宇佐美まことのレビュー一覧

  • 夜の声を聴く

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    宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部分、そこ大事ですよぉ。

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    2021年02月04日
  • 夜の声を聴く

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    発売当初から気にはなっていたんだけど、年末のランキング発表の中でもいろいろ目にして、やっぱり入手することに。読み始めの印象のみ、表紙のごとくホラー風味も感じられるんだけど、基本的には普通のミステリ。これはもちろん、出来が普通、という意味ではない。最初のうち、日常の謎系の部分には正直あまり惹かれなかったんだけど、それは後半の本当の謎に至るまでの前フリ。核心に迫る展開はさすがのクォリティで、順次明かされていく各キャラの真相に、いちいち感銘を受けました。

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    2020年12月23日
  • 夜の声を聴く

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    手首を切った女性の出会いから始まり、それに導かれるように定時制の高校へ。そこで大吾と出会い、彼がアルバイトする何でも屋「月世界」と出会う。最初はとりとめなく、どこか中二病的に展開する感じが馴染めなかったけれど、大吾が一家殺人事件の生き残りであり、月世界の主人が被害者と疑われ自殺した男の母であることがわかってからは、すべてのエピソードが一気に絡み合い、ひとつひとつ腑に落ちていく凄まじい展開。面白かったです!

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    2020年12月13日
  • 黒鳥の湖

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    仕事にも家庭にも恵まれ、勝者として人生を謳歌する主人公。しかしふとしたことからその幸せが崩れ始め、どんどん奈落の底へと突き落とされるような事態が起きていきます。これはかつて彼が犯し、いまだ暴かれていない罪の因果が巡ってきたものなのか。緻密な構成と息詰まる展開から目を離せないミステリ。
    世間を騒がせる「肌身フェチの殺人者」と二十年以上前に起こっていたかもしれない事件との繋がりがメインの謎かと思いきや。それ以外にも次々と繰り出される新たな事件と謎に翻弄され、しかもそれがラストであまりに見事に繋がってしまったことに驚愕させられました。最初から最後まで、すべて集約されたひとつの物語。まさしく因果という

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    2020年01月13日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    これはやられた! って感じでした(^ ^;

    物語の序盤は、伝奇ホラー風。
    ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
    謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
    おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。

    それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
    主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
    この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^;

    さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」
    という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^;
    も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^;

    読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、
    ページを遡って読み返すこと数回(^ ^;
    一冊

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    2018年12月07日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    怖かった。
    どこにも書いていなかったが、
    人ならずものが好むのは人の心の闇だと思い、
    それぞれ闇を抱える登場人物の誰が餌食になってしまうのだろうかと、
    怖かった。

    ホラーは好きではない。
    カバーによるとダークファンタジーというらしいが、
    昔の人殺しの話とつながる気味の悪い粘菌の話だとわかっていたら読まなかったと思う。

    しかし、面白かった。
    次々とピースがはまっていくジグソーパズルのように、
    様々な話がつながっていく。
    ただし、そのピースは普通のジグソーパズルとは違って、
    大きさも形も一定ではない。
    大きくて何が描かれているのかが判るピースは当然真ん中に

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    2018年06月24日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    タイトル・表紙・あらすじに惹かれて購入したものの、本棚で「積読」になっていたのを思い出し読み始める。
    舞台は自然に囲まれた集落の寄り集まった村。
    そんな環境に馴染めずにいる思春期の少女・自分に自身の持てない青年・理想を追い求めて移住してきた壮年の3人が主軸になって話が進んでいく。
    他の登場人物にもちゃんと役割が振られており、それぞれが過不足無く動いていく。
    一見どのような役割を持っているのか分からない登場人物も、以外な関わりを持っている(いささかご都合主義のような気もするが)。
    事件の「犯人」は早い段階で見当がつくが、それがどのような形で関わっていくのかが面白い。
    ラストシーンは「きっと、こう

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    2018年04月02日
  • 入らずの森

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    これは、スゴイ(^ ^;

    オカルトであり、ホラーであり、伝奇物であり、
    基本的には「絵空事」なのは100%承知しておりますが。
    それでも、「絵空事部分」以外の描写がリアルで、
    もしやあり得るかも、と思わされてしまう(^ ^;

