池内了のレビュー一覧

  • 科学の限界

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    中世の世、純粋に科学のための科学であった物が、社会の発展、出口としての技術との共存を余儀なくされ、徐々に純粋な科学としての発展がゆがめられてきている。筆者は、現代の科学の限界を、社会と国家からの制約、商業化の制約、本来有する不確定性や不確実性の制約に由来するものと論じており、その限界を理解したうえで科学を捉えていくことの重要性を説く。

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    2013年01月06日
  • 科学の限界

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     池内先生が脳梗塞の中執筆したという本だけど,今までの彼の主張をなぞってる感じで無難な出来と思う。人間,社会,そして科学そのものに起因する科学の限界について考察。
     科学者なのにかなり科学に懐疑的なスタンスで,この点はやはりあんまり共感できない。相変わらず「疑わしきは罰する」という予防原則を声高に主張。温暖化はともかく,電線で白血病とか,低線量被曝とか。

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    2013年01月02日
  • 疑似科学入門

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    著者は著名な宇宙物理学者であり自ら書いている通り認知心理学の専門家ではない。但、職業柄論理的思考には慣れている筈。そんな著者が止むにやまれず筆を執った疑似科学批判。著者も書いている通り日常会話のネタとしての血液型談議や占いの類は特に問題あるまいがそれが不当利益を得る為の詐欺行為に繋がれば犯罪である。確信犯なら取り締まれば良いのだが昨今の国際情勢を見るにつけ疑似科学的言説が罷り通っている様に思えてならない。歴史や政治が科学でないことは理解するが宗教でもないだろう!無神論者の私にはあの狂乱狂騒が理解できない。

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    2012年09月08日
  • 疑似科学入門

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    ネタバレ

    疑似科学、すなわちエセ科学。
    著者は大きく3種類に分類している。

    ・占いなど、思い込みなどなどでどうにも変ってしまうもの
    ・健康食品など「いかにも」な感じを出しているもの
    ・正直よくわからないんだけど「○○現象だ」と言われて納得してしまっているもの

    共通して述べられているのが、なんとなく納得した気になって深く追及することを避けてしまう風潮への警告。
    自分自身がそのような傾向があるだけに、ぎくっとした。
    自分一人に害がなければよいと思ってしまうところもあるけど、とくに環境問題などでは各人が「まあいっか」と思っていることが世の中の動きになってしまうことだってある。

    対策としては、うのみにしな

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    2012年08月22日
  • 科学と人間の不協和音

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    科学者と一般市民との乖離の危機感をひしひしと感じる。◆◆科学と技術のハザマ。◆◆必要は発明の母から発明は必要の母への違和感。◆欲望と科学の共犯関係。◆役に立つ、スポンサーとの関係が、不都合な事実を出すわけがない。企業を裏切れない。◆◆私有化される科学◆◆科学者はコントロールできる◆◆科学への啓蒙よりも社会との緊張関係がいるのでは?◆◆鍵を開ける事に熱中してパンドラの箱を開ける科学者。◆◆科学と宗教の共通点3点。◆1.組織形態が同じ(科学〜科学者〜市民=神仏〜宗教者〜市民、司令官〜将校〜兵卒)◆2.ご本尊は

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    2020年07月27日
  • 科学と人間の不協和音

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    科学は文化で、技術は文明に資するものだというスタンス。なのだけれど、昨今は科学の商業化が進み、文化の高みを目指すような科学の研究がしづらくなっていること、そして科学者のモチベーションの或る種の幼稚さと、視界の狭さ。
    原発事故で科学と市井の人々の信頼関係に亀裂が入ったように、そんなことを聞くと、科学に失望したくもなりますが、終章の「地下資源文明から地上資源文明へ」は、短いページながら、とても納得できる内容でした。

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    2012年05月24日
  • 科学と人間の不協和音

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    ネタバレ

    原発事故に代表される、科学万能信仰の危うさはなぜ生まれるのか。
    科学者も普通の人間であるはずなのに、なぜ科学は暴走するのか。
    それが知りたくて手に取った。

    現代の科学が置かれている状況は理想郷ではない。

    「科学者が頭の中に常に思い描いていることは、いかに世界最初の発見をするかであり、もう一つは研究費をいかに調達するかである。」

    という一文が示しているのがすべてだろう。
    そのプレッシャーの中で科学は人間と乖離していくのだ。
    大学さえもが収支を勘定に入れることを要求されている現在、そこにモラルが入り込む余地はあまり用意されていないと考えられる。

    日本の科学者の数は80万人とも言われ、小学校

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    2012年05月03日
  • 科学と人間の不協和音

