【感想・ネタバレ】夜の声を聴くのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中学二年の時からIQが高すぎ、母親も亡くしている隆太は家の窓から飛び降りたことがあります。
そして引きこもりになります。
18歳の時公園でいきなり手首を切った23歳の女性百合子にとてつもなく魅かれ百合子と逢うために百合子の通っている県立春延高校定時制課程に入学します。

そこで、その後の隆太の人生をすべて変えることになる重松大吾と出逢います。
そこで起こった1年間のできごとは多くの人物の人生を変えるものでした。
家族のいない16歳の大吾は勤め先のリサイクルショップ『月世界』の二階に住んで、そこを営む70代の社長の野口タカエと二人で暮らしています。

『月世界』は便利屋もやっていて、そこにいろいろなことを頼みにくる客の問題を僕は持ち前の頭の良さで解決していきます。
そして、客の問題から大吾の抱えているとても大きな問題が発覚します。

以下ネタバレしているのでお気をつけください。


大吾は11年前に起きた有名な一家惨殺事件でたった一人生き残った男の子で、野口タカエは自殺した事件の容疑者の母親だったのです。
ハル高で出逢ったちゃらけた同級生、重松大吾。彼が真の姿を隠していたことに僕はおののきます。
僕は客の家族で大学教授の廣紀さんとともにその事件をも解決しようとします。そして、今までの事件の線とすべてがきれいに繋がって、事件は解決するのです。

ミステリーの部分もありますが、この物語は主人公の僕の成長を書いた青春小説です。
ハル高の卒業生たちが18年後に再会する賑やかな場面は大吾だけは姿をみせませんが、とてもよかったです。

0
2021年02月16日

Posted by ブクログ

宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部分、そこ大事ですよぉ

0
2021年02月04日

Posted by ブクログ

発売当初から気にはなっていたんだけど、年末のランキング発表の中でもいろいろ目にして、やっぱり入手することに。読み始めの印象のみ、表紙のごとくホラー風味も感じられるんだけど、基本的には普通のミステリ。これはもちろん、出来が普通、という意味ではない。最初のうち、日常の謎系の部分には正直あまり惹かれなかったんだけど、それは後半の本当の謎に至るまでの前フリ。核心に迫る展開はさすがのクォリティで、順次明かされていく各キャラの真相に、いちいち感銘を受けました。

0
2020年12月23日

Posted by ブクログ

手首を切った女性の出会いから始まり、それに導かれるように定時制の高校へ。そこで大吾と出会い、彼がアルバイトする何でも屋「月世界」と出会う。最初はとりとめなく、どこか中二病的に展開する感じが馴染めなかったけれど、大吾が一家殺人事件の生き残りであり、月世界の主人が被害者と疑われ自殺した男の母であることがわかってからは、すべてのエピソードが一気に絡み合い、ひとつひとつ腑に落ちていく凄まじい展開。面白かったです!

0
2020年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出だしこそ衝撃的だけど、人との関係に意味を見いだせず、家に引きこもっていた隆太が、定時制高校に通い、人は見た目ではわからない部分があり、本で見て知っていると思ったことも実際には違って見えたりと経験を重ねて成長していく話。
多分ウリのポイントはミステリの方なのだろうけど、この作品はミステリとしての完成度よりも成長譚としての方が良いと思う。

定時制高校で知り合った大吾は、リサイクルショップ兼何でも屋で住み込みで働いている。
少しずつ明かされた大吾の過去。
それは幼少期に家族全員を惨殺された、たった一人の生き残りだというものだった。
それに比べれば母に愛されなかった自分など…。

何でも屋に持ち込まれる小さな仕事に伴う小さな謎。
それを解決していくことで繋がっていく一つの大きな謎。
これが、割とわかってしまうのだ。
ああ、音響で11年で…って。

もちろんそれは単純な繫がりではないけれど、「ここ大事」ってフラグが立ってしまっている。
だから私は、ミステリと言うより成長譚として読みました。
登場人物たちそれぞれの止まっていた時間が動き出した、という意味では、大人も救われているわけだし、読後感も悪くない。
ただ、大吾にとって世間はいったい何だったのか?
その後の彼は、過去を思い出して懐かしむことはなかったのだろうか。

