「科学倫理の書だけでは決定的に欠けているテーマがあった。科学者および技術者が軍事研究に手を染め、戦争で人間を効率的に殺戮するための手段の開発研究に深入りしている問題で、これこそ問われるべき科学者・技術者の倫理問題と言えるはずである。…本書はおそらく〈科学者は軍事研究に手を染めるべきではない〉と主張する最初の本になると思っている」グローバル化が喧伝され、生き残るために倫理を置き去りにすることを当然としかねない現代、企業は儲けのために手抜きや不作為が常態化して安全性が二の次になり、政治は軍拡路線を拡大して貧富の格差の拡大を放置し、科学者の多くは研究費欲しさに軍事研究に励み、人々はお任せ民主主義になれてしまい、長期的な視点を失っている。このような時代にあって、著者は科学者の責任として、本書を書き下ろした。第一次世界大戦、ナチス期の科学者や日本の戦時動員体制から、安倍内閣による「防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度」の詳細、大学や科学者コミュニティの実際、AI兵器・ゲノム編集、デュアルユース(軍民両用技術)のあり方まで。若き科学者に向けて普遍的かつ喫緊なテーマの全体像をはじめて記す。
Posted by ブクログ 2022年11月30日
理工系の学生・研究員・大学教員はぜひとも読んだ方がいい。
研究倫理というと、研究不正に関するものが多いが、本書はタイトルの通り軍事研究に注目したもの。大学院の授業でもこういった話をされることはなかったが、知っておいた方がいい内容が多かった。
偉大な成果を残したハーバーが、率先して毒ガス研究を行って...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月09日
前半の1~3章はこれまでの知識を確認する形で目を通したが、第4章で議論している「安全保障技術研究推進制度」は重要な考察だと感じた.現役時代に多少の接触があった経験からすると、成果の公開について非常にハードルが高いと考える.p156での議論は小生の疑念をほぼクリアしていると感じた.科学者にとって情報の...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月16日
著名な天文学者による科学者・技術者向け反戦論。突き詰めるとそれはそうなんだけど,やはり一面的な見方だよなあ,という感想。
それと感じたのは,この本は全く当事者への取材というのをしていないためにこういうことになったのかなってこと。
机上で長年の持論を更に煮詰めて世に出しただけ,という感じが否めないの...続きを読む
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