あらすじ
アフガニスタンへの従軍から病み衰えて帰国した元軍医のワトスン博士。ロンドンで下宿を探していたところ、偶然に同居人を探している男を紹介され、共同生活を送ることになった。下宿先はベイカー街221番地B、相手の名はシャーロック・ホームズ――。ホームズとワトスン、永遠の名コンビの誕生であった。ふたりが初めて手がけたのは、空き家でのアメリカ人旅行者の奇妙な殺人事件。いくつもの手がかりから、ホームズの精緻な推理によって浮かびあがった驚きの真相の背景には、長く哀しい物語があった……。名探偵ホームズ初登場の記念碑的長編!/解題=戸川安宣、解説=高山宏
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ホームズとワトソンの出会いから描かれるシャーロックホームズの一作目。
臨場感のある表現にページをめくる手が止まらなかった。
推理小説として、そして物語としても面白い作品だった。
1870年代にこんな面白い本があったなんて凄い。
Posted by ブクログ
子供の頃夢中になって読んでいたコナンドイルのホームズ初登場の物語。
記憶とはこわいものでほぼ記憶がないのに描写の一部がデジャブのように思い出す。
犯人がわかってからの答え合わせは見事。
深町氏の翻訳も読みやすく再びホームズ沼へ入りそう。
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズシリーズ最初の作品。ホームズとワトスンは、最初からコンビだったのですね。映画やドラマで知っているつもりになっていても、やはりちゃんと読んでおかないといけないなと思いました。
この作品、二部構成になっており、事件のあらましやホームズの推理が、ワトスンの語りで描かれる第一部と、犯行の動機にあたる過去が描かれる第二部に分かれています。
ミステリ慣れしていない自分のような読者からすると、第一部の高慢なホームズの態度に好感がもてなかったので、高尚な文学作品を読んでいるような錯覚を覚えるスリリングな第二部は、読み進めるほど夢中になって読むことができて良かったです。
最後は、ワトスンの語りの良さも相まって、上手くまとまっていましたね。
あらすじ :
負傷兵として軍を退いた軍医のワトスン。彼は、ホテルに逗留しながら、無目的に暮らしていましたが、懐具合の悪化から費用のかからない住まいを探していました。そんな折、偶然にも声をかけてきた知人が、手頃な家賃で住める同居人を探しているホームズを紹介され、ベーカー街221Bにあるアパートで二人は共同生活を始めます。
それからしばらく後、ホームズに刑事から殺人事件の助言を求める手紙を受け取ります。ロリストン・ガーデンズ三番地において、アメリカ人旅行者の男性遺体が発見されたとのこと。
ホームズはワトスンを連れて現場に行き、刑事も困惑する現場の状況を、鋭い観察眼と知識を駆使して謎解きをして、犯人逮捕に繋がります。途中で語られる物悲しい犯行動機が、同情を誘う哀しい物語。
追記 :
シャーロック・ホームズは、いろんな出版社から出ていますが、どれを選ぶかは個人の好みがあるのでなんとも言えないですが…
自分が創元推理文庫を選んだ理由は、挿絵があることと、ページ左下に章立てがあり進度がわかりやすいことです。もちろん、数ページ読んで読みやすかったこともありますけどね。
Posted by ブクログ
初めて読んだ「シャーロック・ホームズ」シリーズ。
起こった出来事を事実として語り、科学的・物理的根拠とホームズの推理力に基づいて、事件を解決していく作品かと思いきや、後半は息が詰まるような物語が紡がれていて驚いた。既に事件の多くは紐解かれているのに、こんなにもハラハラしながら読ませるなんて。一気読みした。
Posted by ブクログ
ロンドンの地理や文化に明るくないと読み解けない文章。
ホームズといえば小学生の頃読んだ気もするけど、こんなに複雑な文章では無かった気がする。完全に大人向けの文章、そして難解だが的確な日本語表現をしており、大人になってからも知らない言葉や漢字の勉強になる文章であった。
iPadで本を読みながら、同じ画面で地図で土地や漢字を調べられ、モルモン教について学べて、便利な時代になったと思う。