それから、最初のリストカットの後、主人公が小学生の時に後者の3階から飛び降りたこと、リストカットした百合子の叔父の飛び降り自殺、依頼人の血のつながらない息子が屋根から落ちたことなど、やけに落下事件・事故が多いので、何かの布石かと思ったけど違ったね。

0
2023年02月20日

Posted by ブクログ

この作者さんは地の文が良い。
どんどん引き込まれるミステリーではなかったけど安心して読んでいられる。

本格的なミステリーとして読めばかなり薄味だと思う。ただ人の微妙な感情や環境で事件が複雑で厄介なものになっていく。

人間関係の面倒さがよく描かれていると感じた。
そこに「月世界」の面々が拗れた関係をほぐしていく。
その過程が探偵事務所とも秘密基地とでも言えるような妙な高揚感を出してくれる。

冒頭の主人公がどんな気持ちで古巣を訪れたのか。読み終わった後、よい意味で裏切られた気がしました。

0
2023年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて読んだ本。初めての作家さんで、目の前で手首を切った女性に遭遇という入り口に、ライトノベル?と思ったら、出口が全然違って、人生は何がきっかけでどういうふうに変わっていくかわからないものだなと思った。
低周波で不定愁訴が起きるのは知っていたけれど、人工的なものだけでなく山から吹き下ろした風が低周波を起こし、登山者が異常行動を起こして命を落とすこともあるというのは初めて知ったので、ものすごく勉強になった。

0
2022年01月22日

Posted by ブクログ

「そこに君がいたからだよ」
引きこもりの、でもとても優秀な青年が、定時制高校に通うようになる。
青年の洞察力が、いくつかの難事件を解決に結びつける。
その面では、確かにミステリ小説。
しかし、描かれているのは人間ドラマ。青年の成長。
淡々と描かれる静かな生。

ただのミステリではない、温かい人間の姿
とても面白かった。

0
2022年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公がいたからこその偶然のような必然
いくつもの出来事、出会いがうまく組み合わさった結果が事件解決につながったと思うとすごい
貧困、ヤングケアラー、一家殺人と苦しい問題多々(主人公のトラウマも幼いこどもにしたらかなりしんどい…)
突然の別れだったけれど大吾が元気そうでよかった

0
2021年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

定時制の生徒の話から、そこでの友達が働いている「月世界」というリサイクルショップの話になる。便利屋業もやっていて、そこに持ち込まれた、カブトムシの幼虫が全滅した話、たぬきに化けた息子 お母さんと妹がなかなか会ってくれないといった相談事を受け、解決する。

カブトムシ全滅は、起きていない火事を偽装して、高い階から飛び降りさせ自殺にみせるという殺人で、火事に見せるためにドライアイスを使い、その処理でカブトムシが死んだというように完全にミステリ。青春ものと思って読み始めたのでびっくり。それでその事件は解決したのに、章立てや連続短編集との扱いもなくてそのまま話がすすんでいく。最後は、大吾の家族は強盗から殺されており、その犯人と目された男の母親がリサイクルショップのオーナーであることがわかる。犯人と目された男は自殺しており真犯人かどうかは分からずじまい。それについては低周波の影響と、東野圭吾みたいになってきた。そして別に真犯人がいたことで、ちょっと『砂の器』のような大きい展開となる。最後は青春ものとしてハッピーエンドとなる。ちょっと毛色のかわったミステリだ。
本の雑誌2020年度エンタテインメント(北上次郎)ベスト10 1位

(1) 宇佐美まこと『夜の声を聴く』(朝日文庫)は、つらく悲しいドラマの先に素晴らしい読後感が待っている魔法のような小説だ!【おすすめ本/北上ラジオ#23】

0
2021年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伏線回収をきちんと行っているミステリー。もっとホラーやイヤミスと思ったら、怖い方には振れず青春小説系に振れているのが意外だった。

ミステリーと青春小説は相性が良いがこの作品もその相性を上手く使っている…というかその特性を生かしている。

キャラクターの中に少々ザツな個性の人(結局、リスカの女性は主人公の定時制高校入学のきっかけになっただけ?とか、堅物執事とか)もいて、物語上大きな瑕疵ではないけど、もうちょっとエエとこに当てはめてあげたら生き生きしそうやのになぁ、

