池内了のレビュー一覧

  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    電車の混雑についての考察
    必ず空いた電車に乗るために採るべき方法は空いた電車の来るまで、気ながく待つという方法である の始まりから電車混雑の律動、人生の問題への考察への流れが良い

    塵埃と光
    明きめくら

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    2025年11月08日
  • 疑似科学入門

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    科学の装いをした何か。それは私たちの心の拠り所であると同時に危険性を孕んでいる。それらを「疑似科学」と名付け、それについてどのようなものがあるのか、なぜ信じてしまうのか、どのような態度で対応するべきなのかを記している。

    中々に興味深く面白い点がいくつもあった。

    世の中が便利になり、考えることなくさまざまなサービスを受けられる時代になった。それは「お任せ」の精神を育んでいると筆者は言う。信用して「お任せ」すれば、細かなことには煩わされずに済むのが普通になっている。便利な世の中しか知らない、Z世代やα世代は考えることが少なくなっているのは事実そうだと感じる。分からないことがあればすぐ調べ、それ

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    2025年10月22日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    中谷宇吉郎の『雪は天からの手紙』を読んだので積読していたこちらも。
    明治生まれの物理学者・寺田寅彦による随筆を、天文学者の池内了が編集したもの。
    茶わんの湯気や昆虫の思考、金平糖のトゲトゲから植物の不思議な構造、満員電車、妖怪、災害…などなど、身近にわんさか転がってる科学のタネがどんどん出てきます。
    自分、こんなに観察しがいのある物に囲まれていたんだなと再認識。
    夏目漱石との関わりも深く、登場人物のモデルにもなっているんですね。
    中でも「線香花火」は好きなエピソード。火をつけてからどんどん姿を変える線香花火は魅力的だし身近だし、研究するのにお金もかからない。いろんな人に「線香花火の研究やりなよ

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    2025年10月14日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    物理学者・中谷宇吉郎による数々のエッセイを、天文学者である池内了が編んだもの。
    1960年代の中学・高校の国語の教科書には、彼のエッセイが多く採用されていたと解説にありました。
    生い立ちから学生時代、恩師との出会いや実験物理学者としての研究などなど、幅広い内容で飽きません。
    その研究も、雪の結晶から飛行船の爆発事件、線香花火から立つ卵、はたまた透視や念写といったものまでとにかく盛りだくさん。
    寺田寅彦や湯川秀樹とのやり取りもおもしろい。人柄が想像できます。
    冬の北海道での疎開生活を描いた「イグアノドンの唄」は、子どもたちと過ごすお父さんの一面。
    辛い状況でもワクワクできる物語の力、さらにそれに

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    2025年10月14日
  • 重さと力 科学するってどんなこと?

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    「なぜ自分には重さがあるのだろう」という疑問を入口に、重さと力について考えを深めていく。

    「この世界にあるすべての物が、その重さぶんの力で、いつも引っぱりあいをして」いるというニュートンの万有引力の法則に楽しく出会えるし、そこから「科学する」とはどういうことなのかを学ぶことができる本になっている。

    「科学する」ー疑問にはじまり、仮説をもって想像し、実証という手つづきをへて、法則を打ち立てるーことの大切さを伝えると同時に、この本自体が「科学する」構成でつくられている点が魅力的だった。

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    2025年10月09日
  • 疑似科学入門

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    科学でない事物をまるで科学であるかのように見せる、いわゆる「疑似科学」を概説した新書。

    多岐に渡る得体の知れない疑似科学をざっと分類・体系化し、分かりやすくまとめている。大きくは下記の3種。

    第一種
     科学的根拠のない言説によって人に暗示を与えるもの。
     占い系、超能力・超科学系、疑似宗教系など。
    第二種
     科学的装いをしているが実体がないもの。
     永久機関、ゲーム脳・スマホ脳、マイナスイオン、健康食品、クラスター水、波動など。
    第三種
     科学的証明が困難な複雑系で、疑似科学と真正科学のグレーゾーンに位置するもの。
     地球温暖化への温室効果ガスの寄与、電磁波公害など。

    感想として、情報が

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    2025年10月05日
  • 物理学の原理と法則 科学の基礎から「自然の論理」へ

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    古典力学や電磁気学、流体力学から量子力学、相対性理論まで一通りの概念に慣れていると、読むとハッとする気付きがあった。

    ・原理や法則は理論の前提だが、実験や観測に裏付けされている。
    光速度不変の原理、等価原理。
    ニュートンの運動方程式、マクスウェルの電磁気法則。
    ・ネーターの定理より、対称性(変換に対する不変性)があれば不変な物理量、つまり保存則が存在する。
    空間の並進より運動量保存則。空間の回転より角運動量保存則。
    時間は一様よりエネルギー保存則。

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    2024年12月14日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    寺田寅彦が書いたエッセイと言うことで期待して読んだが面白いもの。1割後はほどほどという感じでした。ちょっとついていけない部分があった。

