池内了のレビュー一覧

  • 疑似科学入門

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    科学という言葉は一種の仮定である。だから「科学的」と誰かが言ったところでそれが何を意味するのかということは本当のところわからない。

    この本で疑似科学と分類されている物は、宗教や占いといったもの、あるいは化学物質の名前が出てきてその効用がうたわれてる、しかしその科学的根拠があいまいなもの。あるいは極端な曲解を起こす様に科学的説明を用いている物である。

    そういうのは世の中に溢れかえっている。特に商品やサービスを売る「広告」というものにはその広告の規模を問わず疑似科学的なものがまじっている割合は結構高い。

    もちろん科学そのものが万能ではない。しかし騙されて後悔しないためには一定の科学的見方とい

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    2018年10月09日
  • 30の発明からよむ日本史

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    ネタバレ

    <目次>
    タイトルの30は、縄文土器・漆器・納豆・日本酒・城・かな文字・畳・和紙・着物・扇・日本刀・醤油・忍者・茶道・歌舞伎・浮世絵・握り寿司・ソメイヨシノ・俳句・乾電池・養殖真珠・八木アンテナ・胃カメラ・インスタントラーメン・新幹線・クオーツ時計・光ファイバー・自動改札機・カラオケ・青色発光ダイオード

    <内容>
    雑多な日本初の発明を、歴史的に追っていく。縄文土器や歌舞伎、浮世絵などのように完全に歴史的なものから、胃カメラ・光ファイバーのように、技術史的なものまで、一つ8~12ページほどでコンパクトにまとめてくれてある。日本史の授業の、文化や経済の所で、簡単に説明するのに役立つ。

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    2018年04月23日
  • 科学者と戦争

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    ●→本文引用

    ●軍事研究が科学を進めると科学者が誤認することである。科学は戦争によって発展したという人すらいる。しかし第4章で述べるように、軍事研究によって発展するのは技術であって、決して自然の法則を追い求める科学ではない。(略)軍事研究は軍需品の開発のために行なうものであるから、純然たる技術なのだ。

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    2018年01月14日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    印象に残った作品
    P51 電車の混雑について
    P180 津浪と人間
    P189 涼味数題
    P198 科学者とあたま

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    2017年07月17日
  • 疑似科学入門

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    疑似科学を3種類に分けて、それにまつわる問題について考察している本です。

    「第一種疑似科学」とは、人間の心理や欲望につけ込むもので、占い系、超能力やスピリチュアル、疑似宗教などが含まれます。「第二種疑似科学」は、科学を乱用・誤用・悪用したもので、「ゲーム脳」やマイナス・イオン、さらに統計の処理に誤りのあるものなどを指します。著者は、これらの疑似科学を信じてしまう心理などを明らかにしています。

    これに加えて本書では、地球環境問題や地震予知など、まだ理論や手法が確立しておらずデータの集積も十分でない分野で一面的な断定を下すような言説を、「第三種疑似科学」としています。その上で、こうした問題への

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    2017年02月12日
  • 科学と人間の不協和音

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    日本における「科学技術」という概念の分析が興味深い。基礎科学の理学部と技術開発の工学部の比率はおおよそ1対8が維持され、「科学技術」というのはもっぱら技術の推進を意味し、科学はその補完物とみなされてきたという。技術を科学の僕とみなすヨーロッパ、その反対の日本という指摘も重要。

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    2017年01月05日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    身近な疑問に対して、科学的な疑問を持つ。今読んでも、なるほどと思わせるものがある。満員列車には周期が有り、その後の列車は空く。

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    2016年12月24日
  • 宇宙論と神

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    「どうなのか?」「どうなっているか?」の解明は進みつつも、「なぜそうなのか?」については「神」以外の回答を持たない宇宙論。
    物理学同様、宇宙論にも「神」は遍在する。

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    2015年06月19日
  • 疑似科学入門

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    ネタバレ

    知覚エラーや記憶エラーを論じる部分(30頁ー)は,伝聞証拠の議論を思いだす。

    以下引用。
    「最も憂えることは,自分の頭で考えるのではなく,(神仏や人からの)ご託宣を何の疑問も持たずに受け入れてしまう体質になることである。……自分で考え決断して選択するという生き方を忘れ,私たちが社会の主人公であるという本来の民主主義から離れていくからだ。「観客民主主義」に堕していくのだ。」(22頁ー)

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    2015年06月07日
  • 疑似科学入門

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    疑似科学を3種類に分けて説明している本。疑似科学を無批判で受け入れたりしないようにするためのリテラシーは必要だとは思うのですが、なかなか難しいのかな。

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    2015年06月06日
  • 宇宙論と神

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    人文系学問のパラダイムが自然科学のパラダイムと相関があるというところが面白かった。19世紀、宇宙が自分の熱で燃え尽きてしまうという予想「宇宙の死滅」が唱えられたと同時期にニーチェは神の死を宣言していた。偶然なのか必然なのか。レヴィ・ストロースの構造人類学的な見方もなんとなく同時期の天文の見方に似ていたり。

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    2015年05月23日
  • 疑似科学入門

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    科学リテラシーを学ぶ上で本書をとった。擬似科学を1種から3種に分けてわかりやすく述べている。大学1年次の教養科目として科学への向き合い方について、学ぶことは必要であると考える。

