【感想・ネタバレ】白と黒のソナタのレビュー

あらすじ

――先生は光でした。
私が求めていた光。

昭和初期、英国ロンドンで造られた、この世に二つとない至高のグランドピアノ。
それは華族の令嬢随子のピアノ教師に贈られるはずだったが……。
戦前、戦後、そして現在。物言わぬピアノが立ち会った栄華と悲恋。
百年の無念と切なる願いを、一台のピアノがつなぐ

ピアノ、それは黒く輝く怪物――
大正十二年、ロンドン。駐英大使平松伯爵の娘・随子は恋に落ちた。才能ある若きピアニスト、グスタフ・アッカーに。
平松伯爵は使用人の少年を現地の工房に弟子入りさせ、アッカーのために贅を尽くしたピアノを作らせるなど、芸術に理解のある人だった。しかしアッカーへの想いを秘めてピアノを弾く幸せな少女時代を送っていた随子には、残酷な運命が待ち受けていた。
現代、日本。世間の注目を一身に集める若手ピアニスト友澤伸多は、さらなる高みを目指して練習に没頭していた。ところがある日、仕上がったはずの曲が弾けなくなった。それはピアニスト生命を断ちかねない、危険な予兆だった。
つらい時、そのピアノは、ただそこにあった。
ひとすじの希望を手繰り寄せる感動のドラマ!

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Posted by ブクログ

かなり王道ではあるが、とっても読みやすかったので、読んで良かったなぁという気持ちがちゃんと残るストーリーだった。

「つながっているー何もかも必然だったのだ。」最後のこの言葉に出会うために私はこの本を読んだんだろうな。
なぜなら私も、人生で起る全ての出来事はみんなつながっていて何もかもが必然であると感じているから。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

新進気鋭のピアニストのために製作されたピアノ「Niemeyer」に関わった人達の人生の悲劇と感動・再生の大傑作大河小説。もっとコンパクトにすればもっと面白い小説になるのにと思う作品が多い中、本作は2倍の文量でも読みたくなるような、ピアノの調べのように流麗な文章に綴られ、時間を忘れるほどの美しさ。行きつ戻りつの展開も絶妙。最近の宇佐美作品は上質で安定しており、何れも傑作揃い。もうマエストロの域で、もっと広く読まれることを望む。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

ピアニスト、調律師、そしてピアノ。
すべてのつながりを感じた作品でした。

才能のある2人のピアニスト、ピアノを愛する調律師達、そしてピアノの数奇な運命をたどる物語は、時代を越えた壮大な物語でした。

時代の流れにそらずに紡がれた物語は、現在と過去の違いをより際立たせていたと思います。特に女性のおかれた立場が、過去と現在ではすっかり変わっているので、過去の不幸にいたたまれなさを感じました。

一台のピアノが知っているすべてを感じることができ、次へと繋いでいくことに光を感じることが出来る作品でした。

読者の私は、多くのクラシック曲のタイトルが出てくるので、聴いてみたくなりました。


〈目次〉
第一楽章 歌う左手「光」の主題
第二楽章 二人のマエストロ
「光」の主題
第三楽章 谷底の牢獄
「光」の主題
第四楽章 桜のお印
「光」の主題


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2026年05月16日

Posted by ブクログ

『呪われたピアノ』と不名誉な呼び名を与えられたニーマイヤー。

至高のグランドピアノをめぐり、人々の愛と憎悪が交錯する本作は、深い余韻を残す。

白と黒の世界に魅入られたピアニストと調律師。
心を押し殺し、死へ追い込まれた二人の女性。

もし時代が違っていたなら。
もし華族に生まれなかったなら。
しあの瞬間、想いを伝えていたなら。

いくつもの if が胸の奥で波紋のように広がり、息が詰まる。

戦前、戦後、そして現在へと時代は連なり、唯一無二のピアノに魅せられた人々の思いも受け継がれていく。

ニーマイヤーは呪いではなく光だった。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

タイトルと装丁から音楽ミステリーかと思わせるが、それを期待して読むと(いい意味で)裏切られる。最近の宇佐美さんはいわゆる“ジャンル小説”から距離を置いているように思え、ぼくは単に「小説・文学」として受け止めた。まあ、音楽小説ではあるけれども。
本作は、呪われたピアノと呼ばれるグランドピアノ「ニーマイヤー」と、それに関わった人々の姿を描いた物語だ。複数の登場人物がどのようにつながり、ピアノと向き合っていくのかが読みどころの1つだ。影の主人公はピアノといってもいいかもしれない。
密度の濃い、読み応えのある作品だった。

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2026年04月24日

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