池内了のレビュー一覧
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読んでいたら「自由学園」のことが出てきてびっくり!
同窓の友人M君から自由学園学術叢書第一を贈られたのでさっそく読んでみた。この小冊子には霜柱の研究と布の保温の研究とが収められていて、研究者は自然科学グループという名前であったが、内容を見ると5、6人の学園のお嬢さんの共同研究であることが分かった。
初めの霜柱の研究というのをなにげなく4、5ページ読んでいくうちに、私はこれはひょっとしたら大変なものかも知れないという気がしたのでゆっくり注意しながら先へ読み進んでいった。(略)これはまことに(略)、広く天下に紹介すべき貴重な文献であるということが、読み終わって確信されたのである。
この研究を読んで、私は非常に驚いたのである。この仕事についてはまず第一に指導した先生がよほど偉かったのであろうということが考えられた。それから「物理学」の知識がさほど深いとは思われぬ若い娘さんたちが、優れた「物理的」の研究をある場合には立派になしとげるという良い例がわが国に出たということをうれしく感じた。
高校生の女の子たちが、霜柱の研究をあっけらかんと、しかしかなり深いところまで成し遂げたことにびっくりしておられるのですね。
驚くべきことに、これ、1940年に書かれた文章です。
ということは、このときの女の子たちは、ご存命であれば、88歳くらいという計算になる。
ああ、でもわたし、自由学園がそういう学校だということは、学園出身者の99歳の方のお話を母から聞いていて、わかるんだ。
そういう教育を行っていて、純粋に興味を抱いたことを研究できる環境が整っているということ。
それにしても、びっくりしました。
中谷さんの著述には、日本の発展にとって科学的に考える市民が増えることが大事というようなことが書かれていたのが印象的でした。
いわゆる専門馬鹿、の学者さんではなく、科学と社会とのつながりを考えていた人だったようです。 -
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いや~、面白かった!!! 一読後の KiKi の最初の想いは「しまった~! どうしてこの本を子供のうちに読んでおかなかったんだろう!!!」というものでした。
電車の混雑には法則があるのか? 虫たちはいったい何を考えているのか? 日常生活の身近なことがらを細やかに観察しながら、科学的に考えることのおもしろさを書きつづった、明治うまれの物理学者による随筆。 (中学以上)
これ(↑)が背表紙に記載されている岩波書店さんのいわゆるこの本の紹介文なんですけど、中学時代の KiKi は「岩波少年文庫は小学生が読むもの」と勝手に決めてかかっていたようなところがあって、かといって随筆とかエッセイを楽しめるほどは成熟していなくて、もうちょっと「知識の本」っぽい本を読み漁っていたようなところがあるんですよね~。
(全文はブログに) -
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明治-昭和初期を生きた物理学者であり随筆家でもある寺田寅彦のエッセイ集。
日常を科学の視点で掬い上げ、文学の温度で伝える。そんな印象の本で、大変感銘を受けた。江戸時代と隣接した時代を生きていたことが、描写の随所で感じとれるが、その内容は不思議と現代に向けた啓蒙のように思える。
夏目漱石とのエピソード、科学と化け物の関係、蓑虫、蜻蛉、蜂などの身近な昆虫の考察、線香花火、湯気、金平糖に関する思索など、どれも繰り返し読みたいと思える内容だった。
天才数学者の岡潔は、数学者には情緒が重要と説いていた。おそらく、科学者にも同様のことが言えるのだろう。 -
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軍事研究と科学者・技術者がどのように関わっていくべきかについて、軍事研究は絶対的にしてはならないとする立場から述べられた本。
研究者・技術者は基本的に人を傷つける研究・技術開発は望んでいないにも関わらずなぜ軍事研究をするのか、その分析や是非について述べられていたり、近年日本において防衛予算を資金源にした研究がいかに増えてきているかを指摘している。特に安全保障研究推進制度やAOARDという制度については今まで知らなかったため、いかにして軍事関係者が科学者を軍事研究に巻き込もうとしているか、その現状を思い知らされた。「研究者版経済的徴兵令」という考えは、個人的に非常に重く受け止められる。
