深町眞理子のレビュー一覧
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今まで、アンネの日記に対して、手が出しにくいところがありました。食わず嫌いならぬ読まず嫌いです。
だけど、呼んでみたら人の悪口ばっかりで、日記らしさがすごかったです。人の悪口ばっかりで人名もたくさん出てくるので、あんまり内容は覚えてないんだけど笑、あ、アンネもちゃんと年相応の子供だぁと思いました。これどういうふうに終わるんだろって思っていたら、小説じゃないからそれはそうだけど、唐突な終わり、、、しかも、最後から二回目の日記に、戦争の状況が好転したっていうことが記されて、すごい嬉しそうに綴ってあったのがますます悲しいです。
今年わたしも小学校卒業してとてもワクワクしてるけど、そんな気分の時に絶望のどん底に落とされたアンネの気持ちが、よくわかる気がします。とにかく、同じことが起こらないように。今起きてるウクライナ侵攻やガザ地区でのことも、はやく終わってほしいです……。 -
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七つの時計
僕は学生時代、古本屋巡りが好きでクリスティ作品は出版社等拘らずに時間をかけて全て揃えた。残念ながら全てを読み尽くす情熱は無かった訳だが、何年も経って再びクリスティへの熱が再燃し、ハヤカワ版を買い直し読み進めるに至る。
当然、以前に読んでいて記憶しているもの、読んだがうろ覚えで何となく記憶にあるもの、全くの初見があり、今作は今回が初見だった。そして幸いにも見事に裏をかかれ、学生時代にかえった様な気分になった。ものの見事に虚をつかれた、どう分類していいかわからないミステリーを久しぶりに体感した気持ちだ。
(ミステリーに縛られる事なく楽しめる。トリックの分類は勝手に叙述トリック、もしくは読者の先入観を逆手に取ったものだと理解している)
何でもかんでも面白いと評価する訳ではないが、僕にとっては良作だ。楽しむ事が出来た。
今作は「チムニーズ館の秘密」の続編にあたり、前作から主人公は変更になっている。チムニーズ館の所有者ケイタラム卿の娘、バンドルを中心に構成されている。魅力的な人物達も健在であり、多少なりとも滑稽なユーモア溢れるパートもあり、起承転結がはっきりしている。前作においては中心人物が他に存在していた為バンドルの魅力は制限されていたが、今作ではとても行動的で魅力ある女性に描かれており主人公として理想的だ。序盤はスリリングではあるが、読みにくさもあり(登場人物が多く名前がわかりにくい。職業も似ている為、手こずる)中々頁がすすまなかったが何故この様な事が起きたのか。については読者の好奇心を見事に捉えていると思う。
前作後、チムニーズ館は他の人物に貸し出されており、ケイタラム卿達は数年ぶりに館へ帰還する訳だが、屋敷ではとある若い人物が睡眠薬の飲み過ぎで亡くなっている事件が起きる。
物語が進むにつれて、バンドルを巻き込み広がっていく事件と、秘密結社「セブンダイヤルズ」の真実。バンドルや仲間達の冒険は魅力的だが危なっかしくてハラハラしてしまう。途中から秘密を共有する仲間が増えていきながら、そしてそれぞれが自分自身を欺きながら政治に関わる人物達との社交に携わり少しずつ謎が紐解かれていく訳だが。冒頭にも述べたが真相が明らかになった直後、空いた口が塞がらないとはこの事であり、そういえばクリスティはこうだったなぁと再認識させられた作品。前作に比べてバトル警視の役割も大きく、彼の人物像が少しだけ垣間見れる。
途中までは「チムニーズ館の秘密」には及ばないなぁと思いながら読んでいたが、中盤から結末までで場合によってはこちらの方がいい?と思わされた作品。「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」と並び、「チムニーズ館の秘密」と「七つの時計」は二対一組で面白さが何段も上昇する。 -
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第二次世界大戦の本として「夜と霧」を読んだけど、それよりももっと有名な「アンネの日記」を読んでいなかったので、遅くなりましたが初読。
外国ではありますが、戦時中の市民の生々しい生活状況を学べました。今私が当時の状況を知りたければ、80-90代の方と話さないと知ることはできないので、とても貴重な体験ができたと思います。
特にアンネはユダヤ人というだけで、迫害を受けていた。ナチスに見つかり、強制収容所に送られないように、13歳から15歳の2年間、オランダの隠れ家で、一歩も家の外には出ることができない生活を送ることに。
多感な思春期を特殊な環境で暮らすことになったアンネですが、終戦後に人々にこの状況を知ってもらうために書き始めたのが、「アンネの日記」。存在は知っていましたが、どういう経緯で書かれたものなのか全く知りませんでした。
いつナチスにバレてしまうかもしれない緊張と閉鎖的な環境で生活する中、時には家族とぶつかり、時には家族と笑い合い、時には恋愛をして、時には戦後どのような職業につくのか、そして、どのような母親になるのかを夢みているアンネの全てが詰め込まれていました。
時代が変わりましたが、人間がしていることは変わりません。今も争いはあちらこちらで起きています。
アンネと同じ様な境遇で辛い思いをしている方がウクライナやイスラエルにいると思うと辛いです。
一日でも早く平和が訪れますように。一人でも多くの命が助かりますように。 -
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みんな大好きトミー&タペンスの第三作
英国文学史上最強の『おしどり探偵』も46歳、『秘密機関』で運命の再会をした時は「ふたり合わせても45歳になっていなかった」のにね〜
双子の息子と娘も成人していて、世間も子供たちもふたりを完全に年寄り扱い
46歳なんてまだまだ現役だろうが!むしろ働き盛りだわ!ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
って思うのは今の日本だからかな
第二次大戦真っ只中のイギリスではそうなんかな?
