南條竹則のレビュー一覧

  • カーミラ~レ・ファニュ傑作選~

    Posted by ブクログ

    古典吸血鬼小説の名作。
    短編ながら世界観の作り込みと女吸血鬼の耽美で病的な雰囲気が退廃的でとても好き。

    しかし少々駆け足気味に物語をたたみ、謎が残ったまま放っておかれるのがなにかむず痒い。

    0
    2025年11月14日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初クトゥルー神話。独特の雰囲気で、唯一無二の気味悪い世界観を丁寧に構築している。
    個人的にベストは「闇にささやくもの」と「インスマスの影」。

    ○異次元の色彩
    隕石の落下によって変質していく郊外の土地と、そこで暮らす一家の悲劇を描いた物語。主人公である測量士の語りによって、農家の井戸の近くに落下した隕石から放たれる「異次元の色彩」が、土地と生物、そして人間をも侵食し、徐々に正気を奪い、破滅へと導く様子が描かれる。

    ○ダンウィッチの怪
    マサチューセッツ州のダンウィッチ村で、妖術を操る一家の血を引くウィルバーという少年が、人間離れした成長と行動を見せる怪奇譚。ウィルバーは人智を越えた怪物を呼び出

    0
    2025年09月22日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ラヴクラフトの後期の短編集。
    クトゥルフ神話の大きな3分類、宇宙からやってくる恐怖、古の神々と人の生活、愚か者が痛い目を見る話がそれぞれ楽しめる。
    新訳でもやはり読みにくくはあるけれど、それでも読みやすい、どの修飾がどの名詞に繋がるのかはわかる。
    アウトサイダーは誰だったかの本でも紹介されていて、再読してもやはり面白い。恐れの対峙なのか、不明を納得することなのか、輪の中心は元からないのだとなんだか納得する。
    好きなのはアウトサイダー、無名都市、べつの神々、忌まれた家、魔女屋敷で見た夢。

    0
    2025年09月04日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    近年各方面に広がっているクトゥルー神話の原典から、有名どころをピックアップした作品集。名前だけ知っていたけれど、詳細は知らない、といったものを一通り読めるという意味ではとても助かった。
    ただ、やはりアメリカンホラーはあんまり私の趣味には合わないらしい…。

    0
    2025年07月20日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    クトゥルー神話傑作選。

    TRPGやゲーム、漫画などでよく見るけど原作は未読だったので読んでみた。

    表題のインスマスの影がなんだかんだ一番好きだったかも。

    名状し難い冒涜的なものに近づいてしまう人間の描写がじわじわくる恐ろしさ。

    ニャルラトホテプ、めちゃくちゃ短い!

    ショゴスとかミ=ゴとかうっすら覚えてるのが出てくるとテンション上がる。

    他の話も気になる。どこまで設定とかあるのか色々調べてみようかな〜。

    0
    2025年05月18日
  • 怪談

    Posted by ブクログ

    森鴎外を読んで、ちょっぴり日本の昔の話に興味が出てきたので本作を手に取った。再読。
    1作目の耳なし芳一がとても良い。平家の恨み悲しみが伝わってきて涙しそうになった。怖いけど物哀しい。これぞ日本の怪談話。素晴らしい。
    一方でむじなや雪女はコンパクトに纏められており、外国人が書くから淡白なのかなぁと感じた。ハーンの英文を日本人が翻訳しているため不思議な感覚はある。日本の文化や風習、民族性が表現され、現代人の私が読んでも気づきがある。よく書き残してくださったと感謝する。

    次の朝ドラがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻セツの話らしい。この春に松山城を訪れた際に知った。どういった経緯でハーンが日本を

    0
    2025年05月17日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    クトゥルフ神話の短編集。
    このシリーズは独特の世界観を頭の中で確りと想像ししながら読まないと、何が起きているのか分かりにくい。一つ一つの文章が長く、また、肝心な部分があえてぼかされたりするので、何度も行ったり来たりしながら読むことになった。前回読んだインスマスの影のほうが、世界観の描写が分かりやすく楽しめた。

    0
    2025年05月07日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    新潮文庫の傑作選、3冊とも購入したものの、読む順を盛大に間違えました(これが3冊目)が、短編なので問題なしということにしましょう。

    同じ作者の作品なのに、一気読みしてしまうようなものと、なかなか読み進めるのが困難なものとが混在している短編集。

    「アウトサイダー」や「忌まれた家」、雰囲気変わって「セレファイス」が好きかな。

    相対しているものの性質上、致し方ないのかも知れませんが、オチが似ているように感じてしまいました。
    話の雰囲気は違っても、結局人は何の抵抗も出来ず、怪しい家は崩壊して主人公は死ぬか気が狂うかして終わるという。

    だからこそこの世界観が広がった面はあるだろうし、サイコロとい

    0
    2025年02月15日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    具合のわるいときに見る悪夢を次々と見せられてるような、そんな不可思議な短編群。
    悪夢具合は楽しいけど、過剰で不必要に丁寧な情景描写が多くて、読み進めるのがちょっとしんどかったかな。
    個人的に好きなタイトルは『ポラリス』。虚無な日常に残酷な悪夢を見せられたのか、はたまた長い長い悪夢に囚われ続けているのか不明瞭な様がとても良かった。

    0
    2024年10月14日
  • 中華文人食物語

    Posted by ブクログ

    本番の味もいいかもしれないが、自分にはローカライズされたなんちゃっての方が舌に合うかもしれないと思った。

    0
    2024年09月23日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    初ラブクラフト。なかなかいい!この暗い、奇妙な生き物が出てくる感じの世界観好み
    が、クトゥルフ出てこなかった…