本書が出版された2016年から、本感想を書いている2025年までの間に、軍事研究が増加・容認される傾向は更に拍車がかかっており、ここ数年の防衛費増額に合わせて防衛省が支出する研究開発経費も増えている。果たしてそのような状況下で科学者・技術者はどのように振る舞えば良いのか。考えるきっかけを与えてくれる一冊である。
本書は研究・技術開発にフォーカスを当てており、更に深く考えるためには、そもそもなぜ防衛という行為が必要なのか、という点を含め、もう少し深く思考する必要がある。個人的にこの本を出発点にして平和のあり方について深く考えていきたい。
軍事研究に関して、自分の考えを改めるきっかけとなったが、一方で筆者の軍事研究に対する強い反感に起因して、少し言い過ぎではないか?邪推し過ぎではないか?と思われる記述も存在する。その点で星-1とする。 -
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日経ビジネス人文庫の歴史シリーズです。
今回は、発明をキーワードにした日本史であり、世界史に引き続き手に取ることにしました。世界史と比較すると、発明品の幅広さが理解できます。縄文土器から始まるため、本当に日本史全体を見ることができると同時に、漆器・納豆・日本酒・着物・歌舞伎など、現在の典型的な日本文化が、どのように生まれ、浸透していったかがよく分かる一冊です。
▼世界に類例がないとして誇れる産物の二種類
①「伝統的未来技術」
日本の長い伝統のなかで培われ、今後も長く生き残ると思われる文物
日本人独特のきめ細かさ、手先の器用さ、自然と密着した国民性が活かされた発明品
②「近代科学の盲点技術」
科学の盲点部分に着目した日本独特の発明品
日本人の遊びの精神に発した柔軟さやアイデアの豊かさを象徴
<目次>
縄文土器
漆器
納豆
日本酒
城
かな文字
畳
和紙
着物
扇
日本刀
醤油
忍者
茶道
歌舞伎
浮世絵
握り寿司
ソメイヨシノ
俳句
乾電池
養殖真珠
八木アンテナ
胃カメラ
インスタントラーメン
新幹線
クオーツ時計
光ファイバー
自動改札機
カラオケ
青色発光ダイオード -
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現代日本における「軍学協同」を徹底批判する立場で論陣を張ってきた著者による警世の書。
「デュアルユース」「ミックスユース」を隠れ蓑としながら、防衛予算を使った研究を是認しようとする風潮に対して厳しい問題提起を行っている。とくに第一次・第二次世界大戦における科学者の戦争協力の経緯と、国際社会における戦争違法化に向けた動向とが背馳してきたという指摘は決定的に重要。著者の見立てに従えば、科学者たちは一貫して、国際紛争の解決手段として「戦争」を認めない、という理念を裏切る方向で行為してきたことになる。
また、2015年に導入された防衛装備庁による「安全保障技術推進制度」にもとづく研究の問題点が詳しく記されたことも勉強になった。防衛装備庁はじつに巧妙に、ホンネとタテマエとを並記しながら、研究者の「良心」が痛まないような甘言を散りばめながら、研究者・研究機関を取り込もうとしている。「学」が「軍」の召使いにならないように、というのは、もちろん人文系の研究者にも当てはまる。
なぜ、何のために学ぶのかという根本に立ち返って、自らを省みるところから始めなければならない。 -
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理工系の学生・研究員・大学教員はぜひとも読んだ方がいい。
研究倫理というと、研究不正に関するものが多いが、本書はタイトルの通り軍事研究に注目したもの。大学院の授業でもこういった話をされることはなかったが、知っておいた方がいい内容が多かった。
偉大な成果を残したハーバーが、率先して毒ガス研究を行っていた話が特に衝撃的だった。
科学者が戦争に協力してきた歴史、軍事研究に携わった科学者が言い逃れする常套句からはじまり、世界的な軍縮の流れ、軍拡路線に走る日本、そして「科学者は軍事研究研究に手を染めるべきではない」という結論に繋がっていく。
終章を読み終え、暗澹たる気持ちになった。
「武力による他国への侵略は起こらず、対話を通した平和維持が可能である、そのため軍備を増強して威嚇する必要も軍事研究を行う必要もない」というのが筆者の主張だ。
だが、2022年現在戦争は存在している。軍事研究を進めて威嚇し続ける国もある。「各国と連携して〜」とはよく見る文言だが、果たしてそれにどれほどの効果があるのだろうか。
