池内了のレビュー一覧

  • 疑似科学入門

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    宇宙物理学者の著者による疑似科学の入門書。といっても,疑似科学という学問領域はない。

    疑似科学的な思想や手法だけでなく,それに「はまってしまう」人間の心理が解説されている。が,著者は心理学の専門家でもなんでもないので,この点には注意。

    この本では疑似科学を第1種(占い・神秘系),第2種(統計の誤用・悪用),第3種(複雑系)に分類しているのがとてもユニーク。

    昨今の原発・放射線に関する様々な言説も,ここで述べられている第2種,第3種に分類されるような情報もかなりあるのだろうと思いながら読んだ。

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    2012年04月27日
  • 科学と人間の不協和音

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    科学者と普通の人の間に横たわるもの。科学者の研究欲を突き動かすものは「世界初」という言葉。軍事目的の研究でも「抵抗感を感じるだろうか?」科学者はどうして疑似科学に無関心なのか。

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    2012年04月01日
  • 疑似科学入門

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    科学とは?オカルト系のいかにもなものから地震予知などあまりに対象が大きすぎ、複雑すぎで仮説が林立しているものまで、信じるに足りるものかどうかを論じます。開運が「運が悪い時期が終わって運がよくなっただけ」だとちょっとサビシイですが。冷静に物事を見るということを学びました。

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    2012年03月08日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    今年になって寺田寅彦さんの名前や電車の法則などのエッセイの話を続けて目にする機会があり、いままで読んだことがなかったのでまず岩波少年文庫で読んでみた。

    短編のエッセーなので、読みやすく、話題もとても面白かった。

    なかに「津波と人間」という話があった。昭和8年3月3日の東北日本の太平洋岸の津波で沿岸小都市村落が多数の被害にあった話である。明治29年の三陸大津波から37年で人々の記憶はたちまちうすれ、同じような被害が繰り返される。

    その10年前に関東大震災を寺田寅彦も経験しているが、関東でも安政(1854~1860)の地震の経験は残っていなかったからこそ、また被害を受けたのだと書いている。

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    2011年08月17日
  • 寺田寅彦と現代――等身大の科学をもとめて

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    著者は、物理学者寺田寅彦氏の科学・芸術・文化に対する姿勢を明らかにしつつ、自らの「等身大の科学」と「新しい博物学」という考え方を紹介。
    冒頭から第四章まで、著者の持論について特に分かりやすく説明されています。科学教育は確かに大切ですね。

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    2009年11月16日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    雪の結晶の研究で知られる中谷宇吉郎のエッセイから、若者に読みやすいものを選んだエッセイ集。当時の北海道大学の低温室での研究の様子、科学のこころについて、読みやすい文章で科学研究の楽しさが語られており、理系の人だけでなく文系の人にもおすすめ。

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    2009年10月07日
  • 江戸の好奇心 花ひらく「科学」

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    小学歴史漫画の江戸時代の絵に振り袖のお嬢さん、丁稚坊や、職人さん、武士や町人がみんな算盤を持って和算の問題を解いている姿がありました。

    ヨーロッパの数学は、一部の階級の男子がするものでした。

    日本では江戸時代和算好きな農民は昼間働いて夜ワイワイ集まって問題を解いて、解けたら神社に算額を掲げてと。

    江戸時代の人々は、なんて自由で好奇心にあふれていたんだろう!
    と感激しました。
    小学生にこの素晴らしさが伝わると良いなあ~。
    と思っていました。

    すると、江戸の「科学」の本書が。
    そこは池内了氏の真面目おかしいクスクスしながらへぇーと感心してと。

    忘れては読み返しを繰り返して
    楽しみたい本で

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    2023年11月12日
  • 疑似科学入門

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    近代の科学は今ここの現実にしか興味を持たない。科学の誕生前には現実には変えることが有ると信じられていた仮想がいつの間にか変わって、現実が変わると信じていた世界全てが否定されている。科学が進歩し続ける以上、昔のように待っている時間を仮想には使わず現実化していってしまうのだろう。

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    2021年04月18日
  • ふだん着の寺田寅彦

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    ふだん着の寺田寅彦

    著者:池内了
    発行:202年5月20日
       平凡社

    日経新聞朝刊の連載小説は夏目漱石を描いた「ミチクサ先生」(伊集院静著)だが、数日前から熊本の五校時代の寺田寅彦が登場し、俳句で弟子入りした夏目漱石先生とのやりとりが始まっている。寺田はその後帝大へ進学し、日本の物理学者として歴史上の人物にもなった。随筆家としても有名。そんな寺田寅彦について、手紙などの資料から素顔を分析しているのがこの本。著者の池内了氏も、二つの国立大学の名誉教授でもある有名な物理学者にして、文章の達人でもある。お兄さんは昨年他界したドイツ文学者の池内紀氏。

    1878(明治11)年生まれの寺田寅彦は

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    2021年03月30日
  • 物理学の原理と法則 科学の基礎から「自然の論理」へ

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     タイトルに惹かれて手に取ってみました。著者の池内了さんは宇宙物理学者、いままでも科学・物理学の「入門書」を何冊も著しているようです。
     私は、こういった“入門書”はつい中身を覗いてみたくなるタイプなのですが、ほとんどの場合“手に負えなかった”という結果に終わっています。
     さて、今回はというと・・・。書評の中には、“「基本の基本」をわかりやすく伝授”とか“文系のための物理学入門”とかうたっているものもあったのですが、私の正直な印象としては全くそんなレベルの内容だとは思えませんでした。今回も惨敗です。

