深町眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
複数巻の長編を平行に読破しよう月間。継続中。
キングの代表作でもある作品。引越したら、家の裏に謎の「ペットの墓」があった。代々子どもたちによって管理されている墓の隠された秘密とは。
スティーブン・キングらしい、ホラー要素もあるけど、本題は別なんだよねという作品なので、まるっきり純文学のようである。ホラー(と言うか怪談)的要素は、事故で死んだ大学生、パスコーが瀕死で語りはじめる部分くらいで、あとは「死とは何かを納得させる」というのがテーマ。
上巻だけでも結構長く、一瞬出てくる「ペットの墓のほんとうの解釈」という話で切っても、それなりに良い作品だったのではないかと思う。そこからまたグイグイと -
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ホームズを一切読んだことがないというのが長年の読書におけるコンプレックスだった。一年程前からBBCのドラマ「SHERLOCK」にハマり、そこからこの長年のコンプレックスの解消へと、やっと気持ちが向かった。順を追って読むよりも兎に角原作がどのようなものか知りたかったので本作にした。読後の感想はやはり面白いと言わざるを得ない。翻訳物への苦手意識があったが、本作はたまに元の英文が透けて見えつつ、それでも読める日本語できちんと書かれていた。全体的に舞台となる土地の暗さ、陰惨さが書かれ、思わず後ろを振り返りたくなるような雰囲気。そう考えると少しホラーなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
ダニーと、彼の持つ不思議な力“輝き”が中心に描かれているだけでなく、父親の心理描写も原作では多く描かれている。
アルコール中毒になった父親が、教師という仕事から離れざるを得なくなったことや、アルコールが原因で息子ダニーを傷つけてしまったことなどに悩み、後悔し、アルコールを断ち切ろうと努力するが、うまくいかない生活のためにアルコールに依存したくなり迷い葛藤する。
こういった描写がされているのは、キング自身がアルコール依存症であったからかもしれない。
物語のラストも映画と原作では随分異なっている。
映画では、ダニーに焦点が当てられていないため、ダニーを救おうと孤軍奮闘するハローランといった描写は -
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昔、小さい頃に観た映画「シャイニング」は衝撃だった。
エレベーターホールに流れ込む大量の血液、ぶち破ったドアから覗き込むジャック・ニコルソンのニヤリと笑う狂気あふれる顔、などなど。
映画史にもわたしの記憶にも刻みこまれる一作だった。
小さかったわたしは「シャイニング」というタイトルは、呪いとか恐怖といったようなものだと思っていた。
今ならわかるこのタイトルは“輝き”。
でも映画にはそのような要素は無かった。
何故あの映画が“輝き”なのだろう。
キングは映画を気に入っていなかったということも知ったため、もしかしたら映画と原作は内容に違いがあるのかもしれないと思った。それでも暫くは原作を読んでみ -
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ネタバレ上下巻、読み応えあった~。
ダニーだけが生き残るのかと思ったら瀕死の状態ながらママのウェンディも助っ人に駆けつけた黒人のディックも生きててほんとほっとした。
あんな凶暴化して罵詈雑言を吐くジャックを、”あれはパパじゃないのよ、ホテルが乗り移ってあーなってるのよ”って言えるのがすごい。まぁそうなんだろうけど。
ディックとダニーの友情の話しでもあるんだね。
たった一回会っただけなのに自分の命を懸けて救いだすなんて。また飛行機で隣合わせた女性や猛吹雪の中でスノーバイクを貸してくれた”かがやき”を持った親切な人たちにも救われた。
読後感は爽やか。
キーワード 児童遊園のライオン、犬、うさぎ
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Posted by ブクログ
ネタバレ怖い、怖い、まだ何も起きてないけど絶えず不穏な空気が漂っているよぉ。
冬の間雪に閉ざされたホテルで管理人?として家族3人で住む話し。
この旦那が今はお酒を断っているけど、飲むと凶暴になり息子ダニーの腕を骨折させた過去がある。
妻のウェンディは心配性で実母との確執があり息子の予知能力(かがやき)を感じてこのホテルから去りたがっている。
まだ5歳に息子ダニーがある意味この小説の主人公。
聡明で常人には見えないものが見える。
パパを愛していて、離婚しないで欲しいとおもっている。
で、いよいよ下巻。
とうとうジャックがお酒に手をだして凶悪犯になってしまうのか! -
Posted by ブクログ
読者は、誰もが自問したことだろう。もし、主人公と同じ極限的な悲劇に見舞われ、そこから逃れられるすべがたったひとつ残されているとすれば、それを選択するか否か。例え、倫理観に背こうと、非人間性を咎められようと、或る瞬間を「無かった」ことにする方法があるとしたなら。もしそれが、己の命に代えても惜しくない我が子を、「再び取り戻す」ことが可能であったならば……。スティーヴン・キングは、そのあまりにも残酷で、震えるほどに哀しいカタストロフィーを、類い希なる筆致で描き切っていく。
ホラーの要素が濃い終盤よりも、不慮の事故により息子を失った父親、その妻と娘、義父母ら家族の絆が崩壊していく展開がとにかく読ませる -
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