宇佐美まことのレビュー一覧

  • 13月のカレンダー

    Posted by ブクログ

    仕事を退職した時に父から連絡があり、もう十数年訪れてなかった父方の祖父母の家に行く事に。
    すでに祖父母は亡くなっており、残されたものから足跡をたどると、祖母は広島出身で、兄を原爆で亡くしてた事を知る。祖母の知り合いを辿るうちに、被爆者差別や祖母の後悔、父の恐怖を知る事となり、自分自身の生き方とも向き合っていく。
    原爆が落ちた時の描写が生々しく怖かった。また、被爆者達のその後の苦悩もよくわかるように描かれていて、良かった。

    0
    2026年01月31日
  • 愚者の毒

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ひょんな事から知り合いになる葉子と希美。
    それぞれくらい過去を持つがお互いに心を交わすようになる。それがちょっとした行き違いで運命が狂ってしまう。
    しかし、1965年頃の筑豊の廃坑集落の生活は想像以上の貧しさで驚いてしまう。
    暗い本だった。

    0
    2026年01月28日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    「憎しみだけを支えに生きてきたんだ」
    余りにも辛く寂しい人生ではないか…
    戦後80年。戦後を扱った作品の中で一番重たく、忘れかけた真実に気付かされる物語だった。

    0
    2026年01月25日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    美しいタイトル「月白(げっぱく)」の持つ意味がもうひとつの「つきしろ」の情景とは違い、とても深くて激しくて冷たい。妻を亡くしたルポライターの誠が戦後混乱期の女殺人鬼フサの人生と事件を追いながら気付く自分の中にも巣食うもの。フサの傍にいたとされる少年、靖男の回想が1番読んでいてつらかった。家族を亡くし飢えと寒さと孤独の寂しさと病と、これでもかと続く過酷な状況に気が塞ぎながらも先が気になり後半夢中で読んだ。フサはなぜ5人もの男を殺害したのか、真実を知ることは叶わなくても3人に通じるものを誠は感じたはず。最後にやっと少し救われた気持ちになれた。

    0
    2026年01月23日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦中から戦後にかけての、人々のリアルが生々しく描写されている。
    特に戦争孤児の現実は胸が締め付けられる。
    現代のフリーライターが日本が戦争に負けた時代、5人を殺害した罪で逮捕された「北川フサ」を追いかける。
    凶行に走った「北川フサ」の憎しみ。
    「フサ」と同行していた「大垣靖男」の憎しみ。
    ジャーナリスト「海老原誠」の憎しみ。
    それぞれが持つ憎しみをテーマに物語は進む。
    事故で他界した「誠」の妻は決して悲劇のヒロインではない!!

    0
    2026年01月20日
  • 羊は安らかに草を食み

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    認知症になった高齢女性の読んだ俳句を元に、彼女の人生が語られていく読み応えのある作品だった。
    おばぁちゃま達の友情が素敵だなぁという気持ちと、戦後の満州での壮絶な体験にぞっとするのとで気持ちが忙しかった。
    たくましく生きる少女ふたりの体験にはらはらした。
    終盤に娘のクソ旦那を殺してやろうみたいな展開がいきなり火曜サスペンスっぽいチープさがでて、あまり好きじゃなかった。
    しかも益恵さんが手を下すならまだしも、なんでお友達の2人が???という気持ち。
    あれだけ大変な日々を共に生き抜いた2人が、人生の終わりにようやく再開して寄りそう。そういうシンプルな終わり方が素敵だったなぁ…

    0
    2026年01月18日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    私には衝撃でした。戦時下や戦後の人々の暮らしはそれなりに勉強してきたつもりでした。まさか、戦争孤児のその後がこんなにも過酷であったとは⋯戦時中も酷い暮らしであったけれど、親がいたから髪も衣服も清潔にできていたとのくだりには胸が詰まりました。大切に思ってくれ養ってくれる人がいなければ子どもの幸せな暮らしはありえないのだと痛感しました。青白く光る月を見るたびに思い出す作品になりそうです。

    0
    2026年01月15日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    また読み返したい。でも、読み返したくない。

    呼んでいる途中から、相反する感情が頭の中をぐるぐると回っているようだった。


    昔の話を紐解いていくタイプのミステリかと思っていたが、実際は人間ならば誰しもが持つ『憎しみ』について戦後と現代を舞台に描かれている話だ。

    戦争孤児や女性について描かれているシーンは、読んでいると気分が沈んでいくようだった。それだけリアリティ溢れる描き方がされていた。
    学習の一環で戦後について学んできたはずだが、まさかこんなに壮絶だったとは……きっと、現実は想像すらできないほどだったのだろう。
    親がいたら…そもそも戦争がなければ……
    読みながら何度そう思ったか計り知れな

    0
    2026年01月17日
  • 月白

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    境遇や時代を越える感情のつながり。憎しみという感情と、それを抑える理性。憎しみを持つ人々が選ぶ、それぞれの生き方。
    戦後を生きた子供達の生活は想像以上に過酷なものだった。秩序などというものが存在しない世界で、今日を生き抜くためだけに必死に戦う人々。そのためには手段を問わず、他人を切り捨てる人間の惨さがある。戦争は、人の心も何もかもを奪ってしまうのだろう。
    戦後の殺人鬼は何を考えたのか。その時代に正しさなんてものはあったのだろうか。全て奪われ、何も持たず、まっとうに生きる術もない人に、誰が善悪を問えるのだろうか。
    憎しみという感情が、過去を生きた人間と、今を生きる人間を繋いでいた。全て読んだ後に

