宇佐美まことのレビュー一覧

  • 聖者が街にやってきた

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    神奈川県多摩川市湧新地区で立て続けに一人暮らしの女性の殺人事件が起こります。
    女性が殺された後には必ず、一輪の花、パンジー、マリーゴールド、デンファレ、クレマチス、プリムラ(ダリア)が残されていました。

    そしてもう一つの物語は湧新地区で育った歓楽街の花屋の一人娘、菫子(とうこ)。菫子は母一人子一人の高校生ですが、地域でやるミュージカル『聖者が街にやって来る』のオーディションに見事合格し、ヒロインの座を射止めます。
    しかし、菫子は親しくなった名門進学校に通うIQ150の二宮晃(ひかる)と付き合い出し、別れますが、その後ストリートギャングの集団に二度襲われます。
    一度目は菫子の店の常連客でおかま

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    2021年04月02日
  • 夜の声を聴く

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    中学二年の時からIQが高すぎ、母親も亡くしている隆太は家の窓から飛び降りたことがあります。
    そして引きこもりになります。
    18歳の時公園でいきなり手首を切った23歳の女性百合子にとてつもなく魅かれ百合子と逢うために百合子の通っている県立春延高校定時制課程に入学します。

    そこで、その後の隆太の人生をすべて変えることになる重松大吾と出逢います。
    そこで起こった1年間のできごとは多くの人物の人生を変えるものでした。
    家族のいない16歳の大吾は勤め先のリサイクルショップ『月世界』の二階に住んで、そこを営む70代の社長の野口タカエと二人で暮らしています。

    『月世界』は便利屋もやっていて、そこにいろい

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    2021年02月16日
  • 夜の声を聴く

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    宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部分、そこ大事ですよぉ。

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    2021年02月04日
  • 夜の声を聴く

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    発売当初から気にはなっていたんだけど、年末のランキング発表の中でもいろいろ目にして、やっぱり入手することに。読み始めの印象のみ、表紙のごとくホラー風味も感じられるんだけど、基本的には普通のミステリ。これはもちろん、出来が普通、という意味ではない。最初のうち、日常の謎系の部分には正直あまり惹かれなかったんだけど、それは後半の本当の謎に至るまでの前フリ。核心に迫る展開はさすがのクォリティで、順次明かされていく各キャラの真相に、いちいち感銘を受けました。

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    2020年12月23日
  • 夜の声を聴く

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    手首を切った女性の出会いから始まり、それに導かれるように定時制の高校へ。そこで大吾と出会い、彼がアルバイトする何でも屋「月世界」と出会う。最初はとりとめなく、どこか中二病的に展開する感じが馴染めなかったけれど、大吾が一家殺人事件の生き残りであり、月世界の主人が被害者と疑われ自殺した男の母であることがわかってからは、すべてのエピソードが一気に絡み合い、ひとつひとつ腑に落ちていく凄まじい展開。面白かったです!

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    2020年12月13日
  • 黒鳥の湖

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    仕事にも家庭にも恵まれ、勝者として人生を謳歌する主人公。しかしふとしたことからその幸せが崩れ始め、どんどん奈落の底へと突き落とされるような事態が起きていきます。これはかつて彼が犯し、いまだ暴かれていない罪の因果が巡ってきたものなのか。緻密な構成と息詰まる展開から目を離せないミステリ。
    世間を騒がせる「肌身フェチの殺人者」と二十年以上前に起こっていたかもしれない事件との繋がりがメインの謎かと思いきや。それ以外にも次々と繰り出される新たな事件と謎に翻弄され、しかもそれがラストであまりに見事に繋がってしまったことに驚愕させられました。最初から最後まで、すべて集約されたひとつの物語。まさしく因果という

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    2020年01月13日
  • 死はすぐそこの影の中

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    ネタバレ

    これはやられた! って感じでした(^ ^;

    物語の序盤は、伝奇ホラー風。
    ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
    謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
    おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。

    それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
    主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
    この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^;

    さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」
    という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^;
    も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^;

    読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、
    ページを遡って読み返すこと数回(^ ^;
    一冊

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    2018年12月07日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    怖かった。
    どこにも書いていなかったが、
    人ならずものが好むのは人の心の闇だと思い、
    それぞれ闇を抱える登場人物の誰が餌食になってしまうのだろうかと、
    怖かった。

