宇佐美まことのレビュー一覧

  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    小林泰三『人獣細工』、怪奇趣味的でもありSF的でもあり。
    すごいなこれ。惜しい人を亡くしたって改めて思った……

    他の作品もどれも良かったけど恒川光太郎『ニョラ穴』が特に好き。
    程よく謎が謎のまま残ってて余韻のゾワゾワ感ヤバい。やっぱホラーはこういう読後感が残ってこそですよね!

    ジワジワ怖い、ゾッとする不気味な印象の話が多め。
    同シリーズの『再生』とは毛色の違ったアンソロジーに仕上げてきたなーって感じ。

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    2023年03月20日
  • 展望塔のラプンツェル

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    貧困、虐待、人種差別など苦しい場面が多々あった。
    それでも展望塔を眺めていつか幸せになれることを願っている。

    どんなに辛いことをされても、それでも家族だからと守る。

    構成がすごくて最後の展開に驚いた。

    【心に残ったフレーズ】
    「今日のあたしたちは明日はもういないんだもの。」

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    2023年03月16日
  • ドラゴンズ・タン

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    ネタバレ

    連作短編5篇の転生もの。
    漢、唐、明、日本と別れた2人の運命が時代を超えて再び巡り合う。一対の耳飾りと剣がその絆をあきらかにする約束だけど、二つの運命はなかなか交差しない。
    1篇1篇がそれぞれ独立して面白く、最後に全てが繋がって退魔が成るところはあっけないほどだった。

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    2023年03月12日
  • 夜の声を聴く

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    ネタバレ

    出だしこそ衝撃的だけど、人との関係に意味を見いだせず、家に引きこもっていた隆太が、定時制高校に通い、人は見た目ではわからない部分があり、本で見て知っていると思ったことも実際には違って見えたりと経験を重ねて成長していく話。
    多分ウリのポイントはミステリの方なのだろうけど、この作品はミステリとしての完成度よりも成長譚としての方が良いと思う。

    定時制高校で知り合った大吾は、リサイクルショップ兼何でも屋で住み込みで働いている。
    少しずつ明かされた大吾の過去。
    それは幼少期に家族全員を惨殺された、たった一人の生き残りだというものだった。
    それに比べれば母に愛されなかった自分など…。

    何でも屋に持ち込

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    2023年02月20日
  • 黒鳥の湖

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    誰にでも秘密があり、心の奥底に昏い部分を潜ませている。
    それは親子や夫婦の間でも同じで、近い関係だからこそ隠さねばならない部分でもある。

    健全に育っていたはずの娘の突然の豹変、世間を騒がす女性拉致事件、自身が企んだにも関わらず正体不明の殺人犯、複数の要素が絡み合いながら物語は展開して行くが、徐々にパズルのピースが埋められ、ラストで綺麗に収まる。

    自分の予想の上を行く悪意ある者達、正義・善意の言葉を盾にして歪んだ復讐を成し、承認欲求を満たす者、己の欲の為に悪を企だてる者、人間の愚かさが強烈に迫る。

    悪の集大成作品。

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    2023年02月15日
  • 愚者の毒

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    途中で展開は読めたものの視点と時代がテンポよく交錯して進む話が面白かった。昭和の不便さを上手く利用した人生の切り開き方は決して褒められるものではないけれど。

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    2023年02月12日
  • 愚者の毒

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    宇佐美まことさん
    「羊は安らかに草を喰み」を読み、ファンになりました。3冊目です。
    社会の底辺を生きる人達の想像を絶する暮らし
    貧しさゆえに罪を犯し、その罪のために幸せになることをみずから禁じる姿に心が痛みます。
    ユキオの義父となる先生の優しさに救われました。

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    2023年02月10日
  • ドラゴンズ・タン

