宇佐美まことのレビュー一覧

  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    こわかった!
    ほぼほぼ全部怖くて、また新たなホラー小説の楽しみを知られたな!という感じ!他のお話も読んでみたい作家さんも増えて、よかった。

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    2022年10月18日
  • ドラゴンズ・タン

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    漢の時代の中国から時代を越えて引き継がれる因果の物語。凶悪な禍、不老不死の力を得た男、そして禍を察知し食い止めることができる一組の男女。何度も生れ変わり運命に翻弄される男女はいずれ、巡り合うことができるのか。そして禍に立ち向かうことができるのか。壮大なスケールのファンタジーです。
    五つの時代の五つの章で描かれた物語ですが。どの章一つ分でもひとつの物語として読みごたえがたっぷり。その中で生まれ変わった彼もしくは彼女と、彼らを抹殺しようとする不死の男の不穏な対立が実にスリリング。ただし生まれ変わった彼らは一連の事態を把握できていないので、圧倒的に不利なんですよね。実際第四章まではずっと敗北……だけ

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    2022年10月17日
  • 愚者の毒

    購入済み

    悲しい話

    登場人物が少なく、場所、場面も限られている。ただ、時代が昔の話と現在の話がいったりきたりするので、頭をしっかりしないと、わからなくなる。私は2度読んで、成る程と面白いと思った。登場人物の話は一人を除き、とても温かいのだけど、色んな偶然が重なり、思わぬ方向へ、転換していく。どんでん、どんでん返しみたいな。少し過去の話がうざいところもあるが、一読の価値あり。是非。

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    2022年09月19日
  • 聖者が街にやってきた

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    「愚者の毒」が面白かった&WOWOWドラマの「黒鳥の湖」のストーリーが良かったのを受けて宇佐美昨年2冊目。

    面白かったです。
    久しぶりに終盤まで犯人が誰だか絞りきれませんでした。負け惜しみを言うなら、候補の中にはいましたが。

    愚者の毒とはまた全く違った文体、世界観ながらも引き込まれました。
    登場人物の数名は、ちょっと現実離れしすぎている設定ではありますが、そこを差し引いても満足度は高め。

    この方は親子関係を根底のテーマとされているのでしょうか。
    親に愛されずに育った子どもは、作品の中ではやはり幸福とは言えない人生を歩むことになりますが、そうであっても、作中の罪のない子どもに関しては、わず

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    2022年09月02日
  • 死はすぐそこの影の中

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    2022.08.27

    「愚者の毒」に続き、一気読みしてしまった。愚者の毒も本当に暗い話だったけど、こちらも暗い…とにかく水の底のように登場人物の誰も彼もが境遇が暗くて重い。もうやめて!と叫びたくなるくらい暗い。イケメン御曹司である陽一郎でさえも…。陽一郎って、ガラスの仮面の速水真澄みたいで、唯一の救済者と思ったけど、恋人の殺人を知ってそれでも結婚する陽一郎も相当ヤバイ。
    結婚後、母か彩香を殺してほしいと思ってるのかもしれないなと勘繰ってしまうイヤーな終わり方。
    こういうのもイヤミスっていうのかしら?

    この小説の中に一貫して流れているものは「狂気」だと思う。登場人物全員が心の中に暗くて醜い狂

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    2022年08月28日
  • 愚者の毒

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    情けなさ、惨めさという自分を嫌う感情が静かに刺さるのが印象に残った。ミステリーとしては謎解きというよりも上手くできすぎという感じも否めない。

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    2022年08月10日
  • 愚者の毒

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    全てが上手く繋がっているのだが、その事が逆に出来過ぎ感を感じてしまい、ミステリーとしてはちょっと評価が落ちた。

    三井三池炭鉱は今は世界遺産との事なので、機会があれば訪れてみよう。

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    2022年06月13日
  • るんびにの子供

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    私の大好きなホラー短編集。
    柘榴の家の読後感が好きでしたけど、何より面白いのは岩井志麻子の解説です。屁だけであんなに表現できるなんて…
    これ気になったら買って最初から読むしかありません。ぜひ。

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    2022年05月25日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    水と音が様々な通奏低音として聴こえてくる。
    半村良か横溝正史かと思いきやダニエルキイス、更にはこれでもかの力技。
    何が本当か分からなくなり、自分ですらも、何人もの人格がいそう。
    貫井さんや乃南さんのような人の心の闇に入り込んでくるが、読後感にはある種の爽やかを感じた。
    読み通しのには、重たかった。女としての心理描写にも好感が持てました。

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    2022年04月24日
  • 虹色の童話

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    ネタバレ

    レインボーハイツ、虹色からはほど遠い灰色のひび割れだらけの空室が目立つマンション。

    一枚のドアを閉めれば、その中で何がおこなわれているかなんて誰もわからない。

    天職だと思っていた千加子は、住人と環境に振り回されるのだが…
    鬱屈した気持ちは、誰かにトンっと背中を押されただけで、堕ちていくのかもしれない。
    心の育て方って大事。
    突発的な悪意ではなく、日々少しずつ、でも確実、着実に根づいた悪が息をしたときに発生する物語。
    じわじわ来る恐怖。 人間の心に棲む悪意。

