した時の亜樹の心情を読んでいるとなぜか涙が出てくる。
    余韻の残る終わり方もまたいい。

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    2024年11月25日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    テーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。

    イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
    芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。

    ①氷室
    家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)

    ②倒福
    軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。

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    2024年11月21日
  • 子供は怖い夢を見る

    ネタバレ 購入済み

    子どもは怖い夢をみる

    航の母が宗教団体のチラシを受け取ってしまってから不幸な人生となる…幼い子は抗いようが無い。子は親を選べないのだ。航は酷い虐めを受け違う母は無関心で見て見ぬふり。航は母を憎み嫌悪し自分から切り離す。最後まで母を母と認めず受け入れられない気持ちがよくわかった。しかし、自分の命がもう直ぐなくなると知った時、母が優しい母であったことを認めて受け入れた。最後はホッとしました。

    #怖い #切ない #共感する

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    2024年11月08日
  • 夜の声を聴く

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    音がキーワードとなる小説。自分自身は深読みしすぎて悪い方悪い方に予想しながら読んだが、良い方に向かっていき心温まった。子どもの頃踏切の音が聞こえる場所に住んでいたこともあり、なんだか懐かしく寂しいような気持ちになったな

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    2024年10月24日
  • 誰かがジョーカーをひく

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    この作者の今までの作品とはちょっと異なる筋立てで、古来の発酵というキーワードを用いて、人間関係が再構築されていく展開となっていて、前半で散らかった伏線を終盤でうまく回収出来ている。平凡で取り柄のない(と自分で思っていた)主人公の成長物語でもある。

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    2024年10月16日
  • 子供は怖い夢を見る

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    帯にホラーミステリって書かれてたけどそんなことなくて、無駄に身構えて読んでしまって勿体なかった。
    良い方に裏切られた。面白かった。

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    2024年09月30日
  • 愚者の毒

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    『愚者』『毒』そして表紙のカラス。
    薄暗さしか感じない‥‥
    しかし、思いがけずなんともほんわかとした第一章。
    職安でたまたま出会った二人の女性、葉子と希美。二人はお互いに惹かれ合い親友になっていき、発達障害の疑いのある幼い甥の達也を連れた葉子は住み込みの家政婦の仕事に就く。
    この雇い主の理科の教師をしていたという難波先生と達也のやり取りがとても心温まるもので、訳あってここに辿り着いた葉子と達也を取り巻く人たちとのほっこりなお話なのでは?と勘違いしてしまいました。
    第二章からのあまりのトーンの違いに、読むスピードがガクンと落ちてしまった私。しかし、ミスリードに気付かされた途端に「は?どういうこと

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    2024年09月28日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    家についての怖い話短編集。わりと家より人間メインみたいな話も多かったけど面白かったです。
    個人的には「笛を吹く家」、「トガハラミ」、「ろろるいの家」が個人的に性癖に刺さります。
    ろろるいの家とトガハラミは結構ファンタジー味が強いかも

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    2024年09月26日
  • ボニン浄土

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    ネタバレ

    宇佐美まこと氏といえば、土着的なホラーのイメージが個人的に強かったが、それを見事に覆す、まるで壮大な時代小説が始まるかのような導入。
    そして、さらにその予想を裏切り、ページ僅かしか進まぬうちに舞台は時空を飛んで現代へ。
    実に巧い。
    卓越した手腕は全編を通して発揮され、途中までは"余白、遊びの部分が結構多い作品だな"などと思っていたが、あれよあれよという間にそれらすべてのパーツがするすると破綻なく連綿と繋がり、数々のエピソードが集積した一個の大きな物語として閉じるパッケージには、様式美という言葉がふさわしいとすら感じる。
    一方で、その超絶技巧を活かすことを第一義として緻密に組

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    2024年09月10日
  • 超怖い物件

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    結構好きだった。有名な事故物件サイトの方も実話系の方も小説家の方もふんだんに入ってて、お話の並びもリレー小説かのように必然性のある並びをしていて良い。平山夢明さんのトリの小説が本当に怖かった。花房観音さんのも情念って感じで良い。文章が好きだった。

