宇佐美まことのレビュー一覧
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ネタバレ小説版はだしのゲンでした。鬱で会社を辞め一人暮らしで引きこもっているところを、離婚して離れていった父からの電話で松山の祖父が亡くなり実家をやると言われ、幼き頃に何度も遊びに行った父の実家に訪れてみたところ、ひょんなことから5年前のカレンダーを発見した。そのカレンダーには13月が存在したことからこれは何?というのが話の始まり。なぜ父は母と別れ、家族に対して関わり合いを持とうとしなかったのか、父息子の確執は実はこの13月のカレンダーの謎に隠されていたという感じでワクワクしながら読む勧めていくとそこははだしのゲンの世界だった。祖母のルーツを探求していくながら紆余曲折あって自分が実は今も研究がしたくて、その血は祖母の兄の意志であっただとか原爆二世問題だとか実は同じ研究室にいた同期の女の子がほにゃららだったとかその奇跡があーってはなったが、13月のカレンダーである意味あったのかがいまだ分からんw
あと同期の女の子のデータはもう少し最初に伏線張ってあったらもう少し劇的だったかなぁと思った。 -
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満州引き揚げは、飢え・鬼畜・陵辱・屍を乗り越えてと…過酷だった。衝撃な内容もあったが、日本は勝ち進んでいる時に同じような加害をしてもいたのだろう。戦勝国・敗戦国どちらにしても地獄。リアルな描写が気になって参考文献を見ると6人の記があった。こういった記録は日本のみならず各国の政治家は読むべきだ。
兵士としての無惨な体験がPTSDとなった夫と、孤児となって無事満州から帰国した益恵の人生。それを辿る旅を俳句仲間と進んでいく。
題名は教会のパイプオルガンから響いたバッハのカンタータ。「統治者が優れている地では、安息と平和が訪れる」と歌い上げる。
最後の娘婿とのくだりはちょっと気に入らなかったので辛めの採点。 -
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風呂に入るまでが面倒くさい。
サッと入ってしまえばすぐに済むのに、毎夜、「あぁ、風呂に入らないとなぁ……」と思いながら、何時間も無駄な時間を過ごしてしまう。
スマホというやつは本当に良くない。テレビも見られるし、ラジオも聴ける。こうして、風呂に入るまでの時間はいくらでも溶けていく。
「5分後にお風呂に入りたくなる!」
そんな謳い文句を見て、縋るような気持ちでこの本を手に取った。
本書には、入浴にまつわる18篇の小説と4篇のエッセイが収録されている。どれも5分もあれば読み切れるような短い作品ばかりだ。
しかし、これを読んだら即座に風呂に入れる、という作品は、残念ながら一篇もなかった。
私とて、正直な話、この本を読んだからといって、簡単に風呂に入れるとは思っていなかった。
ただ、少しでも早く風呂に入る決心ができるようになるためのヒントがないかと思ったのだ。そのヒントは、結局「風呂に入らない」2篇の中にあった。
風呂に入らないと決め、痒みや気持ち悪さといった数多の「受難」を乗り越えて、ついには「思い込み」の力で、風呂に入らなくても「入浴の効用」を得られるようになったと主張する青年を描いた、さや香新山作の『プラシーボ!』。
風呂に入らなくても身体を完璧に洗浄する技術が開発された近未来で、人類が入浴という苦難から解放され、ついには入浴が法律で禁止される世界を描いた、日野瑛太郎の『そして誰も風呂に入らなくなった』。
人間というのは天邪鬼なもので、他人から「やれ」と言われればやりたくなくなり、「やるな」と言われれば、やりたくなるものだ。
同じように、風呂に入ることを固く禁じられたなら、私は今すぐ風呂に入りたくて仕方なくなるのかもしれない。 -
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本書は、お風呂にまつわる22篇の短編小説・エッセイ((小説18篇、エッセイ4篇))からなるアンソロジーです。
タイトルに「5分後に」とあるように、1篇5分ほどで読み終えられます。
大変恥ずかしながら、わたしは風呂キャンセル界隈のひとりです。
疲れて帰ってくると、そのまま寝落ちてしまいます。
ですが、疲れた時こそお風呂に入らなくてはいけないという義務感は持っています。
なので、お風呂に入るモチベーションが湧かない日に1篇ずつ読んで、これで入浴できれば最高だと思って購入しました。
が、結論から申し上げますと、本書のおかげでお風呂に入れるようになったということはありませんでした。
お風呂に入るモチベーションが湧かないくらい疲れている日は、小説にも手が伸びなかったからです。
わたしが風呂キャンセル勢なのは、モチベーションの問題ではなく、お風呂に入る体力がないからだとわかりました。
このことを明らかにしてくれたのは本書の功績です。笑
というわけでわたしは体力のある日にまとめ読みしましたが、たぶん編者のかたは、お風呂に入るモチベーションが湧かない日に1篇ずつ読むことを想定しているのだと思います。
以下、感想です。
5分で読める短編小説と言えば星新一作品ですが、本書には星新一作品ほどウィットに富んだ小説は見当たらないかなと思いました。
宇宙が舞台になっているなど、設定が奇抜な作品はいくつかあったのですが。
(ちなみに、宇宙が舞台の小説は3篇もあります。宇宙というお風呂に入りづらい環境を描くことで、逆説的にお風呂の素晴らしさを強調する意図でしょうか。)
どちらかというと、平凡な1日が描かれていて特に衝撃的なオチがあるわけでもない作品のほうが印象に残りました。
特に日向夏『回復の泉』なんかは、RPG風の軽妙な筆致が良かったですね。
「5分後にお風呂に入りたくなる!」の謳い文句からは、お風呂の素晴らしさを称賛する作品ばかり並んでいそうな印象を受けますが、お風呂に入らなくてもよくなったと主張する人を描く作品、更には「人類を風呂から解放する」と高らかに宣言する作品まであるのも非常に面白いところです。
(ネタバレ防止のために、具体的な作品名を挙げるのは避けます。)
本書が風呂キャンセル界隈の人のモチベに効くかはわかりませんが、お風呂というテーマがここまで多様な作品を生むことに感動できるのは間違いないです。 -
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ネタバレ【あらすじ】
くたくたに疲れて帰った日、ショート動画でだらだら時間を溶かしてしまう日。
「お風呂に入らなきゃ」と頭ではわかっているのに、入る覚悟が決まらない!