    0
    2024年09月23日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    クトウルー神話傑作選
    苦手なラグクラフトですが
    これは 全15編の短編集なので 
    思いの外楽しめました

    「アウトサイダー」 1926
    廃墟となった広大な城
    城の外はどこまでも続く森
    空をみたい
    塔を登り続ける
    自分が映し出された姿に驚愕する
    アウトサイダーは、誰だ
    人間社会に居場所を持たぬ存在の孤独

    「無名都市」1921
    アラビアの砂漠の奥地
    名前の無い都市
    アラビア人 アルハザート 架空の人物
    ネクロノミコン 架空の書物
    これらの詩が引用され 全体的に悪夢的
    私は一人無名都市にたどり着く
    そこには朽ちた神殿
    天井は低く 地下へと続く
    壁画には爬虫類系の生物
    人類以前の文明の歴史絵巻→狂気

    0
    2024年09月22日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    寂しさや不安から来る孤独や一人ぼっちの孤独なら分かる気がする。17人の作家陣の考える孤独と孤独へのアプローチが様々で、孤独って奥が深いんだなと思った。想像力や創造力を生み出す有意義な孤独を味わいたいと思った。

    0
    2024年09月14日
  • 狂気の山脈にて―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ラヴクラフト初体験。
    クトゥルフ神話の生みの親。ホラーが苦手ではあるが、これだけ有名な作品群なのだから一度は手に取ってみないとと思い挑戦。

    本作は表題作「狂気の山脈にて」と「時間からの影」という中編2篇を含む8篇から成る。
    真っ先の印象としては、ラヴクラフトが創出する恐怖を恐怖として堪能するためには、かなりの想像力が必要だなということ。
    卓越した想像力の結果を余すところなく文章に落とし込むので、それを再構築するのにだいぶ骨が折れる。
    おそらくホラーにはホラーを読むスキーマが必要なのだろうが、怖いの嫌いな私はそんなものもなく、ただひたすら彼の記述からイメージを構築する。
    ただ、私が再構築したイ

    0
    2024年08月25日
  • 中華文人食物語

    Posted by ブクログ

    さすが南條先生、東坡肉と蘇東坡の関係から、きっちりと中華料理の歴史や由来を、味わい深く解説してくださる。読み終わってから、あ、これ新書版読んだやんかと思い出したが、追加エピソードもはいっているのでヨシ!

    0
    2024年08月18日
  • アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    原文がそうなのか翻訳のせいなのか、装飾過剰な文章を読んでいる内に内容を忘れてしまい、どうにも読みにくい。

    0
    2024年07月31日
  • 知りすぎた男

    Posted by ブクログ

    イギリスの上流階級に属し、国際情勢や政にも精通している知りすぎた男ホーン・フィッシャーが関わる連作短編集。「ついて来れるか」というチェスタトンの意地のようなものも感じる手強い作品。単純明快な切れ味鋭い推理ではなく、読者自らが文の中から真理を紡ぎ出し、推理を咀嚼し、自身を納得させなければならない。全て理解できたとは言いがたいが、一つ二つビビッときた作品もあり、必ずしもつまらない作品などではない。いや、もう本当ブラウン神父ものって優しかったんだな、と痛感する。

    0
    2024年07月08日
  • カーミラ~レ・ファニュ傑作選~

    Posted by ブクログ

     「緑茶」と「カーミラ」は随分前に読んだことがあるが、細部は覚えていなかったので、ほとんど初読のようにして読むことができた。

     「緑茶」は、読み終えてもスッキリしない。 ”あいつ” は一体何だったのか。なぜ現れたのだろうか?

     「カーミラ」が何者かは早めに見当がつくが、今回読んでみて思ったこと。「あなたはわたしのもの。わたしのものにしてみせる。あなたとわたしは永久に一つ。」というカーミラのローラに対する言葉があるが、この言葉を字義通りに取れば愛の台詞そのものだ。このほかにもローラへ向けるカーミラの視線、態度など、本作には同性愛的な表現がたくさんあることに、改めて気付かされた。

     本作には

    0
    2024年06月03日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    十人十色の「孤独論」とあるが、実際に20人近くの知識人、著名人による寄稿の寄せ集めなので、ダイジェストとしての読み応えはあるが、全てが皮層的で浅い。なんだか格言や至言を探し出したり、その言葉の周辺を少しだけ肉付けしたような文章。それでも思考のきっかけを得たり、脳内に連鎖して考えさせられるのだから、読書は面白い。複数人分を読んで、余韻で考えるのが、私自身のオリジナルな「孤独論」というわけだ。

    人は、社会的分業をしているために完全な自給自足にはなり得ない。また、直接会話をする相手がいなくても、本や看板など、目に入る日本語は、その集団に帰属している証拠。ゆえに言葉が分からぬ海外での孤独感は一層強ま

    0
    2024年05月25日
  • カーミラ~レ・ファニュ傑作選~

    Posted by ブクログ

    土地柄でどうしても英国怪談と比較されそうだが、ときとして民話を思わせる、濃厚な土着性はあの手の洗練とは一線を画すもの。むしろロシア怪談あたりに近い手触りですかね。白眉の「カーミラ」もそういえば吸血鬼も本場はあちらだよな、とそんなことを思わせる。古典新訳と言うことで、レア作に拘らず、よく知られた作を集めてあるのも高評価。

    0
    2024年01月26日