深町眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2人の男が犬ぞりに乗せて遺体を運んでいる。その度は飢えた狼の群れに追いかけられており、残り少ない弾丸だけが身を守る方法である。
毎晩犬が減っていき、自分たちも同じ運命だと感じた男たちは遺体を木の上に固定して、自分たちだけ身軽になって帰ろうとするが、狼の群れを率いるリーダーはとても賢く、男たちを追い詰めていく。
このくだりはかなり迫力があって、読んでいるだけで緊張する。
この賢いリーダーは雌で、何匹か子供をうむ。そのうちの一匹が白い牙である。飢餓で親兄弟を失ないながらも、過酷な環境で厳しくタフに育っていく。
インディアンとの暮らし、闘犬としての暮らしを経て、最後の主人との出会いまで開拓時代の西部の雰囲気も伝わってくる。
犬についての生き生きとした描写に比べると人間の描写は類型的。
白人は「より優れた神」としてインディアンなどより上の存在として書かれている。差別的な描写であるものの、人間よりも犬が主人公なため、全体を損なうことはない。