あなたに効く小説、ここにあります。
『わたしは本当にばかだ。あの会社を蹴ってしまうだなんて。
けれど、わたしが何度も頭を下げて選んでいただくなんておかしい。いま、こちらが未来を選んでいるはずだった。もっと気高くいなければ。わたしは落ち込んで醬薇風呂に入るような女なのだから。』
【個人的な感想】
お風呂に入りたい!とはならなかったが、色々な方の作品が読めて面白かった。
特に、この2作品が好きだった。
・無力 小原晩
・薔薇風呂の日々 くどうれいん -
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この物語の舞台となるのは、平家落人伝説も残る四国山中の集落。
そこには「入らずの森」があり、過去の二つの殺人が絡んでいる。
この設定からすれば、土着の呪物かなと思いますが、驚いたことに参考文献には南方熊楠関連のものが連なります。
私は、岩井圭也さんの『われは熊楠』しか読んでおらず、熊楠についての知識も小説止まり。
宇佐美さんは、どうやってここにたどり着いたのでしょうか。
熊楠から「粘菌」だったのか、あるいは粘菌から熊楠だったのか。
写真で見るだけでも、色も形も実に多彩な粘菌類。植物と生物の境界にいるような、不思議な存在です。
人の手が入っていない森の中には、まだまだ私たちの知らないものが潜んでいる。
そんなことも、あるのかもしれない……と思わせるお話でした。
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とにかく1日の疲れが最高値に達した時のお風呂に入らなきゃっていうのが億劫過ぎる。
で、入んなきゃ〜入んなきゃ〜って思ってる間にうたた寝。
こんな生活が多いので、本の帯の文句にどんぴしゃり。
くたくたに疲れて帰った日、ショート動画でだらだら時間を溶かしてしまう日。
「お風呂に入らなきゃ」と頭では分かっているのに入る覚悟が決まらない!
→まさに私のこと。
なので気になって買いました。
お風呂にまつわるいろんなジャンルの話が読めて楽しかったけど、一つ一つが短いから何となく物足りなかったかな。
でも、お風呂に入った時の開放感、安堵感、そういうのに改めて気付かされたというか。もうさっさとお風呂に入ろうって思えました。
入っちゃえば気持ちいいんですよね。
いいなと思ったのは日向夏さんの『回復の泉』です。 -
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妻を亡くし、一人息子の夏樹を育てるフリーライターの海老原。彼が次に取材し、エッセイにするのは昭和に起きた大事件。5人もの殺人を犯した女性、北川フサ。この事件は犯人が女性と言うこともあり、世間で話題になったが、どの記事もフサは恐ろしい快楽殺人者として報道されていた。しかし、海老原はフサの事件を追うごとにそれは本当のフサの姿だったのか疑問をもつようになる。調べていくうちに、フサと行動を共にした少年がいたことを突き止める。大垣という少年は、一代で会社を起こし、今は有名な塗料会社の会長だった。海老原はフサの話を聞くために大垣に接触を試みるが…
月白という色、白に少し青みがかかった色。表紙も綺麗で、少し寂しい、寒々しい色。この本の主役は大垣少年だった。東京空襲のあまりにひどい有様が伝わる内容だった。宇佐美さんの作品は戦争の恐ろしさをストレートに伝えてくるから、心が揺さぶられる。実際に起きたことなんだ、と思うとなんと豊かな時代になったのかと感謝せずにはいられない。何がここまで大垣、フサを駆り立てたのか。「憎しみ」の強さを思い知った。
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「光を追い求めた者だけが、光を見つけることができる」
“ニーマイヤー”という最高のピアノが持ち主を変えながら最後に行き着いた場所。そこで左腕のピアニストに光をもたらす物語。
テーマも登場人物もいいんだけど、構成が悪いのか、時代や場所のぶつ切り感がひどくて、話が素直に入ってこない。
随子とアッカーの秘めた思いの切なさや、小夜の心の強さなど心に残る部分もあれど、物語の進め方が全体的に雑な印象。
余計な部分が多いのか、ページ数が足りないのか、どこかチグハグな仕上がり。
恩田陸さんあたりが書いたら、もっと素敵な作品になったかな〜勝手に想像したり。