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    中国、漢の時代から現代の日本まで5章あるが、第1章の登場人物名を覚えるのに少々苦戦する。
    章が進むに連れて「竜舌」が、妖狐から別物へと変わってゆく過程に悍ましさを感じながらも読むのは止められなかった。
    いったい、どこの時代へどう繋がってゆくのか…想像もできなかった。
    最終章で、日本の現代にてウイルスになったときはどうなるのかと思ったが、それも察知できたのは決まっていたことだったのかもしれない。

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    2023年02月06日
  • 愚者の毒

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    3つの時代が進行しつつ謎が明らかに。1965年の話は顔が歪むほどの嫌悪感でそれを引き摺りながら進む。この不気味な表紙と毒々しいタイトルにひかれて。読後もう一度表紙を眺めたら不気味さが増していた。お話はテンポよく途中で展開が読めてきたけれどそれでも最後まで夢中で読んだ。

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    2023年01月30日
  • 夜の声を聴く

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    この作者さんは地の文が良い。
    どんどん引き込まれるミステリーではなかったけど安心して読んでいられる。

    本格的なミステリーとして読めばかなり薄味だと思う。ただ人の微妙な感情や環境で事件が複雑で厄介なものになっていく。

    人間関係の面倒さがよく描かれていると感じた。
    そこに「月世界」の面々が拗れた関係をほぐしていく。
    その過程が探偵事務所とも秘密基地とでも言えるような妙な高揚感を出してくれる。

    冒頭の主人公がどんな気持ちで古巣を訪れたのか。読み終わった後、よい意味で裏切られた気がしました。

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    2023年01月02日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    読み応えのあるホラーオムニバス
    好きだった話抜粋

    「氷室」
    途中でオチは読めたけど更なるオチがついてるとは…読んでくとひんやり感が伝わってくる

    「旧居の記憶」
    昔住んでたとこ変なこと多くて〜心霊現象多かったンスよ〜で済んでいいのか分からない作者の体験記
    かつてのノスタルジックな情景を思い描きながら読んでくとオチに突き落とされる

    「やなぎっ記」
    怖くて((((('Д')))))泣いちゃう(ToT)/~~~

    「笛を吹く家」
    3歳の息子と散歩した時に思いついた創作って始まるのが怖い

    「終の住処」
    この作者結構な確率で読者巻き込む

    「ろろるいの家」
    文章の密度が凄い。他

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    2023年01月01日
  • 骨を弔う

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    ネタバレ

    読み進めるにつれて「えぇぇぇ」と心の声がついつい漏れてしまうお話でした。
    小さい頃の思い出。
    わたしの生まれ育った四国のとある田舎での幼少時代。
    登場人物それぞれの過去、現在ととある儀式とを回顧する旅。

    途中、現実離れした(子供ができるはずもない…)行為や考え。
    結末のどんでん返しにも驚きました。

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    2022年12月25日
  • ドラゴンズ・タン

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    一章の難読漢字だけ乗り越えれば
    あとは サクサクと読めると思いますので
    三国志などがお好きな方は
    楽勝かと(笑)
    私は しばらく名前を覚えようと
    頑張ってましたが
    途中で 諦めたので
    そこから楽になりました

    私は4章の泥の河に沈むが
    一番好みでしたね
    苦界の女性の話は
    ぐっときます
    ここら辺は ただ甘いだけの
    ファンタジーとは一線をかくして
    人の生きざまが出ますね

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    2022年12月22日
  • 熟れた月

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    ネタバレ

    読み進めるごとに『あ〜そこで繋がる?』という意外性が面白かった。

    普通に生活してたら交わらなかった人生が、ある一点で交わり、そこから互いの人生に変化が起こる

    自分がやるべきことに気づいたり、自分の人生に向き合ったり…

    登場人物にはみな、いろいろと背負うものがあるけれど、どの人物も最後はしっかり前を向いて進んでいくようなストーリー展開で読後感はよかったです。

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    2022年12月14日
  • ドラゴンズ・タン