Posted by ブクログ
初めてホームズシリーズにきちんと触れたが、めちゃめちゃ面白い。解説としてホームズの研究者(これがシャーロキアンという奴かな?)の長々とした文章にも恐れ入ったが、是非続きの四つの署名も読もうと思う。
Posted by ブクログ
ホームズとワトソン博士が出会う経緯から事件の解決まで、読者を楽しませてくれる。現時点で分かっている事実から過去の事実を推理するホームズ。話を聞けばなんてことはないが、その推理をする能力が特殊技能なのだ。唐突に犯人が逮捕されて、驚くのだが、その背景にあるものをホームズはすべて推理していた。裏にこんな大きな物語が隠れているなんて、普通の人は分からんぞ。恐るべしホームズ。味方にすると心強いが必要以上に自分の行動を見透かされてしまいそうで怖くもある。
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズとワトスンはどのようにして出会ったのか、なぜ二人が共同生活をすることになったのか、といった経緯から描かれています。こうして二人は出会ったのだと、初めて知りました。
ホームズは初対面のワトスンに「きみ、アフガニスタンに行ってきましたね?(p17)」といきなり言います。ホームズの観察力と推理力に、最初から驚かされます。
また、ホームズの、自身の仕事にとって役に立つ知識は卓抜なものだが、無用な知識はすぐ忘れるよう努め皆無なところ、自分の推理術を称賛されると、はにかんでしまうところなど、知らなかった一面を知ることができ、魅力的にも可愛らしくも思いました。
この作品では、二人はブリクストン・ロードのはずれの空き家でアメリカ人の紳士イーラク・J・ドレバーが殺されていた事件の解明に乗りだします。異常に思われる事件ですが、解明後ホームズは“単純だった”と言います。その一方で、“おもしろい事件(p231)”とも言っています。
第二部では、なぜこの事件が起きたのかという事件の背景に繋がる物語が描かれています。読んでいて、早く事件の真相を語ってほしくもなりました。それでも、動機が簡潔に犯人の口から語られるだけではなく、詳しく知ることができるのは、違ったおもしろさがあると思いました。
Posted by ブクログ
読み終わりました。実はホームズの長編は初めてでした。
言わずとしれたホームズ初登場の作品です。
21年に及ぶ復讐劇。そしてその背景は成立してまだ60年ほどのモルモン教。
前半で事件解決までを描き。後半で事件の背景となるモルモン教の一夫多妻制にまつわる悲劇が語られます。そして、最後にホームズによる種明かしという章だて。事件の背景の長い物語が後半に語られるという構成は『砂の器』なんかに影響を与えているかも知れません。
21年も恨みを晴らすためだけに生きてきた男って凄まじいですね。
それにしても、ホームズもワトソンも悪く言えばフリーター。当時のイギリスにはそんな人が一杯いたんかね?暇でしょうがなかったろうね。
原書名:A STUDY IN SCARLET
元陸軍軍医、医学博士ジョン・H・ワトスン氏による回想録より
聖徒の国
著者:アーサー・コナン・ドイル(Doyle, Arthur Conan, スコットランド・エディンバラ、作家)
訳者:深町眞理子(1931-、東京都、翻訳家)
解説:戸川安宣(1947-、長野県、編集者)、高山宏(1947-、岩手県、英文学)
Posted by ブクログ
何回読んでも面白いですね~(笑)そしてホームズとワトスンの出会いの場面の挿絵のホームズが怪しすぎる(笑)デュパンやルコックに対する評価が面白いですね~(笑)好き放題言ってますし(笑)ワトスンに初めて出会ったときにアフガニスタンにいたことを言い当てた時の説明に出ていた「2たす2は4」という言葉から『思考機械』の口癖はきているのかな~(笑)
Posted by ブクログ
面白かったです!最近のミステリーと違ってド派手なトリックみたいなものはないけど、ストーリーテリングが巧みで引き込まれました。割と短めなのも読みやすくて良いですね。ホームズの分析的推理の話は興味深かったです。確かに探偵に求められる推理力って、一般社会で求められる問題解決能力とは方向性が逆だよなーと。次の作品も読んできます!
