深町眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スティーブンキングの代表作の一冊。
死んだペットを埋めると生き返る墓地の話。
墓地の近所に引っ越してきた主人公一家。ある日、事故で死んだ飼い猫を生き返らせたことが成功体験になり、事故で死亡した幼い息子をペット墓地に埋める主人公。しかし、生き返った生き物は生前とは違う行動を取るようになる。
死んだ家族を生き返らせる、というモチーフから「猿の手」を連想させるが、小説内で主人公も「猿の手」のことを思い浮かべている。「猿の手」では、死体が家のドアをノックするところまでで追い返すが、もし受け入れたらどうなるか、というアイデアが本書のスタートのような気がする。
ホラーのスタイルを取ってはいるが、本質は家族愛の話だと思った。姿形が変わっても死んだ家族と会いたいのか?大きなリスクを取ってでも行動を起こす姿に家族愛を感じる。
キング作品にしては翻訳は読みやすい。
一方で登場人物の独白や心理描写が大量であり、かつ、情景描写も多い。アメリカ文化に馴染みがないと文章から想像しづらい場面も多く、読み進めるのにエネルギーが必要だった。
旧作のキング脚本の映画の方が物語のテーマが分かりやすいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
自伝的な作品『マーティン・イーデン』が非常に素晴らしかったことから、まだ未読の作品も多い(翻訳自体がない作品も多いのだが・・・)ロンドンについて、ぱっと手に入りやすい古典新訳文庫から選んだ1冊。40年の生涯という短さの割にはロンドンは多作な作家だと思うが、翻訳されている作品が少ない分、クオリティが高い作品が選ばれているのかもしれない。そう思わせられたほどに本作も素晴らしい作品。
主人公はサンフランシスコの名家で暮らしていた1匹の犬がふとしたことからカナダ・アラスカの極北の地へと売られ、極寒の地で重い荷物を運び続ける橇犬として活躍する様子を描いた三人称小説である。主人公はこの犬そのものであり、彼がいかにして自らの野生の本能を極北の自然の中で発揮していくかがドラマティックに綴られている。もちろん、主人となる人間たちの造形も生々しく、限界の環境で暮らす人間たちの生活の厳しさも十分に伝わってくる。
これを読むと、やはりロンドンの作品をもっと読みたくなってきて、引き続き、和訳が出ている作品については全部読んでみよう、という気持ちにさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジャック・ロンドンによる北方ものと言われる作品。初めてロンドンの作品を読んだ。カルフォルニア・サンフランシスコからカナダ・アラスカの地へ売られてしまう、セントバーナードなどの雑種であるバックの視点から北方のゴールドラッシュに沸く、人間、犬、狼の暮らしが描かれる。その生活は現代の我々からすると、極めて過酷で暴力的であり、死が隣り合わせの生活である。犬に対する暴力、犬同士の殺し合い、人間の横暴による犬の死。野生による脅迫など、とても生きていけるとは思えない生活である。仮に厳しい自然を乗り越えたとしてもインディアンの襲撃によって命を落とすことがあるという世界。そんな中でバックは野生からの呼び声に応え賢く成長し、狼たちの群れを率いるに至る。
あくまで個人的な体験だが、犬ぞりの描写は映画南極物語を思い出させ、犬の戦いは漫画流れ星銀牙を思い出させた。