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    ネタバレ

    好きな著者だったので。

    「ドラゴンズ・タン」、竜の舌を巡る輪廻転生のお話。
    中国の漢の時代からはじまったお話は、
    大陸から現代の日本へと転がり込む。
    といっても、「ドラゴンズ・タン」が何なのか、
    何を意味をするのかは最後まで分からない。

    ただの(というと語弊があるが)ファンタジーかと思っていたら、
    最後に思いがけない現実的な展開になり、
    何もかにもがうまくはまっていくのは驚きだった。
    (伏線回収という言葉がどうも気に入らないのは私だけだろうか)

    個人的には、
    いろいろな時代に登場する、
    様々な人物たちが彩る物語が楽しかったので、
    そのままファンタジー的な展開も読んでみたかった気がする。

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    2022年11月22日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    こわかった!
    ほぼほぼ全部怖くて、また新たなホラー小説の楽しみを知られたな!という感じ!他のお話も読んでみたい作家さんも増えて、よかった。

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    2022年10月18日
  • ドラゴンズ・タン

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    漢の時代の中国から時代を越えて引き継がれる因果の物語。凶悪な禍、不老不死の力を得た男、そして禍を察知し食い止めることができる一組の男女。何度も生れ変わり運命に翻弄される男女はいずれ、巡り合うことができるのか。そして禍に立ち向かうことができるのか。壮大なスケールのファンタジーです。
    五つの時代の五つの章で描かれた物語ですが。どの章一つ分でもひとつの物語として読みごたえがたっぷり。その中で生まれ変わった彼もしくは彼女と、彼らを抹殺しようとする不死の男の不穏な対立が実にスリリング。ただし生まれ変わった彼らは一連の事態を把握できていないので、圧倒的に不利なんですよね。実際第四章まではずっと敗北……だけ

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    2022年10月17日
  • 愚者の毒

    購入済み

    悲しい話

    登場人物が少なく、場所、場面も限られている。ただ、時代が昔の話と現在の話がいったりきたりするので、頭をしっかりしないと、わからなくなる。私は2度読んで、成る程と面白いと思った。登場人物の話は一人を除き、とても温かいのだけど、色んな偶然が重なり、思わぬ方向へ、転換していく。どんでん、どんでん返しみたいな。少し過去の話がうざいところもあるが、一読の価値あり。是非。

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    2022年09月19日
  • 聖者が街にやってきた

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    「愚者の毒」が面白かった&WOWOWドラマの「黒鳥の湖」のストーリーが良かったのを受けて宇佐美昨年2冊目。

    面白かったです。
    久しぶりに終盤まで犯人が誰だか絞りきれませんでした。負け惜しみを言うなら、候補の中にはいましたが。

    愚者の毒とはまた全く違った文体、世界観ながらも引き込まれました。
    登場人物の数名は、ちょっと現実離れしすぎている設定ではありますが、そこを差し引いても満足度は高め。

    この方は親子関係を根底のテーマとされているのでしょうか。
    親に愛されずに育った子どもは、作品の中ではやはり幸福とは言えない人生を歩むことになりますが、そうであっても、作中の罪のない子どもに関しては、わず

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    2022年09月02日
  • 死はすぐそこの影の中

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    2022.08.27

    「愚者の毒」に続き、一気読みしてしまった。愚者の毒も本当に暗い話だったけど、こちらも暗い…とにかく水の底のように登場人物の誰も彼もが境遇が暗くて重い。もうやめて!と叫びたくなるくらい暗い。イケメン御曹司である陽一郎でさえも…。陽一郎って、ガラスの仮面の速水真澄みたいで、唯一の救済者と思ったけど、恋人の殺人を知ってそれでも結婚する陽一郎も相当ヤバイ。
    結婚後、母か彩香を殺してほしいと思ってるのかもしれないなと勘繰ってしまうイヤーな終わり方。
    こういうのもイヤミスっていうのかしら?

    この小説の中に一貫して流れているものは「狂気」だと思う。登場人物全員が心の中に暗くて醜い狂

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    2022年08月28日