深町眞理子のレビュー一覧

  • ペット・セマタリー(下)

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    下巻に入り、いよいよ禁断の扉を開けてしまうルイス。
    クライマックスはほとんど最後の部分なのだが、そこに至るまでに、数々のルイスの悲しくも激しい心情が描写される。
    非常にずっしりとくる読後感。
    悔いのない人生を生きていきたいと思える、ヒューマンドラマでもある気がする。

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    2020年09月26日
  • ペット・セマタリー(上)

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    所々、脱線があり読みづらい部分もあるが、キングの世界観にあっという間に引き込まれる。
    ホラーではあるがキングらしい人間の悲哀、愛の物語。
    これを読むと、毎日を大切に生きようと思える。

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    2020年09月26日
  • [グラフィック版]アンネの日記

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    恥ずかしながら『アンネの日記』を読んでいない。
    小学校低学年の時に簡略版を読み、その後絵本や、様々な著者によるアンネの本(ホロコーストの本も)は読んだので、一応知っているつもりになって、もともとの『アンネの日記』を読みたいという気持ちがなくなってしまったというのもあるし、結構厚いので、いくら歴史的な本とはいえ、少女の独白だけの本が正直言って面白いのか?と疑問も湧き、読まなかったのである。
    そしてまた、別の著者による『アンネの日記』に手を出してしまった。

    グラフィック版とあり、ぱっと見るとマンガ化かと思うが、ちょっと前読んだ『サブリナ』みたいに、かなりきちんと作り上げられており、安易なマンガ

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    2020年08月09日
  • ペット・セマタリー(下)

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    ネタバレ

    ゲージが帰ってくるのは終盤の終盤。そこに至るまでのルイスの葛藤、レーチェルやエリーの手に取るようにわかる焦りや不安、恐怖の描写にみるみる引き込まれる。
    ジャドがあの場所を知ったのも、ルイスにそれを教えてしまったことも、全てはあの土地によって"必然"とされた出来事なのだろうな、と思う。もっと言えば、ルイスが都会での生活に疲れて大学に転職する、という決断を下したことも。あの悲劇は必然だったのだろう。
    映画を観た時は、ルイスもレーチェルも、それぞれが死とちゃんと向き合わなかったことによって報いを受ける話、という風に受け取ったけど、原作は、あの不思議な魅力を持った土地に取り憑かれた

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    2020年07月31日
  • シャーロック・ホームズの冒険【深町眞理子訳】

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    この本を読むだけでも、今現在世の中にある推理モノの元ネタがシャーロックホームズから来ているのがわかる。
    読んだことないけど事件の流れや結果は知ってるなあ…みたいなものが結構あった。まあお話が有名ってのもあるけど…!
    でも何回読んでも面白いし改めて気付いたりする所があるからすごいよね〜。

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    2020年07月01日
  • ペット・セマタリー(下)

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    ネタバレ

    哀しみに溢れた作品。 ルイスが一番苦しんだか。
    エリーは第六感がすごく、それがせいで母親を死に追いやったのを知ったら苦しむだろうな。

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    2020年06月15日
  • シャイニング(上)

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    2020/1/4
    映画見て、ドクタースリープまで読み切っての感想だけど
    とりあえず上巻なのでラストの終わりはここで終わられたらドキドキしちゃうじゃん!読んでると家鳴りすごくて怖いし!って思った

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    2020年05月25日
  • シャイニング(上)

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    ネタバレ

    2020.5.16

    420Pあるけど、読みやすいしあっという間に読み終わった。
    上巻では、この家族の過去〜ホテルでの生活、217号室へ。

    映画よりも各々の心情がハッキリ分かる。

    ジャックの自己嫌悪な気持ちも理解できるし、ウェンディの離婚しようかどうしようかって気持ちも理解できるし切ない。
    ダニーが映画よりもずっとずっと大人な印象。

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    2020年05月16日
  • シャイニング(上)

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    あるホテルに住み込むことになった予知能力を持つ5歳の男の子とその両親に降りかかる怪異。ホテルで起こる怪異現象の恐怖にヒヤヒヤする。

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    2020年01月16日
  • シャイニング(下)

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    「自分たちがどういう危険に踏み込んでいこうとしてるか、それを知らなかったために、いまその山のなかで立ち往生しているのは、その登山者たちだけじゃないんだ。」p.230

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    2019年12月07日
  • たんぽぽ娘

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    ネタバレ

    ロバート・F・ヤングが送るSF短編集。全体的にハッピーエンドが多くロマンチックな作品が多い。

    「特別急行が遅れた日」
    SFでよくある「小さな世界」の短篇。そのネタ自体はオチまで読まずとも察しのつく読者は多いだろう。日常的な日々の中のちょっとした変化と、被造物がこの階層からなる小さな世界とその創造主を意識した所で短篇は終わる。変化はまさに神のいたずらであり、いつもと変わりない日々が固定されているのはゾットするのを通り越して諦観にも似た気持ちを抱いてしまう。

    「河を下る旅」
    表題作を除けば個人的にはこれが一番面白かった。謎の河下り。薄々その理由に気がついているがそこから目を背けている男女。とど

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    2019年05月29日
  • 野性の呼び声

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    ネタバレ

    英語学習者向けとして読んだ物語の日本語訳版に触れてみた。この訳者の用いる日本語が最適なのか,原文の力強さがそのまま反映されているのかはよくわからないが,細かなシーンにぴったりの言葉の並びに感銘を受けた。野性味溢れた荒々しさとともに共存する美しさが純粋に表現されているのに加え,主人公の犬が擬人化されすぎていない。人間のような感性を動物に当てはめるのではなく,動物が持つ本能的な「悟り」が描かれており,主人公が動物のわりには,ただの動物好きが書いたり読んだりする小説ではないところが素晴らしいと思う。

