宇佐美まことのレビュー一覧

  • 逆転のバラッド

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    新聞記者、風呂屋、骨董屋、元ヤクザ、くたびれたオヤジたちが面白い。

    事件を追いながら、段々と変わっていく新聞記者の弘之、家族の中で何も言えない毎日の中、一発逆転に立ち上がる骨董屋の富夫、読みながら応援したくなる。

    後半は、ドキドキして、途中でやめられませんでした。
    絵手紙もとても良かったし、重さと明るさのバランスが微妙で、読み終えた時は、気持ち良かった!
    満足の一冊です。

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    2024年03月16日
  • 超怖い物件

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    来月公開の映画『変な家』の予告編を劇場で観るたび、怖い、観たい、怖いという思いの繰り返し。原作には手を出せなかったけど、これなら読めそうな気がして。

    書き手はとても魅力的な11人。曰く付きの家だったり部屋だったりが登場します。内藤了の“よろず建物”シリーズ中にあった座敷牢の話が凄く怖くて、以来、座敷牢をイメージさせる物語にビビりまくり。ここにもひとつありました。

    全話読んで思うのは、「出られない家」は恐ろしいということ。当たり前か(笑)。怖くて飲酒しつつテレビで『アメトーク』をつけたまま読んだ最終話は読み直さなければ。(^^;

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    2024年02月02日
  • 展望塔のラプンツェル

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    「ここで生まれ育ったら将来はヤクザになるか職人になるか」とされる地域で虐待され続ける幼い子や、ヤクザの世界に踏み込んでいく少年が、救われる道が見えず暗澹たる気持ちになる。性暴力シーンなど辛くて読むのをやめようかと思ったけど、最後まで読んでよかった。
    でも、結局救えなかった存在が引っかかって切ない。それが現実でもあるということか。

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    2024年01月21日
  • 展望塔のラプンツェル

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    ネタバレ

    親ガチャの一言で片付けられない根深い問題、子どもたちを取り巻く地域ガチャや環境ガチャの負の連鎖に絶句。那希沙たちが置かれた過酷な境遇は読めば読むほど辛い。
    でも、ハレと海と那希沙、子どもたちの問題に取り組む児相の職員の悠一、不妊に悩む落合夫婦、別々に進行するそれぞれの物語はいったいどこで交わるのだろう?という期待に宇佐美さんは今回も見事に応えてくださった。
    「自分の人生を他人にまかせるな」の海の言葉と、新しい明日を生きることを教えてくれるこの作品が現実に苦しむ誰かの“ラプンツェルの髪”になればいいなと願う。

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    2024年01月07日
  • るんびにの子供

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    るんびにの子供

    宇佐美まことさんのデビュー作ということで期待して読んでみたけど期待を裏切らない。
    人間の闇と怪異がうまいこと混ざって醸し出る仄暗い雰囲気
    決して煽らず大袈裟でもなく、静かに淡々と暗いものが周りを包んでいくような感覚でした。大満足の読後感。

    「とびだす絵本」は小さい頃自分が夢見ていたものがそのまま物語になっているようでびっくり。この本の中ではこれだけ異質でホラーよりもファンタジー寄りな気もしましたが私は好きでした。

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    2024年01月22日
  • 骨を弔う

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    骨格標本の頭蓋骨を埋めるという、小学校時代の出来事を大人になってから追います。
    あれは本当に骨格標本だったのか、それとも…

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    2023年10月07日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    滅びゆく者をテーマにした本は何故かそそられる。背景に流れている雰囲気が好きで冒頭から引き込まれた。昭和初期、限られた時代を生きたある華族の哀しみと、異能の作庭師の熱情が静かに呼応する「美しい庭」の物語だった。
    当主である房興は家というものに取り込まれ、個を埋没させている。経済的には恵まれてはいたが、自分らしい豊かな人生を生きてきたわけではなかった。才能ある純朴な新進気鋭の庭師・溝延兵衛に庭園を造ってもらうことになり、彼の生き様や、彼の作品である庭に寄せる思いを聞き、房興と彼の妻・韶子は自分自身を見つめ直す。