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    科学の限界。科学が科学に内在する自律した論理だけでなく、科学以外の論理や条件によって制限を受けることとして、この言葉が使われている。科学以外の論理や条件とは何か。代表的なのが、大学経営に経済論理が持ち込まれたことが挙げられる。法人化による予算の減少から、必然的に競争的資金という概念が生まれ、科学は近視眼的な実用の分野にしか重きをおかれなくなってしまった。このことに対して著者は強く競輪をならしている。「世界初」の発見、潤沢な研究費をいかに調達するか。科学者はいつもこのことから頭から離れない。加えて、スポンサーとなっている国や企業に対して、消極的な行動は取りにくくなってしまうという現状。科学と人間

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    2012年04月09日
  • 科学と人間の不協和音

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    普通のヒトは、昔も今も、科学への好奇心、自然法則への憧憬が希薄なもの。それは仕方ない。なぜならば、科学のプロになるのには時間も手間も、そしてちょっとは人並み以上の知能だって必要だ。そして、自分は科学に近しい「選ばれし人」と思っている人は、エリート意識を持ったりスノッブになったり、科学に無知な人を軽蔑しがちである。

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    2018年10月14日
  • 科学と人間の不協和音

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    東日本大震災とそれに伴う原発問題を経て、科学と人間(社会)が今後改めてどのように向き合っていくべきかを考えた本書。読み進めていくと、何とか主義 (例えば懐古主義)とか、何とか論(例えば生物機械論)とか何とかかんとか(例えばポストモダニズム、サイエンス・ウォーズ)といった専門用語が少し度を越して見受けられるため、またそうしたものに対して十分とも言える説明がないと感じる部分も多々あるため、文章に少し浮ついた印象を受ける。
    全編を通して一貫しているのは、「科学と社会はお互いもっとしっかりと向き合って対話をしていかなければならない」という論調である。そのあたりの対話が欠けているからこそのあの原発事故で

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    2012年03月20日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    リビングに置いておいて、時間を見つけては、一節ずつ読みました。

    科学する人の考え方や、批判の仕方なんかも感じられる本です。

    中学生以上向けといいながらも、少し精神年齢高くないと、読んでいられないのでは?

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    2012年03月18日
  • 疑似科学入門

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    思考停止は疑似科学崇拝へのファストパス。本書は巷にあふれている疑似科学を三種類に分類し、それぞれについて言及した上で、疑似科学に対して行うべき態度とは何かについて意見を述べている。本書の中にもあるが、疑似科学はこれからもなくならないだろうという考察は同意できる。知れば知るほど分からないことが出てくるのが科学であるし、それにつけこむ疑似科学の存在は科学という分野がある以上、なくなることはないだろう。この現実を前にして、私たちが取り組むべきなのはやはり「考える」ことなのだと思う。

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    2012年03月05日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    身近なものから、科学や物理(とわけていいのかすらわからないほど理科系が苦手)の話。とっつきやすい本ではなく、何回かに分けて読んだ。読み終わって感じたことは、科学では説明しきれない不思議なことが、生き物、地球では存在するということ。それを、著者も伝えたかったのではないかと思う。

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    2011年09月06日
  • 疑似科学入門

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    疑似科学と科学の問題点を論じている
    宗教、健康食品の販売、超能力、心霊現象
    のほかに 地球温暖化など複雑系にかかわる実証が
    難しいために発生するものも疑似科学として
    あげている (3つに分けているのがおもしろい)
    気がつかないうちに疑似科学に足をつっこまないように
    したいものだ
    とくに 自分の職業上疑似科学の片棒を担ぐ立場になる可能性
    があるので戒めて読んだ
    ミドリ十字のHIVの被害拡大も疑似科学のなせる業だろう

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    2011年08月07日
  • 雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集

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    この本の大元のエッセイを書かれた中谷宇吉郎博士って、以前 KiKi が同じく岩波少年文庫で読んで「しまったぁ~!!  この本はもっと早く読んでおきたかったぁ!!!!」と後悔(?)した「科学と科学者のはなし」の寺田寅彦さんのお弟子さんだったんですねぇ。  最初に「あとがき」から読んで、その一事をもってして俄然この本に興味を持った KiKi。  ついでに言うと、この本の後には「千夜千冊」の「雪」が待ち構えているわけですから、かなりの期待感で胸を膨らませながら、読み進めていきました。

    が・・・・・・・・

    正直なところ、中谷宇吉郎さんの文章には寺田寅彦さんの文章ほどには興味も感銘も受けなかったこと

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    2010年10月01日
  • 科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

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    これをぜーんぶ読んで、人にオススメするというのは
    大変なことだ・・・

    興味深く読めたのは、
    ・夏目漱石のはなし
    ・匂いの追憶

    とやはり少し興味のあるものしか読めない。

    もっと一般教養が必要だと感じた1冊。

    これがわかるようになったら
    世界ももっとおもしろいかもしれない。

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    2009年10月07日