    【ここからネタバレ注意】
    それに加えて,この物語は人間に対する危惧の意味も含まれていると感じる。動

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    2019年05月14日
  • シャーロック・ホームズの事件簿(新版)【深町眞理子訳】

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     『事件簿』と聞いたら、中年から老境にかけての日本人シャーロッキアンは複雑な表情を浮かべること必至だろう。
     ホームズの冒険談は長編が4、短編集が5つ。9冊でコンプリートできるはず。……はずなのに、ミステリ好きが愛する創元推理文庫版では8冊しか揃えられない。新潮文庫版では10冊になってしまう。おかしな状況が長らく続いていた。
     というのも『事件簿』の版権を新潮社が握っていたため、他の出版社は出せなかった。
     創元推理文庫で8冊を揃えたシャーロッキアンは、しぶしぶ新潮文庫版『事件簿』を買った。これでコンプリートできるかと思えば、さにあらず。
     なんと、新潮文庫は他の短編集から少しずつ間引

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    2019年03月17日
  • 茶色の服の男

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    ミステリーあり、恋愛あり、若くてきれいで無鉄砲な女探偵のものがたりで楽しく読めた。1924年当時、女性が活躍する小説というのは今と受け取られ方がどれくらい違うのかな?職業婦人に対する憧れと同じくらい結婚にも憧れる。今と変わらないように思うし、女性は女性らしくエンディングを迎えられたことにとってもうれしい気持ちになったなぁ。

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    2019年03月11日
  • シャイニング(下)

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    下巻の後半、一気に読んで寝不足(そして眠れなくなった・笑)

    ジャックが自分の心と戦う場面で、もっと頑張ってよ!!と思ったりもした。癇癪持ちの父親でも、ダニーは本当にジャックのことを愛しているんだもの。頑張ってほしかった…
    そしてハローランがいてくれて良かった!

    一応、ハッピーエンドにはなったので、キングを読む時のいつものモヤモヤ感はなく終われた。
    けれど…
    ハッピーエンドなのに、不安感が残るのはキングならではだなー

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    2018年08月09日
  • シャーロック・ホームズの冒険【深町眞理子訳】

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    今読んでも、ほんとうに傑作ぞろいのすばらしい短編集。とくに赤毛組合は、みごとですわ~。
    これ、「ストランド誌」に掲載されていた当時の熱狂を想像すると、ちょっとテンションあがる。しかもドイルはものすごい速筆だったらしく、こんな完成度の高い短編をほんの2週間かそこらで書いていたらしいんですよね(というのは、ほかの本で読んだ。)

    子どものころポプラ社版のホームズを片っ端から読んでいた記憶はあるものの、ちゃんと発表順にしらみつぶしに読んだわけではないので、この機会にちゃんとぜんぶ読んでみようと思います。つぎは「帰還」かな?(ちがった。回想だ。)

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    2018年07月30日
  • シャイニング(下)

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    いよいよ本格的狂気炸裂の下巻。キーワードたる”レッドラム”は、なるほどそういうことか。ごく限られた登場人物に、ホテル内という閉鎖的空間。そんな中、次から次へとトラブルが起こって、飽きさせられることもない。それはもう、売れますわな。あと、自身で製作した映画版、そんなつまらんのなら逆に観てみたい。

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    2018年07月20日
  • シャイニング(下)

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    一気に読んだ。
    なんか、ジャックといい、ダニーといい、ウェンディといい、ホテルの“管理人”といい、全てが気の毒に感じた。何故かは分からないけれど。
    そのホテルの跡地には、やっぱり“管理人”の無念や思念が残り続けるんやろか。
    ハローランが、資材置き場で取り憑かれかけたシーンはゾクっとした(笑)

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    2018年07月07日
  • シャイニング(上)

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    大学生時代に映画版は観てるけど、原作は初めて。ってかキング作品を読むの自体、これがはじめてかも。ちなみに”百年の誤読”から。ただ映画版で印象に残っているのは、もはやジャックニコルソンの圧倒的演技くらいで、内容は殆ど覚えてなかった。上巻では、父の内に秘められた狂気性とか、あちこちに不穏な雰囲気を纏うホテルの描写とか、これから起こる悲劇の予兆があちこちに… 登場人物が少ないせいもあろうけど、リーダビリティの高さも特筆もの。

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    2018年05月28日
  • 回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】

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    ネタバレ

    『〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪』
    近く開催される予定の〈ウェセックス・カップ〉の本命馬である〈シルヴァー・ブレーズ〉号の不可解な失踪と、同馬の調教師ジョン・ストレーカーの惨死という事件です。馬が無事でよかった、調教師ストレーカーは卑劣だ、と思いました。

    『黄色い顔』
    ノーベリーに別荘を借り、しあわせに暮らしてきた夫婦ですが、あるときから夫は妻の秘密に悩まされることになります。夫の話を聞いていると、途方に暮れて苦しくもなりましたが、最終的にはやさしい、しあわせな物語でした。
    また、ホームズの“見込みは結果的にまちがっていたものの、事の真相だけははからずも明らかになる(p56)”、ホームズに

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    2018年03月10日