など少々の難癖はつけれないこともないが、些末なこと。きちんとまとまった良い青春ミステリーだと思う。

0
2021年04月22日

Posted by ブクログ

やはり宇佐美まことはいい。ボニン浄土が良かったので、これも読んだが期待以上だった。この作品も着地がいい、単なるミステリーとは違う読後の爽快感がある。自分の思い込みだったのだが、ボニン浄土を読んだとき作者は男性だと疑わなかった。愛媛県在住の女性と知って驚いている。

0
2021年04月22日

Posted by ブクログ

伏線がわかりやすかったが、それぞれの登場人物のキャラが立っていて、読後、前向きになれる小説だった。読んでよかった。

0
2021年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品も善悪で単純に語れない人間の複雑な内面の襞に胸が震える。
心に苦しみを抱えた隆太は入学した定時制高校で気さくで明るい人柄の大吾に出会い、彼が住み込みで働くリサイクルショップ「月世界」に出入りすることに…。外からの刺激に少しづつ動いていく隆太の気持ち。すっかり定時制高校の青春小説のノリの前半が、後半は過去の一家殺人事件の解決に迫っていくミステリーに一転して「月世界」を通じて広がった人々の関係性がスルスルと繋がっていく様が素晴らしい。
長いトンネルの旅が終わって静かにそれぞれの居場所に散る余韻もよかった。

0
2021年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

便利屋「月世界」に依頼された数々の難題。
一見何の関係性もない出来事が徐々に繋がっていく。
バラバラに散らばったパズルのピースが次々に揃い、スッキリした爽快感を味わった。

世の中に絶望し引きこもりとなった青年が、入学した定時制高校で出逢った貴重な経験はその後の彼の道標となる。
人と人との縁…楽しいことも辛く悲しいことも、全てひっくるめて糧にして前進することの素晴らしさ。
膝を抱えもがき苦しんだ夜の底から見事に這い上がった姿が眩しく清々しい。

宇佐美さん初読み。
噂と違いそんなに怖くなくてほっとした。

0
2020年12月14日

Posted by ブクログ

学校に馴染めず中2で引きこもりとなった隆太は、公園で目の前で手首を切った女性に引き寄せられるように、彼女が通う定時制高校に入学した。隆太が所属する「浅見クラス」にいたのは、様々な事情を抱えた同級生たちだった。やがて、同級生の大吾が住み込みで働くリサイクルショップ兼便利屋「月世界」を手伝うことになった隆太は、店に持ち込まれる厄介な相談事を解決していく。
些細な不思議と疑問に端を発して、いつしか11年前に起こった一家殺人事件へと踏み込んでいく。それは、隆太の人生をも変える道だった・・・・・・。

「月世界」に持ち込まれる奇妙な相談事を生き物の習性に着目して解決する前半は、さながら「探偵ガリレオ」のようで、これならなにも長編じゃなくても連作短編の方がすっきりするのになぁ~などと思いながら読み進める。
だけど、謎が次の謎に連なり、隆太が、大吾が、ショップの社長・タカエが抱える闇が明らかになるにつれ、長編でしか語れない壮大な物語が見えてくる。

全ての要素が収まる所に収まり、殺人事件の真相も明らかになり、隆太と大吾をはじめとする浅見クラスの生徒たちの今が描かれるラストは、爽やかでじんわりと涙も・・・。
ミステリでもあり、少年たちの成長物語でもあり、社会派の要素もありとさすが宇佐美さんといえる充実の物語でした。

文庫本書き下ろしっていうから、失礼ながら期待してなかったのですが、読んでよかった!
でもなんで、いきなり文庫本なのかな~モッタイナイ

0
2020年10月18日

Posted by ブクログ

カバーを隠してどんな内容の本か先入観持たずに読み始めた。

最初は自殺願望のある者同士のライトノベルかと思い、なかなか読み進まなかったのだが、途中から、あれ?これは少年探偵団の推理ものか?と。

しかし色々な伏線が明らかになるにつれ、物語はそれはそれはもう壮絶なものに。
『罪の声』を思わす壮絶さに。
でもあれとは違い救いがありよかった。

0
2020年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「愚者の毒」と同じ作者だったので。

もともと、できる限り事前の情報が無い状態で本を読みはじめる。
読み始めるように、している。
電車の中の煽るような広告や、
口の上手い落語家の書評に痛い目にあったせいもあるし、
シリーズものを愛する反動なのかもしれない。

