宇佐美まことのレビュー一覧
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大学のマンドリンクラブの活動に一生懸命取り組んで培った友情があった。しかし、何かの事件らしき出来事で仲間は散り散り。その一人である冴子目線と、全く異なる所での殺人事件の所管刑事、黒光亜樹目線が交互に語られる。殺人の方は合同捜査になり、本庁から特捜本部に入った訳ありっぽい榎並(えなみ)と亜樹の捜査が少しずつ進む。最初は冴子と亜樹目線でいきなり場面が切り替わるのにやや戸惑うけれど、この2つが一気に収束を見せるところが、読んでいてものすごく気持ちいいです。
ミステリーになれていない人にも、人間ドラマのように読み進められる展開。音楽好きなら、さらにオススメです。
殺人ありなので、中学校以上。エログロ低 -
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東京は北区赤羽の路上で、不動産業者が刺殺された。
女性刑事・黒光亜樹(くろみつ あき)が地元の聞き込みに回る。
「ワインと煙草の好きないい人だと思うけどなあ」被害者行きつけの居酒屋の店主はそんなふうに言った。
やがてその貌は書き換えられて行く。
一方、愛媛の松山で。
松山大学マンドリンクラブの夏合宿で、コンサートミストレスを務める篠塚瞳(しのづか ひとみ)が崖から転落して命を落としてから30年が経った。
当時、指揮者だった高木圭一郎とともに篠塚瞳と親しかったOBの、国見冴子と南田、安原は、心に小さな棘を刺したまま、現実のせち辛い世をなんとか生きて五十代を迎えた。
しかし卒業を前に姿を消した、 -
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プロローグは1997年、松山大学マンドリンクラブの部員の四年生、高木圭一郎と篠塚瞳が二十年後、三十年後の部員たちがどうなっているかという会話から始まります。
瞳は言います。
「日本のどこかの街で、偶然に私たちは同じポスターを見て、こんなふうに引き寄せられて再会するかもしれないね」
そして高木は
「ポスターを見た時、皆の頭の中で鐘が鳴り響くんやな」
と答えます。
そして第一章からは現在になります。
赤羽で殺人事件が起こります。
殺されたのは60過ぎの体格のいい男性で首を切り裂かれています。左手の薬指に古い傷があり指が無くなっているという特徴があります。
赤羽署に捜査本部がおかれ赤羽署の刑事 -
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東京で事件を追う女性刑事と、松山で学生時代の辛い思い出を振り返る仲間たち… #その時鐘は鳴り響く
■あらすじ
東京の路上で刺殺死体が発見される。赤羽署に勤務する女性刑事の亜樹は、初めての特別捜査本部で気合が入っていた。しかしバディを組まされた本庁刑事は、どうやら特別な事情を抱えた人物のようで捜査に苦労していた。
一方、愛媛松山大学の卒業生でマンドリンクラブに所属していた冴子と仲間たちは、久しぶりに寄り集まっていた。当時メンバーで合宿をしてた際、亡くなってしまった瞳と行方不明になっている圭一を思い出して…
■きっと読みたくなるレビュー
キレイでいいお話… ちょっと泣きました。
本作は二つ -
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ネタバレテーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。
イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。
①氷室
家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)
②倒福
軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。 -
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『愚者』『毒』そして表紙のカラス。
薄暗さしか感じない‥‥
しかし、思いがけずなんともほんわかとした第一章。
職安でたまたま出会った二人の女性、葉子と希美。二人はお互いに惹かれ合い親友になっていき、発達障害の疑いのある幼い甥の達也を連れた葉子は住み込みの家政婦の仕事に就く。
この雇い主の理科の教師をしていたという難波先生と達也のやり取りがとても心温まるもので、訳あってここに辿り着いた葉子と達也を取り巻く人たちとのほっこりなお話なのでは?と勘違いしてしまいました。
第二章からのあまりのトーンの違いに、読むスピードがガクンと落ちてしまった私。しかし、ミスリードに気付かされた途端に「は?どういうこと -
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ネタバレ宇佐美まこと氏といえば、土着的なホラーのイメージが個人的に強かったが、それを見事に覆す、まるで壮大な時代小説が始まるかのような導入。
そして、さらにその予想を裏切り、ページ僅かしか進まぬうちに舞台は時空を飛んで現代へ。
実に巧い。
卓越した手腕は全編を通して発揮され、途中までは"余白、遊びの部分が結構多い作品だな"などと思っていたが、あれよあれよという間にそれらすべてのパーツがするすると破綻なく連綿と繋がり、数々のエピソードが集積した一個の大きな物語として閉じるパッケージには、様式美という言葉がふさわしいとすら感じる。
一方で、その超絶技巧を活かすことを第一義として緻密に組 -