深町眞理子のレビュー一覧
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「おれは聖トマスに似てるのかもしれんな。イエスが復活したと聞いて、“その手に釘の穴を見、自分の手をその脇腹の傷にさしこんでみなければ”、けっしてイエスがよみがえったことを信じない、と言ったあのトマスさ。おれに言わせれば、トマスこそは弟子たちのうちの真の医者だったんだ—―聖ルカじゃなく」
……ていう、主人公の同僚の台詞。「信じるのが宗教で、疑うのが科学」みたいな事を予備校時代、講師の誰かが言って、この ”doubting Thomas” のエピソードを連想したが、光栄な事にキングも同じ事を考えたらしい。そういえば、医師である筈のルカは『キリストの変容』のエピソードでも、神がかった少年の症状を癲 -
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「おれは聖トマスに似てるのかもしれんな。イエスが復活したと聞いて、“その手に釘の穴を見、自分の手をその脇腹の傷にさしこんでみなければ”、けっしてイエスがよみがえったことを信じない、と言ったあのトマスさ。おれに言わせれば、トマスこそは弟子たちのうちの真の医者だったんだ—―聖ルカじゃなく」
……ていう、主人公の同僚の台詞。「信じるのが宗教で、疑うのが科学」みたいな事を予備校時代、講師の誰かが言って、この ”doubting Thomas” のエピソードを連想したが、光栄な事にキングも同じ事を考えたらしい。そういえば、医師である筈のルカは『キリストの変容』のエピソードでも、神がかった少年の症状を癲 -
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クリスティの長編小説。トミータペンスシリーズ。冒険ミステリ。前作長編ではスパイスリラーとされていたが、カテゴライズは曖昧。この辺りは難しいなぁ。(ジャンルが最も大事な訳では無いのだが。)
前作「秘密機関」においては溢れるばかりの若さそこから来る無鉄砲さや溌剌としたエネルギーがこの作品の魅力だった訳だが、彼女達は中年になっても何も変わっていなかった様で(笑)戦時の世の中という物はどこの国でも一緒なのだろうが、現代では中々想像が難しく、当時の世界を取り巻く恐怖感というものは理解できるよりも遥かに恐ろしい環境なのだろうと思う。
そんな世界だからこそ、自身のアイデンティティの為に生きるだろうし、 -
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スティーブンキングの代表作の一冊。
死んだペットを埋めると生き返る墓地の話。
墓地の近所に引っ越してきた主人公一家。ある日、事故で死んだ飼い猫を生き返らせたことが成功体験になり、事故で死亡した幼い息子をペット墓地に埋める主人公。しかし、生き返った生き物は生前とは違う行動を取るようになる。
死んだ家族を生き返らせる、というモチーフから「猿の手」を連想させるが、小説内で主人公も「猿の手」のことを思い浮かべている。「猿の手」では、死体が家のドアをノックするところまでで追い返すが、もし受け入れたらどうなるか、というアイデアが本書のスタートのような気がする。
ホラーのスタイルを取ってはいるが、本質は -
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自伝的な作品『マーティン・イーデン』が非常に素晴らしかったことから、まだ未読の作品も多い(翻訳自体がない作品も多いのだが・・・)ロンドンについて、ぱっと手に入りやすい古典新訳文庫から選んだ1冊。40年の生涯という短さの割にはロンドンは多作な作家だと思うが、翻訳されている作品が少ない分、クオリティが高い作品が選ばれているのかもしれない。そう思わせられたほどに本作も素晴らしい作品。
主人公はサンフランシスコの名家で暮らしていた1匹の犬がふとしたことからカナダ・アラスカの極北の地へと売られ、極寒の地で重い荷物を運び続ける橇犬として活躍する様子を描いた三人称小説である。主人公はこの犬そのものであり、 -
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ネタバレジャック・ロンドンによる北方ものと言われる作品。初めてロンドンの作品を読んだ。カルフォルニア・サンフランシスコからカナダ・アラスカの地へ売られてしまう、セントバーナードなどの雑種であるバックの視点から北方のゴールドラッシュに沸く、人間、犬、狼の暮らしが描かれる。その生活は現代の我々からすると、極めて過酷で暴力的であり、死が隣り合わせの生活である。犬に対する暴力、犬同士の殺し合い、人間の横暴による犬の死。野生による脅迫など、とても生きていけるとは思えない生活である。仮に厳しい自然を乗り越えたとしてもインディアンの襲撃によって命を落とすことがあるという世界。そんな中でバックは野生からの呼び声に応え
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