    登場人物が、みな良い(^ ^
    会社勤めに嫌気がさして、田舎暮らしを始めた男やら、
    大きな挫折を抱えて仕方なく中学教師をやってる男やら、
    親との確執から祖母と暮らす金髪の女子中学生やら。

    田舎の人も、中学生から偏屈な爺さんまで、
    皆それぞれに「実にいそうな」キャラクターで(^ ^
    性格も人間関係・力関係も実にありそうで、
    これがまた物語にリアリティを与えている。

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    2017年10月16日
  • 月白

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    途中で読むことが辛くなってきて、目を背けるたくなる場面もあった。
    あり得ない話のように思えるけど、このようなことがあったことは知っておくべきなのだと感じた。正直いまだっていつ何が起こるかわからないし、実際にこの状態の国だってある。
    もちろんこんな経験はしたくないけれど、全く他人事にすべきではない。
    私は心からの憎しみという感情はたぶん知らなくて、それはとても幸せなことなのだと思う。
    フィクションとはいえ、登場人物の心が癒やされますように。

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    2026年04月29日
  • 13月のカレンダー

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    広島の被爆体験が物語の中心を占めていて、私自身、祖父母が長崎市での被爆者で、原爆手帳を持っていて、原爆が落とされた日のことを小さい時からよく聞いていたから、主人公の衝撃みたいなものを一緒に感じることはできなかった。
    重苦しい恐怖感みたいなものを私自身ずっと持っている気はする。原爆投下後の水が飲めなくて苦しい夢を子どもの頃はよく見ていたし。

    作中でも出ていたけれど、本が読めたり音楽が楽しめたりする日常はほんとに尊いものだと改めて思った。

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    2026年04月27日
  • 月白

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    戦後、親も兄弟も家も何もかも無くした人たち。絶望の中でそれでも生きなければならない。
    そんな中で、まっとうに生きるとは、いったいどう生きることなのだろう。まっとうに生きるとは、人間としての最低限の環境があってこそのことではなかっただろうか。
    残虐な殺人を繰り返した連続殺人犯の女。その事件を追い続けたルポライターがその犯人に魅力を感じ始めるという内容を見て、魅力??っと疑問に思って読みはじめた。
    この時代、この状況下で、憎しみだけを支えに生きてきた人。憎しみを心の中に抑え込み、生きるために毎日を戦ってきた人。なんと酷い時代だったことだろう。
    重く辛い内容ではあったが、現実に起こった、この日本での

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    2026年04月26日
  • 13月のカレンダー

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    語り尽くせぬ、原爆の物語。
    永遠に消えない、『被爆』という恐ろしさ。
    それでも、奇跡を願う人の純粋さを感じた。

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    2026年04月25日
  • 白と黒のソナタ

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    タイトルと装丁から音楽ミステリーかと思わせるが、それを期待して読むと(いい意味で)裏切られる。最近の宇佐美さんはいわゆる“ジャンル小説”から距離を置いているように思え、ぼくは単に「小説・文学」として受け止めた。まあ、音楽小説ではあるけれども。
    本作は、呪われたピアノと呼ばれるグランドピアノ「ニーマイヤー」と、それに関わった人々の姿を描いた物語だ。複数の登場人物がどのようにつながり、ピアノと向き合っていくのかが読みどころの1つだ。影の主人公はピアノといってもいいかもしれない。
    密度の濃い、読み応えのある作品だった。

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    2026年04月24日
  • 月白

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    宇佐美まことさん初めましてでした。
    戦中戦後のリアルが読んでて辛かったです。

    フサの芯の強さがすごかったです。
    こんな人がいたら惹かれてしまいますね。
    私も、きっと惹かれていたと思います。
    殺人鬼だけれども、たくさんの苦悩と憎しみを抱えていたこと。
    その中で人間らしい、大切なものを守るという気持ちもあったのがわかってきます。
    前半と後半では、フサへの思いが違ってきました。


    『誰の子かということがそれほど重要かね?』『子どもは守ってやらねばならん。一番近くにいる大人がな』
    この言葉がとても沁みました。
    養子でも、里親でも、知らない子でも大切にしていきたいですね。

