綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
館シリーズ読破中です。9作目。
館の中にいる人たちが皆、仮面をつけて集まる、不気味ながらも分かりやすい舞台です。そこでの殺人事件。仮面のせいで『誰が誰なのか分からない』
この『誰が誰なのか分からない』というのが特に良かったです。
これまでの館シリーズは空間ギミックがメインなことも多かったと記憶していますが、今回は『人の正体』という心理的なギミックが強めの印象でした。
読みながら「この人は本当にこの仮面の人なのか?」「入れ替わってないか?」などの疑心暗鬼が止まりません。
シリーズ恒例ではありますが、今回の館の主もまともではありません。
そこも館全体の「変な文化」を構成する要素となっており、上 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーを主戦場としてきた著者だけあって、作中に読者のミスリードを誘う記述が随所に見られ、それがほぼ無理なく機能して、作中で疑わしき(重要な)人物の印象がガラッと変わる。これがホラーとしてはかなり斬新な感じがしてとても面白かった。
超自然的な内容を扱うホラー作品ではあるが、それでも作中では”呪い(=災厄)”に対する論理があり、それが通っていると感じる。私が思いつく疑問にも作中でのやりとりで答えており、理不尽な感じがしない。登場人物も個性を持って努力や試行をしており、物語を展開するためだけの無意味にバカな行動や人物がいない。
端的に言って、私好みの作品だった。
物語の前半部分(上巻の多くの部 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3巻までかかった読書期間が嘘のように4巻一気読みすぎました…綾辻さんご本人が一番お気に入りの作品だそうですが、シリーズのファンの中では好き嫌いが分かれる作品だとか。
個人的には…好きだ…っ!でした。
読み始めの段階で厚さにビビったので、最初から気になった箇所を(読書生活で初めて)メモりつつ進めていったおかげか、頭の中は割とスッキリした状態で内容を読み進められました。
なので大体の伏線には気づけたんですが、やはり綾辻作品だけあって二重三重の伏線が張り巡らされていて全部まではやっぱり今回も気づけなかった…!
ただ、3巻までの段階で中也くんが何者なのかは気づけてた。これは自分でも何で気づいたのか不 -
Posted by ブクログ
物語の舞台はその名の通り、「迷路」のような構造を持つ館。この不思議な建築の中で、小説家たちが集められ、次々と起きる殺人事件。読者は、探偵・鹿谷門実と共に犯人を追うことになります。
しかしこの作品の最大の特徴は、「犯人当て」だけでは終わらない二重三重の構造にあります。特に終盤で明かされる**メタ的な仕掛け(=この物語そのものの成り立ち)**は、まさに“館シリーズ”の中でも異彩を放つ存在。読者が当然だと思っていた視点や構造を根底からひっくり返す展開に、驚かされる人も多いはずです。
また、館の構造そのものが「迷路」として読者の思考をかく乱し、物理的にも心理的にも“迷い込ませる”演出が効いています