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズシリーズ1作目
1章ではホームズとワトソンの出会いが描かれ2章では急なモルモン教徒のお話に入る
ほんとに急に違う話が始まるのでびっくりはしたが読み進めるうちに色々なものが繋がり最後には話の線と線がしっかり繋がってとても面白かった
そしてホームズの名推理
小さい細かな所から沢山の情報を引き出すのはほんとに凄いと思うしワトソンとの掛け合いもいいコンビだなと思えた
これは2作目も読まなきゃ勿体ないと思えたので読もうと思う
それにしてもモルモン教徒のお話が現実にほんとにあったことだとしたら怖すぎる……これを当たり前にしている国が今でも存在するのだろうということが本当に恐怖……悲惨な人生を送っている人が少しでも減ればいいなと願う……
Posted by ブクログ
言わずと知れた大名作、【シャーロック・ホームズ】シリーズの第一作!
お恥ずかしながら自分はホームズ未履修。。。海外ミステリーということも相まって、不安と期待が同居しながら読み進めること3時間。
200項程度とは思えない綿密なストーリーが魅力的な一冊でした!
第一部ではホームズとワトソンという名コンビの誕生から、彼らが空き家で起きた奇妙な殺人事件に立ち向かっていく様子が描かれています。
傲慢ともいえるホームズと、そんな彼に懐疑の目を向けるワトソンの絡みが面白い笑
第二部では事件の動機となる、過去の出来事が語られます。
一部で疑問に思っていた部分が、丁寧に丁寧に少しずつ描写されていくとともに、逃れようのないもの悲しくも美しい結末につながっていきます。
数少ない情報の断片を組み合わせ、正解を導いたホームズの推理力には驚愕です!
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズシリーズの第1作。
洋書はどこか読みづらいと思って敬遠してたが、話がスッキリとしててかつ引き込まれる展開で楽しく読めた。
ホームズとワトソンが出会い、アメリカ人旅行者が殺された事件に挑む。
ただの推理小説というだけでなく、その背後の物語も読み応えがあった。
実は、被害者がモルモン教の元信者であり女性を無理に奪った結果女性と父親を死なせてしまい恋敵から恨まれていた。
Posted by ブクログ
シャーロックホームズが好きになれなかった。
ミステリーは好きなのに、読み始めると途端に疲れてしまう。工藤新一をはじめ、あれほど絶賛しているのに、、
そして緋色の研究を読み、その理由がわかった。
自分の中にシャーロックは登場していなかったからだったのだ。
当たり前のようにそこに存在していると、何か普遍的な圧力を感じる、それだった。
ワトソンがアフガン帰りだということを言い当てたあの有名なやりとりを読んで、ようやくすっきりと自分の中にシャーロックを迎え入れることができた。
作品は2部構成。
どんな2部かは、読んでみた方が面白いので控えておきましょう。
Posted by ブクログ
「憂国のモリアーティ」を読んで
シャーロック・ホームズシリーズが気になり
読み始めた。
見たままに人物像から事件の真相までを
解き明かしていくホームズの手腕は
さすがというしかなくて、この先が楽しみ。
東京創元社の記念カバー、緋色の装丁が
とても美しいのでおすすめ。
Posted by ブクログ
シャーロックホームズシリーズ第1作となる長編物語
ホームズとワトソンの出会いから始まり、とある殺人事件を描いたお話
最初から楽しく読んでいったが第二部の犯人の動機?となる話がちょっと入ってこなかった。そこで少し気持ちが冷めてその後はなぁなぁで読んでしまった感がある
とはいっても流石のシャーロックホームズシリーズということで、どっぷりとその世界に酔いしれることが出来て満足
Posted by ブクログ
初めて読むミステリーの名著だったのでミステリーの作法は分からないが、ストーリーとしてはよく出来ていたと思う。推理に至る描写も丁寧で、犯行についてとその動機となるストーリーが語られていて入りやすかった。
Posted by ブクログ
