宇佐美まことのレビュー一覧

  • 夜の声を聴く

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    カバーを隠してどんな内容の本か先入観持たずに読み始めた。

    最初は自殺願望のある者同士のライトノベルかと思い、なかなか読み進まなかったのだが、途中から、あれ?これは少年探偵団の推理ものか?と。

    しかし色々な伏線が明らかになるにつれ、物語はそれはそれはもう壮絶なものに。
    『罪の声』を思わす壮絶さに。
    でもあれとは違い救いがありよかった。

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    2020年10月10日
  • 夜の声を聴く

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    もともと、できる限り事前の情報が無い状態で本を読みはじめる。
    読み始めるように、している。
    電車の中の煽るような広告や、
    口の上手い落語家の書評に痛い目にあったせいもあるし、
    シリーズものを愛する反動なのかもしれない。

    とくにこの作者は、
    ミステリーなのか、ホラーなのか、ファンタジーなのか、
    どこに進むのかわからないピンボールを見守るどきどきがある。
    今回は、突き落とされたり、穴に落ちたり感はなかった。

    リストカッターの女性に出逢ったことで、
    ひきこもりから定時制高校生になった主人公。
    同級生が住み込んでいるリサイクルショップにも通うようになる。
    飛び

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    2020年10月06日
  • るんびにの子供

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    怖いですよねぇ、この帯。「お母さんにも見えるんですね、あの子が」って。読みはじめて、表紙の女の子が何者かわかったときにも、ひ〜っ。

    ホラーは苦手なはずが最近は好んで手を出しているから、もはや怖がりですなどと言うと「どの口が言う」と言われそう(笑)。

    短いものは5頁、あとは30〜40頁程度の怪談は、どれもすぐに読めてわかりやすくて居心地が悪い。怪異そのものよりも、その現象を呼び込んだ人の心の裡に身震いします。

    それより怖いのは、そんな主人公たちの心を「ちょっぴりわかるなぁ」と思ってしまう自分。自身が怪異を操れると知ったとき、その力を使いたくなるほどムカつく相手って、きっと人生で何人かは出会

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    2020年09月23日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    主人公一家が抱える事情を巡ってのあれこれが絡みあっての展開には悲惨な結末を予感しつつ読み進めたが、それなりの調和的結末にホッとする。
    瞑想の呼吸法や静中・動中の工夫など、仏教・スピリチュアル系の情報も興味深く読んだ。
    それにしても関係者が近くに密集しすぎでは。
    20-46

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    2020年09月22日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ、醜悪な殺人者。突然、様子のおかしくなった高校生のひとり娘。全ては自らが過去に犯した罪の報いなのか―!?推理作家協会賞受賞作家が、人間の悪を描き切った驚愕のミステリー!

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    2020年09月15日
  • 黒鳥の湖

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    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    綱渡りというほどではないが、
    両脇が崖の細い道を歩いているぐらいの危うさはある。
    誰かに感情移入しないように。
    描かれている人物像を信じないように。
    ひたひたと迫ってくる災いから目を背けないように。
    読み方にコツがあると言っては大げさだろうか。

    大逆転、というような転回点は無いのに、
    少しづつ少しづつ変わっていく人生が、
    堕ちている気がしないのは、
    主人公が自分の大切にしている者を見失っていないからか。
    結局、自分も感情移入してしまっている
    その娘が自分を取り戻している結末が良かった。

    いくら有能なサポートと相続した財産があったといっても、
    たいして経

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    2020年01月13日
  • 黒鳥の湖

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    2/3ぐらいまでは、長くて途中でプロットも読めてしまいあんまり面白くない中途半端な話だなあと思っていたのが、残り1/3でガラッと印象が変わり、読みが浅かったことを痛感。全体にまとまっていてプロットの破綻もなく十分面白かった。が、やはり途中は長過ぎる。50頁ぐらいバッサリ切ったらもっとシャープな仕上がりになると思う。

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    2020年01月11日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    てんこ盛りのイヤミス。
    目新しくはないんだけど、あれもこれもでサービスしすぎでは?面白いんだけど詰まりすぎかと。

    ただ、競走馬に関しては絶対にありえないことが書かれていて、
    そんなことがあったら牧場経営の根幹を揺るがしかねない
    ので、そこは納得がいかなかった。

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    2019年12月30日
  • 虹色の童話

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    ネタバレ

    この直前に読んだのが『むかしむかしあるところに、死体がありました。』でした。意識して選んだわけではなかったけれど、昔話からグリム童話へ。

    呪われたかのようなアパートの名前はレインボーハイツ。濁点が外れた「レインホー」の看板を想像して少し笑ったものの、おぞましさは昔話の倍以上。入居者の間で次々と起こる惨殺事件のトリガーになっているとおぼしき5歳児。

    救いようのない話をそれほど怖いと思ったつもりはなかったのに、昨晩その男の子が夢の中に出てきてうなされました。自分の叫び声に驚いて起きる始末。それぐらい不気味(泣)。

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    2019年07月08日
  • 虹色の童話

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    さらに作者のやり口(?)になじんできたので、
    腰を抜かすほどの驚きはなかったし、
    童話になぞらえた展開は目新しい物でもないが、
    静かに楽しめた。