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    2024年08月31日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    老人ホームに入った裕福なお婆ちゃんの回顧録 と思って読み進めたら、想像以上の人生だった…。

    明らかな悪人はいるのだけど、あの二人はどうなの?悪人…か?でも、遺された側からすると…やはり悪人か。。
    些細なボタンの掛け違いで起こってしまった気もする。
    けど、当事者によって捉え方は違うから、ラストのああいう行動をしたのも仕方ない気もするし。

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    2024年08月25日
  • 誰かがジョーカーをひく

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    あまり期待せずに読みましたが最後まで読み上げることなく とても面白い小説でした
    特に終わりが好きです。
    どこにでもあるような設定だけど中身は一味違い とても 読み応え もございます。

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    2024年08月25日
  • ボニン浄土

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    ネタバレ

    読み始めと終わりの気持ちの温度差に驚いた。
    鎖国真っ只中の江戸時代、日本の端の島「ボニン・アイランド」での遭難者の男と異国の女の出会いから始まる、めくるめく人の運命の変遷と血脈の妙にここまで胸が高鳴るとは!
    全く関係ないように見える複数のパートと過去が集約され、気持ちいいほどパタパタとピースが嵌まっていく宇佐美さんお得意の最終章はますます圧巻の境地。
    海を渡り歩くカナカの女たちのたくましさと情の深さ、マリアの情熱、幸乃の悲愴な覚悟…小笠原の島を愛する魂の想いが結実し受け継がれていく命と縁の神秘は計り知れない。

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    2024年07月26日
  • 愚者の毒

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    初読みの作者さん。フォローしている方々のレビューに惹かれて買ってみた。

    1985年、たまたま上野の職安で出会った葉子と希美。希美の紹介で葉子が深大寺の旧家で住み込みの家政婦として働くことになったのをきっかけに二人が関係を深めていく様が描かれる。
    閑静な武蔵野での出来事の間に挟まれる、2015年、伊豆の高級老人ホームで暮らす女性の述懐の中でさらりと語られる単語に物語の不穏さが増し、何は起きたのかを知りたくて頁を繰る手が進んでいく。
    中盤以降で明かされる真相は、最後の最後まで予断を許さない、小道具の使い方まで含めて手が込んだ作りで、とても良く出来ていると思った。
    ただ、第二章で、昭和の高度成長時

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    2024年07月22日
  • 超怖い物件

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    家系ホラーが好きなので読んでみた。
    あんま怖くないなーって読み進めてたけど、最後2篇が怖くてびっくり。

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    2024年07月19日
  • 角の生えた帽子

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    ホラーというよりは、純文学的な空気感を感じた。ホラー的な展開ではあるが、市井の人々の暮らしと悲しみを描きつつエンタメとして昇華させている。
    著者の文体によるものなのだろうか、静謐な印象を受けた。

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    2024年07月16日
  • 少女たちは夜歩く

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    ネタバレ

    それぞれの話の主人公の心情が細かく描かれているからか、悪が裁かれる形が多く理不尽さが少なかったからか、ホラーと言っても読み進めていくと怖さより面白さが勝った。ページが進むにつれ色んな人の繋がりが見えてきて関係性が整理されていき、すっきりとした読後感だった。

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    2024年06月12日
  • 超怖い物件

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    普段から心霊系の動画をよく鑑賞しているので、興味があり読んでみた。
    うん、物件にまつわる怖い話がギュッと詰まっていました。
    「終の住処」「ろろるいの家」等、海外でのホラー作品にはない日本ならではの、背筋の凍る感じの怖さがありました。
    また、「笛を吹く家」や「トガハラミ」は、”ホラー“を意外なところで感じさせてくれて、オリジナリティがあって新鮮でした。
    面白い話しかなかったように感じます。

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    2024年05月25日