とくにこの作者は、
ミステリーなのか、ホラーなのか、ファンタジーなのか、
どこに進むのかわからないピンボールを見守るどきどきがある。
今回は、突き落とされたり、穴に落ちたり感はなかった。

リストカッターの女性に出逢ったことで、
ひきこもりから定時制高校生になった主人公。
同級生が住み込んでいるリサイクルショップにも通うようになる。
飛び降り事故の謎、狸の謎、リサイクルショップの謎。
謎が解けた時、親友となっていた同級生は旅立った。

人が成長していく過程は美しい。
つぼみが開いて、花開くごとく。
読み終わって、映画の「Stand by Me」を思い浮かべたのは
私だけではないはず。
いつもより、優しくて甘い「お話」だった。

0
2020年10月06日

Posted by ブクログ

総合的にはミステリー小説でしたが、部分部分に着目すると、恋愛に発展?や定時制学校のヒューマンドラマ?、何でも屋の日常的なミステリーなどあらゆるジャンルが含まれていました。読み進めれば進むほど、着地点がわからない状況になっていくので、展開に良い意味で裏切られました。
そして、要となる11年前の殺人事件が、後半に登場するのですが、それまでの様々なエピソードがキーワードとなります。それらを総合して、殺人事件へと結びついていくので、壮大な作品に仕上がっているなと思いました。

この作品では、様々な生と死に関する感情・気持ちが、はびこっています。十人十色、みんな違う願望を持っており、なかなか全てを解決することはできません。しかし、他人がいることで、自分はもしかしたら考えを変えられる事ができるかもしれません。前に進もうとしている登場人物たちの姿に温かな感動がありました。

もちろんミステリーとしての醍醐味もあり、徐々に明らかになっていく殺人事件の全貌が、興味をそそられました。
表紙の雰囲気からホラー的な感じを想像したのですが、そういった場面は少なく、日常な生活にピリッとビターな要素をアクセントに加えた作品かなと思いました。

殺人事件のバックボーンが重厚で、それを色んなエピソードに散りばめているのは、読み終わってみて改めて素晴らしいなと思いました。

0
2020年09月13日

Posted by ブクログ

公園で、自分の目の前で女性が、リストカットし、その切ったカッターナイフを渡される。
彼女とのそんな出会いから引きこもり生活をしていた少年は、彼女の通う定時制高校に進学する。その学校で知り合った同級生の男の子と、幾つかのミステリーを解決しながら、最後は、その男の子が巻き込まれた一家殺人事件の解決という大きな流れになる。
参考文献からもわかる様に、ちょっと変わったミステリ解決もあり、工夫されているなと思う。そして、引きこもりだった少年や殺人事件の生き残りの少年、リストカットがやめられない少女が、それでも、毎日通学する定時制高校とそれを支える先生との青春の一年のお話でもあるかな。

0
2023年05月03日

Posted by ブクログ

リサイクルショップ「月世界」には七十代の野口タカエと、全く血縁関係がない大吾が二人で暮らしている。

その店に時折持ち込まれる奇妙な相談事。
主人公の堤隆太は、二人と共に事件を解決して行く。

前半は軽い推理小説の体を成しているが、読み進めるに連れ夜の闇が深く濃く変化し終盤はその表情が一変する。

一見関係ないと思っていた事件から点と点が繋がり1本の線になった瞬間、11年前に起きた一家殺人事件の真相が明らかになる。

理不尽さと哀しみ、歪んで伝えられる報道、やり切れなさに胸が詰まる。

夜明けを感じるラストにようやく安堵した。

0
2023年02月16日

Posted by ブクログ

前に読んだこの作家の本がとても良かったから期待して読んだ。文体は読みやすく、ストーリーテラーとしてのうまさはあったが、でも期待ほどではなかった。

一番の謎が、主人公がそこまで女性に惹かれた理由が良く分からなかった事で、ここが引っ掛かってしまい感情移入できなかった。とは言えどのエピソードもミステリー要素があったり切なかったりで、それなりに面白かった。

