綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ※十角館の微ネタバレを含みます
おもしろーーーい!!!泣
しっっっかり騙されたーーー!!!
やっぱり綾辻行人先生の小説を読むと、ミステリー小説を読んだなぁって感じするな…!
ミステリー楽しい……!!
テンポよく人が死ぬ!(言い方)から、ハラハラしながらどんどん読み進められるし、
文章も分かりやすくて、変な癖とか、くどさとかを感じないのと、
これいる?みたいな無駄に感じられる内容が挟まる事もないから、途中で集中力が切れたり手が止まる、みたいな事もなくて、サクサク読みやすい。
人間関係もちゃんと描かれてるんだけどあくまで主軸はミステリーで、バランスがとてもいい。
偉そうな言い方で恐縮だけど、ストレスなく読み進められるので、没入感ばっちり!
そして中村青司の建築物なんだからそりゃ仕掛けはあるでしょうって事前に分かってるのにちゃんと楽しめるのがすごい。
十角館、水車館、迷路館、人形館と通ってきたけど、飽きさせないのがまたすごい。
途中まで犯人は美琴と見せかけて…由季弥…!と見せかけて実は事故と見せかけて婚約者が生きていたパターンか…?!いや待てよ確か川原崎くんが「お前は…!」みたいなこと言ってたからもしや学生の中に動機を持った子がいたパターンか…もしくは十角館の時みたいに実は外部にいた福西くんが犯人というパターンなのか…?!そういえばイヤホンのくだりで紗世子怪しいな…と一瞬だけ思うも時系列表見ると完璧にアリバイあるしなー…これ誰が犯人だ???
と、しっかり振り回されて楽しめました!
旧館と新館で章が切り替わる度に、章のタイトル?に日時を入れないのかぁ、
綾辻先生じゃないかもだけどそうやって場面転換していく小説もあるけど、この作品ではそうしないんだなぁ(「第◯章 八月一日 am10:00 旧館」みたいな)、
そっちの方が分かりやすいのになぁとぼんやり思ってたんだけど
そんなことは絶対に出来ない!というトリックでしたね。なるほどな〜。
バシバシとミスリードされた上で、いろいろな謎とか伏線がしっかり回収されていくのが気持ちいい、、、!
伏線らしい伏線はもちろん、何気ないあれこれがこう繋がるのか……!と。
綾辻先生に騙されるのが楽しくて仕方ない。
なんというか、鮮やか!
最近別作者様の小説で物足りなさを感じたというのもあり、見事に騙されたあとの鮮やかで綺麗な謎解き、これぞ!待ってました!という喜びがすごい。
いま、島田荘司先生の御手洗潔シリーズも並行して読んでいて
館シリーズの「島田潔」というのは「島田荘司」と「御手洗潔」から名付けられていると前にどこかで読んだけど、
真犯人分かっても、警察に進んで進言したり、何でも世の中につまびらかにする事が善!みたいな正義感覚じゃないところも似てるなぁと。
追い求めるのは謎に対する真実のみ、みたいな。
かといって倫理観ぶっ壊れ(人が死ぬのを何とも思わない、放っておける)とかじゃないところも。
それにしても江南くんはなんというか…不憫……!
早く次も読みたいなぁ。おもしろかった! -
Posted by ブクログ
犯人当て自体はさほど難しくない。
先の話をとっとと読みたいので意図的に確認を放棄したが、「銅鑼のような音」に着目して整合性を紐解けば、作業量こそ多いものの犯人の仕掛けたミスリードは氷解する。
難易度だけなら水車館と同じくらい簡単だったかな。
特筆すべきはミステリパートの終了とともに始まる幻想小説パートだ。
倫典が娘に幸あれかしと願った末の妄執が創り出した固有結界と、それにより願いが反転して不幸を招く様が悲劇的。
固有結界のルールに背いた者が次々と命を落とし、最後には故人の倫典による壮大な仕掛けが時を越えて発動し、娘の幸福という正の願いにより誕生した固有結界を復讐に利用した犯人が裁かれ、固有結界が崩壊する……
ミステリパートのトリックにも、真の謎である「なぜあの人は死んだのか」にも、それらを内包する異界である時計塔の終焉にも……全てに時間というキーワードがかかってくる構成が非常に見事でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ館での殺人事件がおまけと言える。それぐらい本書には、重要で解くべき謎が別にある。
物語は書記を読み進める形で進行していくが、大して気にとめていなかったが何となく感じていた違和感が解決編で全て吹っ飛んでいく。さらに、スルーしていた手記の不審な点がとにかく大量に炙り出される。いや、どんだけピースとヒントをばらまいてんねん、と圧倒される。にも関わらず、館がもう1つ海外にあるといった真相には全く辿り着けなかった。ただただ完敗。すべての記述が伏線として機能していたと知った今、近いうちにもう一度読みたいと思う。面白いぐらいに違って見えてくるはず。 -
Posted by ブクログ
トリックと犯人自体は上巻の段階で推理した通りで、そこまで難解なものではなかった。と言うよりも、「ここが重要な暗示ですよ」という主張があまりに堂々としており、むしろ作者に意図して気付かされたかのようでもある。
しかし、だからといって底が浅いわけでは決してない。物語の大枠を掴まされた上でモヤモヤ感が残る。張り巡らされた伏線のすべてが、答え合わせの中で綺麗に回収され、モヤモヤ感が押し流されていく。その回収の美しさに感動すると同時に、明かされる悲しい真相には切なさも残った。
どこで推理させ、どこでモヤモヤさせ、新たな情報に何を感じさせ、答え合わせでどう思わせるか。そのすべてが綾辻行人の完全な支配下にあったのだと、崩壊する館のなかで思い知らされる傑作。