    ホラーは好きではない。
    カバーによるとダークファンタジーというらしいが、
    昔の人殺しの話とつながる気味の悪い粘菌の話だとわかっていたら読まなかったと思う。

    しかし、面白かった。
    次々とピースがはまっていくジグソーパズルのように、
    様々な話がつながっていく。
    ただし、そのピースは普通のジグソーパズルとは違って、
    大きさも形も一定ではない。
    大きくて何が描かれているのかが判るピースは当然真ん中に

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    2018年06月24日
  • 入らずの森

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    ネタバレ

    タイトル・表紙・あらすじに惹かれて購入したものの、本棚で「積読」になっていたのを思い出し読み始める。
    舞台は自然に囲まれた集落の寄り集まった村。
    そんな環境に馴染めずにいる思春期の少女・自分に自身の持てない青年・理想を追い求めて移住してきた壮年の3人が主軸になって話が進んでいく。
    他の登場人物にもちゃんと役割が振られており、それぞれが過不足無く動いていく。
    一見どのような役割を持っているのか分からない登場人物も、以外な関わりを持っている(いささかご都合主義のような気もするが)。
    事件の「犯人」は早い段階で見当がつくが、それがどのような形で関わっていくのかが面白い。
    ラストシーンは「きっと、こう

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    2018年04月02日
  • 入らずの森

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    これは、スゴイ(^ ^;

    オカルトであり、ホラーであり、伝奇物であり、
    基本的には「絵空事」なのは100%承知しておりますが。
    それでも、「絵空事部分」以外の描写がリアルで、
    もしやあり得るかも、と思わされてしまう(^ ^;

    登場人物が、みな良い(^ ^
    会社勤めに嫌気がさして、田舎暮らしを始めた男やら、
    大きな挫折を抱えて仕方なく中学教師をやってる男やら、
    親との確執から祖母と暮らす金髪の女子中学生やら。

    田舎の人も、中学生から偏屈な爺さんまで、
    皆それぞれに「実にいそうな」キャラクターで(^ ^
    性格も人間関係・力関係も実にありそうで、
    これがまた物語にリアリティを与えている。

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    2017年10月16日
  • 月白

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    妻を交通事故で亡くした誠

    勤めていた新聞社を辞めフリーのライターとなり戦後混乱期に現れた女連続殺人鬼のルポを書くことに

    当時殺人鬼と言われた北川フサを追いかけていた
    記者道上さんに辿り着き彼が生前書き残していたメモを辿りフサと一時期行動を共にしていた老人にたどり着く

    戦後の時代何があったのか

    何を支えとして生きてきたのか

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    2026年04月12日
  • 月白

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    ネタバレ

    面白かった。
    大垣が誠に全て打ち明けるのかと思いきや、違っていた。話せないほど重い辛い過去なんだなと。
    仲間だったシンジが川に飛び込んだのは衝撃。2人で生き抜いてほしかった。
    戦後、パンパンや慰安婦の話はよくあるけれど、戦争孤児がこんなに厳しい毎日とは。

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    2026年04月12日
  • 羊は安らかに草を食み

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    私たちは、認知症を患った友人を連れ、彼女の人生を辿る旅に出る。彼女の心の奥底にある「つかえ」を取り除くために-。

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    俳句教室で知り合い二十数年の友情を紡いできた益恵、アイ、富士子の老婦人。

    ある日、アイと富士子は 益恵の夫から、認知症が進行した益恵を連れて、「彼女の過去を探す旅に出て欲しい」とお願いされる。

    認知症となる前は自身の過去を多く語ることのなかった益恵。アイと富士子は、益恵の住んでいた町や、かつての知り合いを訪ねる旅で、益恵が送ってきた壮絶な過去を知ることになる。

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    物語は、益恵の詠んだ句集と共に 現在の旅の章と、益恵の生きた過去

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    2026年04月05日
  • 月白

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    「憎しみだけを支えに生きてきたんだ」

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    交通事故で 妻を亡くし、息子の夏樹を一人で育てるフリーライターの海老原。
    以前勤めていた新聞社の出版局から、 ある事件のルポの連載を依頼される。
    それは戦後すぐに起きた連続殺人事件で、北川フサという女性が、戦後の混乱期に五人もの男を次々と殺し 後に逮捕され死刑判決が下されたものであった。