    作庭師が雇い主の吉田房興に話す
    「決められた道を行くことは簡単でございます。既にある

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    2023年10月04日
  • 逆転のバラッド

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    最近の宇佐美まことの作品、ニコが読んでいる限りではあるんですが、
    温かいものに変わってきたように思います。
    マジ、いい話。
    本作も数年前に喧伝されてた事件を連想させつつ、地方のドンともいえる
    ワルいヤツをみんなで懲らしめよう的なお話。
    ウン、楽しく読めましたが好みではなかったです。

    でも、以前の作品が好きすぎて、宇佐美まこと、新刊でれば読むだろうなぁ。
    買うことはないけど。

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    2023年09月13日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    『清閒庭(せいけんてい)』は昭和初期に天才庭師・溝延兵衛(みぞのべ ひょうえ)が、時の公爵・吉田房興(よしだ ふさおき)の依頼を受け、池を埋め立てて作り上げた広大な枯山水である。
    浜辺に打ち寄せる波の音が聞こえてくる心地がする。
    この庭に魅せられたのは現代の建築設計士・高桑透(たかくわ とおる)。
    彼も知らない、清閒庭と吉田家にまつわる秘められた物語を、公爵夫人・韶子(あきこ)付きの女中トミが語る。

    滅びの予感が漂う。
    「華族」といえば「斜陽」・・・と条件反射のように連想してしまう。
    これも一つの、沈みゆく陽の物語だと思う。
    庭づくりに熱中し、やがては取り憑かれたかのようにのめり込んでいく・

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    2023年09月09日
  • 熟れた月

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    バラバラの話しが最後に繋がって感動した。金に纏わる再生のストーリーで最初は登場人物が最悪な展開で苦しくなったが、それぞれの運命が絡み合い人生大きく変わっていく。

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    2023年09月02日
  • 逆転のバラッド

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    ネタバレ

    宇佐美まこと作品2冊目
    前回読んだ『羊は安らかに草を食み』は、老婆3人が主人公だったが・・・
    今回 謎を解き明かすのは中年のおやじ3人

    松山の小さな町の古い銭湯仲間 新聞記者の弘之、銭湯店主の邦明、骨董店の店主富夫。
    事件は銭湯の蒔き釜が老朽化をして、融資を銀行に頼むことから始まる。
    担当の銀行員 丸岡はまじめな好青年で手続きを進めてくれていたのだが・・・
    その丸岡が大雨の日 不審な死を遂げる。
    その真相を暴くため立ち上がった3人
    事件は大きな裏組織や代議士・病院が関わっていた。

    登場人物たちのキャラがたっていて、会話のテンポも心地よく 一緒になって謎解きをしてるかのように引き込まれていく

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    2023年09月02日
  • 展望塔のラプンツェル

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     ラプンツェルと云ったらディズニーですよね。でも、元々はグリム童話! 知りませんでした‥。
     本書は、ディズニーとは似ても似つかず、余りにも悲惨で虐げられた人たちの物語で、終盤まで続く救いの無さに、切なく辛い内容でした。

     舞台となる多摩川市は、開発の進む北部地域と荒んだ臨海部の南部地域に分かれ、この南部を地元の成金が建てた展望塔が見下ろしているのでした。
     育児放棄された5歳男児、性的虐待を受ける17歳少女、その少女を救う少年、取り憑かれたように不妊治療をする夫婦の危機、業務に忙殺され疲弊状態の児童相談所職員‥。これらの人々の人生が交差し重なっていきます。

     「ラプンツェルが、塔の上から

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    2023年08月22日
  • 超怖い物件

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    家にまつわる、呪い・人の怖さが盛りだくさん。
    どれも怖い話だけれど、群を抜いて、ゾワゾワしたのは澤村伊智の『笛を吹く家』・芦花公園の『終の棲家』。
    自分自身の「先入観」も怖いと感じた。

    人の家の怖さは、医療職で訪問をしていた時によく味わったので、その時の怖い経験も思い出して、余計怖かった。
    開かずの部屋のある家、どこからか監視されているような家、どうしても気分が悪くなる家、、、いろいろあったなぁ。

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    2023年08月17日
  • 鳥啼き魚の目は泪

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    昭和初期、華族である吉田家の庭にある池から白骨死体が見つかった。過去の令嬢の醜聞に関わる噂が飛び交う中、池は埋められ壮大な枯山水の庭が作られることになる。作庭師の溝延兵衛が手がけるその庭の工程が進む中、庭づくりに魅入られた吉田家の当主夫妻は徐々に変化を見せていく。ミステリ的な部分もあるけれど、それだけではない魅力に満ちた作品です。
    池から見つかった白骨死体に関わる謎がメインのミステリかと思っていましたが。主役は庭と作庭師ですね。もちろんミステリとしての部分にもきっちりと驚かされ、納得させられましたが。庭に魅せられ魅入られる人たちの物語を読むうちに、こちらも引き込まれていきました。そしてこの時代

