深町眞理子のレビュー一覧
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子供の頃にいくつか読んだ作品たちなのですが、全く内容を覚えていなかったので今この機会にと思って再読…だけどほぼ初めて読むような気持ちでした。映像ではいくつも見ている話ですがとても新鮮な気持ちで読めました。
長編より短編の方が読みやすくて好きなので、これはドンピシャですごい面白かったです!
あまり人が死なないのもいいですね。
なるほどこれが世界にシャーロキアンを大量発生させた作品たち。納得!
ホームズもですがワトソンも、依頼人たちのキャラクターもみんな立ってて面白かった。
シャーロック・ホームズシリーズはまた続けて読んでいこうと思いました。
「技師の親指」「青い柘榴石」が特にお気に入りです。 -
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購入から1年ちょっと、ようやく読み終えました。私は買ってから一度、この本を挫折しました。それはこの本が、戦争とかのことではなく恋愛とか母親への愚痴とか普通の女の子の日記であったからです。(しかも580ページある分厚い本)
今回友達に「夜と霧」を貸してもらい、そちらを読むより先にアンネの日記を読もうと決意することができました。ありがとう笑
普通の女の子の日記と書きましたが、空に戦闘機が飛び、街のどこかでは爆撃の音がする、自分たちは外に出ることはおろか、窓を開けること、部屋で大きな声を出すことすらままならない隠れ家生活の中で、恐怖に支配され続けるよりかは少しでも希望を持って明るく生きようというアンネの気持ちが見えてきます。
また、この14歳の少女の精神の強さに驚くと共に、思春期である14歳らしい一面をたくさん見ることができます。
短縮版はアンネの日記の性に関することや母親への批判などが削除されているそうですが、確かにその部分を削るとユダヤ人迫害における人種差別問題についての本となりそうです。しかし、こちらの増補新訂版を読むことで、アンネ・フランクという1人の少女についてより深くについて考えることができると思います。
アンネのその後はご存知のとおりですが、それでもあとがきで心が抉られました。 -
Posted by ブクログ
極寒のアラスカで生きぬこうとする犬の物語。
圧倒的な自然描写と生きものへの深い愛を感じた。古典新訳がとても読みやすく引きこまれた。
カリフォルニアのお屋敷の飼い犬だったバックは、拉致されゴールドラッシュに沸く極寒の地に連れてこられた。主人が振り上げる鞭や棍棒を前に、尊厳は限りなく踏みにじられていく。人間の冷徹さが容赦なく描かれてあり、そり犬となったバックの心身の痛みが伝わってくるようだった。
厳しい環境に順応していくうち、バックの野獣の血が闘争心を掻き立てる。リーダーの地位を望むバックと先導犬スピッツとの死闘の場面は凄まじかった。
そして第5章、春になり溶け始めた氷の上を積荷を満載したそりが行く。災厄の予感に、棍棒が体に振り下ろされても動くことを拒んだバック。
バックを助けたジョン・ソーントンと見まもる先には、割れた氷の穴へ落ちていくそりの姿があった。 映像が見えた気がした。
主人が変わる度に暴力で痛めつけられ支配された長い日々。バックは優しい眼差しで語りかけるソーントンと出会い、穏やかな癒しの時を過ごすが、森の奥深くから聞こえる声は彼の本能を呼び覚ましていく。ソーントンとの辛い別れののち、野生の兄弟の元にかえっていくラストに心が震えた。
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言うまでもなく超有名な「アンネの日記」。第二次大戦時、ナチス占領下のオランダ・アムステルダムで隠れ家生活を送っていたユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクの日記様式の文学作品。
教科書に載っていた部分しか読んだことなかったので、全てを読んでみたいとは思っていました。
全てを読み終えて思うのは、思っていたより悲壮感が少ない。
隠れ家生活ということから想像していたのは、完全に外部との接触を絶たれ、なんの情報も入らない監禁のようなものでした。その時点で、勘違いしていました。やはり、読まないとわからないものです。
平穏な日常ではないし、先の見えない窮屈な生活を送っている中での諍いや苦労、困惑もあるのですが、将来への希望や未来への目標を持ち続けているアンネの精神性によって、陰鬱ばかりではないのが救われる部分でありました。
正直、苦悩や悲嘆に塗れたものだとばかり思っていたので、読み進めるために覚悟をしていたのですが、少女の青春を日記として読んだという感想を持つとは予想外でした。
だから、なおさらこのアンネという少女が、平穏な日常を送れなかった戦争という現実を憎まずにはいられない。アンネ・フランクだけでなく、戦時下における全ての民間人は、本来過ごすはずであった平穏を不条理に奪われてしまった被害者である、ということは強く記憶に留めておきたいし、誰もがその立場になってしまうということも理解すべきだと思います。
戦争がなければ、ナチスの台頭がなければ、彼女は多くの同世代の少女と同じように、日々を過ごしたことでしょう。
未来の夢を語り、淡い恋に身を焦がし破れた痛みを涙で癒し、お菓子の味に文句を言いながら満腹になるまで食べ、体型を友人と比べてそれを後悔する、というような。
どこにでもいる、特別でないけどただ一人のアンネ・フランクとして、子供から大人への階段を時につまずき、時に1段飛ばしで駆け上がって行ったのだと思います。
