深町眞理子のレビュー一覧
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言わずと知れた大名作、【シャーロック・ホームズ】シリーズの第一作!
お恥ずかしながら自分はホームズ未履修。。。海外ミステリーということも相まって、不安と期待が同居しながら読み進めること3時間。
200項程度とは思えない綿密なストーリーが魅力的な一冊でした!
第一部ではホームズとワトソンという名コンビの誕生から、彼らが空き家で起きた奇妙な殺人事件に立ち向かっていく様子が描かれています。
傲慢ともいえるホームズと、そんな彼に懐疑の目を向けるワトソンの絡みが面白い笑
第二部では事件の動機となる、過去の出来事が語られます。
一部で疑問に思っていた部分が、丁寧に丁寧に少しずつ描写されていくとともに、逃れようのないもの悲しくも美しい結末につながっていきます。
数少ない情報の断片を組み合わせ、正解を導いたホームズの推理力には驚愕です! -
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アムステルダムのアンネの家を訪ねるのに先立っての再読。
当時収容所に連行された他のユダヤ人と比較すれば、窮屈な隠れ家生活も恵まれた環境だったとは言えるだろうが、平和な時代に考えればもちろんこれほど過酷な生活はない。外に出ることはできず、物音をたてず、協力者が持ってくる配給と本だけが頼り。多感な少女が綴る生活は、おそらくは大人が描くほどの悲惨さを醸し出さず、読書や好きな歴史の勉強、語学、狭い隠れ家での人間関係の観察、両親や姉との関係などを通して、自身を深く掘り下げる日々が淡々と報告されている。言葉を尽くして正直に書き綴っていて、ナチに追われる隠れ家の日記、という先入観を打ち破る瑞々しさにあふれている。
十代の少女の内面は、戦時であっても変わらず希望に満ち溢れ、むしろ戦時だからこそ戦後にかける希望が大きく、ジャーナリストになりたい、もっと自分の良い面を引き出したいという意欲が鮮明。平和な時代なら、もしかしたらこういう渇望は生まれないかもしれない。愛されていると分かっていながら親に反抗し、親の欠点を見、なぜ本当の自分を見てくれないのかといういらだちを募らせる。共に生活する少年に思いを寄せ、その弱さや欠点に失望する。すべての描写は、隠れ家の生活、という点を除けば、普通の少女だ。明確な希望や道筋の探求をしているという意味では、普通より強く、明晰ですらある。特に、戦争という愚かな行為が続く社会に対する憤懣、それは政治家だけでなく、市民一人一人に責任があるという自覚、歴史的に女性が男性より低い地位に甘んじてきたことへの憤慨。アンネが日記を書いた時代から80年が経ってもなお、同じ課題を抱えている現代から見ても、十代の少女の指摘は明快で的を射ている。
その強さからあふれ出る希望を書き綴り、そしてプツンと途切れる日記。密告されて連行された収容所で亡くなったアンネと姉。一人生き残って娘の日記を出版した父親の気持ちを想像すると、胸がつぶれる。 -
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ネタバレシャーロック・ホームズ第2長編。
退屈を持て余すホームズの元にある依頼が舞い込む。失踪した父、謎の贈り物に謎の人物からの呼び出し。その先で起こる怪死事件。
意外と読んでなかったホームズシリーズ読み始めてみた。割と短めでサクッと読めて面白かった。
初手コカインでキマってるの笑う。
人間の複雑さを感じられる話だった。犯人の淡々とした所や覚悟が決まってたり誓いを曲げない所は嫌いじゃない。執念凄かったけど。
トンガのミスが無ければ全然違う話になってたよなあ。未開人とか描写がめちゃくちゃ貶めてる。
犬が可愛かった。
ワトスンくんの恋が実って良かったね。奥さんの名前失念してたから丁度何も知らず読めた。
神に感謝。
訳注で色々と設定がガバってるらしくて意外だった。ワトスンの傷は足のイメージのが強かった。ロザリオと王冠は謎すぎた笑
個人的には四つの署名のが聞き慣れてるし語感が良い。タイトルにも派閥というか論争があるらしいのが面白かった。 -
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クリスティーの初ノンフィクション作品。
中東での発掘旅行が描かれていて、クリスティーの魅力が詰まったファンには嬉しい1冊。
この作品を読んで1番驚いたのが、クリスティーが肉体的にも精神的にもめちゃくちゃ強かったこと。
例えば、ネズミがわんさかいる寝室で寝た時のこの1文。
〈鼠どもがこちらの体の上前面を運動場にして、元気に体操したり、野外スポーツに励んだりしているありさまでは、眠るのはほとんど不可能である。〉
(۳˚Д˚)۳ギャーーー!!!!
