南條竹則のレビュー一覧

  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

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    幽霊譚など怪奇幻想もの。小説の構造として奇妙なものも多いんだけど、文章の密度というか、ビジョンというか、雰囲気がすごく良くて、怖いというよりも、物語がしみじみ心にしみてくる感じ。

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    2012年10月13日
  • 新アラビア夜話

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    ネタバレ

    勧善懲悪というか信賞必罰が貫かれているので
    読後にモヤモヤせずに済む。
    また狂人が出てくることもないので、感情移入もしやすい。

    読むにあたって知っておくべきこともないので、
    頭を使わずに読める本として非常に面白い。
    ただ読後に何か考えさせられる本か、というと違うと思う。

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    2012年09月09日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    まずタイトルがいい。どんな物語が始まるのか期待して読んでみたら、まぁ奇想天外な冒険活劇でした。
    物語の面白さもありつつ、哲学的とゆーか、作者の思想が濃く盛り込まれていて、よくわからない部分もあったんだけど、それでもおもしろく読めた。キリスト教の知識があればもっと面白いのかな?っと思ったけど、楽しめる小説でした。

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    2012年08月01日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

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    ショートハウスが出てくる作品を主に集めた短編集。
    ゴーストが主だけど、人狼的なもの、吸血鬼的なもの、バラエティに飛んでいて面白く、すぐに読み終わってしまった。何度でも読み返したい本。

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    2012年12月23日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

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    表題作他10編の、英国式古典的怪談集。
    蝋燭の仄明かりを頼りに暗がりを進んで行くと、
    フッと何者かの顔が視界に飛び込み、
    またすぐに消えた……が、
    それが何だったのか、説明がつかないまま終了――とか。
    このモヤモヤ感が堪らない。
    本体が死すとき、
    その分身(投影、あるいは副産物)も共に滅びる、
    という「スミスの滅亡」や、
    牙を剥いて生き血を啜る典型的なタイプではない吸血鬼の話
    「転移」が特に面白かった。

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    2017年12月14日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

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    ・私がアルジャノン・ブラックウッドですぐに思ひ出すのは短編「柳」である。これは超のつく有名作で、ブラックウッドにつ いて書く時には、誰もが必ずといつて良いほど言及する作品である。あの自然の怪異と畏怖には圧倒的なものがあり、一読讃歎、彼の代表作と いふにふさはしいと思ふ。同じく、「古い魔術」も彼の代表作であり、実に多くの人がこれに言及してゐる。もしかしたら猫好きな人には愛憎 半ばする物語かもしれないが、あの紛れ込んだ世界の実在感もまた圧倒的である。ブラックウッドは多くの怪奇幻想小説を書いた。この2作以 外にも優れた作品が多い。生まれは1869年、日本では明治元年になるのであらうか。30代終はりに

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    2012年03月25日
  • 秘書綺譚~ブラックウッド幻想怪奇傑作集~

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    ジム・ショートハウスもの11本。

    怖さというより、どちらかというと、不思議だったり薄気味わるかったり。
    芥川龍之介や江戸川乱歩が絶賛したというのも、さもありなん。
    「秘書奇譚」など、芥川「魔術」への影響を感じる。

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    2012年01月22日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    一時期光文社の新訳文庫にハマっていた。その中の一冊で、とにかく平易。
    秘密だと思っていたことが実は。。外側からではわからない事実って恐いよな

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    2011年07月28日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    この世の終わりが来たようなある奇妙な夕焼けの晩、十九世紀ロンドンの一画サフラン・パークに、一人の詩人が姿をあらわした。それは、幾重にも張りめぐらされた陰謀、壮大な冒険活劇の始まりだった。日曜日から土曜日まで、七曜を名乗る男たちが巣くう秘密結社とは。

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    2011年05月23日
  • 人生はうしろ向きに

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     前向きに生きていないことにかけては、そこそこ及第点だと自分なりに思っていたのだが、他人に聞くと「そうでもない」という。「かなり正常な人生でしょ。」
     まぁ、それならそれでいいけれど、南條竹則の新刊『人生はうしろ向きに』(集英社新書)などというタイトルの本に手を出すという行為は、そういう事情ゆえ、どうにも我ながら物欲しげで、嫌なものである。それでも読んでしまうのは、私が単に南條竹則の本が好きだという理由にすぎない。そして、この人の懐古主義、未来否認はそもそもの十八番なので、その点では生理的な共感以外に感想はとくにないわけだけれども、この人のいい点は、他人の褒め方がうまいという点である。オマージ

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    2011年05月19日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    題名に即効で惹かれた。
    「木曜日だった男」って、もうほとんど勝ち逃げのようなものだ。
    内容が気にならない方がおかしい。

