【感想・ネタバレ】渇きの海のレビュー

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Posted by ブクログ

何度読み返しただろう。

まだスプートニクの打ち上げよりも前に書かれたにもかかわら修正すべきところはないという驚きの作品。

月面の海を航行する観光船が突如海に飲み込まれる。海を構成するのは固体と液体の悪いところばかりの性質をもつ細かい塵。この海の存在のみがSF的設定。閉鎖空間でのパニック・コントロールと次から次に発生する困難に立ち向かう乗員。パニック映画の王道をいく設定でクラークの独特の巨視的視点を絡めながら描かれます。

自分がこの本を読みたくなるタイミングには傾向がやはりあったことに気づきました。困難な状況に陥っているタイミングなのでした。逃れられないし根本問題も解決することができない状況では、自分の持つスキルと周りの協力を引き出すことでしか脱出することはできない!今もって胸に響く傑作です。

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2017年05月22日

Posted by ブクログ

とても面白かった。
SFはあまり得意ではないけれど、これはとても読みやすく、月での風景がよく想像できた。本当にこんな世界があるんだと思い込んでしまうくらいにリアルな描写ばかりで、読んでいる間は間違いなく月旅行していた。でも、ところどころに古い機器の名前が出てきて、ああ、古典SFなんだと思い出さされた。それも含めて愛すべき世界観だと思う。
最後までハラハラしました。

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2013年12月03日

Posted by ブクログ

斬新で見た事もない情景を、これ以上ないほどリアルに感じさせる筆力。その異世界で繰り広げられるサスペンスフルなストーリー。
SF設定のディザスター物の中で最も魅力に満ちた物語、それが巨匠A・C・クラークの「渇きの海」だ。
月にある「流れる砂の海」その砂の海に沈んだ遊覧船。SFとしての設定がストーリーに寄与し、それが新たなセンス・オブ・ワンダーを生み出す。SFでなければ生まれ得ない感動が本作にはある。SFが好きなら必読の傑作だと思う。

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2013年02月13日

Posted by ブクログ

ああ、クラークの書いた本を読んだなぁ、という感じ
クラークの宇宙ものだけあって、考証はさすが

但し、前半活躍してた登場人物を中盤以降もフェードアウトさせまいと無理くり登場させた挙げ句、結局よくわかんない感じになったり、円盤信者が変なタイミングで目立ったり、薬物中毒者のくだりって必要?とか、登場人物がイマイチ。
登場人物のエピソードは思いつきで書いてる?と思ってしまう。なんとなく坂の上の雲を連想した。

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2012年03月10日

Posted by ブクログ

月の表面にある「渇きの海」。それは、あまりの細かさ故に液体のような特性を示すミクロの砂が海のように広がる月有数の絶景地である。観光客を乗せてこの「渇きの海」を遊覧する船が、突然の事故で「渇きの海」の底深くに埋もれてしまう。軽量のダストスキーしか近づけない「渇きの海」のただ中で、砂に埋もれた観光客と遊覧船スタッフを救い出すために、果たしてどんな作戦が取られたのか?救出作戦の顛末は?

クラークがこの作品を執筆した当時、月表面には「渇きの海」のようなエリアが実在すると考えられていたそうです(実際には観測されていません)。この作品の真骨頂は、執筆時点における最先端の科学理論を前提として広げ得る想像力の範囲内で100%物語を構築している、つまり「その時点での嘘は一切ついていない」ということ。まるでドキュメンタリーを読むかのような筆致、まさに未来の「プロジェクトX」。ハードSFの代名詞・クラークの面目躍如たる佳作です。

ただし、あくまでも月面の一エリアでの出来事の描写に終始するストーリーですから、スケール感はかなりこじんまりしてます。また、いかにもクラークらしく、キャラクターの人物造形はステロタイプで深みはありません。それでも面白い、と思えるのは、ひとえにこの作品がジャンルSFだからだと鴨は思います。SF初心者にこそ読んで欲しい作品ですね。

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2013年05月13日

Posted by ブクログ

SF好きと称しながら、クラークしか読んでいないのは偏食というもの、だけど彼を読み尽くすだけで人生おわっちゃう、ってくらいたくさん本がある。

「2001年宇宙の旅」「幼年期の終わり」は、あまりにも有名。どちらも大学時代に読んで哲学書とみまごうほどに、(そういえば、大学のインド哲学通論の教授が、ウパニシャドを研究するなら「幼年期」を読めとおっしゃっていました) 内容が華麗だったので以来手に取って、読めるものは読む。長そうなら断念。


月に塵のような小さな粒子で出来た湖があり、そこを観光船が遊覧している道中、予想もつかなかった出来事が起こる。

その塵をとりまく、人間の攻防や心理状況がリアルに描写されており、わくわく感でいっぱいになる。

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2010年05月04日

Posted by ブクログ

色々な人が乗り合わせるから心強くも、不安にもなる。この本の登場人物はあまりドキドキの要素にはならなかったが、一難さってまた一難の救出劇はドキドキ。

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2009年10月07日

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