戦争の記憶は、戦史として記録されているものも、国家の公式記録として残されているものも大事ですが、一人の人間の記録も貴重なものとして残しておかなければならない、と思います。どちらか片方だけでは、理解が追いつかない。
「アンネの日記」だけでなく、他の残された記録も知らなければならない、と思います。この1冊だけを読んで、その感想だけで思考を止めてはいけない。 -
Posted by ブクログ
18歳の時、有名な題名に惹かれ、なんとなく「アンネの日記」を買った。
本を好きになり始めたばかりの当時の自分には読破は難しく、挫折してしまった。綺麗な伏線の敷かれた小説とか、腕のある学者が書いたサイエンス本とは違い、若干単調で、長いというのは正直あった。
家から出られず、戦時下で、楽しい出来事がなかなか起きないのだから、そりゃ多少つまらない箇所も多かろう。しかし、時々見せるアンネの弱音や不安が鮮烈だし、日記にしっかりと残された「戦争がいかに愚かであるか」という声を聞き逃してはならない。
そして、本の終わり=アンネの終わりを意味しており、読み進めるにつれてアンネの死に近づいてしまう。1人の人間の人生が詰まった一冊としては、あまりにも短い本であると、今なら言える。
25の今、改めて再チャレンジしてみると、いろいろな発見があった。
そもそも「アンネの日記」はなぜ日記であるのに、本の形式で出版しても問題なく読めるのかについても書いてあった。アンネは最初は好きなように書いていた日記を、戦後誰かに見られることを想定して、清書しなおしたらしい。
たとえ架空とはいえ、キティーに見られることを想定した文章であったから、そもそも文章が整っていた可能性も高そうだ。
また、アンネは冒頭で、日記を書いているのは"ほんとうの友達"がいないからだと述べている。アンネがまだ学校に通えていたら、アンネがもっと長く生きていられたのなら、彼女の言う"ほんとうの友達"に出会えていたかもしれない。現実はあまりにも残酷である。
日記の中で、ペーターとの恋愛について書かれるが、「ティーンの女子だったから起きた自然な恋愛感情」なのか、それとも、「楽しみが少ない中で、唯一アンネの心を癒してくれたのが恋愛」だったのか。 -
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズの2作目。『緋色の研究』のような、推理と事件の背景や動機を章立てで区切ってはいませんが、後半の犯人の独白によって1作目と似た構成をとっています。自分は、この過去に遡って犯行に至るまでの経緯が、一つの物語として読めるところが好きですね。
また、原文がいいのか、訳文がいいのか。おそらく、その両方なんでしょう。会話文も登場人物ごとのキャラも立っているせいか、不思議と読んでいて気持ちよかった。後半の犯人による当時の歴史的背景を踏まえた独白は、江戸っ子言葉に遠州弁か三河弁が混じったような訳文もよく合っていたと思います。なんだか推理小説というより、文学作品を読み終えたような読後感。
といいつつも、初っ端からホームズのコカイン注射からはじまり、犬を使った捜査、宝探しや船による追跡劇、果てはロマンスありと、推理小説なので人殺しはありますが、雰囲気のよく分かるイラストも手伝って、総じてワクワクしながら楽しく読むことができました。ただ『緋色の研究』に出てきた〈ベイカー街少年隊〉がもう少し活躍してくれたらなとは思いましたが。
その『緋色の研究』と本作を比較すると、章で分けずにシームレスに物語に事件の背景や動機を組み入れている本作の方が、物語としてのまとまりが取れていたと思いました。
あらすじ:
ホームズにとって、その頭脳に見合う難事件のない日々は退屈極まりなく、日に三度も薬物を皮下注射しており、相棒のワトスンが神経にさわると評する呆れよう。ホームズ自身は、自らを唯一の私立探偵コンサルタントだと主張し。退屈しのぎに、ワトスンの書いた『緋色の研究』をけなしたり、観察や推理でワトスンの行き先や行動、はては懐中時計一つから家族構成や性格まで当ててみせ、自らの薬物依存を長広舌で正当化する始末。
そんなおり、ミス・メアリー・モースタンなる女性が訪れて、奇妙な事件の相談を持ちかけられます。それは、父が失踪したのち、毎年のように高価な真珠が送られてくるようになったというもの。そして、その送り主から呼び出しの手紙がきて、二人は同行を頼まれて、彼女とともに待ち合わせ場所に向かいます。しかし、そこで待っていたのは不可解な現場と〈四の符牒〉でした……。 -
Posted by ブクログ
隠れ家でひっそりと暮らし、悲しく辛いことが身の回りで起きていても、ささやかな幸せや楽しみを見つける心の持ちように感動しました。
自分の生活はどれほど恵まれているだろう。
どんな環境にあっても、自分の好きなことや、価値観を失わずにいられるだろうか?
好きなものを好きだと言い、嫌なことを嫌だと言えるだろうか?
そんなことを考えました。
戦争によって世の中が混乱していく様が、アンネの視点から描かれています。
約600Pほどある本ですし、内容も辛い気持ちになる部分もあります。
それでも読み通せたのは、アンネの文章が、希望や絶望、期待、細やかな日々の楽しみなどを、鮮明に表しているからだと思いました。
アンネの元々の才能と、置かれた環境が、このとてつもなく人の心を打つ文章になって現れているのかなと考えていました。
「わたしの望みは、死んでからも生き続けること」と、作中でアンネは書き残しています。
約80年も経ったいま、私がこうしてアンネの日記を読んで、心を打たれているというのも、アンネが生き続けている、と言えるのかなと思いました。
人と人が争うのは、「自分とは違うから」と言えるのかもしれません。
違いを認めて、尊重し合えるようにはなれないのか?
そんなことを、この本を読んで考えました。
こどもにも、大きくなったら読んでほしい。