    「殺したいから 殺した」
    裁判でも明確な動悸は明かされず、死刑は異例の速さで執行された。

    フサを「戦後最恐の殺人鬼」と煽る記事も多かった事件に 海老原は乗り気ではなかったが、

    当時、フサの事件を冷静な目で誠実に追った道上というライターの存

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    2026年03月19日
  • 13月のカレンダー

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    両親の離婚により、疎遠になっていた父方の祖父母の家に訪れた主人公の侑平は、その場所で、13月まであるカレンダーを見つける。それは祖父が祖母のために、知り合いに作ってもらった特別なカレンダーだった。

    祖母の寿賀子の出身が広島で、原爆で亡くなった兄がいた事を知り、祖母と交流のあった友人に会うために広島を訪れる侑平。そこで二人の老人から原爆投下直後の広島の惨状を聞くこととなる。壮絶な体験の描写がとてもリアルで、広島平和記念資料館で展示されていた被爆者の遺品や写真、資料を思い出した。どれだけ多くの人が、たった一発の爆弾のために運命を狂わされたのだろうか。被爆後の差別や偏見、理不尽な扱いを受けながらも

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    2026年03月14日
  • 月白

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    妻を事故で失い、小学生の息子を育てるために新聞社を辞めフリーライターとなった海老原誠の元に舞い込んだ、月刊誌での特集記事の執筆依頼。
    終戦後の混乱期に連続殺人で死刑となった女性北川フサについてのレポだった。

    当時の関係者を辿る中で出会ったのは、フサについて当時独自の視点で記事を書いた道上栄介という記者と、フサと行動を共にした戦争孤児の大垣靖男の存在だ。

    誠を舞台回しに使いつつ、大半は靖男の戦争孤児としての過酷な体験が描かれる。

    東京大空襲と非道な犯罪に家族全員を失った靖男が抱える憤り。
    憤りを売春という形に転化した「ラクチョウのお清」。
    憤りを直接相手の体に匕首という形でぶつけたフサ。

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    2026年03月13日
  • 月白

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    ネタバレ

    好きな著者だったので。

    妻を亡くし、シングルファーザーとして一人息子を育てているフリーライターのお話。
    依頼されて、戦後すぐの連続殺人犯のことを記事にすることになるが、
    犯人は女性であるうえにメッタ刺し。
    快楽殺人ではないかという編集者の見立てだったが、
    過去に同じ殺人犯について文献を書いた雑誌記者が残した資料を読み、
    そうではないと思うに至る。
    女と行動を共にしていた少年がいたことが判るが、
    その名前には聞き覚えがあった…。

    連続殺人のうち1件はその少年の犯行であったこと、
    フリーライターが内に抱える憎悪が亡き妻の不貞であったことは、
    予想通り過ぎて少々胸焼けがするぐらいだった。
    後に塗

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    2026年03月15日
  • 13月のカレンダー

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    タイトルに惹かれて読み進める
    十三月の奇跡が起こって良かった!
    侑平が、仕事を辞めたこと
    父がお祖父ちゃんの家を売却して、そのお金をやると言われる…そこは両親が離婚するまで長期的に滞在していた夏休みの場所
    今まで足が遠のいていた後ろめたさが込み上げながら訪れる
    祖母の闘病生活、十三月カレンダー、そして自分が書いた年賀状を見つける
    ルーツを辿ることで父の思い、自分がなにをしたかったか改めて知る機会を得る
    被爆者の思いは、とても言葉ではいい尽くせない辛さがありました…そして、2世やその親族の思いは計り知れないもの
    サバイバーズギルド 生き残った者の罪悪感
    そして、語り部となって原爆の悲惨さを若い世

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    2026年03月04日
  • 謎は花に埋もれて

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    短編集6篇
    花屋さんと警官の夫婦による謎解きの連作短編集かと思っていたらそうでもない偶然が積み重なる運命を描いた物などもあり、どの作品もぎゅっと中身の詰まった作品で読み応えがある。
    「クレイジーキルト」「家族写真」が余韻に残った。

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    2026年03月02日
  • 逆転のバラッド

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    登場人物がおじさん達ばかりですが笑、とても面白かったです。
    最後の最後まで上手く騙され、驚きの連続でした。
    人生の折り返し地点になり、今までの人生を見つめ直した時になってやっと気づく事あるんですね。
    そこから新たにどう行動するかで、自分の人生は全然違った物語に変わるんだと思い知りました。

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    2026年02月25日