まぁ太平洋戦争時の日本も戦地に行ったのは若者ばかりだったからね
当時の日本人男性の平均寿命か23歳9ヶ月というんだからたいへんな時代です
あ、またしてもめっちゃ横道に逸れてしまった
横道逸造(誰や!)
はい、『NかMか』ね
まぁ簡単に言うとトミー&タペンスがナチのスパイを見つけるために〈無憂荘〉というゲストハウス(日本で言う下宿屋?)に潜入するという冒険小説です
まぁ、もうあからさまにぜんぜん違う筋追ってるじゃん!とイライラしっぱなしでした
もうアホか!と
分かりそうなもんだろ!
最初からこいつが怪しいだろ!
しかしこれは私がすごいのではなく、再読なのでなんとなく覚えてただけの可能性大ですw
そんでなんかあれが実はあれでみたいな、本作の肝の部分の設定って他の小説でも読んだ記憶がある
しょうがないよ
斬新な設定思いついた!ってなっても「それもう似たようなことクリスティがやってます」てなるもん
もう「いえいえオマージュです」って言うしかないよね
オマージュ海老(ひどい締め) -
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「おれは聖トマスに似てるのかもしれんな。イエスが復活したと聞いて、“その手に釘の穴を見、自分の手をその脇腹の傷にさしこんでみなければ”、けっしてイエスがよみがえったことを信じない、と言ったあのトマスさ。おれに言わせれば、トマスこそは弟子たちのうちの真の医者だったんだ—―聖ルカじゃなく」
……ていう、主人公の同僚の台詞。「信じるのが宗教で、疑うのが科学」みたいな事を予備校時代、講師の誰かが言って、この ”doubting Thomas” のエピソードを連想したが、光栄な事にキングも同じ事を考えたらしい。そういえば、医師である筈のルカは『キリストの変容』のエピソードでも、神がかった少年の症状を癲癇発作と記述していない。 -
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「おれは聖トマスに似てるのかもしれんな。イエスが復活したと聞いて、“その手に釘の穴を見、自分の手をその脇腹の傷にさしこんでみなければ”、けっしてイエスがよみがえったことを信じない、と言ったあのトマスさ。おれに言わせれば、トマスこそは弟子たちのうちの真の医者だったんだ—―聖ルカじゃなく」
……ていう、主人公の同僚の台詞。「信じるのが宗教で、疑うのが科学」みたいな事を予備校時代、講師の誰かが言って、この ”doubting Thomas” のエピソードを連想したが、光栄な事にキングも同じ事を考えたらしい。そういえば、医師である筈のルカは『キリストの変容』のエピソードでも、神がかった少年の症状を癲癇発作と記述していない。 -
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クリスティの長編小説。トミータペンスシリーズ。冒険ミステリ。前作長編ではスパイスリラーとされていたが、カテゴライズは曖昧。この辺りは難しいなぁ。(ジャンルが最も大事な訳では無いのだが。)
前作「秘密機関」においては溢れるばかりの若さそこから来る無鉄砲さや溌剌としたエネルギーがこの作品の魅力だった訳だが、彼女達は中年になっても何も変わっていなかった様で(笑)戦時の世の中という物はどこの国でも一緒なのだろうが、現代では中々想像が難しく、当時の世界を取り巻く恐怖感というものは理解できるよりも遥かに恐ろしい環境なのだろうと思う。
そんな世界だからこそ、自身のアイデンティティの為に生きるだろうし、少なからず自国の為という考えも理解出来る。自分に何が出来るかの葛藤。もっと社会に貢献できると自身では思っているが、年齢など、様々な理由で自分自身を発揮できない、求められていないというのは現代社会でも重々感じるジレンマだ。
今作ではそんな葛藤の中、過去の上司からトミーに対してとある潜入調査の依頼があり、タペンスはそれを聞き得て勝手に夫の潜入先に紛れ、確して二人ともスリル溢れる潜入活動がスタートする。タペンスは若さに溢れた無鉄砲ではなく、元来そういった性質の様だ(笑)
物語はイギリスに潜入しているナチズムの協力者NもしくはMを見つけ出す事。田舎の荘に住む人々の中に該当者がいる可能性があり、素人で顔の知られている可能性の低いトミータペンス二人が住人ね紛れ真相を追う。二人のやり取りについては前作同様、ハラハラドキドキしてしまう事が多く、推察により疑う人物はわかるが信頼した人達に対して警戒心が少なすぎる。トミーは相変わらず命の危機に晒され、タペンスも正体が見破られる危機的状況になっている。仲間達が少なく、アルバートが夫婦とともに協力してくれた事は懐かしく(短編を未読の為、登場しているのかも知れないが)、少しづつ形勢逆転、最後はスリリングであるが見事、結末にいたる。
二人の活躍が中心の冒険ミステリなのだが人物の心象については全体的に乏しい様に思う。クリスティ作品は人物描写、風景描写に優れており、当然、作中登場人物の人物像は見事だが、真相判明後、真犯人とそれに伴う真実に対しての「慟哭」の様な感情があまり感じられなかったのが残念だ。そこまで・・・と言われるかも知れないが、二人が養子の話題を挙げている事からもこれについての怒りがもっと表現されても良い様に思う。
トミーとタペンス二人が中年になっており、魅力的な二人の双子の娘息子がいる。小説内での時間経過は発表当時であれば読者も同じ様に人生を重ね二人の変化を楽しめるのだろうが、過去の作品としてまとめてシリーズを読めてしまうと作中の世界にどうしても哀愁を感じてしまう。一方、歳を重ねた二人も魅力的で、どこか愛らしく思えてしまう。シリーズは短編集含めて五作品あり、二人の人生を共に歩むという意味ではポアロ、マープルのシリーズより感慨深いシリーズである。