深町眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
18歳の時、有名な題名に惹かれ、なんとなく「アンネの日記」を買った。
本を好きになり始めたばかりの当時の自分には読破は難しく、挫折してしまった。綺麗な伏線の敷かれた小説とか、腕のある学者が書いたサイエンス本とは違い、若干単調で、長いというのは正直あった。
家から出られず、戦時下で、楽しい出来事がなかなか起きないのだから、そりゃ多少つまらない箇所も多かろう。しかし、時々見せるアンネの弱音や不安が鮮烈だし、日記にしっかりと残された「戦争がいかに愚かであるか」という声を聞き逃してはならない。
そして、本の終わり=アンネの終わりを意味しており、読み進めるにつれてアンネの死に近づいてしまう。1人の -
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズの2作目。『緋色の研究』のような、推理と事件の背景や動機を章立てで区切ってはいませんが、後半の犯人の独白によって1作目と似た構成をとっています。自分は、この過去に遡って犯行に至るまでの経緯が、一つの物語として読めるところが好きですね。
また、原文がいいのか、訳文がいいのか。おそらく、その両方なんでしょう。会話文も登場人物ごとのキャラも立っているせいか、不思議と読んでいて気持ちよかった。後半の犯人による当時の歴史的背景を踏まえた独白は、江戸っ子言葉に遠州弁か三河弁が混じったような訳文もよく合っていたと思います。なんだか推理小説というより、文学作品を読み終えたような読後感。 -
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Posted by ブクログ
隠れ家でひっそりと暮らし、悲しく辛いことが身の回りで起きていても、ささやかな幸せや楽しみを見つける心の持ちように感動しました。
自分の生活はどれほど恵まれているだろう。
どんな環境にあっても、自分の好きなことや、価値観を失わずにいられるだろうか?
好きなものを好きだと言い、嫌なことを嫌だと言えるだろうか?
そんなことを考えました。
戦争によって世の中が混乱していく様が、アンネの視点から描かれています。
約600Pほどある本ですし、内容も辛い気持ちになる部分もあります。
それでも読み通せたのは、アンネの文章が、希望や絶望、期待、細やかな日々の楽しみなどを、鮮明に表しているからだと思 -
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ネタバレ上巻ではまだ本格的な怪異は起きていないのに、たった三人の家族の内面を順番に読んでいくだけでまったく飽きない。人間の心を深くとらえた描写が素晴らしい。ひとりひとり抱えているものが少しずつ違っていて、簡単には割り切れないところをしっかりと書き切っている。こんなに読み応えのある作品だったとは知らなかった。
ホテルの歴史や地下室の不気味な記録や忘れ物が、嫌な空気を醸し出していて、今後起きることへの期待が膨らむ。謎の「レドラム」とやらも、トニーの警告も気になることばかりだ。トニーがあらかじめ未来を見せてくれているので、そこに向かっていくという恐怖もある。
この家族に関してはきっと誰も悪くないのだと思った -
Posted by ブクログ
聞きしに勝る大傑作。面白さ半端なし。エンタメなのに文学。(文学が何なのかはよくわかってません)いや〜読後の余韻と興奮が納まらない。ホラーを舐めてた。モダンホラーの帝王の名は、あながち間違いではない。
癇癪持ちの酒癖が悪い父、ジャック。
離婚を考えるが踏み切れない母、ウェンディ。
そんな父母を心配する、特殊能力「かがやき」を持つ5歳の息子ダニー。
オーバールックホテルの冬の管理の仕事の為に家族で移り住むが、そこは長年の怨念が積み重なった血塗られた呪いのホテルであった。
家族三人三様の過去、人物像、心理描写が徹底的に描かれるので、共感し没入してしまう。
上巻はほぼ、それにページが割かれる。
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普通に作家として凄い才能。想像していたよりも明るい内容でぐいぐい読ませる。13歳〜15歳で書いたと言うのだから、驚きでしかない。後世に残る大日記となってしまった。
死の恐怖と闘いながらの隠れ家生活。しかも2年も。過酷だった暮らしの中で、人ととして成長していく姿に感銘を受ける。そして未来への夢を語る文章に泣いてしまった。
「わたしの望みは、死んでからもなお生き続けること!その意味で、神様が、この才能を与えてくださったことに感謝しています。」(本文433ページより)
アンネに伝えたい。あなたの思う通りになりましたよ。あなたの死後80年経った今でもあなたの日記は世界中の人々に読み継がれ、あなたは -
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「じゃあまた、アンネ・フランクより」で締めくくられた最後の日記、その続きに添えられた一文「アンネの日記はここで終わっている。」がこころにシミます。この一文に戦争や人権等について思うかたが多いでしょう。わたしは人間のはかなさを感じました。つい最近、高校の友人が亡くなったと知り、その思いがより強くなりました。
プツリと途切れた『アンネの日記』、そして、友人の続けたかったことを思い、祈りをささげたいです。
この本は小川洋子さん『NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記: 言葉はどのようにして人を救うのか』をきっかけに読みました。
裏表紙の概要や、冒頭の「この本について」をみて、『ア