深町眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供の頃にいくつか読んだ作品たちなのですが、全く内容を覚えていなかったので今この機会にと思って再読…だけどほぼ初めて読むような気持ちでした。映像ではいくつも見ている話ですがとても新鮮な気持ちで読めました。
長編より短編の方が読みやすくて好きなので、これはドンピシャですごい面白かったです!
あまり人が死なないのもいいですね。
なるほどこれが世界にシャーロキアンを大量発生させた作品たち。納得!
ホームズもですがワトソンも、依頼人たちのキャラクターもみんな立ってて面白かった。
シャーロック・ホームズシリーズはまた続けて読んでいこうと思いました。
「技師の親指」「青い柘榴石」が特にお気に入りです。 -
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購入から1年ちょっと、ようやく読み終えました。私は買ってから一度、この本を挫折しました。それはこの本が、戦争とかのことではなく恋愛とか母親への愚痴とか普通の女の子の日記であったからです。(しかも580ページある分厚い本)
今回友達に「夜と霧」を貸してもらい、そちらを読むより先にアンネの日記を読もうと決意することができました。ありがとう笑
普通の女の子の日記と書きましたが、空に戦闘機が飛び、街のどこかでは爆撃の音がする、自分たちは外に出ることはおろか、窓を開けること、部屋で大きな声を出すことすらままならない隠れ家生活の中で、恐怖に支配され続けるよりかは少しでも希望を持って明るく生きようという -
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Posted by ブクログ
極寒のアラスカで生きぬこうとする犬の物語。
圧倒的な自然描写と生きものへの深い愛を感じた。古典新訳がとても読みやすく引きこまれた。
カリフォルニアのお屋敷の飼い犬だったバックは、拉致されゴールドラッシュに沸く極寒の地に連れてこられた。主人が振り上げる鞭や棍棒を前に、尊厳は限りなく踏みにじられていく。人間の冷徹さが容赦なく描かれてあり、そり犬となったバックの心身の痛みが伝わってくるようだった。
厳しい環境に順応していくうち、バックの野獣の血が闘争心を掻き立てる。リーダーの地位を望むバックと先導犬スピッツとの死闘の場面は凄まじかった。
そして第5章、春になり溶け始めた氷の上を積荷を満載したそ -
Posted by ブクログ
言うまでもなく超有名な「アンネの日記」。第二次大戦時、ナチス占領下のオランダ・アムステルダムで隠れ家生活を送っていたユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクの日記様式の文学作品。
教科書に載っていた部分しか読んだことなかったので、全てを読んでみたいとは思っていました。
全てを読み終えて思うのは、思っていたより悲壮感が少ない。
隠れ家生活ということから想像していたのは、完全に外部との接触を絶たれ、なんの情報も入らない監禁のようなものでした。その時点で、勘違いしていました。やはり、読まないとわからないものです。
平穏な日常ではないし、先の見えない窮屈な生活を送っている中での諍いや苦労、困惑もあるの -
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18歳の時、有名な題名に惹かれ、なんとなく「アンネの日記」を買った。
本を好きになり始めたばかりの当時の自分には読破は難しく、挫折してしまった。綺麗な伏線の敷かれた小説とか、腕のある学者が書いたサイエンス本とは違い、若干単調で、長いというのは正直あった。
家から出られず、戦時下で、楽しい出来事がなかなか起きないのだから、そりゃ多少つまらない箇所も多かろう。しかし、時々見せるアンネの弱音や不安が鮮烈だし、日記にしっかりと残された「戦争がいかに愚かであるか」という声を聞き逃してはならない。
そして、本の終わり=アンネの終わりを意味しており、読み進めるにつれてアンネの死に近づいてしまう。1人の -
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズの2作目。『緋色の研究』のような、推理と事件の背景や動機を章立てで区切ってはいませんが、後半の犯人の独白によって1作目と似た構成をとっています。自分は、この過去に遡って犯行に至るまでの経緯が、一つの物語として読めるところが好きですね。
また、原文がいいのか、訳文がいいのか。おそらく、その両方なんでしょう。会話文も登場人物ごとのキャラも立っているせいか、不思議と読んでいて気持ちよかった。後半の犯人による当時の歴史的背景を踏まえた独白は、江戸っ子言葉に遠州弁か三河弁が混じったような訳文もよく合っていたと思います。なんだか推理小説というより、文学作品を読み終えたような読後感。 -