深町眞理子のレビュー一覧
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シャーロック・ホームズとワトスンはどのようにして出会ったのか、なぜ二人が共同生活をすることになったのか、といった経緯から描かれています。こうして二人は出会ったのだと、初めて知りました。
ホームズは初対面のワトスンに「きみ、アフガニスタンに行ってきましたね?(p17)」といきなり言います。ホームズの観察力と推理力に、最初から驚かされます。
また、ホームズの、自身の仕事にとって役に立つ知識は卓抜なものだが、無用な知識はすぐ忘れるよう努め皆無なところ、自分の推理術を称賛されると、はにかんでしまうところなど、知らなかった一面を知ることができ、魅力的にも可愛らしくも思いました。
この作品では、二人 -
Posted by ブクログ
観察と推理というやりかたをするホームズが携わった事件をワトスンが記録した、という形式の作品です。“日常的な謎を扱っている作品が多い(p519)”です。
『ボヘミアの醜聞』
ボヘミア王家を揺るがした一大スキャンダルをホームズが解決しようとするのですが、ホームズが“あの女性”の機知の前に破れ去ります。まさかホームズが負けるとは、意外でした。
『赤毛組合』
赤毛の男子ならばちょっとした仕事で週給四ポンドもらえるという“赤毛組合”、質屋の店主に勧める店員、最初からとにかく怪しいです。奇妙で、重大な事件でした。
『花婿の正体』
結婚式当日に消えてしまった花婿は、血も涙もない悪党でした。こういった悪 -
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何度読み返しただろう。
まだスプートニクの打ち上げよりも前に書かれたにもかかわら修正すべきところはないという驚きの作品。
月面の海を航行する観光船が突如海に飲み込まれる。海を構成するのは固体と液体の悪いところばかりの性質をもつ細かい塵。この海の存在のみがSF的設定。閉鎖空間でのパニック・コントロールと次から次に発生する困難に立ち向かう乗員。パニック映画の王道をいく設定でクラークの独特の巨視的視点を絡めながら描かれます。
自分がこの本を読みたくなるタイミングには傾向がやはりあったことに気づきました。困難な状況に陥っているタイミングなのでした。逃れられないし根本問題も解決することができない状 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読むのを止められなかった。
特に中盤から。あールイスお願いだからゲージを掘り起こさないで、きっと猫のチャーチみたいに、一度戦死したあの青年みたいに邪悪な薄気味悪いゲージになって戻ってくるよ。
あの父と子、二人で凧揚げした美しい思い出を胸に生きていって…と心で叫んでたよ。
でも、甘かった。邪悪な性格で戻ってくるそんな生やさしい次元じゃなかった。隣人の老人シャドと自分の母親までも
一瞬で殺めてしまうなんて。
ルイスはそしてまたしてもやってしまったんだね。
その日のうちに埋めれば奥さんはまともに戻ってこれたの?
ルイスの喪なったもの(息子)の愛が痛切に伝わってきて、
ゲージの成長が想像で語られている -
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購入済み
知るべき事実
アウシュビッツを訪れる機会に知り合いに勧められてアンネの日記を読みました
戦場下での生活や当時の情勢も交え、多感な時期の少女がありのままの気持ちを残した貴重な資料だと思います。
またこのような普通の少女が本当にただユダヤ人というだけで強制連行されてしまう狂気さ残酷さを収容所訪問と合わせて知ることができた。
この完全版は長くて読みきるには時間がかかりましたがそれ以上に価値があり、読むべき一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
ルイス一家に訪れた悲劇。ルイスは悲しみのあまり、人間の禁忌を超えようとするのだが…
怖さに加えて、クライマックスの盛り上がりももちろんあるのですが、それ以上に哀しさが印象に残る作品でした。もし突然家族がいなくなってしまったら、人間は正しくない、と分かっていながらも行動を起こすのか、
ルイスの葛藤や悲しみの描写は読者の心を強く揺さぶると思います。キングのホラーが心に残るのは、こうしたところもしっかりと書き込まれているからだと思います。
物語の中にちりばめられた死への悲しみとそれに対峙しようとする人々の姿、そうした悲しみにつけこんで力を得ようとする”魔”。超常的なホラーでありながらも、ど