高校生の時に「そして誰もいなくなった」を前半あたりで読むのを挫折して以来の推理小説でした。
気づいた時にはもうハマっていて、あっという間に読み終わりました。シリーズ第1作ということで、重要な設定が思っていたよりも詳しく書かれていました。
Posted by ブクログ
単純に面白かったし、ワクワクした。第2部は今の時代ではきっと無理だろうなと思うけど、それも含めて興味深く読めた。
テレビドラマのシャーロック・ホームズも見たいと思う。
Posted by ブクログ
色々ミステリーを読んできたもののこれまで読んだことがありませんでした。
犯人の逮捕や謎解きの場面は思っていたよりもさらっとしていて、犯人の動機や過去についてが全体の2~3割の文章量で書かれていたのが印象的でした。
殺人は勿論大罪ですが、ドイルは性善説なのかななんて想像したり。
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズとドクターワトスンの出会いと最初の事件。二部構成で、後半唐突に語られる犯人の動機となる物語に驚いた。赤ら顔と断定するにはやや無理があるがその謎を後半に取っておくことで物語のてんまつに一層興味を抱くことで一挙に読んでしまった。
キレキレの推理を披露しつつ推理を褒められると喜ぶなど人間味のあるホームズのキャラと読み手の代弁者であり語り部ワトスンのコンビだからこそ、ストーリーや推理の秀逸さ以前に他の作品も読みたくなる圧倒的魅力です。
Posted by ブクログ
シャーロックホームズは本以外の媒体で少し内容は知っている物語もあるが、きちんとシリーズを本で読みたいと思い読み始めました。やはり内容も面白く軽く読めたので他のシリーズも読破したいと思います。
Posted by ブクログ
・謎解きはシンプル。犯人の過去を深掘りする事で人間に焦点を当てた重厚な作品になっている。
・ワトソンがホームズに興味を持ったり認めていく姿が軽快に書かれていて良い。
Posted by ブクログ
殺人事件と、数十年に及んだ因果譚。まるで別々の話が薄めな本に収められている。初読時の印象はどうだったのか、たぶん、ジュブナイルで読んだのだろう。ホームズの印象ばかりが残っていて、物語の部分はうっすらとしか覚えていない。ただ言えるのは、読んで良かった!
Posted by ブクログ
シャーロックホームズは好きなので、これはこれで好きですが、ずっと昔に読んだ時はもっと面白く感じたんだけど。話の展開が少し粗く感じてしまった。好きなんだけどね。
Posted by ブクログ
ホームズとワトソン博士が出逢う、記念碑的作品。
序盤、ホームズとワトソン博士の出逢いに興奮し、中盤は物語のあまりの急展開に驚愕。終盤はホームズの推理に酔いしれた。
Posted by ブクログ
ドラマから入って今さら読みます!
小学生のときに半分くらい読んだけどあのときは正直あまり理解できてなかったな。
訳によって結構雰囲気違うから色々読んでみよう。
ドラマのブロマンスぷりは半端ねぇ。
Posted by ブクログ
ホームズの初登場作品。ホームズとワトスンの出会いと二人の最初の事件。
20年ぐらい前にシリーズ全作読んだはずなんだけど、すっかり内容を忘れてた。新訳だからか、記憶にあるよりも読みやすくなった印象。
海外古典ミステリーの素人探偵によくあるように、ホームズも自信家でちょっと偏屈で、なかなか自分の推理を口にしないんだけれど、ワトスン博士へのあたりがソフトなので、そんなに嫌な感じはしない。
犯人逮捕までを描いた第一部と、犯人の動機に関わる背景を描いた第二部との二部構成。
事件の背景については、現代の日本に生きる私たちにとっては現実味がなく正直理解しにくいところがある。
それでも、一人の男が少女を連れて荒野を彷徨うところから始まる第二部は、一つの冒険譚として面白いし、どこに繋がるんだろうというワクワク感がある。
何より初対面でアフガニスタン帰りを言い当てた有名な場面や、ベイカー・ストリート・イレギュラーズの登場には、「あー、これこれ!」みたいな一種の懐かしさと嬉しさを感じた。