ネズミが自分の体の上で暴れてる状況を、元気に体操だなんて!!笑
更に、ゴキ、クモ、ノミ、コウモリ、ヘビなど、モゾモゾ這いまわる生物がウジャウジャいるカオスな寝室((°ө°));ムリ
また、暑さと病気の蔓延で、堪え難い頭痛の極致の状態でもこの1文。
〈完全に疲労困憊して、痛みに悩まされつつ眠るというのも、あながち悪いことばかりではない。なによりうれしいのは、翌朝、心も晴れ晴れと、元気いっぱいにめざめたときの驚きと、そのすばらしさだ。
わたしは体じゅうに精気が横溢しているのを感じ、猛烈な空腹感を覚える。〉
いや、もう無敵な強さ。凄まじい回復力。
どんなことでも楽しんでしまう好奇心と強靭なメンタルと体力。
少しお転婆なお嬢様ぐらいに今まで想像してたけど、大間違いだった!
この本に描かれてるクリスティは、クレイジージャーニーに出てきそうな人だった笑
どんな時でもユーモアがあって、人生を思いっきり楽しんでいて、思ってた以上にユニークで魅力的な人だとわかって、ますます人としてのクリスティーが大好きになった。
著名な考古学者である2番目の夫マックス・マローワンは同じくタフな人で、どんな問題が起きても冷静沈着に解决して、人にも動物にもとても優しい人物だった。
イギリスでこの作品は、アガサ・クリスティ・マローワン名義で刊行されているとのこと。 -
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穏やかに暮らしていた飼い犬、バックがふとしたことから過酷な運命に引き込まれ、野生に目覚めていく。
犬ぞりを操る赤いセーターの男に従い雪原を駆け、仲間の犬との闘争の中で徐々に自らの中にある野生を取り戻す課程は最も印象的で読み応えがある。犬ぞりの犬たちはこんなにも賢く、自尊心があり、また使命感やWillがあるのだろうか。真意は別として物語として納得性があると感じた。
郵便輸送隊に従事にて疲弊した後の無謀な3人組との旅路も人間の愚かしさを感じさせ、その後出会うソーントンとの穏やかな日々に癒される。
漫画以外に読む機会があまりなかった動物物、楽しく読めました。 -
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ネタバレシャーロック・ホームズのシリーズは、小学生の時にひととおり全部読んだ。
その後中学・高校時代に、短編集だけは文庫本(大人の本)で読みなおしたけれども、長編を読み返したことはないはず。
だって、長編はあまり面白くなかったんだもの。
今回大人の目で、名作と言われる『恐怖の谷』を読み返して、子どもの頃は面白くなかったろうなあと思った。
まず、男女の真摯な恋愛に興味がなかったのである。
そして、ハードボイルドも割と苦手分野であったこと。
決定的なのは、シャーロック・ホームズ出てこなすぎ!