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    2026年04月19日
  • 月白

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    宇佐美まことさん初読みです。
    終戦後の混乱期に5人もの人間を殺して死刑になった殺人犯フサ。彼女についてのルポタージュを書くことになったライターの主人公が、彼女がなぜそんな犯罪に手を染めることになったのかを探っていく話です。そんな中で、フサと行動を共にしていた戦災孤児の靖男という少年がいたことが分かります。靖男はなぜ殺人者と行動を共にしていたのか…

    国の都合で一方的に利用されたり社会から爪弾きにされた戦争の犠牲者たちについて描かれていました。

    戦争を扱った小説というと、戦争の終結=苦しみの終わりという話が多く、終戦後の人々の苦労について書かれた小説は意外とない気がします。
    戦争で家族も家も失

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    2026年04月16日
  • 子供は怖い夢を見る

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    角川ホラー文庫の宇佐美まこと作品。
    最近読んだホラー文庫の中では、一段抜けた完成度を感じます。

    恐怖を前面に出す作品ではないため、純然たるホラーを期待される方には向かないかもしれません。
    ハートフルホラーミステリーファンタジー
    とでも 表現させていただきたいような
    あらゆる要素を収めるとことに治め、
    そこに齟齬を生じさせません。

    家族の在り方、血縁という呪縛、時間を超えた友情 そうした主題をメインとしながら
    そこに社会派まで匂わす高度なストーリー展開。
    ジャンルを横断しながら 最終的には一つの物語として無理なく収斂していく。
    もっと 話題となっても良い作品だったのにと思いました。

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    2026年04月14日
  • 月白

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    妻を交通事故で亡くした誠

    勤めていた新聞社を辞めフリーのライターとなり戦後混乱期に現れた女連続殺人鬼のルポを書くことに

    当時殺人鬼と言われた北川フサを追いかけていた
    記者道上さんに辿り着き彼が生前書き残していたメモを辿りフサと一時期行動を共にしていた老人にたどり着く

    戦後の時代何があったのか

    何を支えとして生きてきたのか

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    2026年04月12日
  • 月白

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    ネタバレ

    面白かった。
    大垣が誠に全て打ち明けるのかと思いきや、違っていた。話せないほど重い辛い過去なんだなと。
    仲間だったシンジが川に飛び込んだのは衝撃。2人で生き抜いてほしかった。
    戦後、パンパンや慰安婦の話はよくあるけれど、戦争孤児がこんなに厳しい毎日とは。

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    2026年04月12日
  • 羊は安らかに草を食み

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    私たちは、認知症を患った友人を連れ、彼女の人生を辿る旅に出る。彼女の心の奥底にある「つかえ」を取り除くために-。

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    俳句教室で知り合い二十数年の友情を紡いできた益恵、アイ、富士子の老婦人。

    ある日、アイと富士子は 益恵の夫から、認知症が進行した益恵を連れて、「彼女の過去を探す旅に出て欲しい」とお願いされる。

    認知症となる前は自身の過去を多く語ることのなかった益恵。アイと富士子は、益恵の住んでいた町や、かつての知り合いを訪ねる旅で、益恵が送ってきた壮絶な過去を知ることになる。

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    物語は、益恵の詠んだ句集と共に 現在の旅の章と、益恵の生きた過去

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    2026年04月05日
  • 月白

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    「憎しみだけを支えに生きてきたんだ」

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    交通事故で 妻を亡くし、息子の夏樹を一人で育てるフリーライターの海老原。
    以前勤めていた新聞社の出版局から、 ある事件のルポの連載を依頼される。
    それは戦後すぐに起きた連続殺人事件で、北川フサという女性が、戦後の混乱期に五人もの男を次々と殺し 後に逮捕され死刑判決が下されたものであった。

    「殺したいから 殺した」
    裁判でも明確な動悸は明かされず、死刑は異例の速さで執行された。

    フサを「戦後最恐の殺人鬼」と煽る記事も多かった事件に 海老原は乗り気ではなかったが、

    当時、フサの事件を冷静な目で誠実に追った道上というライターの存

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    2026年03月19日