    赤ちゃんの存在は、思っていた通り。
    164ページの4の表現がよい。


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    2022年04月07日
  • 愚者の毒

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    酷い親元で育った子の人生は惨い 主人公は誰だ?に着目しすぎたあまり、やられました(^^;)
    実際にあった炭坑事故の残酷さを物語の中で語っておるのだけど。公害問題しか知らなかった。近年の歴史を知る上でも、国内にあった問題は知っておくべきだと思う。

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    2025年12月02日
  • 死はすぐそこの影の中

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    この作品は四章から成り、章ごとに有名なピアノ曲にちなんだタイトルがつけられています。
    第一章「沈める寺」ドビッシー、第二章「水の戯れ」ラヴェル、第三章「雨だれ」ショパン第四章「オンディーヌ」ラヴェル。
    そしてこの本のタイトルである『死はすぐそこの影の中』はフランスのピアニスト、アルフレッド・コルトーに命名された「雨だれ」のもうひとつのタイトルです。


    そして主人公である一藤麻衣子はピアノの調律師です。
    麻衣子は東京の生まれですが5歳で父を亡くし愛媛県の七富利村の村長だった父の兄である伯父の家に母と身を寄せます。
    麻衣子は転校生ですが困った時に麻衣子を助けてくれるミツルや司という友だちができま

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    2022年02月23日
  • 黒鳥の湖

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    ネタバレ

    宇佐美まこと5冊め。
    すごく!とか、めちゃめちゃ!ではないけれど、まあ、普通に面白い。

    読んでいる途中で、ある程度は、この人があの人なんだろうなぁ・・・というのは、分かるけれど、
    終盤に向かって、出てくる人たち全員がなんらかの関係者で、すっごい狭い世界ですべてのことが起こりすぎ!な感は否めない。

    とりあえず、wowowのドラマ見てみます。

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    2022年02月21日
  • 熟れた月

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    宇佐美まこと『熟れた月』光文社文庫。

    全く救いの無い泥々した物語かと思いながら読み進んだのだが、まさかと思うような展開が待ち受けていた。人生とは近道もあれば、遠回りもあるのだと気付かせてくれるような作品だった。

    弥生という女性が上司を刺殺する衝撃の場面から物語は始まる。

    高校陸上部の阿久津佑太に恋心を抱く高校生の結は佑太の母親から佑太への謎めいた言葉の伝言を頼まれる。そして、冒頭で上司を刺殺した弥生こそ、佑太の母親だったことが明らかになる。何故、彼女は……

    場面は変わり、乳癌が全身に転移し、余命半年と宣告された闇金業を営む宮坂マキ子とマキ子に雇われる元銀行員の取り立て屋の乾の物語が描か

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    2022年02月01日
  • 死はすぐそこの影の中

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    こうなるやろ→やっぱりなぁ→そう来たか!!→嘘でしょ……

    っていう本でした。
    自分が見ている・信じている世界が実は虚像だったら…友達や自分自身を信じられなくなりそうです。

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    2022年02月06日
  • 夜の声を聴く

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて読んだ本。初めての作家さんで、目の前で手首を切った女性に遭遇という入り口に、ライトノベル?と思ったら、出口が全然違って、人生は何がきっかけでどういうふうに変わっていくかわからないものだなと思った。
    低周波で不定愁訴が起きるのは知っていたけれど、人工的なものだけでなく山から吹き下ろした風が低周波を起こし、登山者が異常行動を起こして命を落とすこともあるというのは初めて知ったので、ものすごく勉強になった。

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    2022年01月22日
  • 夜の声を聴く

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    「そこに君がいたからだよ」
    引きこもりの、でもとても優秀な青年が、定時制高校に通うようになる。
    青年の洞察力が、いくつかの難事件を解決に結びつける。
    その面では、確かにミステリ小説。
    しかし、描かれているのは人間ドラマ。青年の成長。
    淡々と描かれる静かな生。

    ただのミステリではない、温かい人間の姿。
    とても面白かった。

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    2022年01月14日
  • 骨を弔う

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    小学生のイタズラかと思いきや大きな展開へ繋がっていく。大まかなストーリーは予測できるものの面白い作品だった。それぞれが罪を抱えており、過去のしがらみから逃れようとしているのが、人間らしくていいと思う。

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    2022年01月08日
  • るんびにの子供

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    ネタバレ

    お化けは怖いものではなくて、向こう側へ行ってしまう人間のはなし。好きやなあ。怖い霊などという、そういう怖さは無いんよな。日本の怪談、文章の怪談は、爽やかで、良い。

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    2021年11月28日
  • 少女たちは夜歩く

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    ネタバレ

    城山を中心に、その周りで生活を営む人々の暗い心の襞が露わになっていく短編集。
    脇役だった人が次の短編で主役になっていたり、関係ある人々が入れ替わり立ち代わり出てきて、各話独立しているように見えて何かしら関連があるという飽きない構成にすっかり取り込まれた。
    宇佐美さんの描く人間の情念は得体の知れない不気味さとせつなさがあって読者を虜にする。
    明るい兆しの『白い花が散る』が印象的。
    城山の濃緑の森に魅入られた登場人物たちはそこを離れられない。私も人の心の迷宮そのもののような宇佐美作品の深さに魅せられ、離れられない。

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    2021年11月21日