一部と二部に分かれているのだが、シャーロック・ホームズが出てくるのは主に一部の方で、二部は、時代も違えば登場人物も全然違う話なのだ。
それは、シャーロック・ホームズのお話を読もうと思っていた小学生だからこそ「なんだこれは?」となってしまう展開。
では、大人の目で読んだ『恐怖の谷』は面白かったのかと言われると、「それほどでも…」となってしまう。
一部と二部を別作品として書いていたのなら、どちらも面白かったけれど、無理やり長編にして、特に根拠も必要性も感じないモリアーティを登場させることによって、余計に作品としての統一性が失われたと思った。
多分作者が書きたかったのは二部の方だったのだろうと思うけれど、シャーロック・ホームズ抜きでは出版が許されなかったのかな。
二部だけで、エピローグ抜きで終わらせても、それはそれで面白いと思うのだけど。
というか、エピローグのエピソードも、事実確認ができない時点で、ホームズ言いたい放題なわけです。
ホームズの言う通りなのかもしれないし、さらに裏をかいて逃げ切ったということだってあり得る。
ただ、悪の天才としてモリアーティを出してしまったから、彼に花を持たせなければならなかったのだろう。
そのモリアーティよりホームズを上に置いて、究極の天才にしなければならないのだから。 -
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海辺の午後
クリスティの短編戯曲集
海辺の午後
昔から裕福な人達が過ごして来たビーチ。時代の流れで海辺を訪れる人達も様変わり。
古い時代の夫婦や家族が時間を過ごすビーチにビキニを着た非常識な美女が現れ男達を魅了、女達は反感を抱く(時代を感じる描写)。
一方、付近では盗難事件が発生、エメラルドなど高価な品物が盗まれてしまう。
古き時代を引きずりながらビーチで余暇を楽しむ人達と美女と警察のドタバタ劇。ミステリー的な要素は多く無いが、クリスティ得意の「オールドミス」が牛耳る家族(立場の弱い夫、束縛される息子)や若い二人の男女等、設定は面白い。
今の時代背景から見るとコメディの様に見えてしまうが、少なからず当時もそういった要素があった戯曲だとおもわれ、バランスが変わっても楽しく読める作品だ。いつの時代も若者は革新的で年寄りは保守的だと分からされる作品だ(笑)
患者
私立療養所の個室から始まり、とある屋敷へ。
ウィングフィールドの妻がバルコニーから転落し、意識が戻らない状態。家族は事故と捉えているが、警察が介入し真実を調査していく。
情事のもつれが原因と考えられるが、怪しい人物は数人おり、誰が犯人かを探る人間活劇。
正直、ありきたりな設定かもしれないが、最後まで誰が犯人か、そして最後、犯人が決定づけられてフォーカスされていく舞台の進め方がとても面白い。
クリスティでも良くある設定の様に思えるが、必ず何処かに驚きがあるのは彼女の短編作品にも共通している。犯人はこいつだろうと疑ってかかり、結局裏切られるのはいつもの事だ(笑)。
ねずみたち
サスペンスミステリ。クリスティによる恐怖ミステリの傑作だろう。密室に男女二人。体の関係もあり不倫関係にあるが、密室のなかで徐々に人間性が現れていく。最後、リドルミステリーの様な形になるが、結局はどういう事なのだろう。中編の一部分を切り取った様な作品で、できれば推理小説として読みたい一作だった。
作中に登場人物は五人しか出てこないのに圧倒的に面白く、謎が残ったまま、陰鬱な感じで終わっていくのも魅力的だ。
劇として進めていくとおそらくかなりシンプルになるだろうが、初めてどの様な舞台になるのか気になった。 -
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【トミー&タペンス】
『秘密機関』から22年後。クリスティー51歳。
『秘密機関』のフワフワした設定と違って、今作は「無憂荘」の中にいるスパイを見つけるというもの。格段に読みやすくなってる。
みんな怪しい宿泊客の中からスパイを見つけるという、ミステリーの犯人探しと同じ楽しさがあった。
前作のようにあちこちに移動することもないので、展開が速くてシンプルでわかりやすい。
真相を知った時に、見事な伏線が張られていたことに気付いてもう一度読みたくなった。
他の作品では戦争のことはあまり語られていないけど、このシリーズでは戦争についてのクリスティーの考えを知ることができて興味深かった。
戦争中でもしっかりしたブレない倫理観を持っていて、それを恐れずに執筆できる勇気もすごい。
クリスティーはやはり人間的にも魅力のある人だと改めて感じた。 -
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シャーロックホームズが好きになれなかった。
ミステリーは好きなのに、読み始めると途端に疲れてしまう。工藤新一をはじめ、あれほど絶賛しているのに、、
そして緋色の研究を読み、その理由がわかった。
自分の中にシャーロックは登場していなかったからだったのだ。
当たり前のようにそこに存在していると、何か普遍的な圧力を感じる、それだった。
ワトソンがアフガン帰りだということを言い当てたあの有名なやりとりを読んで、ようやくすっきりと自分の中にシャーロックを迎え入れることができた。
作品は2部構成。
どんな2部かは、読んでみた方が面白いので控えておきましょう。 -
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映画を先に観ています。上巻を読んだ時点での印象ですが、ジャック、ウェンディ、ダニーそれぞれの内面描写に紙幅が割かれていて、テンポよく進むというよりはじっくりと読み進める感じがしました。特にジャックは映画版のようなエキセントリックな人物でなく、彼の背景も丁寧に描かれています。