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    2023年08月12日
  • 超怖い物件

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    11人の作家さんによる短編集

    心霊系から人怖まで様々な怖い話が盛り沢山の超お得な本

    糸柳さんのは簡単な日記で怪談社で活動する日常が面白かった

    澤村さんのは捻りが効いていて最後辛くなる話

    芦花さんのはやっぱり狂気を感じる話

    私が1番絶対嫌な家は平山さんの話の家です

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    2023年08月01日
  • 超怖い物件

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    家にまつわるホラー短編集。
    様々なホラー作家の作品が読めるのもいい。
    物件も町おこしのための古い家や事故物件、マンションなど様々。
    一つ一つが短いためサラリと読めるが、短い中に怖さは凝縮されていてとても良かった。

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    2023年07月30日
  • 逆転のバラッド

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     スカッとする一冊。人生の下り坂にいるオヤジたちが一念発起!ただの逆転劇じゃなく、しっかりとミステリー要素もあり、どんでん返しも用意されていて、読み応え十分でした。

     冒頭である銀行員が殺されます。その銀行員の恋人という女性がオヤジたちの集まるみなと湯にやってきて、彼は殺されたのだと言い、気の良いオヤジたちは、彼女のため、事の真相を探ろうと動き出します。

     その真相は、巨大な悪が潜んでいて、それが発覚した頃には彼女がいなくなり、殺された銀行員の恋人ではなかったことがわかり・・・。

     色んな謎が絡んでいて最初から最後まで楽しく読めました。世の中の中年オヤジたちにエールと檄を飛ばしてくれる一

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    2023年07月28日
  • 愚者の毒

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    ネタバレ

    っちゅうわけで、みんみん&おびーの腐女子え女子?コンビおすすめの『愚者の毒』です(また余計なこと言う)

    毎回言ってますが、相変わらず驚愕の抽斗の多さですね
    しかも開け方が的確
    今野敏さんなんかもめちゃくちゃ抽斗多いですけど「そこ開けなくていいのに」(また余計なこと言う)

    よっけいな〜ものなど〜なっいっよね〜♪
    (遂に余計こと歌い出す)

    えー、どうしよ
    方言について語るかタイトル『愚者の毒』について語るか
    うーん、ここは飛鳥に敬意を表して愚者の方で!(はい余計)

    いろんな説明すっ飛ばして先生が達也に言ったセリフね
    「『命を奪う毒と命を救う薬との違いはほんのわずかである』ってね。人

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    2023年07月27日
  • 逆転のバラッド

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    愛媛を舞台にある銀行員の死から大きな不正を暴いていく親父たちの物語。コンゲームっぽい流れのある話かと思いきや社会派ミステリーの様相。宇佐美さんは流石に巧みなので地に足のついた物語が展開されていく。地元の新聞社に異動してきた主人公の1人、弘之の造形が良い。仕事一筋で家庭を顧みなかったために妻と別れ一人暮らしをしている。施設に入れてしまった知的障害者の兄のことが気になりながらもどうにも会いに行けない。その不器用さに年配者のあるあるをみるのだ。ラストでの2人の邂逅は読みどころで素晴らしかった。

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    2023年07月12日
  • 逆転のバラッド

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     熟年を迎え、人生に疲れを感じ始めた男たちが義憤に駆られて、不正を働く町の権利者たちに立ち向かうサスペンスミステリー。
              ◇
     宮武弘之。東洋新報松山支局記者。
     東京本局での出世争いに敗れ、故郷の松山でルーティンワークをこなしながら定年退職を待つのみ。息子は独立して家を出て行き、妻からは熟年離婚を申し渡され、孤独な生活を送っている。

     戸田邦明。町で唯一営業を続けている銭湯みなと湯の主人。
    66歳になり、みなと湯の古い薪釜同様くたびれてきた。老妻と2人、できるところまでがんばろうとは思うが、風呂釜の交換時期に来ており、その費用に頭を悩ませる毎日だ。

     小松富夫。邦

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    2023年07月12日