思い出と今が交差するちょっと不思議なシーンは綺麗。

0
2022年07月25日

Posted by ブクログ

ディアトロフ峠事件ってそういうことだと推測されているのか、と思いました。参考文献を読もうかと思いました。

0
2022年04月02日

Posted by ブクログ

扱っているテーマは重い。
引きこもりの少年が初めて友人を得たが、その友人は惨殺事件からひとり生き残った少年だった。
加害者と目された男は自死した。
生き残った少年は、いま加害者の母親の営むリサイクル店舗に住み込んで働いている。
とても重たいのだが、なかなか話の中に入り込めなかったのは何故だろう。

0
2021年12月16日

Posted by ブクログ


ひきもこり学校に通えなくなった隆太。

公園のベンチで本を読んでいた時に、
目の前でリストカットをした百合子と出会う。
彼女との出会いがきっかけになり、
隆太は定時制高校に通い出す。

それぞれ過去を抱えた人が集まる定時制高校。
隆太はそこで大吾と出会い少しずつ生活が
変わっていく。

自分を否定していた隆太が、周りの人に
巻き込まれるながら、考える事で
生きていく道を見出す物語。

0
2021年11月08日

Posted by ブクログ

ひきこもりの少年の目の前で、手首を切った女の人。
気になり興味を感じ、彼女が通う定時制高校に入学する。
そこは、彼の知らない空間。。
だけど同級生が働く奇妙な店を手伝い始めるうちにいろいろな人と関わり、やがて11年前の一家殺人事件の真相がわかっていく…

ドロドロ感もなく重たさも少なめのミステリーかな。

0
2021年10月07日

Posted by ブクログ

話が長い分、登場人物に感情移入ができて、みんなハッピーエンドでよかったなって、ハル高の関係者にでもなった気分。でも、全体を通してちょっと回りくどいのと、優秀な人たちがすごく先を読むことができすぎることに違和感を感じる。

0
2021年04月04日

Posted by ブクログ

IQが一般のレベルより高く、優秀な頭脳を持っている隆太。それ故学校の先生や生徒に馴染むことが出来ずに不登校になる。ある日公園で本を読んでいると、突然若く美しい女性が彼の目の前に立ち、いきなり手首を切ってみせた。そんな彼女に興味を持った隆太は、彼女が通う定時制の高校に自分も通ってみることにする。
自分の居場所が見つけられない世の中に嫌気がさし、死んでしまいたいと思っている隆太と、手首を切るという自傷行為を繰り返すことで、生を実感することができるという百合子。生きるということに相反する形で向かい合う二人は、やがて恋愛とはかけ離れた場所でお互いによい影響を与え合うようになっていく。
その定時制高校には様々な環境で暮らす個性的な生徒がたくさんいて、隆太はそこで初めて友人と呼べる存在に出会う。
大吾と、大吾が働くさびれたリサイクルショップ『月世界』。
大吾とその場所は、隆太に更なる世界への繋がりと隆太自身の未来の可能性や希望をもたらしてくれた。と同時に、人々の心の中に静かに居座り続ける哀しみと、自分以外の誰かについて心を砕く苦しさと切なさを教えてくれることになる。
リサイクルショップでありながら便利屋も兼ねている『月世界』に持ち込まれる小さな依頼が、やがて色々な人を巻き込み、過去の悲惨な事件へと隆太を導いていく。

読み始めてからすぐに感じたのだが、これは小学生とか中学生向けのような気がする。周りの人たちはみんな優しくていい人だし、自分から勇気を出して踏み出せば、受け止めてくれる場所は必ずある。夢を持って努力すれば、それは必ず身を結ぶ。そういうメッセージが込められた話のような気がする。ミステリーではなく、ひとりの孤独で気難しい(といってもそれほどじゃないけど)少年の成長を描いた青春小説だ。後味の爽やかないい話だけど、わたしには都合が良過ぎる物語に思えて、物足りなさを感じてしまった。

夜の声。
わたしにはもう、その夜の声は聴こえないのかもしれない。

0
2021年03月04日

Posted by ブクログ

02月-12。3.5点。
引きこもり高校生が、定時制高校に通い出す。
親友も出来、身近な事件を解決していくが、過去の事件の関係者が出てきて。。

展開に無理なく、面白い。ラストも良かった。

0
2021年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いろんな要素がぽつぽつ出てきて、
それが一つずつ繋がって、
最後に落ち着きました。

様々な生死感があって、
同じものを共有することの難しさを感じました。
ただ、誰もが死を想像することで、
生きることができるんだなと思いました。

0
2020年11月01日

「小説」ランキング