    期待は裏切りません。
    むしろ想像していたよりもずっとアクションに飛んでいて、冒険活劇で、ドキドキしてワクワクしました。
    なんか映画でいうと「アメリ」みたいなのを想像していたので(どんな話だよ)、それがどっちかというと「ロード・オブ・ザ・リング」みたいだったとは驚きでした(どっちかっつーとだよ、どっちかっつーと)。

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    2011年04月13日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    ネタバレ

    こういった内容の本のジャンルを何て表したらいいかわからないが、冒険物とだけ言っておこう。まず冒険への入りの部分で、無政府主義者のグレゴリーと法・秩序を重んじるサイムのやり取りが面白かった。そこから展開される数々の困難も非常におもしろかったが、この世の信頼が全て崩壊していると思われる瞬間が一番絶頂だと思った。
    また人物を曜日で表現していたのを見て、ワンピースのバロックワークスはこの本を参考にしたのではないかと感じた。
    結局のところ日曜日は何者だったのだろうか・・・

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    2011年02月08日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    逆説に逆説を重ねたら、ゼロだ
    逆説の積み重ねで成り立つ世界は、虚無の観念に覆われている
    主人公ガブリエル・サイムは、「詩的直感」という名の奇跡、もしくはあてずっぽうで
    虚無を現実化しようとする陰謀、すなわち無政府主義者の世界に切り込んでゆく
    しかし・・・

    まさしく終わりのない悪夢のような小説だが
    最終的に、「ただ生きていくこと」の幸せが暗示されることは救いだ

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    2010年11月17日
  • 新アラビア夜話

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    イギリスの最も素敵だった時代にぴったいの不思議なおとぎ話。
    なんてことはないきっかけが、一夜のうちのめくるめく冒険に変わっていく…。
    これで思い出したのが、以前友人から唐突にもらった坂田靖子氏の
    漫画。(彼女はとにかくイギリスの最も素敵だった時代を描くのがうまい)日本では20世紀、漫画・コミック文化が華やぎこのようなお話にはたくさん恵まれているため、逆に重宝されないジャンルかもしれない。しかしイギリスならでのブラック・ユーモアは、一読の価値あり。

    クリームタルトが食べたくなる。

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    2010年05月10日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    チュンソフトという会社の出したゲームに、「街」というサウンドノベルがあった。ザッピングシステムや、一人の主人公の行動が他の主人公の物語に影響を与えるシステムなど、画期的・先進的・かつ面白いゲームだった。

    その中に、各構成員が「金曜日」などの曜日の名前を持つ秘密結社?に主人公が参加するという話があった。その元ネタこそがこの本、G・K・チェスタトンの「木曜日だった男」である。

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    2009年12月06日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    The Man Who Was Thursday
    1905年、今から100年以上前の作品ということですが、小説として本当、すごくすごく面白かったです。思想的にも話の筋も痛快で、表現や人物のちょっとした台詞なんかも大好き。時代背景も興味深いです。形式的に楽しい探偵小説とも言えるのですが、考えるべきことも山ほど与えてくれます。賢さとユーモアの同居。この話はリズムがあるから読みやすい新訳もナイスです。良い時間を過ごさせてもらいました!

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    2010年01月22日
  • 木曜日だった男 一つの悪夢

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    痛快で不思議な冒険活劇!いい刺激になりました。それにしても人物を曜日に例える斬新さとか次々見えてくる真相とか、チェスタトン読むの初めてだったんですがはまりそうです。

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    2009年10月04日
  • 白魔(びゃくま)

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    非日常に実在を見、日常をまやかしと見る。
    どの作品も日常の生活に隠されて見えない実在(聖や魔)に登場人物たちが引き込まれていく物語。
    直接的な描写はなく、あくまで「何か違うもの」に対しての象徴や予感を静かに描く。
    物語としてははっきりしないものが多いが、見えない真実、本当の生きる意味、どこかにあるという確信のもつやさしさ。
    わけがわからない不気味さと共に、何故か癒される作品群。

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    2009年10月04日
  • 新アラビア夜話

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    『自殺クラブ』は子供のころにあかね書房のシリーズで読んだっけ。懐かしい!訳文も小説の世界を壊さない、実に雰囲気のある訳文だと思う。それにしてもフロリゼル王子の行く末がなんとも・・・

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    2011年09月16日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    敬愛すべきラヴ・クラフト氏のクトゥルー神話傑作選。
    アウトサイダーをはじめとするクトゥルー神話の短編集。

    クトゥルフ神話TRPGの世界観に惹かれ購入してみた。

    結果、私には早すぎた...

    情景説明のオンパレード、根源的恐怖を引き起こすはずの緻密な描写は私の想像力不足で読み切れなかった。ラヴ・クラフト師よ、すみません...

    しかし、描写の節々から感じる圧倒的世界観・内包するであろうおぞましさは一級品。

    これは世界観を抽出した二次創作が流行るのも頷ける...そう感じました。

    皆様もその素敵な想像力でこのコズミックホラーに挑戦してみてください...

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    2025年11月29日