南條竹則のレビュー一覧
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20世紀アメリカ。ラヴクラフトの暗黒神話。クトゥルー(邪神・発音できないのが目的なので便宜上)
神話、短編8作。
「狂気の山脈にて」
冒険ありの怪奇小説。
南極大陸の探検隊が、驚くべき発見をする。
独特な進化をした大型生物の化石群。
広大な都市跡。
人類史よりも古く、壁画に謎の文明の歴史を残す。
栄華を誇っていたその文明の崩壊は、下等生物の反乱か。
しかし、隊員隊は、未知の生物の復活により危険が迫る。
脱出できた隊員達は、この危険な場所を秘密にする。
なかなか大作で、込み入って、同じような表現がぐるぐる出てくるので、上手く説明できません、が!
2017年ドラえもん「南極カチコチ大冒険」が、オ -
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初心者が噂のクトゥルーを読んでみるぞ三冊目!
今回は「ハイファンタジー」も含む一冊で、前二巻とはまた毛色が違っている。
不気味で湿度の高い陰気な屋敷や町並みが展開する一方で、夢の中で幾度を旅するきらびやかなファンタジー世界も作者のなかに広がっている。
個人的な読書体験になるけれど、直前に『文豪怪談傑作選 妖魅は戯る』(ちくま文庫)を読んでいた。
夏目漱石の「夢十夜」に連なる「夢」をもとに描いた作品を中心に収録した一冊で、
独特な夢日記を展開する中勘助、うす暗さと怪談味を帯びる内田百けん、見た夢をその都度分析する寺田寅彦と、
「夢」の世界、「夢」への向かい方、作品の描きかたなど、それぞれの個性 -
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業績として人物を語るならば、ラヴクラフトは偉大な人かもしれない…とひとりごちつつ、「狂気の山脈を登攀する」みじめとしか言いようのない心境になっていって、最後、3割を残して名誉ある撤退を決意。
これも読書だと自分なりに判定して。
とてつもない著作群を執筆した人物らしいが、趙がつくほどの叙述的文体は長時間読み続ける精神力が続かない(むろん体力も)
そうでなくても、近年と身にはやって居rというか、主流になっている、ショートセンテンス、酷いものになると頁の6割程度にパラリとちりばめられたかのような文体、文章構成が増えている、しかもも自分も慣れている
愚かしい現状では、よほどのマニアックな方でないと読 -
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英国生まれの古文書学者で、聖書学者で、そして怪談作家という異色の経歴を持つ作家、M.R.ジェイムズ。元々作家志望ではありませんでしたが、生来の怪談好きが高じて創作怪談を自作しては茶話会でそれを朗読し披露していました。
処女作である怪談集も、本来の目的は親友の絵を世に売り出すことだったのですが、その出来が評判を呼び、怪談作家としての地位が確立されたのです。
本書は処女作である『好古家の怪談集』の南條竹則氏による新訳本です。ラヴクラフトの作風に影響を与えたとされるのも尤もで、所々で後のクトゥルフ神話を思わせる表現が出てきます。
ブラックウッド、マッケンとともに近代イギリス怪奇小説の三巨匠と -
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ヴィクトリア朝時代の英国ウェールズに産まれた稀代の作家アーサー・マッケン。牧師の子であったがアーサー王伝説の色濃いウェールズで育った故か、神学と同時に隠秘学(オカルト)にも傾倒し、前期はケルト神話やギリシア神話をモチーフとした幻想的な怪奇小説を連続して発表したが、いずれも当時の価値観に合わず「不道徳な汚物文学」として批判された。
本書は翻訳家である南條竹則による「彼岸」と「女性」をテーマにしたマッケン作品の選集である。
以下、ネタバレ無しの各話感想。
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『白魔』
緑色の手 -