    内容においては特に第三種の疑似科学の章における複雑系の概念についてわかりやすく書かれており、科学に向き合う上での真摯な姿勢について改めて考えさせられた。

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    2015年05月07日
  • 疑似科学入門

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    ネタバレ

    現代は疑似科学のまさに百花繚乱の時代であり、知らないうちに私たちの生活に浸透してきている。その罠にはまらないためにできることはないか。どうすべきか。を論じています。

    疑似科学というと、ゲーム脳や水伝(水からの伝言)などを連想するのですが、端から見ていると「こんなの引っかからねーよ」とは思うものの、いざ自分がこれまでにはないタイプのものに直面したとき、正常な判断を下せるか、というのがとても不安ではありました。常々思ってるのですが、テレビの情報やネットの情報はそのまま信用せず、まずは疑うことである、と再認識しました。

    ただ、「おみくじや占いなど罪がないもの」とはしているものの、程度は同あれ、こ

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    2015年01月28日
  • 宇宙論と神

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    2014/11/01
    神話的宇宙像から物理学的宇宙像へと、我々は2000年もの間、宇宙の認識論を展開してきた。本書は物理学者の立場から、その認識論の歴史を辿るエッセイ的内容である。

    短い新書の中で、多数の内容を盛り込んでくれている。一つ一つを、とても理解することはできないが、タイトルにあるように、神は何処に居るのか、神は何を為すのかを軸として時空を越えた神探しの旅を追体験できるというのが、本書の魅力だろう。

    以下、部分的抜粋を載せる
    ニュートンの重力理論では、近代科学の方法は、現象の記述を完成させることを目的としており、現象の原因を明らかにすることではない、という記述が出てきた。
    またブル

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    2014年11月01日
  • 科学の限界

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    この本は2年前に出たのですが、現代の科学に共通する問題を多く説明しています。STAP細胞以前の出版ですが、章ごとにその問題について考えさせられました。科学の中身については私は素人でわかりません。STAP細胞にしても、原子力についても、人文系の人間は、胡散臭さを感じても、中身を踏まえた批判ができません。
    いや、この著者がSTAP細胞についてどう考えているかなと思ったら、今日、みすず書房のPublisher's Review28が届き、巻頭のコラムに著者の批評がありました。本体『科学・技術と現代社会』、おもしろそうな本だけど、かなり値段が高い。

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    2014年09月12日
  • 宇宙論と神

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    人間がいかに宇宙を認識してきたか、神の居場所に絡めての宇宙認識の歴史。はじめは神話の世界からはじまり古代、中世を経て近代・現代の宇宙論までがコンパクトにまとめられている。望遠鏡が使われるようになってからの記述が多くなるが、科学的発見が多くなり、どんどん宇宙の見方が変わっていくのがおもしろい。もっともビッグバン以降はとても常識を越えているので理解度は相変わらずだが、平易に書かれていてわかりやすい。
    池内先生の後書きがまるで遺言のように感じるのは私だけだろうか。中日新聞で夕刊コラムも書かれているが、写真を見るとかなりお年に見えるのでちょっと寂しい気がした。

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    2014年05月23日
  • 宇宙論と神

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    古代の東西の宇宙観から最先端の宇宙論の歴史を振り返りながら、絶対神に肉薄してきたと思われながら、神が地上の神から、無窮の宇宙の神として遠ざかるように見えて大きな存在になっていくことを感じさせる。意外にも神話の宇宙観に今先祖がえりしているかも知れないと著者は主張しているようだ。ベルギーの司祭・物理学者ルメートルが1927年にビッグバンをなぞる宇宙卵説を唱えた!驚きであり、キリスト教会の開放性を感じる喜ばしい話。著者は神を信じていない?と思われるが、謙遜な思いで神の存在を容認している?のだろうか。神を追い詰めているように見えて、神の掌から逃げられないことを科学者は知っており、一番神を意識しているか

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    2014年04月17日
  • 宇宙論と神

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    古代から現代までの宇宙論のあゆみ。内容はごくオーソドックスで,「神」にこじつける必要性は乏しかった。一冊通してほぼ毎ページに神が出てくるのはかなり不自然で,記述は淡々としているのだが何かちょっと鬼気迫るものを感じてしまう。

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    2014年04月16日
  • 科学の限界

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    科学という方法論に対する客観的な考察であり、科学に振り回されるのではなく、いかに使いこなすかについての提案がされている。面白かった。

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    2013年02月11日
  • 科学の限界

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    3.11福島原発事故を受けて、科学をどうとらえるか。科学者のあるべき姿とは。そして市民は科学とどのように向き合うべきか。さまざまな限界を超え未来に希望の持てる「等身大の科学」を筆者は主張する。

    「科学」と真正面から向き合い、真剣に「科学」のあり方を考える時間をつくることができた。科学至上主義に対する批判や「地上資源文明」への志向など、共感できる点も多かった。
    文系の自分にとっては、自然科学の原理原則についての記述も、新しいことばかりで知的刺激を受けた。

    原発事故を受けて、私たちがエネルギー転換の分岐点に立たされていることは明白だ。利益優先や倫理観無視の「成長」ではなく、人間が自然とどう向き

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    2013年01月10日