南條竹則のレビュー一覧
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ネタバレ理由なき自殺願望者が集う、ロンドンの街。ボヘミアの王子フロリゼルは、悪の正体をつかむべくロンドンの夜を奔走する。
これも何も知らずに、文庫裏のあらすじだけ見てふっと借りた本(私はそれまで、スティーヴンソンは一冊も読んだことがなかった)。
で、すっかりハマってしまった。
とうにかく私は、こういう話が好きなんである。人間的な感情よりもむしろ、物語としての魅力が詰まった、軽妙だけど割りとこってり系の本が。
この本も読んでいて、会話や文章どころか、行間からも(!)物語の匂いがぷんぷんして、もう堪まらなかった。うーん、最高。物語の香りに酔えた一冊。
でも、多くの人が言っているように、最後がちょっとい -
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2025年下期の朝ドラのモデルとして、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の代表作を手に取りました。
改めて、日本の古典文学として認知されている「耳なし芳一」や「雪女」などの話を、外国人であるハーンが蒐集して公表したということに驚かされます。
光文社古典新訳文庫のシリーズだからでしょうか、訳文も読みやすく、すらすらと読み進めることができました。中にはイマイチ理解できないストーリー展開のエピソードもありましたが、現代では不自然に思えるような展開が当時は「ありうること」「恐ろしいこと」として人々に認識されていたのだな、と昔の文化・雰囲気に触れることができる読書体験でした。
タイトルから「ホラー話 -
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「狂気の山脈にて」読みました。
クトゥルー神話という、作られた神話の原点となる、
作家ラブクラフト氏による短編の傑作選です。
「ランドルフ・カーターの陳述」
「ピックマンのモデル」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「猟犬」
「ダゴン」
「祝祭」
「狂気の山脈にて」
「時間からの影」
の8作品、収録されておりまして、
表題作でもある「狂気の山脈にて」は、南極探検に行った先で、
人類を遥かに凌駕する文明を誇った”最先(いやさき)のもの”が、どのような
文明を作り、そして、滅んでいったのか。その架空の文明を描いた作品でした。
それ以外の作品も、人類が我が物顔で繫栄してい -
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アーサー・マッケン(1863~1947)、M.R.ジェイムズ(1862~1936)らとともにイギリス三大怪奇小説作家とも言われるアルジャーノン・ブラックウッド(1869~1951)の傑作集。芥川龍之介や江戸川乱歩も影響を受けた古典的ホラーである。高校生くらいのころに創元推理文庫の『怪奇小説傑作集1』で「秘書綺譚」を読み、最近岩波文庫の『芥川龍之介選 英米怪奇・幻想譚』で「スランバブル嬢と閉所恐怖症」という作品でこの作家と再会したのを機に、この傑作集を手に取った。
「空家」「壁に耳あり」「スミス―下宿屋の出来事」など、古い家屋にとり憑いた霊という常套的な設定が、安定した(?)恐怖を読者に提供し -
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2021年の新潮文庫の100冊。3年半積んでた。
様々なゲームやアニメの下地となっているクトゥルー神話。その原点をまとめた短編集。7篇収録。→
表題作「インスマスの影」が一番好き。ホラー×サスペンス。ハラハラした後のラストにはゾクリとする。上手すぎる〜!!
「異次元の色彩」もいい。寓話感がたまらん。
「ダンウィッチの怪」や「暗闇の出没者」は怖さが半端ない。ホラー感がすごい。
途中、あまりの不気味さに一旦読むのを→
やめようかなぁ、と思ったんだけど、最後まで読んだらまだまだ続きが読みたくなった。なにこの中毒性の高い世界観(笑)
とりあえず新潮文庫から出てるラヴクラフトは次の100選になっ -
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むぎゅん
はい、オスカー・ワイルド2冊目は怪談多めの短編集『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』
また、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家エイダの佳作も収録
特に表題作『カンタヴィルの幽霊』はかなりの傑作
ほんとワイルドってひねくれ者やなー
「童話集」は悲しい死で終わるのに「怪談話」はハッピーエンドかい!っていうね
はいはい、そして翻訳の方ね
これがもうびっくりするくらい見事にぜんぜん違う
まずもうルビが多いのよね
つまり小尾芙佐さんに比べて南條竹則さんの方が圧倒的に難しい漢字を多用してるんよね
「童話」と「怪談」っていう物語性の違いだけではないと思われるほど圧倒的
それに小尾芙佐 -
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ネタバレひとりごと
懐かしくて購入。
ラヴクラフトの日本初の全集が国書刊行会から出たのは私が学生の時。いまだに持っているが、装丁も何もかもよかった。お小遣いも少ないので親に前借りして購入したほど。
まだ荒俣宏氏も団清二というペンネームであったときのような。あの頃、紙袋二つを持ってお茶の水古本街ですれ違ったことがある。
荒俣宏氏が、海洋関係の仕事の昼休みに翻訳をしているとかいろんなことが書いてあったチラシ?みたいなもの、どこに行ったかな。
要するにまさかラヴクラフトが文庫なんて思わなかった時代である。
当時、本は文庫でいいのか!みたいな質問にいろんな作家や評論家などが書いていた小冊子もあったな。
そ