    でも、さすがにオオカミはねー。

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    2018年07月28日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    まず、民俗的・伝奇的な要素が前面に押し出された舞台設定が私の好みで、最初から嬉しくなる。
    これは「パラサイト・イヴ」(瀬名秀明 著)や「天使の囀り」(貴志祐介 著)などのように、創作された科学的根拠に裏打ちされたSFミステリー、あるいはホラーなのかな…と思いながらページを繰っていったが、どうやらそこまで厳然と定めているわけではないようで、さらには過疎地の農村移住につきまとう諸問題、愛に飢えたティーンエイジャーの苦悩、老親の看取りを巡る家族の軋轢、挫折を味わったスポーツエリートの再生に至る道筋…等々、現代の日本社会が抱える様々な歪みや課題までがてんこ盛りに詰め込まれているではないか。
    それが確か

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    2020年01月21日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    だいぶ、作者のやり口に慣れてきたので、
    今度こそだまされないぞ、と読み進めた。

    幻のように消えた子供がいても、それは幽霊ではない。
    呪いと言われても、信じてはいけない。
    あっさり書かれている出来事には裏がある。

    かなり真実に近づけたが、やっぱりだまされた。
    ラスボスには気が付いたけど。

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    2018年07月14日
  • 入らずの森

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    ジャングル奥地を開拓することで、人類と未知の生物が遭遇し世界に疫病が大流行、致死率が極めて高いウイルス性の病原菌のはなしならば定番である。本書は少し趣向が違い、四国山中の村落で起こる奇怪な出来事の謎がじつは・・・謎解明の面白さは、最後まで読むものを飽きさせない。

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    2018年03月18日
  • 入らずの森

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    文句なしに面白かった!
    平家落人の伝説が残る四国の集落。
    過去にそこで起きた残忍な事件。現代とどう繋がるのか。

    オカルト、伝奇要素が満載で、特に校歌に残された謎を探すシーンは本当に堪らなくウハウハしながら読み進めました。
    まとめ方がとても上手く、最後に色々な事が繋がっていき思わずため息が漏れました。
    久々に面白い伝奇小説が読めました。満足満足!

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    2017年10月19日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    いや~よくできてる作品だ。
    訳あって四国の山あいの中学校で教師をしている金沢圭介、会社勤めが嫌になり脱サラして夫婦で農家を営む松岡隆夫、認知症と心臓を患い埼玉の病院で最期の時を迎えようとしている菅田ルリ子。それぞれの話が並行して語られる。
    圭介の中学校の校歌にまつわる過去が明らかになり、何の繋がりもなかった三つのエピソードが一つに繋がったとき、思わず鳥肌が立った。
    平家の落人伝説、粘菌、南方熊楠、意図的に消された校歌の3番の歌詞、天井裏からしか見えない部屋にいる少女・・・
    ぬり、にゅるり、とぷん、ぴゅちょ、ぎゅるあらゆる気持ち悪い擬音語を駆使して表現される「それ」の不気味さ。
    自分が「それ」に

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    2017年09月30日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    過去と現在を行き来する密度の濃い重い物語。人物の正体や成り行きはうっすら予想できたものの、着地点がわからないおもしろさにハマってゆく。
    ノンとユウの場合、悲惨な生活から抜け出すために過ちを犯すが、それすらも生きる手段の一つだったように思えて何が正解だったのか読み終わっても答えが出なかった。大人が大人の責任を果たしていない以上子どもに正論を求めるのは無理だろう。二人を責める気になれず、どこまでも罪を引きずっていく生き方がひたすらやるせない。
    『愚者の毒』という題名に込められた意味が読後深く深く胸に沈む。

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    2022年08月20日
  • 入らずの森

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    たまたま見かけたホラー作品。ちょっとフリが長かったけど展開は良かった。映画化しやすそう。アイドル主演で。

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    2017年01月09日
  • 入らずの森

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    途中気持ち悪すぎて逆に読むのがやめられなかった!四国山中の限界集落が舞台、平家の落人伝説やら天井裏から見える有るはずのない空間。え、金髪不良ギャルまでも登場?と興味をそそられる題材てんこもりに、まさかの粘菌モンスター!そして南方熊楠先生までもが解決の糸口に関わっていたりと素敵満載でした。初・宇佐美さんなので、他の本も読んでみたいと思います!

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    2016年02月16日
  • 入らずの森

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    複数の独立したストーリーが上手く交錯し、まとめあげられている。
    読み進めるうちにスムーズに先が見えてきてスピード感をもって読める。

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    2012年10月06日
  • るんびにの子供

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    宇佐美まことさんのデビュー作で、7つの短編集。
    怪談文学賞大賞を受賞した作品なのだそう。
    この賞の選考委員の岩井志麻子さんが解説を書かれていて、その中の一言に唸ってしまった。
    「黙り者の屁は臭い」
    初めて聞いたことわざだったけど、これがとにかく的を射ている。
    それぞれの物語の主人公は、どこにでもいそうな普通の人。物静かでホラーとは縁のなさそうな人が、実は…という方が確かに恐怖心が増すなと。
    背筋がヒューっと寒くなって、思わず後ろを振り返ってしまうような怖さがあった。

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    2025年12月05日