かと言って科学者が率先して軍事研究を進めるようになれば、他国も負けじとより性能の高い武器を手にするようになるだろう。
今後科学者はどうするべきか。無力感を覚えた。 -
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ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる少数派になってる…という状況がたまに起きるようになり、うかうかと思ってることを言いづらくなりました。(例えばマイナンバーカードを持つことについてとか…)
組織の中でできる活動として、教育に関するおかしな介入や締め付けに抵抗している友人の姿を目の当たりにすると、自分も黙っていてはいけないと思うものの一個人でどんな風に「おかしいぞ!」とか「ふざけたことしてんじゃないよ」と世の中に問えばいいのか、問えるのかと無力感が正直あります。
大きな声を発することができなくても、周りがみんな朱くなっても自分が白だと思ったら白という意見を曲げない強さをせめて維持し続けたいと思います。
本書は、これからまた数年過ぎたところから本書が著された当時を振り返る、そしてその時の現実・現状を見直すという、考え続けるための一つの標となる一冊だと思います。
編集部によるあとがきにも勇気をもらいました。今後もこのような良書を出版し続けてほしいです。 -
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対する挑戦というか。
個人的には反日思想の展示など不愉快だし、する必要はないと思うが、一方で表現に規制がかかる危うさには怖さを感じる。こうした規制を許せば今後、反日的なものでなくとも、政府や権力者が、言論や表現に制約をかけられる世界になっていくわけだから。
アートの世界だけでなく、科学技術なども国の意向に沿わなければ補助金がなくなり、活動できなくなってしまう模様だ。それは果たして国民にとって健全な、豊かなことなのだろうか。賛否両論のものに対して全員が自由に発言できる世界、何事にも反対意見を出して議論できる社会、多面的に物事を考えられる世の中、そうしたものを守らなければ。などと思いました。 -
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読書会課題
皆さんは文語体の細かい文字の全集を探したようです
私は岩波少年文庫でラッキー(^_^;)
寺田寅彦に関しては中谷宇吉郎の随筆文で(「茶碗の湯」のことなど)で知りました
入試問題になったり有名らしいですね
夏目漱石関連にも登場して師弟関係がいいですね
最近だと「ミチクサ先生」伊集院静
すてきだなって思います
日常生活のことがらー科学の視点で見直すー原理や法則を導き出すー研究の出発点になる
●身近な科学が親しみやすい●
学校で学ぶ時はたいがい教科書とか実験で入るけど
出かけた先でその事柄を見ながら身近な人が教えてくれたらきっと自分のものになるだろうな
電車の混雑とかこれからだったら海水浴、花火とか
お出かけ先で出来そうな提案がいいなー
●若い人だけでなく大人にも●
会話のきっかけになる
世代を越えて共通の興味ある事
孫に語ったら尊敬されるかも笑笑
○文字で提案があっても観察や実験の行動にはなかなかたどり着けないかも(片栗粉の実験)
○電車の移動時間にも数学物理のような事を考えていたりして
専門家というよりおじぃちゃんまた考えてんの??みたいな微笑ましさを感じてしまう
えらい先生なのにこの文章は優しさにあふれている
○以前に君たちはどう考えるかがコミカライズされてヒットしたけど
寺田先生の文章も取り上げてもいいかも
○線香花火を交響曲に例える(序破急)
○日本の脚元に埋もれている宝
掘り出すには勇気が入り用
○自然現象と化け物
○身近な物から科学を学ぶと理解が深まる
実験という体験で学ぶのがいいかも
この頃の動画というのはどうかなーちょっとマシかなぁ
○涼しいという言葉は日本の特産物
日本人が感じる特殊な微妙な感覚ーと気がつくのが凡人じゃない先生の感覚
科学と文学の両方にたけている
○アブが花に入る時
どちらにとっても有益を保存するように努力さえしていれば結局すべて他のものの保存に有利
人を苦しめ泣かせる行為は結局自分をいじめ殺す行為
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植物観察で人間の生き方を哲学するなんて先生らしい
自分もそんな考えを持ちたいと思う