    0
    2026年01月14日
  • 謎は花に埋もれて

    Posted by ブクログ

    読みやすく、各登場人物の感情が切々と伝わってくる文章で夢中になって読んだ。
    「クレイジーキルト」と「家族写真」が特に良かった。
    全編通して登場する花屋さんと警察官の夫婦がすごく素敵だったので、続編があると嬉しい。

    0
    2026年01月09日
  • 羊は安らかに草を食み

    Posted by ブクログ

    俳句仲間である友人の富士子とアイが
    認知症が進む益江のために
    益江の人生を辿る旅に出かけるロードノベル
    人生を深掘りするだけのよくある物語かと思ったら
    とんでもなかった!
    悲惨な戦争体験が絡んだ重たい重たいお話でした

    11歳の益江が家族と満洲から引き上げる際
    逃げ惑い自分と妹以外は集団自決で亡くなる
    赤ん坊の妹は連れては行けず置き去りに
    その後同じ境遇の佳代と知り合い
    二人の少女だけで満洲から日本への引き上げを果たすがその体験が壮絶だった

    本当に辛い思い出は心の奥深いところに沈んでいて
    認知が進んで剥ぎ取られていくように
    直近の思い出が薄らぎ
    奥底の封じ込めていた思いが
    露わになっていくよ

    0
    2026年01月03日
  • その時鐘は鳴り響く

    Posted by ブクログ

    東京赤羽で起きた殺人事件を捜査する刑事たちと、松山大学マンドリンクラブOBたちの様子が交互に描かれる。まったく接点が浮かばない展開に困惑するものの、どちらもおもしろいのでかまわず読み進める。
    主人公の女刑事が執拗にこだわる2点がキモなんだろうと思い、実際それが事件解決のきっかけになったことにやや強引さは感じたが、全体として見れば無理のないミステリーだった。本筋だけでなく登場人物それぞれが抱える事情を描いたサイドストーリーもよかった。
    せっかくサイン本を購入したのに、1年以上も寝かせてしまった(^_^;)。

    0
    2026年01月01日
  • 謎は花に埋もれて

    Posted by ブクログ

    何気なく手に取ってみたが、思っていた以上に良かった。
    50歳を過ぎて結婚した生花店経営の志奈子と刑事の昇司夫妻。この2人がいろいろ謎解きをしていくのかと思いきや、それは1話と2話だけで後は完全に脇役。全く関わりない登場の仕方が多い。これは中々斬新。

    面白かったのは『クレイジーキルト』と『家族写真』
    袖擦り合うも多少の縁という言葉を思い出させる。

    0
    2025年12月29日
  • 13月のカレンダー

    Posted by ブクログ

    1つ1つ丁寧に読みたい&読ませる文章ですが、原爆投下後など、読んでいて辛い表現も多かったです。
    主人公が祖父母の過去を探りながら自分自身と向き合っていく形をとることで、過去と現在をうまく結びつけ、戦争を過去の出来事として風化させまいとする気持ちを感じました。

    0
    2025年12月25日
  • 夜の声を聴く

    Posted by ブクログ

    とても深い作品です。
    それぞれの登場人物があのような過去を
    持ち、現在を生き抜こうとする姿に感嘆する
    と共に精一杯の応援を送りながら一気読みしました。

    0
    2025年12月21日
  • こわい話の時間です 部分地獄

    Posted by ブクログ

    澤村伊智さんが以前から気になりつつがっつりホラーが苦手なので子供向けなら読めるかも?と思い読んでみました。
    短編集でテイストがそれぞれ違って面白かったです。怖いけれど、ドーン!バーン!みたいな怖さというよりは、ぞわっとする感じでした。想像力逞しい子供の頃だと眠るのが怖くなったりもしただろうなあ、と。
    「ログインボーナス」(芦沢央さん)、「えんまさん」(黒史郎さん)、「靴と自転車」(澤村さん)が特に面白かったです。

    0
    2025年12月21日
  • 13月のカレンダー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原爆による被害は世代を越えてくる。
    足が向かなくなっていた祖父母の家で
    戦時下を追体験することになる。
    父親が物静かになったのは主人公の曽祖父が「被爆者手帳」を持っていたことが発覚したため。
    「自身や次の世代まで原爆の被害が及ぶのでは...」
    と不安になったことによる。

    0
    2025年12月11日
  • 13月のカレンダー

    Posted by ブクログ

    題名からは全く想像がつかない内容だった。広島に原爆が落ちたあの日、街の人たちがどんな目にあったのか、そんな本を沢山読んできた。
    ここに出てくる人々は、みんな優しくまともな人過ぎる。そんなわけあるかい!と思いながらも、心地よかった。

    0
    2025年12月06日
  • 超怖い物件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    物件を起点にするホラーは、幽霊ものと同じく特定の場所(人物)が要因なため、読んでいる限りは真実「対岸の火事」で楽しめる…からこそ、絡め手も被るよね、などと。
    アンソロジーだけに合う合わないを感じるが、比較的前者が多くてよきかな。

    『旧居の記憶』福澤徹三
    『笛を吹く家』澤村伊智
    『終の棲家』芦花公園

    0
    2025年11月28日
  • 謎は花に埋もれて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    花をテーマにしたミステリー短編集。すべての物語に共通して登場するのは、小さな花屋。花言葉や剪定、花粉など、花に関する豆知識が織り込まれていて読んでいて楽しい。登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれていて、作者の表現力の高さを感じた。とくに印象に残った物語は「家族写真(ファミリー・ポートレイト)」で、心にずしりと響く内容だった。「弦楽死重奏」のトリックも巧み。花屋の猫・ムサシにも意外な物語があったのが良かった。

    0
    2025年11月13日