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    2021年03月18日
  • 科学の限界

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    科学の限界

    著者 池内了
    2012年11月10日発行
    ちくま新書

    炭鉱に入る鉱夫はカナリアを先頭にする。敏感なカナリアが有毒ガス発生を感知してくれるからだ。1995年のオウムの強制捜査でも機動隊が持っていた。ヨアヒムスターレルというチェコの銀鉱山では、ゴキブリがカナリアの役を果たしていたらしい。ゴキブリも感知するとパタバタと騒ぐため。著者の池内了氏は、科学者は「社会のカナリア」であれと主張している(「社会のゴキブリ」では誤解を招くとも)。

    科学者は、個人的な欲望や社会的な制約、圧力などで、必ずしも“正しく”科学と向き合っていない。成果を上げたい、成果を上げて研究費を獲得したい、理論より実

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    2021年03月17日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    茶碗の湯気から物理全体へ話を広げる。「ろうそくの科学」を思わせる。そのほか軽妙洒脱なエッセイ。今の中学生には難しいかな。

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    2021年03月05日
  • 疑似科学入門

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    前半は楽しい
    後半には疑似科学に騙されないための心構えが書いてあるが結局は、反証例を考えるクセをつけることだろう

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    2021年02月26日
  • ふだん着の寺田寅彦

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    物理学者の池内氏が、同じ物理学者の寺田寅彦の姿を論じる。学術的な面ではなく、家族とのこと、持病のことなどを寅彦の全集や周囲の人たちの残した文章などから描き出す。
    寅彦の死因は、若い頃にX線回析実験をしたことが原因かもしれない。という独自の推測もかかがている。

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    2020年08月21日
  • 科学の限界

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    池内了(1944年~)氏は、天文学者、宇宙物理学者。名古屋大学名誉教授。一般向けの書籍も多数執筆している。
    本書は、2011年3月の東日本大震災と原発事故が、現代の科学・技術における限界を露呈することになった翌年に出版され、「何が科学・技術の限界を決めているか、それは克服できるのか、克服できるとすれば現在の私たちに何が欠けているのか、克服できないとすれば今後科学・技術とどう付き合っていくべきなのか」について、“人間”、“社会”、“科学そのもの”という多角的な側面から分析したものである。
    内容は概ね以下である。
    ◆人間が生み出す科学の限界・・・人間の叡智である科学の進化に対して、技術の進化のスピ

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    2020年04月05日
  • 宇宙論と神

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    古代ギリシャや中国、インドの宗教的宇宙像から現代のダークマターやダークエネルギーが大部分を占めるという宇宙像に至る宇宙観の発展を、(キリスト教的な唯一)神と絡めて解説した本。
    少なくとも中世ぐらいまでは、宇宙の真の姿、システムを追求することが、今では科学と対置されがちな神の居場所を追い求める営みであり、その時々の社会情勢と互いに深く影響しあってきたのだということが読み取れて興味深かった。が、14章の人間原理についての記述には違和感を覚えた。人間原理とは簡単に言えば、宇宙が人間を生み出し得たという条件を用いることで物理定数の「都合の良さ」を説明する説である。筆者は、宇宙が、人間のような誕生して間

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    2020年03月16日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    冬の岩波少年文庫シリーズ。
    雪の結晶の研究で有名な物理学者・中谷宇吉郎のエッセイ集。
    
    科学の話といってもひとつも難しいところはなく、誰にでもわかるような言葉で研究のおもしろさを語っている。
    
    線香花火を「松葉」や「散り菊」と描写するなど、観察ですら文学的な文章。
    
    地球の形が、凹凸があったり、楕円形であっても、鉛筆の線の幅に収まってしまう円になることを数式をまったく使わず説明してみせるあたりも見事。
    
    雪の結晶、落雷、線香花火、霜柱、日常生活にある不思議を研究を通して解明できることをわかりやすく説明していてすばらしい。
    
    以下、引用。
    
    これは少したくさん刷りすぎた

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    2020年02月27日
  • 科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか

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    著名な天文学者による科学者・技術者向け反戦論。突き詰めるとそれはそうなんだけど,やはり一面的な見方だよなあ,という感想。

    それと感じたのは,この本は全く当事者への取材というのをしていないためにこういうことになったのかなってこと。
    机上で長年の持論を更に煮詰めて世に出しただけ,という感じが否めないのは,やはり弱点なんだろう。

    このくだりなど,たとえ実績ある立派な科学者でも,持論に有利なように事実をねじ曲げてしまう良い例かも。
    「劣位になった兵器は一度も使われないまま廃棄される…自衛隊が爆撃機を何年かおきに更新しているのが典型」p.79
    何の話だろう?自衛隊が爆撃機を運用したことなんて皆無なの

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    2019年10月16日
  • 科学と人間の不協和音

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    タイトル通り科学者のイメージや思いに対する不協和音が、いろいろな視点で語られている。
    科学というものが、皆の中で印象によって素晴らしくもあり、不確実なものとも捉えられてしまうのは仕方ないのかな。しかし、少しは中身を理解する意識がないと、結局自分が損をする気がした

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    2019年06月12日
  • 司馬江漢 「江戸のダ・ヴィンチ」の型破り人生

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    <目次>
    第1章  絵の道に入るまで
    第2章  街絵師江漢の誕生と成長
    第3章  旅絵師江漢
    第4章  窮理師江漢
    第5章  地動説から宇宙論へ
    第6章  こうまんうそ八
    第7章  退隠・偽年・偽死
    第8章  不信・無言・桃言

    <内容>
    分かりやすい司馬江漢の伝記。傲慢で偏屈で自意識過剰だった江漢の様がよくわかる。作品をあまり載せず、理系の江漢を前面に出す。

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    2018年11月29日