    2回目読み直した。1回目は星2つかなぁと思ったが、読み直すととても良い文章だなと思った。科学者ならではの視点でいろいろな現象を捉えており、「これは研究対象になるのでは」と言う表現が何度も出てきた。一般の人からすると、やっぱり少し変わってる人とも見えるだろう。でも、科学者とはそんなものなのかもしれない。

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    2025年09月17日
  • 疑似科学入門

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    2008年4月に発行された本です。私が手にしたのは2018年に印刷された第17刷でした。

    筆者は疑似科学を3つに分類しています。
    第一種疑似科学は、人の欲望や悩みにつけ込み、科学的根拠のない言説によって人に暗示を与えるもの。
    第二種疑似科学は、科学を援用・乱用・誤用・悪用したもので、科学的装いをしていながらその実体がないもの。
    第三種疑似科学は、「複雑系」であるがゆえに科学的に証明しづらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説で、疑似科学と真正科学のグレーゾーンに属するもの。

    何事も自分でしっかりと考えて、人の話を鵜呑みにしないことが大切だと思いました。

    カール・ポパーは、科学が有

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    2024年05月31日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    石川県を旅した際、行きたかった雪の科学館。今回は日数的に難しかったので次回の楽しみとし、中谷宇吉郎先生のエッセイを読むことに。ユーモアとウィットに富んだ内容に驚いた。気に入ったエピソードの一つは、摩擦電気の実験をしているY君が正しい実験結果を得るためにビーカーや皿を全部氷で作っていて、実験が成功したら「ひとつ氷のコップで葡萄酒の乾杯くらいはしても良いかもしれない」と。なんだこの洒落た感じは!季節の表現も詩的で素敵。「6月、大学の楡の梢に郭公が鳴き始めるとまもなく…そして白い日傘が、よくあざやかな緑の芝生の間に見かけられるような日がしばらく続く。それにもいつの間にか気がつかないようになると、もう

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    2024年01月20日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    息子が大きくなったら読ませたい本リストの上位です。どのエッセイも日常からの気付きに溢れていて、学びの本質を知ることができる一冊。

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    2023年09月04日
  • 疑似科学入門

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    今なお存在しているのが「相対性理論は間違っている」とする人 たちである。研究会を組織し(会誌まで発行されている)、アインシュ タインの特殊相対性理論を否定し続ける人たちの集団だ。おそらく 世界中で1000人はいると思われるが、自分たち自身が問違って いる(論理の誤解、計算間違い、思い違いなど)にもかかわらず、飽きず に主張し続けている。

    実際には、各社ともマイナスイ オン効果を厳密に実証しておらず、根拠は至って薄弱であった。 イナスイオンという言葉が客の気を惹きつけられることに目を付け て、こぞって売り出したのが真相だろう。事実、マイナスイオン効 果はあっても微々たるものでしかなく

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    2023年07月14日
  • 親子で読もう 宇宙の歴史

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    宇宙といってもとりとめもなく、どこから話したらいいのか。迷っている時にこの本に出会った。お父さんと子どもたちとの会話形式で、非常に読みやすい。親子で読もうというのがぴったり。夏休みに一緒に読むにも最適の一冊ではないだろうか。

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    2022年07月12日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    エッセイ集なので、軽く読めるかと思いきや、専門的な内容。筆者自身が体得されている「科学の愉しさ」が文章から滲み出ている。科学的な物の見方の入門書として最適。
    特に「立春の卵」での「少なくてもコロンブス以前の時代から今日まで、世界中の人が間違って卵は
    立た無いものと思っていただけのこと」で「今日にでもすぐに試してみることが大切である。」から、筆者の科学に対する姿勢がわかる。
    また「イグアノドンの唄」での子どもに伝説の怪物がどこかで、ひそかに棲息しているのかもしれないと語りかける姿から、科学者としてのロマンを感じました。
    とても人間味のあるエッセイでした。

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    2025年10月18日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    1世紀前に書かれた科学者のエッセイとしては親しみやすくも、現代に置いても老若男女に響く種々の命題を見つめている。
    満員電車の話などウィットに富んだ考察は面白く、津波への警鐘は、人々の意識が危機に対して依然として識者からは弛緩したものに写っているのか。

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    2022年01月09日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • 物理学と神

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    ひとつの学問が興り現代まで磨き上げられていく歴史の中で、神の概念がどう生まれどう捉えられどう利用されてきたか、という本。
    あとがきの狙い通り、物理学は門外漢の自分にもとっつきやすい話の流れになっていて興味深く読めた。
    特に6章の「人間原理の宇宙論」のあたりは、NHK子ども科学電話相談・長田美絵先生の名回答「ひとは星のかけらでできている(要約)」にロマンを感じたタイプにはとても面白かった。

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    2021年08月07日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日
  • 学問の自由が危ない

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    どの論考にも強い危機感が示されている。なかでも内田樹氏の論考はもっとも説得的だった。私が近年感じている「政権はまじめにやっていない」という印象はなぜ引き起こされるのか、これを読んで得心した。異議申し立てという人間の力を奪う数々の営みが粛々と進んでいる。

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    2021年02月28日